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レビュー『メンタルが強い税理士にどうなればなれますか?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メンタルが強い税理士にどうなればなれますか?』 飯田真弓 中央経済社

 

第1章 税務調査がしんどい

・新規の顧問先が税務調査に選ばれてしまった!
「税理士事務所をおたくに変えたら、そのタイミングで税務調査が来るってどういうことなんですか」って言われてしまいました、というご相談。税理士事務所をよく変える経営者は何らかの問題を抱えていることが多く、調査にも選ばれやすいのです。税務調査の前にゆっくりとこれまでの経緯を聞き取りするリハーサルの時間を取りましょう。実際に調査を行う場所で、事務所側から調査官の目で質問をして、お客様の人生を聞いて距離感がグッと縮まることにもなります。また、調査官の過去の勤務先や上司の系統も先に調べておくと有効です。
・調査官とのやりとりが難しい
ほとんどの場合は調査官の言葉遣いな丁寧です。でも、その内容は核心を突いています。お客様の調査で一番避けたいのは現況調査、ガサガサと会社の中を家探しされるのって誰だって嫌だと思うのです。なので、それを始めようという言動を始めたら良いタイミングで助け舟を出しましょう。「私どもの方で確認して、後日に書面で回答をさせていただきますので、現況調査は勘弁いただけませんか。」
修正金額についても、調査官から増差所得内訳書として出してくる金額がありますが、グレーを黒として出してくるケースも多く、事務所側で試算をしてお客様に寄り添った気持ちで調査官と交渉することが大切です。「今後は私どもの方で、しっかり指導させていただきますので、今回の調査ではこの位の金額にしていただけないでしょうか。」

 

第2章 事務所の人間関係がしんどい

・面倒な作業を押し付けるパートのおばさん
自分は税理士の官報合格をしているのに、同じ事務所のパートさんが領収書を張り付ける作業を振ってくる、という相談。
でも下積み仕事は心がけ次第で成果が大きく変わります。調理師免許を取って就職したが皿洗いばかりやらされて、いやいやお皿を洗いながら日々過ごすのか、それともお皿に少し残ったソースを舐めて料理長の秘伝の味を研究するのか、という違いに似ています。
相談にあった領収書貼りの領収書には、必ず何らかのストーリーがあるはずです、与えられた仕事を単に領収書を貼り付けるだけの仕事と思うのか、それとも経営者の人となりを想像するピースを組み立て再現していると思うのか、同じ作業でも、取り組む姿勢が違うと、その先に見えるものは全く違ってきます。

・事務所の合併で何となく雰囲気が悪い
二つの事務所を合併して税理士法人としたが、合併前別の職員同士の仲が悪くて、雰囲気が悪い、という相談。
何がいけないのか。職場の雰囲気をよくしたいと思う経営者は原因探しをしようとされるのですが、それは問題の解決にはなりません。まずは、それぞれの職員がどんな人なのか、お互いに知ることからはじめてみましょう。
所長などの上の人による面談は、あまり意味がありません。「今の仕事に特に不満はないですし、特に何も言う事はありません」と、当たり障りのないことを言って終わります。個別の面談は、傾聴力に長けたプロのカウンセラーに依頼するのが賢明です。
合併はトップ同士が合意し何も文句は無いだろうと思っていても、環境が変わることへのストレスがあります。言葉を交わさなくても、お互いのことがわかりあえるレクリエーションがおすすめです。

 

第3章 顧問先の経営者とのやりとりがしんどい

・ネット情報を鵜呑みにして、無理難題を言う
経営者の間では、いまだに、税務調査について、まことしやかに都市伝説のようなことが言われ続けているようです。そういったお客様には「ネットの上で、匿名のブログや、税理士の資格を持っていないのに、税務コンサルト名乗っているような人の話を鵜呑みにしてはいけませんよ」と忠告してあげることも必要かなと思います。
溢れすぎている情報を取捨選択して、適切な情報をお客様にお伝えすることも税理士の大切な仕事です。
お客様が求めているものは何なのか。そこのところを常に追求していけば、「無理」と思わず、今の状態で提供できるサービスを見つけることが出来ると思います。

・アドバイスをくれないから解約すると脅す
経営者は数字の組み立てを主な仕事とする税理士にアドバイスをしてほしいと本気で思っているのでしょうか。
アドバイスって何なん?ってことです。
私はカウンセリングをする際、「お話を聴かせていただくことはするけれど、具体的なアドバイスはあまりしませんが、それでも宜しいですか?」と念を押してからお話を聴くようにしています。
いざお話を伺ってみると、私から具体的なアドバイスがなくとも、お話をされるうちに、ご自身で具体的な解決の糸口を掴んで帰っていかれることがほとんどなのです。
すなわち、お客様は最初からご自身の中に答えを持っておられて、自分の気持ちを確認して整理したいということです。
話を聞くときに「聴かせていただく」というスタンスで、お客様の気持ちに寄り添うようにして、聴くことがポイントです。

  • user 内田
  • time 2022年8月20日
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