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レビュー『覚悟の論理』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

覚悟の論理』石丸伸二 ディスカヴァー

前・安芸高田市長、2024年7月の東京都知事選に出馬した石丸伸二さんの、選挙前に発刊された著書。

私(石丸さん)は安芸高田市を何とかしたい、自分のなりたい政治家像は「良いことは良い、悪いことは悪いをちゃんと貫けること。市長選では勝機のある戦略とともに覚悟を決め勝つ事ができました
自分の願いを叶えていくために必要なもの、それは「感情に支配されない理性」です。
覚悟を決め「こうなりたい」という目標が決まったら、そこからは徹底的にロジカルに考え、(時間や使えるお金、体力などの条件下で)何をやるか、やらないか、優先順位をつけていく
この優先順位が明確であればあるほど、目標を達成できる可能性が高まります。

本当ならば大人の役割とは子どもたちの手本になることです。
そこまでいかなくても、せめて一緒に問題解決に取り組んでいきたいし、最悪でも子どもたちの邪魔だけはしてはいけない。
「恥を知れ」という発言、議会の場で居眠りをしている議員がいること、ちゃんと仕事をするべきだということを市民に対して知らしめるべきだと思い、発しました。

2005年までの平成の大合併をして15年間特別なお小遣いをもらった安芸高田市をはじめ、人口減高齢化で財政維持ができなくなり消滅する可能性があります
人口戦略会議・地方自治体「持続可能性レポートでは全国1729自治体中744が消滅可能性
入ってくるお金を増やすのは基本的に無理全体最適を考えながら事業や建物を減らし歳出を減らしていくしかありません。
少しでもふるさと納税やYoutubeで収入を増やし、財政難の状況を市民に伝えてきました。

安芸高田市では2015年時点で公共施設の30%以上を削減しなければ厳しい事がわかり5年以内に取り組めるものは削減すると言っていましたが、5年後2020年時にはほぼ進んでおりませんでした。
理由は住民に反対されるからですが、嫌われ役をやる覚悟がなければ、この問題の解決には着手できません
自分のまちが20年後どうなるのか。自分たちのまちの政治家は、こうした問題に正しく対処しているのか。現実を知り、選択することが住民一人ひとりに求められています

安芸高田市を、世界で一番住みたいと思えるまちへ」という私がよく使う言葉。この内容について質問を受けましたがあえて説明はせず、まずは皆さんに考えてほしいと思って説明をしません。
住みたい」であって住みやすいではありません。快適さや便利さを求められば、多くの人は都会に向かいます。そうではない価値観を重視したい。
そして「と思える」という部分が一番重要で、住みたい理由は住民の数だけ存在し、SNSのいいねの仕組みのように、主観的な評価を客観的に捉えていけばそこに経済的な価値が生まれます
「この町に住みたいと思える理由」を分かち合うことは、市民としての意識や市に対する誇りの醸成につながります。
安芸高田市でも毛利元就・神楽・サンフレッチェ広島という熱中できる「地域に対する住民の誇り」=シビックプライドを引き出してきました。

出たとこ勝負はしない。運には任せない。勝算があると見込めたことを、戦略的に進めていく。組織も個人も同じように考えます。
もし新しい挑戦をする覚悟が決まらない、勇気が出ないというのなら、それは損失と利得の分析がまだできていないということ。だったらやらないほうがいい。
新しい挑戦ができない自分を卑下するのではなく、「危ない、危ない。思い付きで飛び込むところだった。」と前向きに捉えればよいはずです。
うまくいかないことが山ほどある人生だからこそ、こうありたいと思う理想を持ち続けてください。何かを願い心を燃やすことが、楽しく生きるコツだと思います。

本書の印税の著者分は、すべて安芸高田市の収入となります。これも「安芸高田市を何とかしたい」と願い、考えた結果です。
目指す地点がどれほど遠く、高く見えたとしても、落ち着いて戦略に落とし込んで考える。その道のりを描いた先で、静かに覚悟は決まっていきます。このプロセスが「覚悟の論理」です。願い考えるという「人を人たらしめる行い」とも言えます。
今、変化が速く大きい時代だからこそ、覚悟は必要です。みなさん、覚悟はいいですか?私はできています。自分の信じられる道を歩いていきましょう。

 

 

 

 

  • user 内田
  • time 2024年8月31日
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レビュー『もう明日が待っている』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう明日が待っている』鈴木おさむ 文藝春秋

大ヒット番組「SMAP×SMAP」の放送作家として20 年以上SMAPと仕事をしてきた鈴木おさむさんの書いた『小説SMAP』。

 

全体を読みまして、いくつか感じたことを書きたいと思います。

・森且行君がSMAPを脱退するときのこと
1996年4月15日、SMAP×SMAPが開始し、22.4%の高視聴率。SMAP6人が時代を変え、テレビの歴史が変わり、アイドルが芸人さんや司会者と並んで、冠番組を持つ時代になったにも関わらず、メインコーナーのビストロSMAPは料理が得意な森且行君がいるからこそ成り立つ中、その森且行君が5月で脱退することが決まった。森君の会見にはリーダーの中居君が最初に現れて「あいにく森君はスケジュールがつかず欠席となります」という冗談を言って柔らかい空気を作る、素晴らしい。SMAP×SMAPで森君を送り出す回を作り、6人で涙を流しながらベストフレンドの曲を歌う、劇的な送り出し。森君の脱退後、パワーダウンすることを心配する人がたくさんいたが、ネガティブな期待を5人は振り切り、より強く肩を組み力強く進んだ。

・SMAP×SMAPにマイケルジャクソンやマドンナに出演してもらったこと
アイドルがバラエティー番組を初めて持ったこと、視聴率も上げていき大人気番組にしていったことだけでも凄いのに、世界のスーパースターであるマイケルジャクソンやマドンナなども番組出演してもらうために、ADや放送作家などみんなで働きかけまくった姿が素晴らしい。極限の緊張や、実現するためのとてつもない努力、才能ある人を集めて大変でもやっていこうという森上がり、どれをとっても物事を成功させるために必要な要素だと感じます。

・木村拓哉さんが結婚を決めた時
2000年の秋、鈴木おさむさんが木村拓哉さんのラジオ番組に立ち会った後、「俺、結婚するんだ」という言葉を直接言われ、人気絶頂時に結婚すること。この事はSMAP単独コンサートの最終日終了後にファンに発表する予定であったが、その前に突然新聞にすっぱかぬかれてしまいマネージャーの飯島さんより「今日、ライブ終わったあと、会見するから」という話。日本一抱かれたい男である木村拓哉も弱気となっていたが「男らしくない!」といいその日のコンサートの最初に木村拓哉さんが発表することに。緊急時の対応をみんなで協力「ピンチはチャンス」として助け合って乗り切った。

・2011年3月11日東日本大震災の時の話
大地震の発生時、東京の在住の多くの方が、放射能被害などの様々な噂に不安を抱き、西日本の方に逃げたりしていた中で、鈴木おさむさんも沖縄への飛行機チケットを予約まではしたそうです。そのような中でもSMAPの5名は3月21日に生放送で自分たちは東京お台場から全国民を元気づける言葉を発信していった。確かに、災害時は不安に押しつぶされそうになるけれども、そのような中で、勇気を振り絞って生放送を行った姿は素晴らしい。被災地にもSMAPのメンバーが行き27時間テレビの放送が行われ、福島に行った香取慎吾君と草彅剛君は控室に戻った、慎吾君は剛君を見て言った「本当にこの仕事をしてきて良かった」と。心からそう思ったのだろう、自分たちがこの仕事を続けている意味を感じたのだろう。

・2016年SMAP解散に向けてのこと
1996年4月から放送開始したSMAP×SMAP。2016年1月18日の放送が初めて当日に生放送になることがジャニーズ事務所からの要望で決まった。長年一緒に頑張ってきたチームも、脆く壊れていく事がある。信頼をしていたマネージャーが事務所を退職するときに5人でついていく話もあったが、ファンを守りたくて家族も持っているメンバーはそれもできず。なぜ一人だけ結婚出来て自分はできないのか。それを留まらせるために慰めるリーダー。鈴木おさむさんは生放送を観た人を安心させるために、言葉をつくりましたが、結果としてこの生放送は観た人の笑顔を奪うものになったと書いております。解散するかもしれないという事で世間に迷惑をかけたことの謝罪の言葉を22時の放送4時間前にジャニーズ事務所に投げる、放送45分前に事務所の創業家の人間より怒りのダメ出しの手紙が届く。必ずこの言葉を言わせろ「今まで25年以上一緒にやってきたメンバーの1人(木村拓哉さん)がジャニー社長に謝る機会を作ってくれたおかげで今僕らはここに立ててます」という言葉。思ってもいない言葉を、残酷な言葉を誰に言ってもらうのか、僕らが出した答えは草彅剛君だった、彼に頼んでみようと、彼の部屋をノックして入りお願いをし、そして彼は言った「分かった」と、一言だけ。そして、、、彼らの解散が発表になったということ。経営の中で創業家はどこかで引いた方が良い、それがわかる話でした。

  • user 内田
  • time 2024年8月17日
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レビュー『心を壊さない生き方』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心を壊さない生き方』 Testosterone  文嚮社

X(旧Twitterフォロワー)100万人超えのインフルエンサーTestosteroneさんと、精神科医-岡琢哉さんによるメンタルヘルスについての共著。
睡眠不足、栄養不足、運動不足、が世の中の三大害悪であり、超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書として刊行。

★予防-心と体を守る最強の生活習慣

・永遠に生きると思って食事を管理しろ
うつ病患者の中には肥満傾向または痩せすぎの人が多い。精神的な不調と生活の乱れ、体重の変動は同時に現れやすく適正体重を知り自分のライフスタイルを維持することが大切。食事の中では、フルーツや野菜を積極的に食べた方が幸福感が高まる。インドのデリーので行った調査では、朝食をとると栄養状態がよく、運動/活動量も多く、勉強時間が増え、うつ症状も少なかったそうだ。また、東北大学の研究調査では、緑茶を1日4杯以上飲むと1杯以下の人に比べてうつ病のリスクが半分程度に減るそうだ。

・メンタルがブレやすい人は睡眠時間を死ぬ気で確保しろ
日本人の睡眠時間は先進国の中でワースト1位の短さであり、仕事の生産性の低さ/自殺問題/医療費増問題など日本の社会問題が解決に向かう。寝だめではなく同じ時間に寝て同じ時間に起き7~9時間は寝るべき。朝に日光を浴びると約14時間後に睡眠を促すメラトニンが生成されるため、6時に起きて日光を浴び夜8時頃から眠くなっていく(夜は強い光を避ける)などは良い。またカフェインは睡眠を妨げ8時間程残るため午後はコーヒーなどを控えるべき。

運動はハッピーな人生の基盤になる
アメリカの研究調査では、運動を行っていない人より、行っている人たちの方が、精神状態が良い日の割合が40%多かった。できる範囲で運動を始め、最終的には週3回、30分ほどの運動習慣を身につけましょう。一方で、運動がストレスになったら本末転倒であるので、楽しむことを忘れずに。

発達障害の人の周囲にいる人が気を付けること
まず下記のような発達障害があってもなくても「自分が見ている世界」は「他人が見ている世界」とは異なることを皆が理解すること。そして、特に発達障害ある人の「自分の世界の構築方法」に独特のパターンがあるこを考慮してコミュニケーションをとる事。
発達障害は生まれ持った特徴/特性
ASD(自閉症スペクトラム障害):自閉症、アスペルガー症候群。対人関係に問題を抱えがち、コミュニケーションが多数の人と異なる、興味や行動の偏り(こだわり)。無表情のまま早口&大声で話し驚かれる。
ADHD(注意欠如・多動性障害):前頭葉の実行機能障害による不注意の問題、衝動制御の問題、多動衝動性の問題。仕事でケアレスミスが多く集中力が続かない。

・独りぼっちじゃないことを知る
一番大切なことは、自分は独りじゃないって気付くこと。自分がこの症状を体験する最初の一人じゃないし、最後の一人でもない。みんなが心の健康に対する知識を持って、健やかに、強く、しなやかに今後の人生を思いっきり楽しんで生きていることを心から願っている。

 

  • user 内田
  • time 2024年8月3日
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