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レビュー『書いてはいけない』
『書いてはいけない』森永卓郎 三五館シンシャ
森永卓郎さんによるメディアが決して触れない日本のタブーに踏み込んだ書籍。
第1章から3章は、ジャーニーズの性加害、財務省のカルト的財政緊縮主義、日本航空123便墜落事件について。
第4章の日本経済墜落の真相、に特に興味があり、以下に書いてみます。
太平洋戦争で焼け野原と化した日本は、GHQの支配下に置かれ、主権を失った。すべての政策はGHQ(実質的にはアメリカ)の判断を仰がないと決められない「占領下」に置かれた。しかし、日本人のたゆまぬ努力の積み重ねによって、奇跡と呼ばれた高度経済成長を通じて、日本は世界でのプレゼンスを高めていた。ジャパンマネーが世界中の資産を買いあさり、1980年代後半には、東京の山手線の内側の土地だけでアメリカ全土が買えると言われた。日本経済は世界一の地位にまで昇りつめたのだ。
ところが1985年9月22日、先進5か国の大蔵大臣、中央銀行総裁がニューヨークのプラザホテルに集結し「プラザ合意」と呼ばれる日本経済にとって致命的な決定がなされた。表面上は、為替を安定させるという合意だったが、実態は各国の協調介入によって、急激な円高をもたらすものだった。
じつはこの時期、「ありえない政策決定」がもうひとつなされており、1986年9月2日に行われた日米半導体協定の締結だ。1980年代、日本の半導体産業は世界シェアの半分を超え、世界の半導体売上も1位NEC2位日立製作所3位東芝、と日本企業が席巻していた。この協定により、価格をアメリカが決めることになり、日本市場での外国製品シェアを上げることととなった。
私はこれまでの人生のなかで最大の後悔がある。それは小泉内閣の誕生にほんの少しでも手を貸してしまったことだ。2001年4月に自民党総裁選が行われたとき、私はテレビ朝日ニュースステーションのコメンテーターをしていて、そのなかで小泉氏がもっとも強烈なインパクトを残すことに手を貸してしまった。小泉氏が当時の米ブッシュ大統領との間ではじまった「年次改革要望書」、アメリカの言いなりに日本の構造改革を進めていくものであり、アメリカが毎年いくらでも日本の経済政策を変更できる権利を擁していることになる。
アメリカからの矢継ぎ早の不良債権処理要求が続き、2~3年という期限を待たず、わずか1年で小泉総理は決断した。2002年9月30日、小泉総理は、柳澤金融担当大臣を更迭し、その後任に選ばれたのが竹中平蔵氏であった。小泉内閣の打ち出した大きな改革は、郵政民営化と不良債権処理で、国民の目には一見あたらしい政策に見えたようだが、両方ともアメリカの突き付けてきた対日改革要求であり、小泉構造改革とは、アメリカの思い通りに日本経済を改造する政策だったのだ。
郵政民営化がインチキであったことは20年が経過して明らかになってきた。2021年10月から普通郵便の土曜日配達がなくなり、2024年秋からは郵便料金がさらに3割程度大幅な値上げとなる予定だ。なぜこのような事が起きるかというと、郵便局では、①郵便・②貯金・③簡易保険の3サービスが同時に提供されてきたが、儲かる②③の儲けを①に流すビジネスモデルが崩れ①の郵便事業が追い詰められたためだ。
この30年間、日本経済は転落の一途をたどった。かつて世界シェア2割を占めていた日本のGDPは今、4.2%まで転落している。原因は2つ。1つは財務省が進めてきた必要以上の財政緊縮政策。財政をどんどん切り詰め、国民生活を破壊する。2つ目に、本作で述べた日本交通123便の墜落事故に起因する形で日本が主権をアメリカに奪われ、どんどん失っていった事実だ。国の経済政策をすべてアメリカに任せてしまえば、経済がまともに動くはずがない。日本がいつまでたっても主権を取り戻せないでいるのは、単に日本航空墜落の原因についてボーイング社に泥をかぶってもらったという事実だけではない。墜落原因をアメリカに口裏を合わせてもらい40年近く隠蔽し続けている日本政府は、ウソをついたという事実に服従せざるをえなくなっているのだと私は考えている。
- 内田
- 2024年7月20日
- 本
- 0
レビュー『任せるコツ』
『任せるコツ』すばる舎 山本渉
・今ではなくチームの将来を考える
一つの営業部の新規契約の例。マネージャーは能力が高く10件、10人のメンバーはそれぞれ1件。
これだけ能力に開きがあれば任せたり育成に時間を費やしたりするより、自分で動きたくなります。数字化すると10+10×1=20
次はマネージャーが現場に費やす時間を半分に減らしてその分メンバーの育成に力を入れた場合、本人の契約が5になったとしても、仮にメンバー1人につき2件となれば、契約数は増えることになります。数字化すると5+10×2=25
長い目で見ればメンバーの能力は「2」が上限ではなく、「3」「4」と増え、「10」になり、マネージャーを超える可能性すらあるのです。
「チームに任せられる人がいない」というのは、「私はマネージャーとして無能です」と言っているのと同義語です。「自分でやったほうが早い」というのは、育成を無視し組織を弱体化させる罪です。
・正しい丸投げと間違った丸投げ
正しい:相手の身になって考える。その依頼がどのように役に立つか目的を伝えている。相手の余力の配慮がある。断ることができる余白がある。相手にとって適度なチャレンジがある。プレッシャーと期待が過剰でない。感謝の気持ちがある。
間違い:自分が楽になることだけを考える。目的や意義を伝えずただ作業だけさせる。相手のやる気や忙しさなどの状況を確認しない。命令として押し付ける。誰に任せるかを吟味せずやってくれれば誰でも良いと思い思っている。相手の動機づけをしない。感謝や評価などのフォローをしない。
- 内田
- 2024年7月13日
- 本
- 0
レビュー『頭のいい人が話す前に考えていること』
『頭のいい人が話す前に考えていること 』安達裕哉 ダイヤモンド社
周りの色々な人にも読んでほしくて買ってみました。
今、いちばん売れているコミュニケーション本とのことです。
他の本とちがって、見開きをひらいたときに、大きなシートが付いている点が印象的です。
★「知性」と「信頼」を同時にもらたす7つの黄金法則
その①とにかく●●するな
冷静であってキレないようにする。そのためには、すぐに口を開かず、相手がどう反応するか、いくつか案を考えて比較検討する。
怒りや感情など強い感情にとらわれると、愚かな行動に走りやすい。
その②頭のよさは、●●が決める
社会的知性SQを高めよう。それは知性やテストでは測られないもの。他者の思考を読み、信頼を得て、他者を動かす力。
価値観の違う人と考えを共有するためにロジカルに話す必要があります。人は頭のいい人の話を聞こうとします。頭のいい人がすすめるものほしくなります。頭のいい人と認められれば、自分のやりたいことを通りやすくなります。
その③人はちゃんと考えて●●人を信頼する
賢いふりでは人は信頼してくれなく、会議で最初に発言する、思いやりの言動をするなどにより、「この人、私(私たち)のためにちゃんと考えてくれてるな」という心情に相手がなったときに信頼が生まれます。
その④人と闘うな、●●と戦え
頭のいい人は、議論の勝ち負けではなく、議論の奥にある、本質的な課題を見極めようとします。議論になるのは、その人の根底に何か問題があるからです。
その⑤伝わらないのは、話し方ではなく●●が足りないせい
「黙っていい、むしろ積極的に沈黙しろ」「言い方にはきをつけるべきだが、うまく話せる必要はない」。テクニックに頼るな。話す前にちゃんと考えるという事は当てはめることでも、テクニックで賢いふりをすることでもない。
その⑥知識は●●のために使って初めて知性となる
話す前に”本当に相手のためになるのか?”と立ち止まることで、知識を披露したいだけ、ただ言いたいだけの自分に気づくことができます。簡単にアドバイスするな、意見を言うな、とにかく相手に話してもらえ。
その⑦承認欲求を●●側に回れ
自尊心が低く自分に自信が無い人間は、他者をうまく承認することがでません。自分で自分を尊重しましょう。
口(自己アピール)ではなく結果で自分自身の有能さを示し、相手に新設にしましょう。
⇒上記①反応②他人③くれてる④課題⑤考え⑥誰か⑦満たす
★「知性」と「信頼」を同時にもらたす5つの思考法
第1章「客観視」の思考法
話が浅い人の特徴は、証拠が薄く、言葉に鈍感であり、成り立ちも知らない。
話を深くする2つのコツ①自分の意見と真逆の意見も調べること②統計データを調べること、をやってみよう。
第2章「整理」の思考法
結論から話し、事実と意見を分ける。
相手が聞きたい結論から話すというのは、相手に”聞くスイッチ”を入れる行為なのです。
第3章「傾聴」の思考法
自分の言いたいことではなく、相手の言いたいことを考えながら聞け。
アドバイスをしたいときほど、相手の話を整理しながら正確に聞け。そのために、ゴールを確認しながら、相手の考えを聞く一方で、相手にこうしたいという意志がなければそのまま相手の話を聞くだけにとどめましょう。
第4章「質問」の思考法
導入の質問①過去の行動について質問。導入の質問②仮定の状況判断に基づく質問
深堀の質問①状況に関する質問。深堀の質問②行動に関する質問。深堀の質問③結果に関する質問。
第5章「言語化」の思考法
言語化の質がアウトプットを決めるから、「〇〇ではなく、△△だ」のように再定義をしていけ。
ネーミングにとことんこだわり、「ヤバい」「エモい」「スゴイ」を使わないようにしろ。
提案よりも共感が大事。本当に価値のあるものは100%の賛同は得られない。課題は聴くのではなく、言い当てるもの。人はそんなに早く育たない。小さな商品で、顧客と接触する頻度を高めろ。リスク管理は経験が何よりもものを言う領域。知的な驚きを作り出すことが大事。
- 内田
- 2024年7月6日
- 本
- 0
レビュー『「後回し」にしない技術』
『「後回し」にしない技術』文藝社 イ・ミンギュ
仕事でもプライベートでも、考えたことが実現できればどんなに良いことか。
それでも、人はなかなか行動できないもの。
そのような中、技術的に「すぐやる人」になっていくための方法を書いた著書。
人生でもっとも破壊的な単語は「あとで」である。
「切実に願い、生き生きとイメージしさえすれば、夢がかなう」といったプラスの自己暗示は、実際には思ったより効果が少なく、目標を達成するうえでかえって邪魔になることもある。
楽観的な考えを持つと、目標達成までの困難を予測して挫折してしまい、かえっと行動出来なくなる。
人生の成功を手にするには、目標達成した場面をイメージする「ゴールの視覚化」よりも、目標までのルートを正しくとらえる「プロセスの視覚化」の方が、ずっと重要なのだ。
つまらない事のせいで、大事な事をいつも先延ばしにしていないだろうか。
現時点から見れば、すべてのことが重要に感じられる。
しかし、目標の達成時期から逆算して、逆方向から現在の状況を見れば、選択の幅はずっと狭まる。
誘惑を振り切るのも簡単になり、目標と関係のない事を退けるのも容易になる。当然、ストレスも減る。
・どんな時も代替案を用意する
どんなに準備しても、突発的事態案はやってくる。実行に移したことを途中であきらめたり、人間関係やビジネスでトラブルが起こったりするのも、その大部分は事態に備えていなかったことに原因がある。成功した人たちは、自分の意見がいっぺんに受け入れられるとは期待しないし、想像もしない。一方、失敗した人たちは、自分の提案が受け入れられない場合も予測もできないことが多い。いや、断れられることが怖くて、想像すらしたくないことが多いのだ。偉大なリーダー程みな怖がりだ。予想される突発事態への対応策、プランBを立てよう。
・どうせやるなら素早く処理する
固く決心したことが、しばしば後回しになってしまうのは、あなたの心の中に「実行したくない」という強い動機が隠れているからだ。経営コンサルタントの本田健は、金持ちの生活習慣を研究するため、日本の国税庁の高額納税者名簿を手に入れ億万長者12,000人にインタビューとアンケートを実施したが、そこでの面白い特徴のひとつは高額所得者であればあるほど、アンケートの回答が早かったことだ。なぜか。それは彼らがどうせしなくてはならないことなら、早く処理する方が有利だという事実を、体験から知っているからだ。相手が自分が尊重されていると感じ信頼できる人だと判断する。自分にとってもメリット①素早く処理して頭の中から消し去れば最も重要なことを処理する速度が上がり、②後回しにした事は頭の中で忘れないように束縛してくることから自由になり、③信頼と好感を持たれてより豊かな人生を送ることができる。
・開始と終わりの「ふたつの締め切り」をつくりなさい
実行力に優れた人の心の中には、実は「ふたつの締め切り」がある。先延ばしの神に取りつかれそうになったら、「締め切りのお守り札」を2枚差し出そう。日常の小さな仕事にもふたつの締め切りを決めておこう。締め切りこそがあなたを緊張させ、これまでに蓄えておいたあらゆる情報と知識を検索し解決策を探させ、必死にさせる。やる気が出なかったり、強いプレッシャーを感じたりするときに使える最も効果的な戦略としては、ふたつのデッドラインからさらに「中間締め切り」を決めるといい。中間締め切りとは、最終目標を小さく分けて、終了デッドラインから逆算し、いくつかの段階の締め切りをつくることだ。締め切りを最大限に活用する3つの大原則①具体的な小さな締め切りを作り練習する②具体的な時間と場所の設定をはっきりと定義する③重要な仕事をするときは締め切りを公開しよう。
・見られていないと人は動かない(「観察の力」を利用する)
誰もいないと思って、決心を行動に移せないでいるなら、誰かの目を思い浮かべるとよい。想像の中の目は神の目からもしれないし、母親の目かもしれない。また、子どもの目かもしれない。自分の目かもしれない。体を鍛えたければ、週に1度ずつ時間を決めて、ブログやX、フェイスブックに変化の過程を書き込もう。ネットサーフィンを減らしたければ、パソコンのデスクトップに親の写真を使って、自分を監視させよう。ゲームをする時間を減らしたければ砂時計を横に置いて時間を決めよう。支出を減らしたければ家計簿を付け、怒る癖を直したければ、いつ、どこで、何回怒ったかを記録しよう。そして、その結果を図表にし、他の人に見えるように貼っておこう。決心を守りたければ、自分がちゃんと守れるか常に監視しよう。そして、その結果を誰かに知らせよう。あなたにとってもっとも重要な目は誰の目だろうか?その目を通じて変えたい、あなたの行動は何だろうか?
- 内田
- 2024年6月22日
- 本
- 0
レビュー『スティーブ・ジョブズⅡ』
『スティーブ・ジョブズⅡ』ウォルター・アイザックソン 講談社
iPhoneなど数多くの革命的な製品を開発販売しているApple社創業者-スティーブ・ジョブズの伝記、下巻。
上下巻のⅡは、ジョブズがApple社をクーデターで終われ、ネクスト社を創ったところからはじまる。
しかし、ネクスト社はとてつもなくつまづく。製造したパソコンは他のハードとの互換性が無くマイクロソフトに市場を席巻され、企業向けワークステーションを作るがサン社に完敗し、まさにジョブズにとって苦しい時期であった。
一方でジョブズがいなくなったApple社も見るも無残な姿に成り下がった。1980年台に16%あったPCシェアは1996年には4%に下がり、一時期70ドルあった株価は14ドルとなり、10億ドルの赤字を出した。サン社などにその時のCEOが会社売却を目論んだが失敗もした。
ジョブズの友人であるオラクル創業者ラリーエリソンはジョブズに30億ドルを出すからAppleのCEOに戻ってくれと頼んだが、ジョブズは敵対的買収はしたくなく、断った。
その後、ピクサーを立ち上げ「トイストーリー」シリーズまで作り上げたジョブズは再びApple社へ呼び戻されることになる。
- 内田
- 2024年6月15日
- 本
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レビュー『大谷翔平~メジャー120年の歴史を変えた男』
『大谷翔平~メジャー120年の歴史を変えた男』 ジェフ・フレッチャー 徳間書店
アメリカのエンゼルス担当の記者さんの著作という事で、読んでみました。
さすがアメリカの記者さんということで、
エンゼルス前監督 ジョー・マドン
「翔平の本質は、野球そのものと試合を可能な限り楽しもうとする姿勢にある。負けたくない思いは誰よりも強い。同時に、謙虚で、礼儀正しく、優しい男だ。ある意味で古風な気質を備えているともいえよう。休養を取り払ったことが、翔平の大躍進につながった。あのような大成功が実現したのは、誰も横やりを入れて邪魔しなかったからだ。私がもっとも驚かされるのは、投手としての翔平の耐久力だ。打撃のほうでは大きな飛球を打ってくれると信じていたが、あれだけのイニングを投げてくれるとは思わなかった。」
・未来を引き寄せる夢ノート
大谷の母校-岩手県花巻東高校の監督、佐々木洋監督は、
- 内田
- 2024年6月8日
- 本
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レビュー『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』
『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』 光文社 東野圭吾
- 内田
- 2024年6月1日
- 本
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