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レビュー『数値化の鬼』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数値化の鬼』 安藤広大 ダイヤモンド社

 

「仕事ができる人(評価者からの評価を得られる人)」「急成長する人」には、ある共通点があります。それは、物事を「数字で考えられる」ということです。足りない部分を数字で認識して、正しく埋めようとする、つまり「数値化」の思考がものをいう。数字に向き合わずに成長できる人は、誰一人としていません。数値化はお互いの誤解をなくしてくれるものです。

ステップ1「行動量を増やす」(数をこなすことから始める)
ホームランを打ちたければ誰よりも多くバットを振る回数を増やすしかありません。上司は、行動すべき事を分解して何が「P(目標)」で、何が「D(行動)」なのかを伝えられると、部下は動けます。
心理的な問題で行動量が減ってしまうのには3つの理由があります。①何をすればいいかが明確ではない②失敗したくない。③上司やリーダーの言う事が納得できない。
総務や製造など数値化が全てではないような職種でも例えば次のような数字で測れる部分を見つけて、できるだけ数値化しましょう。「ミスの回数は何回だったか」「業務改善数は何回あったか」「期限遵守率は何%だったか」

ステップ2「確率のワナに気をつける」(あなたの動きを止めるもの)
年齢が上がるにつれて部下から失敗している事を見られたくない気持ちが強くなり、行動量でなく成功確率だけにフォーカスする「働かないおじさん」にならないようにしましょう。メンバー全員が成長を目指し、働かないおじさんを1人でも生み出さないためには「マイナス評価」を取り入れて給料にも反映させる事です。ゼロという評価は無く、マイナス評価をつけて「このままではマズい」ことを認識してもらいます。その人の人格や人間性がマイナスなわけではありません。この先の成長を信じているからこそマイナス評価を与えられます。マイナスの人の給料を下げる分、貢献してくれた人にはプラスの給料を与える事ができ、組織として健全です。

ステップ3「変数を見つける」(やるべきこと、やらなくていいこと)
見極め、変えられることを変えようと努力し、変えられないことは早々に見切りをつけること。仕事において最も重要な能力。
例えば、店舗スタッフとして「1ヶ月で100万円を売り上げる」という目標があるとします。結果80万円だったとします。
ここで売上が足りなかった理由はいくつも考えられるはずです。「1ヶ月のうち10日も雨が降った」「アルバイトの学生が2人も辞めてしまった」「新商品が期待ほど売れなかった」「リピーターが獲得できなかった」
これらの理由のうち、まずは変えられないこと(定数)」を考えます。「雨が降ること」はどうしようもありません。またアルバイトが辞めたことと新商品が売れなかった事は要望クレームに対処するなどある程度の改善は必要かもしれません。ただそれは不確定要素もあるため、「リピーターの獲得」を変数に設定しましょう。
そのために「顔と名前を覚えて口にして接客する」「ポイントカードの回収率を割り出す」「新商品説明により次回来店で試してもらえる確率を上げる」という変数への対処を進めます

ステップ4「真の変数に絞る」(過去の成功を捨て続ける)
やる事を10個あげた後に、その中で上位の3つを「今すぐやるべきこと」とし、残りの7つを「やらないこと」にします。そうすることによって、最重要事項に集中できます。変数を減らす方法は2つ、1つ目が「他に変数がないかを考え、前例を手放すこと」。2つ目が上司から「それは変数でない、と指示をすること」。
成果を出せなかったとしたら変数を見直さないといけません。目標を達成している場合も、現状維持を許さず、つねに成長させる機会を与えます。つねに危機意識を持たせ、「変数を見直さざる得ない」という環境を作り出します。数値化によって意識を上げてもらう事が心理的安全性を生み出します。

テップ5「長い期間から逆算する」(遠くの自分から逆算する)
ビジネスでは、短期的に損をしているように見えても、長期的にトクをすることがよく起こります。短期的な決断でもつねに「5年後、10年後はどうなっていくだろう」ということをセットで考えましょう。5年後になっているべき姿になるため、まず1年後にどんな目標があり、この1週間に何をやるべきで、今日1日はどう過ごすべきなのか。最後の姿のために逆算が必要です。

目の前の部下が成果が出なくて落ち込んでいるとき、つい数字の話を横に置いて優しい言葉だけを掛けてしまうのが人間でしょう。しかし、そこで上司は「リーダーの仮面」を被り、部下は「数値化の鬼」として振る舞えた時こそ、彼らは成長できるのです。

 

  • user 内田
  • time 2024年3月9日
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レビュー『スティーブ・ジョブズⅠ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スティーブ・ジョブズⅠ』ウォルター・アイザックソン 講談社

 

iPhoneなど数多くの革命的な製品を開発販売しているApple社創業者-スティーブ・ジョブズの伝記。

上下巻のIは、子ども時代からトイストーリー(ピクサー)まで。
ジョブズはパソコン・アニメーション映画・音楽・電話・タブレット・デジタルパブリッシング・小売という7つの分野で革命を起こした。

ジョブズは自分が養子だと小さい頃から知っていて傷となり残っている。近い友人は言う。「なにかを作る時、すべてをコントロールしようとするのは彼の個性そのもので、それは生まれた時に捨てられたという事実からくるものだと思う。」

Apple社の共同創業者ウォズニアックとはハイスクールの時に、シリコンバレーでのイベントで出会った。音楽の趣味もあい、違法であるがブルーボックスという無料電話をダイオードとトランジスタを自分達で作ってしまい、いたずらでローマ法王に電話を掛けたりもした。

ジョブズはリード大学に入学した頃から禅宗を中心とした東洋思想に傾倒した。友人の家の天井裏に瞑想室を作り、インドの絵に絨毯、ろうそく、お香、坐禅に使う座布団などを持ち込んだ。この時の友人の証言「ジョブズは禅と深くかかわり、大きな影響を受けました。ぎりぎりまでそぎ落としてミニマリスト的な美を追求するのも、厳しく絞り込んでゆく集中力も、皆、禅からくるものです。」
大学では面白そうな授業だけ出席した。その一つがカリグラフィー(美しい書体)だった。ジョブズはいつもユーザーにやさしいGUIを大事にするが、それはカリグラフィーにやるものだった。「リード大学時代にあの授業を取らなければ、マックに複数種類のフォントが搭載されることも無かった。」

スティーブ・ウォズニアックと創業したApple社が発売したアップルIIはその後16年間で600万台も販売され、パーソナルコンピュータ産業を興した立役者でたる。感動的な回路基盤とそれを動かすソフトウェアは、個人の手によるものとして20世紀有数の発明だが、この歴史的偉業はウォズニアックの業績である。しかし、ウォズニアックのボードをクールなケースと組み合わせ、フレンドリーなパッケージにまとめたのはジョブズである。
そして、ジョブズはここからゼロックスの技術も取り入れ、アイコンを押すGUIやマウスを発明した、本当に凄いことだ。

ジョブズにはスタートレックに出てくる現実歪曲フィールドがある。周りの人間は言う。「ジョブズの現実歪曲フィールドにとらえられるのは危険なのですが、でも、あの力があるから実際に現実を変えられるのです。」「カリスマ的な物言い、不屈な意志、目的ならどのような事実でもねじ曲げれる熱意が複雑に絡みあったもの。」「他人の弱点をピンポイントではあくできるのがすごいところ、どうすればかなわないと思わせられるのか、どうすれば相手がすくむのかがわかってしまうのです。」

 

  • user 内田
  • time 2024年2月24日
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レビュー「イーロン・マスク 下」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イーロン・マスク 下』 ウォルター・アイザックソン 文藝春秋

ここ数年、世界富豪ランキングの上位に入っているイーロン・マスクの初の伝記。
存命時に伝記が出ること自体が凄いことです。

「下」巻はスペースXやツイッターなどについて多く扱い、直近の所までの内容となります。

イーロンは宇宙ビジネスの中で、2014年に、お金を生み出す衛星優良インターネットサービスをまずは選んだ。スペースXはあらゆる判断を火星に行くことを目的に行い、2015年に新部門スターリンクを設置した。

2019年、毎日毎日イーロンは恋人グライムスの隣でベッドの端に腰を下ろし、まんじりとせず夜を明かした。テスラのことが心配なのだ。「資金を調達できなければ終わりだ」と空が白むころ、グライムスに泣き言をこぼす。そこから、自動運転を体験してもらうイベント-オートノミーデイを思いつき、実行していった。

イーロンは部下に厳しい。スペースXではそんなイーロンの下でグウィンショットウェルがみんなのことを本当によく考えて会社内で貴重な役割を担っていた。イーロンは自分の存在すべてを人類のミッションに投じて、自分がそうするんだから他の人もそうすべきだと考える。Twitter買収の時もそうで、快適な暮らしや遊びを優先したいやつは去れというわけだ。スペースXの別の部下は言う。「イーロンの下で働くのは、すごく刺激的ですばらしいのですが、ほかのことをする時間がなくなってしまいます。」

イーロンは2015年にチャットGPTを開発したOpen AIを立ち上げた。(後にMicrosoftが投資)
そして安全なAIを表現すべく、人工知能搭載の人型ロボットの作ることに注力し2021年8月にオプティマスをお披露目した。イーロンは言う「人間を観察してタスクのやり方を学べる汎用ロボットが作れれば、経済がめちゃくちゃ発展するはずなんだ。そうすれば、ユニバーサルベーシックインカムだって導入できるかもしれない。そのとき仕事は、したければするものになるんだ。」

2021年1月7日テスラの株価は上がり、イーロンはAmazonのジエフペゾスを飛び越え、1900億ドルの資産を持つ世界一の金持ちとなった。お金で幸せは買えないとよく言うが、お金を一番持つようになったときのイーロンを見るとたしかにそうかもしれないと思える。2021年秋、イーロンは不幸せだった。気分が乱高下し、気分の落ち込みがお腹に来ていた、吐き気と胸焼けに悩まされていた。

ロシアが2022年2月24日、ウクライナに侵攻したが直前にウクライナの通信やインターネットを無力化していた。ウクライナはイーロンにスターリンクのステーションを提供してくれないかと助けを求めた。イーロンは2日後に端末500台をウクライナに到着させ通信妨害回避を成功させ、停電と聞くやソーラーパネルも発送した。「スターリンクがなければこの戦争は負けていたでしょう」ウクライナの小隊長の言葉である。提供したアンテナやサービスにかかる費用の半分はスターリンク持ちだ。その後、攻撃に使われることには反対して制限を掛けている。

各社の売上、時価が順調であった2022年、株の売却で100億ドルが手元に残っていた。「そのまま銀行に放置するのも何ですしね、だから、自分が好きな製品はどれだろうと考えてみたんです。もう、答えはひとつしかありません。ツイッターです。」
ツイッターの100%買収を心に決めた時に友人がこう聞いた「時間と健康はどうなるんだい?テスラもスペースもまだまだ手がかかるじゃないか。ツイッターはどのくらいかかりそうなんだ」。イーロン「少なくとも5年、かな。スタッフの大半を切らなきゃいけない。真剣味が足りない。出社さえしなかったりするんだから。」 友人「そこまでの苦労をしょいこむと?テスラは工場の床で寝泊まりして、その上、スペースXもがんばってる。同じことをもうひとつやりたいなんて、本気で思ってるのかい?」 イーロン「うん、やりたいね。それでいいんだよ。」

 

 

  • user 内田
  • time 2024年2月17日
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レビュー『とにかく仕組み化』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とにかく仕組み化』安藤広大 ダイヤモンド社

 

最近一番売れていると言われるマネジメント本とのこと。
SNSでも広告がよく出ております識学社長の安藤さんによる執筆ということで読んでみました。

人の上に立つべき人にとって、いかなる時も「仕組み化」に目を向け、問題を解決していく姿勢は、必ずあなたを救ってくれます。
鳥の群れやアリの巣を見てください、一羽一羽が、見事に有機的に動き、大きな目的を果たしています。この仕組みを知り、大きなことを成し遂げたほうが自分にとっての利益につながること、それを受け入れてから成長は始まります。過去に作られて形骸化したルールを、もっと大きな仕組みの枠組みでによってアップデートしていく、その責任をとるべき人が、人の上に立つべき人なのです。

人の成長を信じ、入れ替わりが起こるのが「いい組織」で、エース級の人が抜けても残されたメンバーを信じピンチを乗り越えると組織は「脱皮」して強く大きくなります。「組織の中で替えが利くようにしておく」という人が逆説的に優秀であり、未来永劫その会社が続いていくことに資するのです。

放っておくと人はラクを求めます。
「なるべく早く」を「今日までに」と解釈します。「手が空いたら」を「完全にヒマになったら」と解釈して、自分にとって都合のいいように考えてしまいがちです。仕事をしない、その方が自然な状態だからです。例えば100人いればそのうちの10人くらいは放っておいても精神論だけで頑張ります。ではそれを基準に組織を運営すべきでしょうか。「あの10人を見習って頑張らないと」とその他の個人を責めた方がいいのでしょうか。違います、残り90人のできない人に合わせて仕組みを作りルールを責めて、全員を活かした方がいいのです。

「期限」を守ることが最低限できたうえで初めて仕組みは機能します。「忘れていました」が言える環境になっているのであれば、仕組みは機能しません、間に合わない事がわかったらその時点で必ず期限が来る前に知らせてください、いつだったら間に合うか報告してくださいと伝えます。

①責任と権限を守る(決めた事を守り切る)
人の上に立つなら、主語は絶対に私であるべきで、責任を取りましょう。リーダが部下に仕事を任せるとは、「何をしなければいけないのか」「そのために何をやっていいか」その線引きをするのです、そして責任を取りましょう。

②危機感を利用する(正しい恐怖感を感じ続けるようにする)
本質的に怖い人「仕事で求められる基準が高い」「中途半端な仕事では評価してくれない」「フィードバックが的確で反省する」、そんな理不尽な部分がない人になりましょう。部下はきちんとルールを守っている限り、何も言われることはありません。そして、いい仕事をして圧倒的な結果を出すと、正しく評価してくれます。
向かっているゴールがわかり、まわりがそれに向かって走り出している、それを見て感じる焦り、それが危機感になり、仕事の進め方を考え直したり、実際に行動が変わっていきます。

③比較と平等に気をつける(正しく人と比べられる環境を整える)
常に人は比較し、比較されている生き物です。その前提に立って、仕組みを作った方が良いです。暗黙知を無くし、人の上に立つ人が明文化して伝える。転職組も特別扱いをしてしまうと言ったもの勝ちの状況を生むので、新しい会社のルールに従わせる。
組織の利益を選び取るため、人ではなく仕組みを見て、頑張った人に報いるのが本当の「平等」です。成果をあげた人を会社が表彰(MVP)などで、評価することが効果的。評価されなかった人は負けたことを正しく認識し次こそ頑張るという意識に繋がります。

④企業理念を再認識する(向かっている方向を明確にする)
企業理念は、経営者にとっての「判断軸」です、企業理念に近づくことをやり、遠ざかることはしないという一貫性をうみだします。
自社の悪口を言う人がいます。他社や得意先にもそうやって言いふらします、その成れの果てが「ウチの会社の企業理念なんて知らない」という姿です。そんなに不満があるなら、早く成長して人の上に立ち自らの責任で「仕組み」を変えればよく、そのチャンスを全員に与えられています。

⑤進行感を感じる(他者と共に大きな事を成し遂げる)

 

  • user 内田
  • time 2024年2月10日
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レビュー『リーダーの仮面』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リーダーの仮面』安藤広大 ダイヤモンド社

最近一番売れていると言われるリーダーシップ本とのこと。
SNSでも広告がよく出ております識学社長の安藤さんによる執筆ということで読んでみました。

「自分はプレーヤーとして生きていくから別にいいんだ」と初めから宣言する若い人たちも増えています。しかし、想像力を働かせてください。ほとんどの仕事でプレーヤーとしての能力は、30代をピークに年をとるごとに落ちていきます。自己管理を徹底して健康な体を保ち、読書や習い事で自分磨きをして、結婚して子育てや親の老後のことを考えながら、20〜30代の若手と同じ位置でパフォーマンスを上げることができるのか。手足となる現場の力は若い方が良く、早く手足の機能を経て、神経の機能に上がっておかないと年をとってから大変なことになります

プレーヤーとして優秀だった人であればあるほど、リーダーとして失敗するリスクが大きく、手取り足取り教えるとメンバーが思考停止し成長せず、また背中を見て覚えろだとリーダとしての役割が果たせません。

リーダーは、つい、その場で「思いつき」で何かを言いたくなるものです。
しかし、チームの結果を最大化させるために、リーダーが見るべきは”たったの5つ“です。まずは5つのポイントにフォーカスし、それ以外のことは任せる。見守る、待つ、スルーする。それを囲む可能にするしこうほうとして、“リーダーの仮面“を与えましょう。

リーダーとメンバーの間には「いい緊張感」が生まれる事が大事で、ポイントを押さえた声がけやルール設定、評価をし、メンバーが最終的に成長する。優しい言葉をかけて、その場だけでいい人だ思ってもらっても、その言葉、頭に残りませんし、後から効いてもきません。
「尊敬されたい」「すごいと思われたい」そんな素顔を見せないのが「仮面(ペルソナ)」の力です。本音だけの一対一の人間としての付き合いを全員とすることは不可能です、ペルソナを使い分けて人間関係の問題を無くしていくのです。

ポイント①ルール(場の空気ではなく、言語化されたルールをつくる)
「全員、研修は必ず受けましょう」「会議の始まる3分前には着席しましょう」「日報は当日中に提出しましょう」など誰でも守る事ができるルールを、私が決めたので以後守ってくださいと徹底して守らせる事がリーダーの一丁目一番地で、これによりメンバーに「この会社の一員なんだ」という認識を持たせられます。
「誰がいつまでにやるか」を明確にするのが大事です。「オフィスはキレイにすべきだ。気づいた人が率先して掃除するようにしましょう」というルールでは誰もやらず、仮に一人がしても自分ばかりやって不公平だとなりチームがぐちゃぐちゃになる曖昧なダメなルールとなります。

ポイント②位置(対等ではなく、上下の立場からコミュニケーションする)
お願いでなく言い切りで指示する。期限を決める報連相を機械的に行う。相談は部下が決められない事のみ受ける。できていない事実を淡々と指摘する。業務中に指摘されてすべきことは業務中に指摘して飲みニケーションはしない。部下とは意識的に距離をあける。
リーダーは感情を入れず、「いい人」に思われたいという想いは捨てましょう。

ポイント③利益(人間的な魅力ではなく、利益の有無で人を動かす)
集団で大きな利益を獲得した利益を分配することで、個々の人間が1人ずつ取り組むよりも、結果的に多くの利益を得て、分配を獲得でき全員の取り分を増やせることを目指します。そのためには少し上を目指す緊張感を作り、言い訳に逃げて現状を変えようとしない部下には事実を淡々と確認して言い訳を無くせば(または言い訳はスルーすれば)改善行動をしていきます。テンションを一定に保つため、毎回指摘します。数字を見える化することで、健全な競争状態を作りましょう。

ポイント④結果(プロセスを評価するのではなく、結果だけを見る)
「うまくいっている?」「はい、順調です(本当は何も進んでいない)」「よし、期待してるぞ!」このやりとりは、事実上、何も成果がありません。日報による数値管理をしプロセスを褒めないようにしましょう。
リーダーはメンバー全員に対して目標設定を期限と状態を数字で設定します。期限が来たら目標達成か未達かを伝えて、できなかったことを指摘し、次の目標も数字で設定します。
最初に目標設定をして、ちゃんと仕事を任せる。最後に結果を報告してもらい評価する。その点と点の管理を身につけましょう。

ポイント⑤成長(目の前の成果ではなく、未来の成長を選ぶ)
チームが成長するとき、必ず健全な競争が起こっており、これを管理することがリーダの業務です。もし、競争したくなくて成長を諦めた人は辞めていくかもしれませんが、それを食い止める努力は、リーダーには必要ありません。競争の中で早く成長する部下が1人出てきたらそこにチームが引っ張られていく、これが理想のイメージです。伸びない組織では、リーダー自ら先頭の鳥となり、トッププレーヤーとしてチームを引っ張ろうとします。リーダはトップになってはいけません、あくまでマネジャーとしての仕事を優先させるべきだからです。
部下には常に不足を認識させて、成長してもらうために、とにかく一度行動させることが大切です。その際に、「まずは一度、やってみてください。やってみれば見えてくるものがあります。それは上司である私の責任になりますので。」と言い切りましょう。

 

 

  • user 内田
  • time 2024年2月3日
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レビュー『TKC基本講座』

 

 

 

 

 

 

 

TKC基本講座 第5版』TKC全国会中央研修所 TKC出版

弊社はミロク情報サービスがメインの会計システムとなりますが、2023年時点ではTKC全国会にも入会のうえ、TKCのソフトも一部使用しております。

TKCは「十勝計算センター」の略ですが、会計事務所業界最大手のソフトベンダーです。

弊社は今のところMJS(ミロク情報サービス)がメインシステムで使っておりますが、こちらのTKCの書籍も読んでみました。

TKC創始者-飯塚毅は博士は「満3年後に、日本のトップクラスの会計人になってしまうための処方箋」として7要件を挙げられ、その第1要件として次のように述べられています。
職業生活上の基本となる参考書は、断固として平均16回は読破する、ぐらいの勢いで精読して頂きたい。このTKC基本講座 はこの参考書に属するものと考える。このために作られたのである。』

もとより、税理士業務成功の要諦は、所長と職員が①『TKC会計人の行動基準書』を遵守し、②独立した公正な立場を堅持して、③巡回監査を徹底断行し、④職業会計人の職域防衛と運命打開を開発コンセプトとするTKCコンピュータを徹底活用して、⑤租税正義の綿密な実現を図りつつ、⑥税理士の4大業務(税務、会計、保証経営助言)を堂々と全面的に展開することにあります。

日本には元来会計事務所の効果的・合法的・発展的運営に関する手引書すらなく、日本の会計事務所を取り巻く社会的環境は貧困すぎる。米・英・独・佛の各国と比較すると、この点の貧困さはぞっとするばかりである。その原因は過去に、日本が国家として、会計事務所の法人化を認めなかった点がもっとも大きいと認められる。

TKCの経営理念。私たちは、お客様の繁栄のために、1.お客様の事業の成功条件を探求し、2.これを強化するシステムを開発し、3.その導入支援に全力を尽くします。

TKC創始者-飯塚毅博士は、日本の税理士についての社会的低評価を除去する方策として、次の2点を提唱しています。1つは国税当局への嘆願事項であり、もう1つは経済社会における情況の変化が、質量ともに激甚さを増している事実に鑑み、イギリス、アメリカの会計人制度に倣って、日本の税理士も生涯研修制度を導入すべきということでした。
そして、職業的会計人は、場合によっては、自分を委嘱した人が自分を解約する可能性がある場合でも、なお他人の意志には従属しないという態度の堅持を意味しており、他の自由職業には類例を見出しえない特性をもつものです。

TKC創始者-飯塚毅博士は、TKC会計人は、ただ一度のこの人生で、職業会計人たることを誇り高き天職と心得ている人達のはず。とすれば心底から関与先のため、職員のため、国家社会のため、と念じて徹底奉仕しなさい、と「自利トハ利他ヲイフ」の実践を推奨しています。
世のため人のため、つまり会計人なら、職員や関与先、社会のために精進努力の生活に徹すること、それがそのまま自利すなわち本当の自分の喜びであり幸福なのだ。そのような心境に立ち至り、かかる本物の人物となって社会と大衆に奉仕することができれば、人は心からの生き甲斐を感じるはずである。

成功する会計人の条件として、世界的に有名な『モントゴメリーの監査論』の概要を紹介する。
(1)正直であること
これは会計人にとって、本質的に重要な資質である。それは会計人があらゆる場面で、業務に良心的であり、細心であることを意味する。また2つ以上の行動が取り得るという場合に、その相互の利点を厳格に区別したり、自分の決定した事項について論証したりするに当たって、いささかも恐怖心を抱かないことを意味している。会計人、その割当業務の遂行や報告を行うに当って、あくまでも良心に従うという態度がないならば、彼には高級な会計人となる可能性がない。
(2)客観的観点に立てること
完全な客観性は一般的に考えられているほど簡単に身につくものではない。それは自分の主観の奥底に、微塵も雑念や先入観の投影を持たないことのできる人間だけが初めて具備することができ、自己探求の上で百錬千鍛してようやく到達できる心境である。
(3)成長力を持っていること
企業の問題や行動は、不断に変化しているので、会計人の頭上には、次々に新しい需要が投げかけられる。したがって、絶えざる研究と機敏さだけが、会計人をしてその需要に対応させてゆく。顧問先への奉仕能力は、この会計人の成長力に限定されるのである。これは意志と内心の祈りの問題であって、学歴の問題はない。
(4)分析的能力をもつこと
重要なことは、監査人が、その報告を受ける人の立場に自分を置いてみる努力を払う事である。たとえ内容に誤りが無くても、相手に理解されない報告は、不完全なものだと知るべきである。監査人は、数字の背景にある事実の分析と解説が出来て、かつ相手に分かるようにその結論を取りまとめることが、出来なければならない。これはまさに健全な洞察力の機能を要求されていることに他ならない。こういう機能は、単に対象的知識の吸収からは生まれてこない。会計人が、自己における主体性の錬磨の必要性を痛感するのは、この局面においてである。

 

 

 

 

  • user 内田
  • time 2024年1月27日
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レビュー『イーロンマスク 上』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イーロン・マスク 上』 ウォルター・アイザックソン 文藝春秋

ここ数年、世界富豪ランキングの上位に入っているイーロン・マスクの初の伝記。
存命時に伝記が出ること自体が凄いことです。

「上」巻はイーロンの祖父の時代から彼自身の誕生から、スターリンクの手前まで。

アフリカで生まれ育ったイーロンが8歳の時に、離婚をした父母や祖父も皆リスクと取る性格とのことでそれを受け継いでいるようでした。
父は精神が不安定で時に言葉の暴力も振るい妄想にとらわれ、心を痛め付けられ、それがイーロン自身の現在の性格にもつながっているようです。
「人とは、父親の期待に添えるようにと生きているか、父親の失敗を償おうと生きているかだと言った人がいる。私が苦労してきたのは、このせいなのではないだろうか」~バラク・オバマ元大統領
本人も自身がアスペルガーであることを、後には、おおっぴらに語ったり、それこそジョークのネタにするようになり、それは子ども時代のトラウマが拍車をかけ、どうしても空気を読むのは下手。

イーロンはブライアンストン高校に通い、プレトリア男子校を卒業しました。 17歳になった1988年、Pretoria Boys高校で大学入学資格を得た後、カナダへの移住までの5カ月間、地元のプレトリア大学に通い、物理学と工学を学びました。
このころには、人生の目標が出来ていた。「人間に大きな影響を与えることがしたいと考えました。思いついたのは三つ。インターネットと持続可能エネルギーと宇宙旅行。

イーロン・マスクが24歳で起業したZip2の経営には、実の弟であるキンバル・マスクも携わりました。さらにイーロン・マスクは4年後の1999年、あのコンパックにZip2を3億700万ドルで売却し、同時に現ペイパルの前身でもあるXドットコムを起業しています。

イーロンの行動は本当にはちゃめちゃ、毎晩遅くまでコーディングを続けて、昼間は昼間で荒々しく気遣いがない。1999年にXドットコムを設立したときも、毎日いらついた様子で事務所をうろつき皆をイラつかせ、もちろんほぼ毎晩机の下で寝て泊まり込み。いまも当時もそうだが、イーロンのやり方は、ありえない締め切りを設定し、なんとか間に合わせろと発破をかける。

ペイパルが軌道に乗って来た時にあまりにも身勝手なイーロンに対して、クーデターが起こりCEOから降ろされることになったが、負けた現実を直視できる。ビジョナリーだが周囲とうまく折り合えない。

イーロンはリスクを追い求める男。彼が作った2社、スペースXとテスラを見ればわかる。シリコンバレーの常識ではどちらもクレイジーな賭け。ですが、うまくいった。イーロンは、ほかの人にはわからない何かをリスクについてわかっているのだろう。

イーロンが宇宙開発を、特に火星に行きたかったのには3つの理由があった。
技術は必ず進歩すると限ったものではない。進歩は止まるかもしれず、後退することさえありうる。月には行けた、でも、スペースシャトル計画は中止となり、進歩は止まった。「月までしか行けなかった、それ以上はあきらめたと子どもたちに言うのでしょうか」
2つ目に、か弱い地球になにごとかあっても、ほかの惑星にも住むようになっていれば人類の文明と意識は生き残れると思うから。
3つ目は精神的なもので、イーロンが冒険者の家系であること、ティーンエージャーのとき、開拓者精神を旨とする国に行こうと決めたこと。

課題を解決していくだけの人生などつまらない。彼はそう感じていた。大いなる夢を追うことも必要だ、と。「それがあればこそ、朝、起きられるというものです。」

スペースXでのロケット開発の中、イーロンも若手技術者も毎晩遅くまで仕事をしては、自分のコンピュータでシューティングゲームをプレイしたり、携帯電話で会議をしたり、デスマッチに突入して朝3時までプレイを続けたり。ゲームをすることが狂っている。
「気が狂いそうな切迫感をもって仕事しろ」とイーロンはよく言う。切迫感は役に立つ。だがこれには歯の側面もある。
イーロンは諦めない、粘り強く前に進み続ける。2回目の打ち上げ失敗について、どうしてそんなに楽観的になれるのか尋ねられた時「楽観的?悲観的?そんなことは知らん。やる。やり遂げる。地獄なんぞものともせず必ずやりとげると神に誓うんだ。」それがイーロンの答えだった。2008年のリーマンショック後の一年は崖っぷちで本当にひどい一年だった。

2008年のイーロンは友人たちからお金を借り、毎晩、ぶつぶつぶつぶつ独り言を言ってたし、手足を振り回して叫ぶこともあった。それを見るのはとても怖かったと二人目の妻タルラは言う。「心臓発作でも起こすんじゃないかと心配で心配で。夜驚症と言うんでしょうか、寝ているのに突然叫びだし、私にしがみついてきたりするんです。恐怖ですよ。彼は追い詰められていて、私はびくびくでした。」トイレで吐くこともあったという。「内臓に来てしまって、叫んでは吐いてました。私はトイレで横から彼の頭を支えてあげました。」ストレス耐性が高いイーロンも、2008年は、もう少しで限界を超えるところまで行ってしまったのだ。「帽子からうさぎを出すような魔法をこなさなければならない、一度ならず二度、三度と繰り返さなければならないのです。そんな状況で、毎日毎日、朝から晩まで仕事をしていました。」とイーロンは言う。めちゃくちゃ太ったかと思うと、一気に痩せ細る。背中は丸くなり、足の指に力が入らなくて歩きにくい。そんな状態でも、イーロンはすさまじい集中力で精力的に仕事を進めた。首つり縄が目の前にぶら下がったことで、いつも以上に集中できたのだ。
その後、4度目の打ち上げが成功しNASAより16億ドルの契約を取り付ける。

イーロンの採用面接も相当個性的。じっと見つめてきたかと思うと1分以上も黙ったりする。そして、候補者について知ろうと真剣になると、技術的なことを事細かにと問う。「相手の力量を評価するのに都合のいい神経回路を持っているようで、ほんの何点か尋ねただけでだいたいわかるんです」とイーロンは言う。

マスクが好きな言葉ー好きな概念でもあるーに「本気」がある。最初の会社では職場文化のあるべき姿をこの言葉で表現したし、それから30年近くも後、Twitterの家族主義文化をひっくり返す際にもこの言葉を使っている。

 

  • user 内田
  • time 2024年1月20日
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