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【本】レビュー『1つの習慣 うまくいく人は、なぜ「これ」を大切にするのか』
『1つの習慣 うまくいく人は、なぜ「これ」を大切にするのか』横山直宏 すばる舎
「思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。 言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。 行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。 習慣に気をつけなさい、それはいつか人格になるから。 人格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。」 —— マザー・テレサ
この本を読むことで「がんばっているのに、幸せじゃない」という日々から卒業することができます。そして毎日が楽しくなります。
筆者自身は、かつて起業したばかりの頃は「真面目にがむしゃらにがんばっているのに、満たされることのない日々」を送っていました。毎朝5時にムリヤリ起き、睡眠を削り、深夜まで働く毎日・・・いまになって振り返ると当たり前ですが、そんな生活を続けた結果、うまくいくどころか心身が疲労し、最終的には経営も危機的状況に陥りました。そんなとき、とある出来事から「本気になって楽しむこと」の重要性に気づき、人勢の付き合い方を根本から変えました。「正しいこと」より「楽しむこと」を選択するようになってから、不思議なほどすべてがうまくまわりはじめたのです。仕事のパフォーマンスは上がり、人間関係が円滑になり、気づけば毎日が明るく幸せなものに変わっていました。いまとなっては、以前よりもたくさんのことをしているのですが、「無理して頑張っている」という感覚ではなく、楽しんでいるだけで、どんどん成果が出るようになりました。
アメリカのケネディ元大統領がNASAの視察に訪れたとき、廊下にホウキを持った清掃員がいたので「あなたは何の仕事をしているのでうすか?」と話しかけると「大統領、私は人類を月に送る手伝いをしています!」と誇らしげに答えたというのです。彼は自分の仕事が誰かの役に立っているし、貢献をしていると感じていて、内発的動機付けによる働き方です。内発的動機付けを育てるための3つのポイントがあります。①自律性:「仕事内容を自分で選んでいる」と感じることがポイントです。指示されてイヤイヤやるのではなく選択肢があって「自分の意志で選んだ!」という感覚でいることです。さらに「目的を自分で言葉にする」のも効果的で、なぜこれをやるのかを自分の言葉で定義するのです。②有能感:「自分にはできる!」と実感できること、「やったらできた!」という達成感、小さな成功体験の積み重ねで自己肯定感が上がります。③関係性:「人とつながってる」と感じることも外せません、「一緒に挑戦する仲間を持つ」のが手っ取り早いです。努力や悩みを理解してくれる人との関係性を大切にするのです。
「時間を忘れるほどの集中」を操れれば、「やればやるほど、もっとやりたくなる」という感覚が生まれる・「アナンダマイド(多幸感ホルモン)」が増加し、創造性・幸福感・リラックスが促されて「アイデアが湧く」「自然と身体が動く」感覚が起きやすくなります。フロー状態(超集中状態)はまわりのことが一切気にならなくなったり、スローモーションに感じたりすることもあります。現代心理学の父・チクセントミハイ博士は、名著『フロー体験 喜びの現象学』でフローに入るための要素だと言っています。①明確な目標:何をすればいいのかが明確だと、脳は迷わず集中できます。②チャレンジとスキルのバランス:難しすぎず、簡単すぎず、「ちょっとの背伸び」でクリアできそうな課題があると、フロー状態に入りやすくなります。たとえば「少し緊張する商談」「自分の実力+5%程の挑戦」など”がんばれば届く状態”が、最大の集中力を引き出すのです。③コントロール感:「自分でコントロールできている感覚」があることが大事です。たとえば「多少のミスもリカバリーできる安心感」「自分が舵を握っている状態」など、安心して挑戦できるから失敗を恐れず集中できるのです。④活動そのものが報酬:結果よりも「やっていること自体が楽しい」と感じる状態です。たとえば「お金のためではない楽しい創作」「走ること自体が気持ちいい」などもっとも純粋な動機はフローへのトリガーです。
自分の欲望やプライドのため”だけ”の仕事は、行き詰まります。なぜなら一時的にはエネルギーとなっても、それが満たされないとイラ立ちや不満となり、自分自身を消耗させてしまうからです。そして、たとえ目標を達成したとしても、真の満足感や充実感を得られないことに気づきます。また、「成功したから自分には価値がある」という思考は、裏を返せば「失敗したら価値がない」という前提になっています。これは自分を脅かし、不安の根をつくり続けることになります。しかも自分の欲望のためだけに仕事をしている人は、応援されません、お客様もチームメンバーも離れていってしまいます。では、どうすれば仕事を楽しみ、結果も継続するようになるのでしょうか?その答えは、誰かのために働くという「利他の精神」にあります。利他の精神で働くことが、長期的に長期的に自分も幸せにしてくれるのです。エゴなプライドで仕事をする「利己的」な考え方から、世のため人のための「利他的」な考え方になると、一気に人生も楽しくなって、自分自身も成長することができます。今日からは「この仕事が誰の役に立つのか」を意識してみてください。そして、利他の精神を実践するためには、他者に感謝することも重要です。仕事を進める中で、周囲のサポートに感謝しましょう。そして、それを言葉にして伝えることで、良好な関係を築きながら、利他の心も育っていきます。
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内田
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2026年5月8日
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本
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【本】レビュー『東大生はなぜコンサルを目指すのか』
『東大生はなぜコンサルを目指すのか』レジ― 集英社新書
東大生やコンサルだけを扱った書籍ではなく、今の時代において働くこと・成長する事とは何なのかを徹底的に問いている名著。
アクセンチュア(東大生が最も多く入社する民間企業の一つ)、野村総合研究所(NRI)、PwCコンサルティングなど、とにかく東大生の就職にコンサルが人気がある。
今の時代のビジネスパーソンは「成長を強いられている」とすら言える。「終身雇用の時代は終わった」というムードにさらされながら、日常生活のあらゆる場面で自己啓発コンテンツに包囲され、SNSを通じて常に他者との比較に接続される。なぜい成長したいのか、どうなったら成長なのか、正直よくわからない。成長を追い立てる何かが、今の時代の根底に横たわっているのではないか。
個人のあり方にフォーカスするスタンスは、特に若いビジネスパーソンの間で一般的になりつつある。パーソル総合研究所の調査によると、20代の若手社員は会社選びの際に入社後の成長機会の有無を重視する傾向が高まっているという。「仕事を通じた成長=キャリアの明確化」と捉える向きが強まっていて、会社に成長機会を期待しながら会社に囚われない自身のキャリア形成を求めていることも読み取れる。成長できる会社を探し、しかしその会社に深くコミットするわけでもないというある種おいしいところどりの姿勢が顕在化している。成長させてほしい、だけどそこへの忠誠心はない、というのはだいぶ都合が良い話にも聞こえるが、会社が個人の人生を守ってくれない前提に立てば、合理的な考え方でもある。
パーソル総合研究所「働く10000人の就業・成長定点踏査2024」によると『働くことを通じた成長は重要』だと感じる割合は76%(2021年は82%)。調査内では働くことによる成長のイメージのトップは「報酬の上昇」。いつの間にか成長を目指す層がマジョリティになりつつあるが、その本音は「お金が欲しい」「スキルを身につけて頭がよくなりたい」という身も蓋もないもの。しかしそんなことは言いづらいので、「成長したい」という今となっては無難な言葉を使って波風を立てないようにしている。終身雇用を信じられない世界で自分だけ取り残されてしまうかもしれない、だから「成長したい」と言いながら頑張る事で、スキルや経済力を身につけていくしかない、それこそ、こんな時代に安定して生きているために必要な事ではないか・・・
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内田
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2026年5月1日
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本
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【本】レビュー『経営者の教科書』
『経営者の教科書』 小宮一慶 ダイヤモンド社
経営コンサルタント-小宮一慶さんは「経営の原理原則」を重視され、「企業の方向付け」「資源の最適配分」「人を動かす」の3つを経営の根幹とされていますが、それが凝縮された15年間読まれ続けている本。 企業の目的、すなわち目標ではなく存在意義=志を明確にして、働く仲間に共有し続けることが最も大切。 良い仕事をして、お客様に喜んでいただいて、それが従業員の働く喜びにつながり、社会に貢献して、その結果儲かる、という順番循環がたいせつで、ドラッカー先生も「利潤動機」を否定しています。 「何千年もの間、多くの人が正しいと言ってきたことを学ぶ」 判断の際に最も大切なことは儲かるかどうかではなく、人間として正しいかどうかです。 具体的には、仏教や、論語を中心とする儒教、キリスト教などです。 仏教の根幹は「利他」、儒教の根幹は「仁、義」(思いやりや社会全体を考える)、キリスト教の根幹は「愛」です。 終戦から45年が過ぎた1990年以降、このような戦前の教育をきちんと受けた人たちが、政財官界から引退していた時期と、この国が長期低迷に入った時期がぴったり一致するのは偶然ではありません。 「独裁すれども独断せず」 物事を決めるまでは、素直に謙虚になった衆知を集めて、独断をしない。 そして、それを最後は自分の判断で決める。 周知を集めたうえでの決断は独断ではない。 そして、決めたことは徹底してやらせる、それが「独裁」です。 徹底してやらなければ、良い結果は出ません。 万一失敗した時も、失敗が早く分かるとともに、徹底してやったことは、失敗の本質が分かりやすいのです。 「社員がやる気になる給与の決め方」 社長の教祖と呼ばれたコンサルタント-一倉定先生は、「従業員に同じ地域で同じような仕事をしている人と比べて1割高い給与を払うべき」と言っている。 一代で東証プライム上場会社を作ったある経営者が「小宮さん、会社というのは1000万円以上の年収を取っている人が何人いるかも大切だ」と言われたこともある。 「人を動かす-リーダーは二つの覚悟を持て」 一つが先頭に立つ覚悟です。 社長は先頭に立って行動する「指揮官先頭」の覚悟がないリーダーには誰もついてきません。 もう一つは「責任を取る」覚悟です。 自分の組織について、すべての責任を取る覚悟がないと、やはり、部下は思い切って仕事ができません。 今日からでもこの二つの覚悟を持って行動してほしいと思います。 「お客様・同僚が喜ぶ行動を徹底して社員のやる気をアップ」 当社の長年のお客様の神奈川ナブコさん。 同社では、長年、全社員が月初にお客様・同僚が喜ぶ「小さな行動の目標」を立て、月末にはそれを本人と上司が5段階評価し、上司と簡単な面談を行い来月の目標を設定して、役員や社長もそれにコメントを書き込むのです。 社内の雰囲気も良い事は言うまでもありません。 大切なことは、具体的な目標を設定することです。 「長所を活かし短所を補う」 組織の力を最大限に発揮するには、各人の長所を活かすことが大切です。 チームを日本一に導いた星野仙一監督も「減点主義よりも得点主義をとる」とおっしゃっていましたが、成績を残すリーダーは皆そういう考え方を持っています。 チームのもう一つのいいところは、各人の短所を補うことができるところ、ひとりなら自分の短所を補うのは難しいですがチームなら出来ます。 ドラッカー先生の言葉『マネジメントとは、人間にかかわることである。その機能は、共同して成果を上げること。 強みを発揮させ、弱みを意味のないものにすることである。実は、組織の目的もこれである。』
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内田
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2026年4月17日
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本
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【本】レビュー『部下をもったらいちばん最初に読む本』
『部下をもったらいちばん最初に読む本』橋本拓也 アチーブメント出版
頭の中で追うものを「目標達成」ではなく、「育成」を追うようにする。目標達成を先にしてしまうとチームメンバーを「目標達成のための駒」として捉えメンバーは体調不良や退職をしてしまい「誰も幸せにならない組織」を作り上げることになってしまいます。
「誰かに任せるより、自分がやったほうが早いし、成果も大きい」「できることなら自分のコピーが欲しい」と考えがち。これでは組織・チームの仕事になりません。諸悪の根源は上司の”頭の中だけ”に存在する「べき論」です。どうしてもイライラしている雰囲気から伝わってしまいます。「べき論」を捨て個々人の目的・目標達成を通して組織パフォーマンスを最大化する、リードマネジメントを目指しましょう。
メンバーの能力が最大限発揮されるために理解しておかなければならないこと、それが「人は何によって動くのか?」というモチベーション(あるいは行動原理)の根本的な部分。「人は変えられない。でも人は変われる。」部下を外部からの刺激によって変えることはできませんが、部下自体は変わることが出来るのです。内発的な変化を起こすためには、本人が目的・目標を明確に持ち、自ら最善の行動を選択するしかありません。個々のメンバーの目的・目標が成就するよう情報提供によってサポートし、結果的にチームパフォーマンスを最大化するのがマネジャーの役割になります。
モチベーション3.0:信賞必罰の外的コントロールではなく、自分の内面から出る「やる気!」に基づく内的動機づけのモチベーションであり、「自律性・・・自分の課題の解決方法を自分の意志で決めること」「成長・・・掲げた目標を達成するために経験を積み上達や成長に焦点を当てること」「目的・・・社会貢献や環境保護、会社への貢献など利他的な目的を重んじる」こと。「何のために(What)」「誰のために(for Who)」「なぜ我々がこの組織であるのか(Why we are this organization.)」という根本を語り、「だからこの目標へ向かう」という目的からくる未来を示す必要があるのです。メンバーは意味のある未来が見えたときに内発的に動機づけられます。
上質世界:人は生まれながらに5つの基本的欲求(生存、愛・所属、力、自由、楽しみ)を持っており、5つの欲求を満たすイメージ写真が蓄積されたアルバムのようなものが上質世界です。上質世界には、その人の「好きな人、モノ、コト、場所、シチュエーション、価値観、信条」などが蓄積され、願望が存在するのです。チームメンバーの上質世界にあるものを「知り」、自分も上質世界に入れてもらい、仕事や会社の現場が上質世界に入るように拡張することです。メンバーから見て信頼するに足る人物になる、ついきいきたいと思われる人になることです。
メンバーの成長からの逆算:メンバーに対して描いた育成のデザインを「期待」として伝える。この時、「私にはあなたに期待していることがあるので伝えてもいいかな?」と前置きするのが効果的です。目標数字とタスクを振り分けるだけではダメで、「目標はこれ、でも大事なのはあなたがそこを目指しながら考え方や知識、仕事のスキルなどの面で成長することだよ。その成長を私は期待しているよ」と伝えることが大切です。利他的な目的は感謝の気持ちから生まれやすく、採用の時もこちら側の感謝が伝わることによって、相手も「私の事を思ってくれる良い会社だ」という感謝の価値観を持って入社してもらえます。あなたはメンバーに対してどのくらいの「感謝」をしていますか?その思いを言葉や態度で日頃どの程度メンバーに伝えていますか?
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内田
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2026年4月10日
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本
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【本】レビュー『西の魔女が死んだ』
『西の魔女が死んだ』梨木香歩 新潮文庫
平成13年発刊の小説ですが、250万部以上の人に読まれている永遠のベストセラー、名作。
ある人は主人公まいの成長の様子が素敵だといい、ある人は、主人公まいに注がれるおばあちゃんの深い愛情に涙したといいます。
大人もそうですし、子供もそうですが、人は皆少なからずの不安を持って生きています。自信を持てないで生きている人もたくさんいます。
主人公のまいはクラスのグループに溶け込めず、学校に行けなくなり、西の地方に住んでいる母方のおばあちゃんの所にしばらく住まわせてもらう中で、魔女修業という事で多くの事を学びます。
その後、おばあちゃんの所を離れ、お父さんお母さんと再び一緒に暮らしますが、2年後に西の魔女=おばあちゃんが死んでしまいます。
現代は人工的なよくわからない物がたくさんあふれ、それは少しずつ人間をゆがめ、社会全体をゆがめてきたように思います。主人公まいは自然の中での規則正しい生活で生物としてのリズムが目覚め、体と心のがしっかりとしてくると同時に、魔女修業で本来の人らしい人になっていきます。
P70「魔女の力を持つためには精神力が必要です。正しい方向をきちんとキャッチするアンテナをしっかりと立てて、身体と心がそれをしっかり受け止めるっていう感じですね。心に入り込んでくる暗い悪魔を防ぐためにも、いちばん大切なのは、意志の力。自分で決めたことをやり遂げる力です。」
生活の中でも仕事の中でも、良い形を作っていくためにも問題を解決するためにも意志の力が大切です。
P112「(昨日まで生きていたにわとりが獣に殺されて)まいは今日はだいぶ動揺していましてからね。そんなことは気にしない事です。無視するんです。そういう一見不思議な体験を後生大事にすると、次から次へそういうものに振り回されることになりますよ。けれども不必要に怖がることはありません。ただこうべを高く挙げて。無視するんです。上等の魔女からは外からの刺激には決して動揺しません。」
とても嫌な出来事が起きても、無視して、プラス思考で、こうべを高くあげていましょう。
P136「(にわとりを殺したのはゲンジさんの犬だと思い込み心が黒くなったまいに対して)魔女は直観を大事にしなければなりません。でも、その直観に取りつかれてはなりません。そうなると、それはもう、激しい思い込み、妄想となって、その人自身を支配してしまうのです。直観は直観として、心のどこかにしまっておきなさい。そのうち、それが真実あるかどうか分かるときがくるでしょう。大事なことは今更究明しても取り返しようも事実ではなくて、いま、現在のまいの心が、疑惑とか憎悪とかいったもので支配されつつあるということなのです。」
思い込み、疑惑と憎悪に心が支配されないように気をつけることが、幸せになっていくことの第一歩です。
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内田
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2026年3月28日
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本
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【本】レビュー『働く君に贈る 25の言葉』
『働く君に贈る 25の言葉』佐々木常夫 WAVE出版
特に若手の方にとって、社会で働き始めることは不安もあるはずです。そのような時に、他者を思いやる優しさの大切さを語る佐々木常夫さんの言葉は心に響きます。
advice01 強くなければ仕事はできない。優しくなければ幸せになれない。
優しさを貫くのは、簡単な事ではありません。口先だけの優しさは、かえって人を傷つける結果となります。相手と真剣に向き合わなければなりません。これは骨の折れることです。弱い人を守ることによって、強い人から攻撃を受けることがあるかもしれません。ときには、優しさを捨てて、誰かを切り捨てたほうが楽になれることもあるかもしれません。それでも、優しい心を失わないでほしい。なぜなら、それが、幸せになる唯一の方法なのですから。
advice11 「思い込み」は、君を間違った場所へ連れていく
仕事に取りかかる前に考える、そのときに、気を付けなければならない落とし穴があります。それは「思い込み」です。どんなにしっかりした計画を立てても、それが思い込みに基づいたものであれば、その仕事は台無しになってしまいます。特に気を付けなければいけないのは、「こうに違いない」とか「当たり前だ」と思ったときです。このように直感的に確認したときこそ思い込みの可能性が高く、作業が途中まで進んだときに、もう一度相手に確認するのがいいでしょう。
advice12 事の軽重を知る。それが、タイムマネジメントの本質だ。
(入社したばかりはすべてに全力で取り組む必要はありますが)重要度の低いものは拙速でもいいから早く終わらせ、雑務はポイントさえ押さえておけば完成度は低くて構わないのです。その代わり、重要な仕事には全力を注がなければなりません。私たちに与えられた時間は有限です。体力や集中力にも限りがあります。だから、いい仕事をしようと思ったら、「最小投資」で「最大効果」を求めなければなりません。タイムマネジメントは、時間を管理する事ではありません。何が重要な仕事なのかを考える、仕事を管理することです。
advice16 せっかく失敗したんだ、生かさなきゃ損だよ。
失敗した時は、まず何よりも誠心誠意、謝罪する以外ありません。ただ、落ち込んでばかりいても仕方ない。前向きにとらえなさい。あらゆる失敗には、成長のタネが隠されています。クレームを指摘されたことを感謝したほうがいい。なぜなら、多くの人はなかなか怒ったりしないからです。怒る事はエネルギーを消耗します。それに、後味だって悪い。またクレームはむしろチャンスと捉えたほうがいい。相手の人との人間的な距離を縮める絶好のチャンスなのです。ここで誠意を込めた対応ができれば、相手の方との信頼関係を一気に気づくことができます。
advice24 運命を引き受けなさい。それが、生きるということです。
失敗困難から逃げることなく、その一つひとつを乗り越える。その積み重ねが、何があってもそれを引き受けようとする覚悟を育ててくれて、人生を生き抜いていくには、その覚悟こそが大切です。私たちは、誰しも運命を背負っています。親や兄弟を運ぶことはできませんし、能力や容姿も天から授かるものです。どの時代を生きるかを選ぶこともできません。これらはすべて、所与の条件として私たちに与えられるものです。それらを引き受けて、生きていくほかないのです。受け入れる運命のなかで、改善するための努力をすることはできます。よい習慣を身に付ければ、才能を超えることはできます。
advice25 人を愛しなさい。それが、自分を大切にすることです。
人は誰しも、いいところもあれば、悪いところもあります。だから、常に、その人のよいところに着目することです。これを習慣にしてしまうのです。人を好きになるということは、人を嫌いになることに比べて、ずっと幸せを感じるものです。なぜなら、誰かを好きになると、その人も君のことを好きになってくれるからです。そして、誰かに好意をもってもらえると、君はもっと自分のことを好きになれます。自分のことが好きになれたときにはじめて、人は幸せを感じることができるのです。仕事に結果をもたらすのは、能力というよりも熱意です。そして、熱意を生み出すのは、一緒に働く人たちとの間の信頼関係であり、「その人たちのことが好きだ」と気持ちなのです。
仕事をする上では強さが必要です。
困難な仕事を成し遂げる「粘り強さ」、失敗しても叩かれても立ち上がる「芯の強さ」、ときには自説を押し通す「気の強さ」も必要でしょう。しかし、強さだけでは幸せになることはできません。強さの根底に優しさがなければ、幸せになることができないのです。
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内田
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2026年3月21日
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本
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【本】レビュー『成功のコンセプト』
『成功のコンセプト』三木谷浩史 幻冬舎
楽天グループ代表-三木谷さんによる(平成21年のものですが)著書です。
〇第1のコンセプト:常に改善、常に前進
太陽が何千回地平線から昇ろうと太陽の事を古いという人がいないように、「改善」という言葉は人間がビジネスをしていく限り永遠に使い続けられるはずだ。人間が創り出すモノはどんなものであれ、改善の余地があるからだ。そして日々改善を続ける限り、人は日々前進することができる。これを延々と繰り返してきたのが、僕たちの未来に対するアプローチだ。スタートはゆっくりでいい。けれど改善を続けていけば、必ず世の中に認知されるようになる。そして認知されるにしたがって成長のスピードは加速していく。改善の蓄積があるから、クオリティはきわめて高いものになっている。
1.01の「365乗」はいくつになるか計算してみるといい。1日1%のわずかな改善であっても、1年続ければ元の37倍以上になるのだ。
日々の改善は、つまり足元を見つめることなのだ。世の中がどんどん変わるということは、スキーでの予測なコブやアイスバーンが次々に出てくることだ。その一つ一つを上手に乗り越えていなければならない。自分がどこへ向かうべきかを考えながら、日々改善を続けていく。世界が大きく変わろうとしている時代、人間の価値観そのものが変わっていく時代だからこそ、そのバランス感覚の重要性より高くなると思っている。そして少しでも進んでいく、一段ずつでも上っていくためには、いつも自己を否定する勇気を持たなければならない。人は自己愛というものがある。その自己愛こそが、判断を誤らせることを常に意識していなければならない。自分の仕事について愛情や慣れがあるからそのまま続けたいと思っているだけで、どんなことにもよいいい方法はいつも必ずあるのだ。
〇第2のコンセプト:Professinalismの徹底
お金を稼いでいるかどうかよりもそれにどれだけ心血を注ぎこんでいるかでプロフェッショナルかどうかが決まると僕は思っている。それはビジネスで成功するための秘密であり、そしてまた仕事を楽しみに変えるための秘訣でもある。極論、ビジネスで成功するかの鍵は、結局のところ、仕事を人生最大の遊びにできるかかだ。人間は遊んでいる時、最大の想像力を発揮する動物なのだ。
僕たちの眼の前には、いつも登るべき山があった。それも、自分たちの能力では登り切るのが不可能に思える山が。リーダーの役割はそういう山をいつも見つけることだと思う。「あんな山、登れないですよ」誰かが弱音を吐く。「大丈夫だよ、俺たちなら登れる」そう言って、一緒に山を登るのだ。そして登り切った瞬間には、次なる高い頂を指さして「今度はあの山を目指そう」と宣言する。たとえ近所の名もない山から登り始めても、絶対に立ち止まらずにこれを続けていけば、いつかきっと世界最高峰を目指せるようになる。不可能に見えた山を登り切った喜びと自信が、会社の文化になる。
〇第3のコンセプト:仮設⇒実行⇒検証⇒仕組化
ビジネスは試験と違って、問題に対する正解は用意されていない。問題が生じる。その解決法を考える。その解決法が正しいか間違っているかは、実際にそれを適用して初めて判断できる。
禅宗にはこういう言葉があるそうだ「師にあっては師を殺し、仏にあっては仏を殺す」殺すというのは乗り越えるという意味だろう。史師匠の言いつけを守り、経典を読んでいるだけでは、絶対に進歩できないと言っているのだ。常に進歩することを考えて行動する、これはもちろんビジネスにおいて重要なことだ。江戸時代から300年続いた京都の老舗であったとしても、今も元気に商売をしているところは、毎年のように新しいチャレンジをしている。仮設・実行・検証という行動形式は、そのための強力な武器なのだ。
個人のレベルで考えれば、仮説を立て、その仮説に基づいて実行し、その結果を検証するだけでも十分だからだ。検証した結果、仮説が正しいことが分かったら、あとはそれを続けていけば良い。検証して思うような結果が得られなければ、その原因を考える。仮説が間違っていたなら新たな仮説を立てればいいし、仮説の実行方法が間違っていたなら別の方法を試してみれば、進歩し続けることができる。そういうことを繰り返していけば、目的は達成できるはずだ。
〇第4のコンセプト:顧客満足の最大化
なぜ顧客満足が重要なのか。何のために顧客満足の向上を図るべきなのか。この問題を真剣に考えることは、自分の仕事を見つめ直し、仕事に対するモチベーションを高める結果につながる。楽天はインターネットの力を使って情報格差社会を破壊する。インターネットを利用すれば、地方に住んでいる人が、都会に住む人と同じビジネスチャンスを手にすることができる。広い店舗を持たない個人商店主も、全国規模で展開する大資本と同じ土俵で戦う事ができる。インターネットを使って条件的に弱い立場にある人に力を与えること、エンパワーメントすることが楽天の使命なのだ。収入は仕事の大きなモチベーションになるけれど、それだけでは本当の意味で頑張る力は湧いてこない。人間は弱い生き物なのだ。どんな人も心の底では、他人の評価や感謝を必要としている。自分の仕事が誰かを幸せにしているという実感は、仕事を続けていくための極めて重要なモチベーションになり得るのだ。顧客満足がなければ、事業は成り立たない。もちろん投資やM&Aなどの別の方法で、短期的に利益を上げることができる。しかしお客さんがついて来なければ、結局いつかは破局を迎える。顧客支持の拡大こそが、ビジネスの拡大につながっていく。地球規模の企業へと成長するためには、人類全体の「幸福」に貢献しなければならない。
〇第5のコンセプト:スピード!スピード!スピード!
業績が大きく伸びているような企業では、リーダーと部下の間にスピード感のズレはほとんど見られない。誰もが小気味よくテキパキと仕事をしている。みんな忙しいはずなのに気配りが行き届いているのもそういう会社の特徴だ。当事者意識(=自分が仕事の主人公にあうること)を持って仕事をすればスピードは自然に上がる。それは当事者意識=経営者としての意識が「モノの見方を変化させる」からだ。当事者意識を持つと、モノゴトを俯瞰で眺めるようになるのだ。
ビジネスは結果が出るまでに時間がかかるから、俯瞰で見ることができないうちは、仕事を速くやれと言われると、どうしても後ろから押されているような気分となる。しかし、それでは誰も本気で走れない。そうではなくて、前方に電車が停止していて、発車のベルが鳴り響いている、という状態に自分で気づかなければならないのだ。
「目標の設定」がスピードアップに効果的なのは、自分の目標を決めると、そこに至るまでの道のりが見えてくるからだ。現在地から見て目標地点がどの方向にあるのか、そこまでどのくらいの距離があり、その間にはどんな障害や難問が横たわっているのかが、まず大まかに見えてくる。地図は自分たちで描くしかない。因数分解した目標を次々にクリアしていけば、必ず最終目標に到達できる。小さな目標を結んだ線が、自分が進むべきルートになるというわけだ。目標が十分に大きければ、スピードの大切さを見に沁みて実感するに違いない。おそらくやらなければならないことはあまりにも多いからだ。そこで挫けてはいけない。できない理由を探すから、不可能に思える理由を探すから、不可能に思えるのだ。できる理由を探していけば、不可能を可能にする方法が必ず見えてくる。
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内田
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2026年3月14日
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本
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