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レビュー『チームレジリエンス 困難と不確実性に強いチームのつくり方』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チームレジリエンス 困難と不確実性に強いチームのつくり方』池田めぐみ・安斎勇樹 日本能率協会マネジメントセンター

レジリエンス=逆境や困難に直面した時に、それを乗り越えて適応していく力 について、最近聞くことが増えております。

チームとしてこの力が高まっていけば、自ずと結果が出やすくなるでしょう。

一寸先も見えない現代において、これまでのような「個人プレイ」ではなく「チームで成果を出す」ことが、あらゆる職種で求められるようになってきています。しかし現実には多くの「困難」が降りかかり、チームの目標や基盤を脅かします。
大口得意先の突然の離脱
人手不足に業績不安
・取引先の無茶な要求
・理不尽なクレーム
・SNSの炎上や評判を脅かす噂
・ギスギスした人間関係
コミュニケーション不全
エースの離脱

一つの「困難」を解決できぬうちに、また次の「困難」が立ち現れる。まさにストレスフルな状態です。このような時、「根本原因」を取り除くよりも一時的な「逃避的行動」をとり続ける限り、困難は解消されません。

ステップ1:課題を定めて対処する
困難に対処できない3つの要因
①困難を解決可能な課題に落とし込めていない
まずは問題を整理してどのような課題に取り組むべきか明確に定義しましょう。
②プロジェクトとして取り組むことができていない
課題を明確にした後に、その「期限」や「役割分担」を決めましょう。
③チーム内でストレスが高まっている
疲れてパフォーマンスが発揮できなくならないように、いつも以上にストレスケアを推進しましょう。
課題具体化のための5つの要因
①問題と課題を切り分ける
外的要因等でどうにもならない問題もあるが、その中でチームが対処すべき「課題」を見極めましょう。
②チームの目標を3段階で整理する
成果の目標、プロセスの目標、その先に目指す長期的な展望(ビジョン)をチーム内で合意しましょう。
③解決に必要なのは専門性かチームの変化かを吟味する
やり方がわからないので何らかの知識や技術が必要なのか、あるいは物の見方や関係性が固まっているだけなのか見極めましょう。
④問題を緩和課題と根治課題に分解する
ストレスを多少軽減し大きなリスクとならないようケアする「緩和課題」への対応と、問題の本質を見抜き困難を根本的に解消する「根治課題」に分解しましょう。
⑤目標そのものを変えてみる
偶然や時の流れを活かして、柔軟に目標を変えたほうがうまくいく場合もあるかもしれません。

ステップ2:困難から学ぶ
①振り返りの冒頭で目的を提示する
方向性を示し、過度に感情的にならずに「何を改善すべきか」を冷静に話し合いましょう。
②よかった点を振り返る
チームのパフォーマンスを下げないためにも、個人の優れたノウハウの共有もしましょう。
③別のアプローチをしていたらどうなったかを考える
複数の戦略を組み合わせて、困難な状況に対処しましょう。
④前提を疑う―対処ではなく仕組みから変える
時にはやり方だけではなく、チームの構造やしきたりを変えていきましょう。
⑤振り返りを習慣化する
話し合う習慣を意識的に増やし、ネガティブ感情による学習の妨げを防ぎましょう。
~今後に活きる教訓をつくる~
教訓を日々の行動ルールに落とし込み、「痛み」とセットで語り継ぎ、役割分担を見直しましょう。

ステップ3:被害を最小化する
①流行り病から学ぶ
チームに1人、環境変化やリスクのリサーチ係を設け情報集を任せ、1か月に1回程度、困難の予兆を共有する機会を設けましょう。
②チーム内部の困難のサインを察知する
スケジュールの遅れ、従業員満足度の値は内部の困難が発露しやすい部分ですので、注意しましょう。
③すべての困難を避けるべきか
リスクの中にはある角度から見ると困難の兆しであるものの、別の角度から見ると成長のチャンスにもなりえます。

  • user 内田
  • time 2024年7月27日
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レビュー『書いてはいけない』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

書いてはいけない』森永卓郎 三五館シンシャ

森永卓郎さんによるメディアが決して触れない日本のタブーに踏み込んだ書籍。

第1章から3章は、ジャーニーズの性加害、財務省のカルト的財政緊縮主義、日本航空123便墜落事件について。
第4章の日本経済墜落の真相、に特に興味があり、以下に書いてみます。

太平洋戦争で焼け野原と化した日本は、GHQの支配下に置かれ、主権を失った。すべての政策はGHQ(実質的にはアメリカ)の判断を仰がないと決められない「占領下」に置かれた。しかし、日本人のたゆまぬ努力の積み重ねによって、奇跡と呼ばれた高度経済成長を通じて、日本は世界でのプレゼンスを高めていた。ジャパンマネーが世界中の資産を買いあさり、1980年代後半には、東京の山手線の内側の土地だけでアメリカ全土が買えると言われた。日本経済は世界一の地位にまで昇りつめたのだ。

ところが1985年9月22日、先進5か国の大蔵大臣、中央銀行総裁がニューヨークのプラザホテルに集結し「プラザ合意」と呼ばれる日本経済にとって致命的な決定がなされた。表面上は、為替を安定させるという合意だったが、実態は各国の協調介入によって、急激な円高をもたらすものだった。

じつはこの時期、「ありえない政策決定」がもうひとつなされており、1986年9月2日に行われた日米半導体協定の締結だ。1980年代、日本の半導体産業は世界シェアの半分を超え、世界の半導体売上も1位NEC2位日立製作所3位東芝、と日本企業が席巻していた。この協定により、価格をアメリカが決めることになり、日本市場での外国製品シェアを上げることととなった。

私はこれまでの人生のなかで最大の後悔がある。それは小泉内閣の誕生にほんの少しでも手を貸してしまったことだ。2001年4月に自民党総裁選が行われたとき、私はテレビ朝日ニュースステーションのコメンテーターをしていて、そのなかで小泉氏がもっとも強烈なインパクトを残すことに手を貸してしまった。小泉氏が当時の米ブッシュ大統領との間ではじまった「年次改革要望書」、アメリカの言いなりに日本の構造改革を進めていくものであり、アメリカが毎年いくらでも日本の経済政策を変更できる権利を擁していることになる。

アメリカからの矢継ぎ早の不良債権処理要求が続き、2~3年という期限を待たず、わずか1年で小泉総理は決断した。2002年9月30日、小泉総理は、柳澤金融担当大臣を更迭し、その後任に選ばれたのが竹中平蔵氏であった。小泉内閣の打ち出した大きな改革は、郵政民営化と不良債権処理で、国民の目には一見あたらしい政策に見えたようだが、両方ともアメリカの突き付けてきた対日改革要求であり、小泉構造改革とは、アメリカの思い通りに日本経済を改造する政策だったのだ。

郵政民営化がインチキであったことは20年が経過して明らかになってきた。2021年10月から普通郵便の土曜日配達がなくなり、2024年秋からは郵便料金がさらに3割程度大幅な値上げとなる予定だ。なぜこのような事が起きるかというと、郵便局では、①郵便・②貯金・③簡易保険の3サービスが同時に提供されてきたが、儲かる②③の儲けを①に流すビジネスモデルが崩れ①の郵便事業が追い詰められたためだ。

この30年間、日本経済は転落の一途をたどった。かつて世界シェア2割を占めていた日本のGDPは今、4.2%まで転落している。原因は2つ。1つは財務省が進めてきた必要以上の財政緊縮政策。財政をどんどん切り詰め、国民生活を破壊する。2つ目に、本作で述べた日本交通123便の墜落事故に起因する形で日本が主権をアメリカに奪われ、どんどん失っていった事実だ。国の経済政策をすべてアメリカに任せてしまえば、経済がまともに動くはずがない。日本がいつまでたっても主権を取り戻せないでいるのは、単に日本航空墜落の原因についてボーイング社に泥をかぶってもらったという事実だけではない。墜落原因をアメリカに口裏を合わせてもらい40年近く隠蔽し続けている日本政府は、ウソをついたという事実に服従せざるをえなくなっているのだと私は考えている。

  • user 内田
  • time 2024年7月20日
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レビュー『任せるコツ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

任せるコツ』すばる舎 山本渉

・相手の意欲を作り出す
「仕事を受ける側は全ての仕事を面倒と思っている」という前提からスタートし、やってみようという意欲を依頼する側が作りましょう。そのために、「感謝される」「褒められる」「自分にしかできない特別感」の3つがポイントです。
・断れる余白を作っておく
頼む時に余力がない前提で断りにくくしない工夫が必要です。「難しいようでしたら、気にせず言ってください」というように。
「これは仕事なんだから、できる/できないじゃなくて、やるんだよ」という昔ながらのスタンスでは通用しません。メンバーの健康管理は、マネージャーとしてとても重要なことです。
・好意を伝える
「去年の面談で●●って言ってたから〜」「仕事ぶりを見ていると●●だから、この仕事をお願いしても良いかな?」など、「自分のことを覚えてくれている」ということはお互いの好意として捉えられ、依頼を受け入れやすくします。社会心理学者が提唱し、人を動かす原則として有名な『チャルディーニの法則』にも、好意は要求を通りやすくする重要なファクターとして紹介されています。
・頼む際は威張ったり謝ったりしない
上司は偉い、マネージャーが上でメンバーが下、という認識の人はもう絶滅していると信じたいですが、「あれをやれ」というように命令口調で言ったり、無理やりやらせるのは今の時代にマッチしません。
また、感謝は必要ですが、謝る必要はありません。依頼された側としては「謝るぐらいなら自分でやってよ」と思われ、モチベーションアップにはつながりません。
・重要な相談に導くための雑談と冗談
コツは聞いて、そして聞くこと。感覚的には2割話して8割聞くぐらいのイメージ。話してもらうことで、メンバーのバックグラウンドや夢や悩みなど、人となりが見えてきます。人がわかると、その後仕事がしやすくなり、適したアサインができ、パフォーマンスも上がっていきます。面談で得たメンバーのプロフィールは、忘れないように記憶しましょう。記憶力に自信がなければ、メモ機能を使ってファイル化しましょう。それはマネジメントとしての人を活かす資産となります。
・フィードバック、感謝、評価
仕事を依頼したらそれがどう役だったかを伝えてください、そのことで、やってよかった、またやろうという気持ちが芽生えます、それが次につながるフィードバックです。それとセットで感謝を伝えましょう。感謝をするとストレスが軽減されるという研究結果があるそうです。日々の業務でストレス過多のマネジメントの皆さんは、ぜひ感謝を伝えることを習慣にしてみてください。
そして評価。冷静に、客観的に、フェアに行いましょう。基準に沿ってブレない評価をすることで、メンバーの次からのパフォーマンスに良い影響を及ぼします。
・Z世代の伸ばし方
Z世代が会社や仕事に求めることは昔と変わっています。昇給や出世へのガツガツした意欲はさほどなく、代わりに成長意欲が強まり、パーパス(存在意義)を重視する傾向があります。だから「なぜその仕事をするのか、どのように社会に役立つか」という目的を伝えましょう。そのほかにもZ世代は「話をしっかり聞いてもらいたい」「頻繁な承認を求める」「多様性の尊重、上司のやり方を押し付けられたくない」といった要望がより強い世代です。

・今ではなくチームの将来を考える
一つの営業部の新規契約の例。マネージャーは能力が高く10件、10人のメンバーはそれぞれ1件。
これだけ能力に開きがあれば任せたり育成に時間を費やしたりするより、自分で動きたくなります。数字化すると10+10×1=20
次はマネージャーが現場に費やす時間を半分に減らしてその分メンバーの育成に力を入れた場合、本人の契約が5になったとしても、仮にメンバー1人につき2件となれば、契約数は増えることになります。数字化すると5+10×2=25
長い目で見ればメンバーの能力は「2」が上限ではなく、「3」「4」と増え、「10」になり、マネージャーを超える可能性すらあるのです。
「チームに任せられる人がいない」というのは、「私はマネージャーとして無能です」と言っているのと同義語です。「自分でやったほうが早い」というのは、育成を無視し組織を弱体化させる罪です。

・正しい丸投げと間違った丸投げ

正しい:相手の身になって考える。その依頼がどのように役に立つか目的を伝えている。相手の余力の配慮がある。断ることができる余白がある。相手にとって適度なチャレンジがある。プレッシャーと期待が過剰でない。感謝の気持ちがある。

間違い:自分が楽になることだけを考える。目的や意義を伝えずただ作業だけさせる。相手のやる気や忙しさなどの状況を確認しない。命令として押し付ける。誰に任せるかを吟味せずやってくれれば誰でも良いと思い思っている。相手の動機づけをしない。感謝や評価などのフォローをしない。

  • user 内田
  • time 2024年7月13日
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レビュー『頭のいい人が話す前に考えていること』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頭のいい人が話す前に考えていること 』安達裕哉 ダイヤモンド社

 

周りの色々な人にも読んでほしくて買ってみました。
今、いちばん売れているコミュニケーション本とのことです。

他の本とちがって、見開きをひらいたときに、大きなシートが付いている点が印象的です。

★「知性」と「信頼」を同時にもらたす7つの黄金法則

その①とにかく●●するな
冷静であってキレないようにする。そのためには、すぐに口を開かず、相手がどう反応するか、いくつか案を考えて比較検討する。
怒りや感情など強い感情にとらわれると、愚かな行動に走りやすい。

その②頭のよさは、●●が決める
社会的知性SQを高めよう。それは知性やテストでは測られないもの。他者の思考を読み、信頼を得て、他者を動かす力。
価値観の違う人と考えを共有するためにロジカルに話す必要があります。人は頭のいい人の話を聞こうとします。頭のいい人がすすめるものほしくなります。頭のいい人と認められれば、自分のやりたいことを通りやすくなります。

その③人はちゃんと考えて●●人を信頼する
賢いふりでは人は信頼してくれなく、会議で最初に発言する、思いやりの言動をするなどにより、「この人、私(私たち)のためにちゃんと考えてくれてるな」という心情に相手がなったときに信頼が生まれます。

その④人と闘うな、●●と戦え
頭のいい人は、議論の勝ち負けではなく、議論の奥にある、本質的な課題を見極めようとします。議論になるのは、その人の根底に何か問題があるからです。

その⑤伝わらないのは、話し方ではなく●●が足りないせい
「黙っていい、むしろ積極的に沈黙しろ」「言い方にはきをつけるべきだが、うまく話せる必要はない」。テクニックに頼るな。話す前にちゃんと考えるという事は当てはめることでも、テクニックで賢いふりをすることでもない。

その⑥知識は●●のために使って初めて知性となる
話す前に”本当に相手のためになるのか?”と立ち止まることで、知識を披露したいだけ、ただ言いたいだけの自分に気づくことができます。簡単にアドバイスするな、意見を言うな、とにかく相手に話してもらえ。

その⑦承認欲求を●●側に回れ
自尊心が低く自分に自信が無い人間は、他者をうまく承認することがでません。自分で自分を尊重しましょう。
口(自己アピール)ではなく結果で自分自身の有能さを示し、相手に新設にしましょう。

⇒上記①反応②他人③くれてる④課題⑤考え⑥誰か⑦満たす

 

★「知性」と「信頼」を同時にもらたす5つの思考法

第1章「客観視」の思考法
話が浅い人の特徴は、証拠が薄く、言葉に鈍感であり、成り立ちも知らない。
話を深くする2つのコツ①自分の意見と真逆の意見も調べること②統計データを調べること、をやってみよう。

第2章「整理」の思考法
結論から話し、事実と意見を分ける。
相手が聞きたい結論から話すというのは、相手に”聞くスイッチ”を入れる行為なのです。

第3章「傾聴」の思考法
自分の言いたいことではなく、相手の言いたいことを考えながら聞け。
アドバイスをしたいときほど、相手の話を整理しながら正確に聞け。そのために、ゴールを確認しながら、相手の考えを聞く一方で、相手にこうしたいという意志がなければそのまま相手の話を聞くだけにとどめましょう。

第4章「質問」の思考法
導入の質問①過去の行動について質問。導入の質問②仮定の状況判断に基づく質問
深堀の質問①状況に関する質問。深堀の質問②行動に関する質問。深堀の質問③結果に関する質問。

第5章「言語化」の思考法
言語化の質がアウトプットを決めるから、「〇〇ではなく、△△だ」のように再定義をしていけ。
ネーミングにとことんこだわり、「ヤバい」「エモい」「スゴイ」を使わないようにしろ。
提案よりも共感が大事。本当に価値のあるものは100%の賛同は得られない。課題は聴くのではなく、言い当てるもの。人はそんなに早く育たない。小さな商品で、顧客と接触する頻度を高めろ。リスク管理は経験が何よりもものを言う領域。知的な驚きを作り出すことが大事。

  • user 内田
  • time 2024年7月6日
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