世界の5哲人の考え方
- 内田
- 2017年9月17日
- 趣味・雑感
- 0
ビジネス誌『プレジデント』で哲学大全という特集があって読んでみました。
その中でも特に興味があったのがソクラテス、ヘーゲル、デカルト、ニーチェ、カントという5哲人の考え方の特集。
ビジネス雑誌にこのような内容が載っていること自体が面白く、昔よく読んでした書籍を思い出したりしました。
●ソクラテス(前469~前399年) 「無知の知」
知を愛するソクラテスが嫌ったのが「もう知っている」と態度。「知っている」と思ってしまうと、それ以上に
知ろうとせずに思考停止してしまい成長できない。
対話を通して相手に自分の無知を自覚させ「もっと知りたい」という知的欲求を手法「問答法」を若者たちは
歓迎し常識がダイナミックに壊され、必ず新たな気づきが生まれた。
⇒ビジネスの場でも誰に対しても「〜すべき」という言い方はせず、相手の思考に寄り添って質問を投げかけ
出てきた考えを褒めて勇気づけながら、最終的に相手が自分自身できづくように促すのが問答法の極意。
また、「もう知っている」と思わずに考えることをやめない姿勢が時代に取り残されずにビジネスチャンスを
つかむことに繋がる。
●デカルト(1596~1650年) 「方法的懐疑」
どんなに疑っても疑いきれないものこそが真理の条件と考えた。誰もが正しいと認める結論を導く真理探求
のための4つの規則①明確に正しいとわからない限り真理と認めてはならない(明証)②問題をできるだけ
小さな要素に分ける(分析)③単純な要素から複雑なものへと順序立てて認識する(総合)④すべての箇所
に見落としがないと確認できるまで検討を繰り返す(枚挙)
⇒ビジネスの場でも「真理探究のための4つの規則」は非常に有用 例えば上司から仕事の段取りを言われた時
第1段階:何事もまず疑ってかかり、上司の言った段取りが妥当か、そもそも指示された業務が必要か疑う。
第2段階:上司からの指示内容をできるだけ具体的な細かい作業レベルに落とし込む。
第3段階:細かい作業レベルを単純なものから複雑なものへ、やる順番を並べ替える。
第4段階:すべての過程で見落としが無いことを再確認、検算をする。
●カント(1724~1804年) 「批判哲学」
私たちは、確固たる「物」をありのままに捉えていると思いがちだが、実は違うというのがカントの主張。
「物」という対象に人の認識がした従うのではなく対象物は人の認識に従うことで規定される。
「物自体」の可能性に迫るには、表面的なことに目を奪われるのではなく、物事の本質を追求することが
必要だ。
⇒ビジネスにおける本質的なニーズを探るためにはカントの主張が役に立ち、市場や物事の本質は何かと
という認識自体、時代によって刻々と変化しているため絶えず本質を追求する姿勢が求められる。
また自分にしか出来ない仕事をして抜きんでるために、自己の内部を掘り下げ個性の本質を見極める作業
が欠かせない。
●ヘーゲル(1770~1831年) 「弁証法」
弁証法は「正・反・合」という3つの側面で事物の変化を捉えます。人間は現実の世界にあるものを、その
時点の姿を見て「〇〇」であると認識します。これが「正」の側面です。しかし時が経つと、同じ事物をが
違う姿を見せます。これが「反」です。反が現れると正を否定しがちですが、弁証法では両者に優劣を付けず
反は正の要素を取り込んで「合」という形に統合され新しい「正」となります。この問いを繰り返すことで
人間の認識力が高まり、その結果として「絶対真理」に到達できるといのが、弁証法の考え方です。
⇒ビジネスでの商品開発を弁証法の視点から見ると、すべての商品は永遠に変わることのない「本質」と時間
の経過によって変わる「側面」を持っていると考える。弁証法の視点から市場を見れば、ニーズの変化に対応
するヒントが見つかるだろう。
●ニーチェ(1844~1900年) 「超人思想」
「神は死んだ」ここで言う神とは、世の中の善悪の基準などを決定する伝統的な価値観秩序です。私たちは
自分を支配する神に逆らえず、常に強いものに対してルサンチマン(怨恨感情)を抱いています。ですから
神を殺し自分を超えて新しい秩序を打ち立て創造的に生きていくことで「超人」が誕生します。
⇒ビジネスパーソンにも様々な神が存在するでしょう。ライバルが多くて出世が叶わない、少子高齢化だから
売上が伸びない、それらすべてが殺すべき神なのです。ニーチェは「今この瞬間を生きよ」と言います。明日
死ぬかもしれないと思えば、今の瞬間に永遠があり、今の自分に満足せず、少しずつ人間性を磨いたり、仕事
のやり方を改善したりすればよいのです。