レビュー『メタバースMETAVERSE 超入門』
- 内田
- 2022年12月3日
- 本
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『メタバース超入門』 武井勇樹・技術評論社
北海道という広い土地柄の中で移動時間が大切な所、会計事務所の仕事にも「メタバース」が利用できないか考えている中、こちらの本を読んでみました。
メタバースとは、利用者がアバター(化身)を操作し社会生活を送ることができる仮想空間の事です。
映画『アバター』や『マトリックス』、アニメ映画でも『竜とそばかすの女王』などでもよく知られています。
今、メタバースが注目されているのには5つの理由がある。
①通信技術の進化(5G)
②リーズナブルで高性能なVR機材の登場
③リモートワークの定着(コロナ禍)
④PC・スマートフォンの普及
⑤ブロックチェーンやNFTという先端技術の浸透
現在、メタバースはフォートナイト・マインクラフト・あつまれどうぶつの森、などゲームの世界で広がっている。
それは、ゲーム自体が3DCGで構築されていてバーチャル世界を作りやすく、コミュニケーション基盤となりSNS要素と相性が良いためである。
これから必要なのは「ゲームとは関係ない領域でも広がっていく」ことであり、仕事や買い物、学校の授業や職場などの日常生活にも用いられ始めると、一気に非日常と日常の主従が逆転する、つまり「バーチャルな世界にいるのが当たり前」という地点に到達できます。
いまやスマートフォンやPCからメタバースに入るのがメインの方法ですが、メタバースの魅力をフルで堪能するためには、VRゴーグルやARグラスを使うのが理想です。これらXRデバイスの普及に向けては、サングラス化できるか、小型軽量化が大きな課題となっています。
また将来的には「フルダイブ」という映画マトリックスのように「五感すべてでVR空間を楽しむ」という意味で、視覚や聴覚だけでなく触覚・味覚・嗅覚も含めて操作者の脳へとフィードバックすることもポイントになります。
フルダイブ型のメタバースは実用化までまだ技術的な課題が大きいですが、SF世界で描かれるような五感すべてで楽しめるバーチャル世界を夢見ている人も多いです。
メタバースが本格普及するために、「政治」の観点としては税制(所得税など)や法律面(所有権など)が整備されてこないと一般普及するのが難しいです。「経済」の側面ではメタバースって儲かるよね、という認識が広がらないと参入プレイヤーは増えてきません。「社会」的な側面ではバーチャル空間で人に会うのって楽しいよね、とか自分らしさを出せるよね、というポジティブな価値観が広がる必要があります。「技術」面ではデバイスの小型化だけでなく、AIやブロックチェーンのさらなる進化も必要不可欠でしょう。