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生計を一にする(せいけいをいつにする)とは?
『税務における「生計を一にする」要件の可否判断』 清文社 藤本純也・草木隆行・三宅直樹
税金の世界ではよく「生計を一にする」ことが論点になってきます。
例えば、扶養控除、配偶者控除、寡婦控除、雑損控除、医療費控除、保険料控除、小規模企業共済、
専従者給与、譲渡所得の特例、小規模宅地特例などに係ってきます。
これだけ多くの論点に係ってくる「生計を一にする」ことについて、Q&A方式で書かれた本書を読んでみました。
どのような家族(配偶者・六親等内の血族・三親等内の姻族)を「生計を一にする」「生計を一にしない」と判断するのか?
20頁に書いてある実務的な判断基準が重要です。
①独立して生計を営んでいるか、生活費を負担しているか?
片方が他方の生活費を工面している場合「生計を一にしない」とは評価されにくくなります。
②家屋の居住状況はどうか?
自由に往来が可能で玄関や台所が共有である場合「生計を一にする」と評価されやすくなります。
③電気・ガス・水道のメーターの設置状況、電話の使用状況はどうか?
それぞれの居住スペースごとにメーターが設置され、電話もそれぞれ設置されていると「生計を一にしない」と評価されやすいです。
④住民票や国民健康保険上の世帯はどうなっているのか?
同一世帯内であれば「生計を一にしない」とは評価されにくくなります。
⑤不動産登記はどうなっているか?
同じ建物に住んでいても、区分所有で不動産登記も別個になっている場合は「生計を一にしない」と評価されやすいです。
⑥家賃等を支払っているか?
同居している者から家賃の支払いがあれば「生計を一にしない」と評価される要素の一つとなります。
- 内田
- 2015年3月14日
- 税務・会計・経営
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