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レビュー『一切なりゆき』
『一切なりゆき~樹木希林のことば~』 樹木希林・著 文春新書
2018年9月にご逝去された樹木希林さんの言葉が載った著書。150万部以上販売されているそうです。
らしい言葉がたくさん並べられていて、第1章から第6章までそれぞれ印象に残った言葉を書いてみます。
第1章 生きること より
「しっかり傷ついたりヘコんだりすれば、自分の足しや幅になる」(「この女性の軌跡」(2001年7月))
人として生まれたからには善も悪も欲も全部ひっくるめて、ちょっと削ぎ落したところで着地したいというのはある。
第2章 家族のこと より
「私がしっかり土台をつくっておきさえすれば、この家族の絆はなくならない」(「オカンと裕也と娘・也哉子と」2007年5月)
少々大黒柱がひしゃげても、歪んでいても、土台さえしっかりしていれば家は何とか立っていられる。だから、自分の結婚生活についても、私がしっかり土台をつくっておきさえすれば、この家族の絆はなくならないと信じられたのかもしれません。
第3章 病のこと、カラダのこと より
「病というものを駄目として、健康であることをいいとするだけなら、こんなつまらない人生はないだろう」(「全身がん 自分を使い切って死にたい」2014年5月)
一つのものに表と裏があるように、物事には善の面もあれば、悪の面もあるとわたしは思うんです。そういう東洋的な考え方が自分の体の中に入ってきて、宇宙の大きなものに対して働きかけるような祈りという行為に感応していく。それが総体的にひとりの人間となって生き生きしてくるんじゃないかという感覚なんです。
第4章 仕事のこと より
「俯瞰で見ることを覚え、どんな仕事でもこれが出来れば、生き残れる」(「この人の言葉は宝物だ!」2002年8月)
私はお仕事で関わっている人達を、自分も含めて俯瞰で見るようにしているんです。そうすると自分がその場でどんな芝居をするべきかがよく分かる。
第5章 女のこと、男のこと より
「相手のマイナス部分がかならず自分の中にもあるんですよ」(「表紙の人 樹木希林」2015年7月)
どの夫婦も、夫婦となる縁があったということは、相手のマイナス部分がかならず自分の中にもあるんですよ。それがわかってくると、結婚というものに納得がいくのではないでしょうか。ときどき、夫や妻のことを悪く言っている人とみると、「この人、自分のこと言ってる」と、心の中で思っています(笑)
第6章 出演作品のこと より
「人間が老いていく、壊れていく姿というのを見せたかった」(「女優魂の渾身と自由 ヌードよりも恥ずかしい」2018年6月)
入れ歯を外したのよ。映画『万引き家族』で。髪の毛もだらぁと長くして、気味の悪いおばあさんでしょう?~ 人間をいかにして自分の身体を通して表現するか。それが役者の仕事なんだけれど、『万引き家族』がパルムドールを受賞したのは、個々の人間がどうやってそこまで生きてきたかを、丹念に見ながら積み重ねていった結果なんじゃないかと思う。
- 内田
- 2020年2月22日
- 本
- 0
レビュー『謙虚力』
『謙虚力~超一流のリーダーになる条件』 松井住仁 幻冬舎
日本経済新聞の広告に載っていて興味を持ち読んでみました。
P5「『謙虚力』とは僕の造語で、単にへりくだり相手に譲るのではなく、相手を尊重し立てながら謙虚にしなやかに自己主張をする力のこと」
⇒まわりも立てながら自分の力を発揮できればチームとしてのパフォーマンスを最大化することができるでしょう。
つつましい人柄で強引に人を押さえつけるようなことは決してしないことが組織の活性化につながります。
P22「項羽と劉邦の劉邦は、非力でしたが、謙虚にそれを認め、有能な部下を集めて適材適所で働かせるかたちで組織を運営しました。人の意見を聞き、権限を積極的に委譲する。良い悪いにかかわらず、結果にはコミットする。」
⇒私自身、十代の時によく読んだ項羽と劉邦の劉邦は、頼りなく見えながらも漢帝国を作り上げた魅力的な人物でした。
項羽は無敵の強さを持っていましたが、それだけではやはり最後はうまくいかないようです。
P52「7割は譲っていい。その代わり、決して譲れない3割は守り抜く、絶妙なバランスです。」
⇒攻守のバランスは7対3、9対1では譲りすぎで自分がなくなってしまう、とこの本には書かれてあります。
仏教用語でいうところの「自明灯(=自分が自分の道しるべになる)」として自分を肯定していくべきです。
P116「リーダーたるもの相手がどんなにおかしなことを言ったとしても『それはおかしい』とか『それは違う』などとは言いません、自分の意見は言わず、その先を促します。基本的には相手の言うことを肯定しかしません。」
⇒常に聞く耳を持つ、相手の立場に立って考えることができるか=傾聴力によってチームメンバーに常に気配りをする。
相手に本音を語ってもらうことが何より大切ということです。
- 内田
- 2020年2月15日
- 本
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ファーウェイと米中5G戦争 ②
前回に引き続き、講談社の近藤大介さんの著書についてのお話です。
(書籍も購入させていただきました。)
アメリカのトランプ大統領が激しく非難しているという点では知っておりましたが、
実際にはとんでもなく凄い会社がファーウェイということがこの書籍からもわかりました。
ファーウェイは、「1+8システム」というものが強みであり、スマートフォン全てのが中心になり、
子会社ハイシリコンが7つのコアチップを作りGoogleを超えていく目論見。
国際特許は2018年で5000件で二位の三菱電機800件をはるかに超えるような、アイデアにより工夫する力。
ファーウェイホテルはAIが接客をしております。
一流大学の大学院生だけを採用して、24歳くらいで初任給年俸が3000万円。株式配当も年間1,000万円以上。
灰色のサイとブラックスワンという2つのリスクを絶えず考えて会社前に置いていることも印象的でした。
ファーウェイのおかげで今の都市部–中国では三つの「カ(カネ、カギ、カミ。)」なくなったそうです。
お財布も売っていない。雑誌や新聞は学校(全国10000校)や役所でも無くなってきた。
米中対立は四段階にて、貿易(2018.3〜)、技術(2018.4〜)、金融(2019.8〜)、軍事(2020?)。
これからはアメリカを選ぶか中国を選ぶかという世界になってくるということがよくわかりました。
- 内田
- 2020年1月25日
- 本
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レビュー『夢をかなえるゾウ2』
『夢をかなえるゾウ2』 水野 敬也 飛鳥新社
昔、よくよく読んだ「夢をかなえるゾウ」の続編を今ごろ、という感じですが読んでみました。
思い起こせば「夢をかなえるゾウ」を読んで5年以上前の下記ブログにも書きましたが、
イチローを基にした「靴をみがく」などの良い習慣を身につけられたように思います。
https://zeirishitap.com/2014/06/08/
今回読んだ『夢をかなえるゾウ2』の印象に残った内容を書いてみます。
P89「自分、ワシと最初に会うたとき言うてたやろ。『僕には才能がない』て。せやったら、それを一番の強みにせえ。自分で才能がないて思うんやったらお客の意見聞いて、直して直して直しまくるんや。」
人の意見を聞いて、すぐに直すことは大事なのですが、なかなかできないことです。
素直さを持って生活をしていけば歯車も合ってくるでしょう。
P136「やっぱり人間ちゅうのは追い込まれると思いもよらん力を発揮するもんやなぁ。」
仕事でもそうですが締め切りを作るという事をしていきたいところです。
いつまでに完成させる、というのが無いといつまでもダラダラと進めてしまうものです。
P157「なぜ職を失うことが苦しいのか。それは『自分だけが苦しんでいる』と考えるからだ。しかし周りを見てみなさい。多くの人が職を失って苦しんでいる。苦しみを持たない人間はいない。そのことを決して忘れてはいけないよ。」
人生には良い事もあれば悪いことも起きるのであって、悪い時に全てを投げ捨てるだけでは成長もできません。
つらいときに、自分と同じ境遇、もっとつらい境遇にいる人を想像すると乗り切れる希望も出てきます。
P209「自分が困っているときに人を助けてあげられる人は、『困っている』感情から抜け出すことができます。そして、そのとき人は―大きく変わります。」
人はえてして自分が困ると視野が狭くなってまわりを助けることができなくなるものです。
自分が困っているときに、困っている人を助けることが、自分自身の道も開きます。
- 内田
- 2020年1月4日
- 本
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