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【本】コロンブス2025年7月号-地域で稼ぐ年商100億円の中核企業を育てる
2025年春に中小企業庁が地方創生のために制度を打ち出し、補助金も用意されている年商100億円の達成を目指す「100億円宣言」を行った企業が注目されております。
宣言のメリット①中小企業成長加速化補助金(工場や物流拠点の新設・増築といった建物費、イノベーション創出に向けた設備導入などの費用を支援。限度額5億円、補助率2分の1)②経営者ネットワークへの参加(宣言を行った企業の経営者同士が地域業種を超えてつながる)③宣言の公式ロゴマーク活用による自社PR
100億円企業は1万5千社ほどで帝国データバンクの保有データ149万社のわずか1%にとどまる。100億円企業は、10億円規模の企業と比べて経常利益率が1.6倍(4.6%⇔7.6%)、給料水準が1.3倍(480万円⇔660万円)という高い経済性を誇り、資金調達力・雇用力・信用力により「地域に根差す産業のコア」として、地方創生の要として期待される。
100億円企業となるためには、将来的に実現したいビジョンを明確化し、役職者の役割を明確にし、各部署の担当業務や責任範囲を定義して業務重複や責任の空白領域を排除したり、先を見据えた採用戦略を実践できる人事体制を整備する必要がある。将来の売上金額から逆算(バックキャスト)して、いつ何を行うべきかを「10年ロードマップ」にしてみることが重要。そうでないと創業者が持ち前の企画力や事業力で20億円~30億円にまで会社を大きくした後、利益率や生産性の低下、離職や不正増加などの壁にぶつかり、成長が停滞してしまう。
そして、100億円企業を目指すには「地域コングロマリット経営」による規模拡大の視点が不可欠。統計的に見て、全国を商圏としない場合、不動産事業、商社、自動車販売事業のような業種を除けば、単一の事業で年商100億円にまで成長できるケースは少ない。まして労働力不足・マーケット縮小のなかで単一業種で地域でトップを取っても意味が無く、地域で複数事業を展開するコングロマリット(複合企業体)となるべきだ。事実、ホールディングス化で複数事業シナジーを生み地域経済をけん引する企業が多い。
例えば、愛知県知多半島の㈱エネチタは石炭販売からガソリンスタンド・ガス事業、リフォーム・不動産、コインランドリー、フード事業などに進出、知多半島で8事業41拠点を置く年商135億円超の地域コングロマリット企業となっている。まもなく100億円企業になる㈱ミールケア(長野県長野市)給食委託事業からレストランやベーカリー事業を立て直しつつ地域の社会問題解決にも取り組む。
このように地域コングロマリット経営はむやみに多角化したり全国展開するのではなく、特定の商圏で複数事業を展開し、従来の本業の弱点を補ったり、時流に応じて各事業への投資を調整したりしながら着実に成長をしていく経営手法。地域内で存在感を高められれば事業承継やM&Aの相談を優先的に得られる可能性も高まる。高い給与水準の雇用を地元に増やすのはもちろん、地域限定で収益性の高いビジネスを展開しているので確実に大きな経済効果を地域にもたらす。さらに儲けは税収となって地域に還元され、公共サービスの充実や高齢者、子育て支援など暮らしやすく働きやすい地域づくり、まちの魅力化につながる。
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内田
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2025年8月16日
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本
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【本】『老けない睡眠習慣』
健康には、食事・睡眠・運動が大切と考えます。
その中でもパフォーマンスを上げてくれて、病気を防いでくれる「睡眠」について、読んでみました。
・生活のリズム
40代を過ぎると、加齢や生活の変化にともなって体調や気分の乱れを感じやすくなりますが、眠りの乱れに原因があるかもしれません。睡眠は単なる休息ではなく、心身の回復、細胞の修復、ホルモンの分泌調整、免疫力の維持など、あらゆる健康の基盤を支えています。良質な睡眠は実は朝の光を浴びることから始まり、日中に軽い運動を取り入れ、夕食は神経を鎮める食材を取り布団に入る3時間前に済ませるのが理想です。太陽の光を浴びて運動をすると幸せホルモン-セロトニンが腸と脳に生まれ睡眠の質も上がります。
・寝だめは健康にマイナス
生まれつきのショートスリーパーは全体の1%未満、ほとんどの人は6〜9時間を周期的に毎日とるのが正常なバリアブルスリーパー。寝だめは逆効果で体内時計が狂い、後の睡眠の質を下げます。1.一日7〜8時間睡眠が適正 2.毎日朝食を食べる 3.間食をしない 4.週に数回の運動 5.適正体重 6.お酒を飲み過ぎない 7.タバコを吸わない というカリフォルニア大学ブレスロー博士の7つの習慣が睡眠の質を高めます。
・能力の向上は寝ている間に培われる
寝ている間には記憶の定着が行われ、起きている間に見聞きした情報が脳内で整理され、長期的な記憶として脳に定着します。長時間練習しても上達しなかった事が一晩寝た後に上達している事があるのは、この脳の動きが関係しています。ストレスを緩和して、心に安定をもたらすという作用も無視できない大きなもの。一晩寝たら不安がなくなったという経験をしたことがある人も多いと思います。学習能力・判断能力も、良質な睡眠によって向上し、寝ている間に脳が学習した内容を整理して、ちゃんと思い出せるようにしてくれるのです。
・睡眠のための体内時計を整える生活習慣
朝:決まった時間に毎朝目を覚ます習慣を付けましょう。起きた後は朝日や強い光を浴びましょう。セロトニンが必要な朝日を浴びる時間は30分程度、曇りでも問題ありません。朝の散歩が気持ちいいのも肯けます。 昼:日中は脳と体を適度に活動させるようにして、適切な決まった時間に食事をとるようにしましょう。 夜:お風呂に入って体温をコントロールして心身をリラックス。寝る前にスマホを見るのはやめましょう。覚醒モードになってしまい寝つけなくなってしまいます。
・二度寝が目覚めをよくするメカニズム
二度寝は誘惑に負けたようでよいイメージが無いようで実は癒し効果があり、20分までの二度寝が抗ストレスホルモンのコルチゾールを全身に行き渡らせるのです。20 分以上寝てしまうとノンレム睡眠に突入して目覚めが悪くなり逆効果です。二度寝の醍醐味は、長さではなくまどろみの心地よさ。すーっと眠りに落ちる感覚を味わいながら、遅くとも20 分後には目を覚ますようにしましょう。
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内田
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2025年8月9日
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本
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【本】『農業与信の基本』
『これ1冊で丸わかり 農業与信の基本』経済法令研究会 森下治ほか
与信、つまりお金を貸すにあたっての審査について、融資審査の手法ついて、審査の目的はずばり「貸したお金が確実に返ってくるか」を判断する事であり、返ってくる見込みがないと判断すればお金は貸せない、つまり「与信不可」という判断になります。
どんなに経営実績が良好な事業者でも、倒産確率がゼロという事はありません。大切なのは、倒産確率が高いか低いかという事だけに一喜一憂せずに、きちんと備え(対策)をすることです。この備えにも色々あります。事業計画を立てて事業成功の確実性を高めることも重要な対策ですし、担保・保証人の追加を交渉することも対策の一つです。
農業の場合、据置期間を設定して融資することが多い傾向にあります。その理由は、例えば、畑作や稲作でトラクター購入のための設備資金を借りたとします。トラクターは春から農作業で使用しますが、返済原資である収益収穫物の販売は秋以降になります。返済をすぐに始めようとしても、投資の効果である収益(返済原資)はすぐには生じないため、収益のタイミングまで待って、元金返済を始める必要が生じます。畜産経営でも同様に、収益化までに必要な育成期間などを勘案して、据置期間を設定することがあります。
農地担保として、田や畑などの農地に担保権を設定することがあります。農地への担保権の設定は債権者と債務者、物件の所有者の合意があれば可能ですが、売却するときに農業委員会の許可が必要です。(売却先が農地所有適格法人でないと許可されない)。用悪水路や雑種地と言った地目であっても、農地と一体で管理されている場合には、農業委員会の管理の対象となっている場合もありますので注意が必要です。どこまでが農地として管理されているかは、各市町村に届出をしている農地台帳でわかります。
動産担保は、在庫や機械などの動産設備を担保にする手法で、譲渡担保といわれる手法で担保権を設定する場合がほとんどです。なお、動産担保にも「動産譲渡登記」を法務局に申請して登記する方法があり、登記をすると第三者対抗要件が担保されるというメリットがありますが、不動産登記と異なり在庫などの動産はその内容が頻繁に変化する可能性があり、登記内容との相違が生じるリスクもあります。
与信審査の入り口で非常に重要なのが、返済意思、反社会的勢力の該当有無、行政処分の有無、地域住民や取引先との訴訟の有無、税金の滞納・差押えの有無など、そもそも融資先として妥当か否かという点の判断です。与信審査においては、あらゆる面から総合的に与信可否を検討し、判断します。具体的には、業歴、業績、取引履歴、返済履歴などの実績面、経営者の人物像、地域貢献などの定性評価、事業計画の内容、成長性などの将来性といった内容を審査の一環として確認していきます。」
資産(不動産・株式)の税務上の評価は、次のような基準になります。
農地の評価は次のようになります。
純農地及び中間農地の評価:倍率方式により評価する。
市街地周辺農地の評価:その農地が市街地農地であるとした場合の価額の80%に相当する金額によって評価する。
市街地農地の評価:宅地比準方式(造成地を考慮)または倍率方式により評価する。
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内田
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2025年8月2日
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本
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レビュー『運転者』
『運転者』喜多川泰 ディスカヴァー
保険営業(ファイナンシャルプランナー)をしていた48歳の主人公-修一は、顧客の大量解約で窮地に陥ります(フルコミッション-初年度手数料終了で継続報酬が減り収入激減)。
「・・・なんで俺ばっかりこんな目に遭うんだよ」と独り言がこぼれたとき、乗客の「運」を「転」ずる不思議なタクシーに出会い取り込みます。
誰でもうまくいかない時期があり、そんなとき自棄になってしまったり、自信を無くして落ち込み、体調を崩すときもあります。
TAPのスタッフでもそのようになってしまう方も時にいらっしゃいます。
先月6月や7月にスタッフへ全員との個別面談を行いましたが、4月5月と失敗ばかりを起こしていた方がいて、このような言葉を掛けました。
「誰でも失敗を起こすときはあって、それが続く事もありますね。でもそれは事務所にとっての財産であり、それを共有して事務所全体として今後気を付けるべきことのルールにもなっていきます。だから気を落とし過ぎず、あなたには良い所がたくさんあって~(中略)これからも一緒に頑張っていきましょう。」
この小説は苦しい事や行き詰まりを感じている時に、乗り越える自信をくれて、心に刺さる内容です。
P55御任瀬卓志(運転手-おまかせたくし)
「とにかく、大事なことですから忘れないで下さいよ。運が劇的に変わるとき、そんな場、というが人生にはあるんですよ。それを捕まえられるアンテナがすべての人にあると思ってください。そのアンテナの感度は、上機嫌の時に最大になるんです。逆に期限が悪いと、アンテナは働かないから、すべての運が逃げていっちゃうんです。昨日のあなたみたいに。」
P129御任瀬卓志(運転手-おまかせたくし)
「自分の人生にとって何がプラスで何がマイナスかなんて、それが起こっているときには誰にもわかりませんよ。どんなことが起こっても、起こったことを、自分の人生において必要だった大切な経験にしていくこと、それが生きるってことなんです。長い目で見たら、報われない努力なんてありません。あまりにも短い期間の努力で結果が出ることを期待しすぎているだけです。」
P163御任瀬卓志(運転手-おまかせたくし)
「あなたのおじいさんの良蔵さんのように、誰かのために命を使う生き方を懸命にして、上機嫌に生きたけれども、自らの運を良くするような転機が訪れないままその命を終えた人はいます。そうやって貯めた運があったから次の世代はたくさんの幸運を手にできたんです。あなたも同じです。その人たちが貯めた運の恩恵を受けてこれまで育ってきたんですよ。」
P167御任瀬卓志(運転手-おまかせたくし)
「実際、世の中は誰かが頑張る姿からもらったエネルギーの集合体なんですよ。結果からもらったエネルギーの集合体じゃない。みんなそうやって、例えば娘のがんばる姿を見て『俺も頑張らないと』って思って大変なことも乗り越えるエネルギーをもらっている。そんな大人が集まって仕事をしている、そのエネルギーがあるから、社会を動かしているんです。娘の出した結果を見てエネルギーをもらってるわけじゃないでしょ。」
P173修一(主人公)
「俺は今まで、何か間違っていたのかもしれない。この時代に生まれ育って、他の人より多くを手に入れる人が成功者で、何も手に入れられない人を失敗者だと思ってきた。だから成功者になるぞっていうのが、小さい頃からの人生の目標だったけど・・・それは取りも直さず『誰よりも多くを手に入れられる人にならなきゃ』ということだったよ。それが当たり前だと思って、疑った事なんて一度もなかった。でも、そんな幸せ、求めてはいけないのかもしれない。延々と続く命の物語のほんの一部分を生きているのが俺たちだって考えると、みんながみんな、これまで先人たちに貯めてもらった運も、自分が貯めた運も、全部を使い切らなきゃ損だ、それは、自分に許された当然の権利だと考えて、そういう生き方を目指したら、これまで先人たちが貯めてきてくれた運もみんな、使い果たしてしまった何も残らない。そうなると、次の世代は『こんな時代に生まれてかわいそうだ』と言われてしまう。」
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内田
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2025年7月19日
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本
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【本】レビュー『また、同じ夢を見ていた』
『また、同じ夢を見ていた』住野よる 双葉社
2025年4月1日税理士法人TAPの入所式でもこの小説のお話をさせてもらいました。
主人公の小学生-小柳菜ノ花さんが「幸せとは何か」を探求する物語。
彼女は、近所の猫ちゃんや「アバズレさん」と呼ばれる女性、手首に傷を持つ「南さん」、そしてクラスメートの「桐生くん」など、さまざまな人々との出会いを通じて成長していきます。
物語の中では、奈ノ花さんが学校での課題「幸せとは何か」に取り組む中で、彼女自身の人生観や人間関係を深めていく過程を描いています。登場人物たちはそれぞれが抱える問題や過去を持ち、奈ノ花さんとの交流を通じて少しずつ変化していきます。
主人公にとっての人生の選択や後悔、そして幸せの本質について深く考えさせられる物語内容で、出会う人々が実は彼女自身の未来の姿であるという構造も、物語に独特の深みを与えています。
P98「南さんは、もったいぶったように私の目をじっと、前髪の奥の目で見て、それからやっぱり大事なことは私の方を見ず、ただ前の空を見ながら、ぽつりと床におくように言いました。『(幸せとは)自分がここにいていいって、認めてもらえることだ。』」
自分の生活の中でも仕事の中でも、小さな幸せ、大きな幸せでも、周りの人から認めてもらえた時、というのは本当にその通りだと思います。
だからこそ人は努力をして周りの人や世の中のために尽くさないといけないのだと思います。何のために産まれてきて、何のために生きているのか、それは他の人の役に立ち認めてもらい、感謝をしてもらい、そこに人の幸せがあるということです。
P188「アバズレさんが突然、こんなことを言いました。『幸せとは何か』~ 『考えたんだ。お嬢ちゃんの話を聞いてから、ずっと』『今日、その答えがわかった』『幸せとは、誰かのことを真剣に考えられることだ』」
家族のこと、友人のこと、恋人のこと、誰からのことを一生懸命考えることは、時に大変ときもありますが、実はとても幸せな事だったなぁと後からわかるものです。ある建設会社の経営者のお客様が『子育ては子どものことばかり考えすぎていて凄く大変だったけれども、今考えると、とっても幸せだったなぁ』とお話をされておりました。
誰かのことを真剣に考える、というのは仕事の中でも同じなのではないでしょうか。だから、目の前の事務作業をただ紙を整理するだけでなく、誰かのために行ってみてはいかがでしょうか。お客様の役に立っていることは間違いありません。社内の誰かや皆さんのために役に立っていることも間違いありません。そういった確実なことを考えながら仕事をすると、もしかすると仕事の中にちょっとした楽しみが見つかるかもしれません。
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内田
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2025年6月14日
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本
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【本】レビュー『世界の一流は休日に何をしているのか』
『世界の一流は休日に何をしているのか』越川慎司 クロスメディアパブリッシング
仕事を行っていく中で、休日に何をしているのかはとても重要に感じます。
学生時代に休みの前の日は夜更かしをして休日はお昼過ぎまで寝るだけ、などよくありました。
マイクロソフト出身の筆者が書いたこちらの書籍が、最近のベストセラーということもあり読んでみました。
●ここが違う!世界の休日と日本の休日
日本のビジネスパーソンは、休日を休息の時間と考えて、平日の疲れを癒すことを優先しがちですが、彼らにとっては、休日こそが主役であり、平日の仕事は大事な休日のためにある・・・と考えているのです。
フランス人は「最も大切にしているのが家庭で、その次がバカンス」といわれるほど、休みを重要視する国民性で知られており、どんなに多忙なビジネスパーソンであっても、毎年必ず長期休暇を取得するのが一般的です。
日本人は疲れてから休みますが、世界の一流は疲れる前に休みます。日本のビジネスパーソンは、体力を削るように仕事をしていますから、週末が近づくにつれてグッタリとしてきて土日の休みを疲労回復のための休息の時間と考えがちですが、世界の一流は週末にスポーツや趣味、家族とのキャンプやバーベキューを楽しむなど、アウトドアでアクティブな休日を過ごしていたのです。
●ワーク・ライフ・ハーモニー
マイクロソフトには300人のバイスプレジデントがありますが、彼らには2つの共通点があり、一つは土日の休日を、次の1週間を成功に導くための準備期間と考えて「自己再生」(本来の自分を取り戻す)を意識していること、もう一つはスポーツや趣味、家族や友人とのバーベキューやキャンプなどを楽しむことで、身体と心、脳のリフレッシュを図り次の1週間に向けて、エネルギーを「チャージ」(充電)していることです。
頑張って仕事をするとプライベートが犠牲になりがち、プライベートを優先すると仕事がおろそかになりがち。そうではなくて両者を切り離して考えるのではなく上手に統合して調和させることがワーク・ライフ・ハーモニーです。日本のビジネスパーソンは、仕事と私生活を「対立構造」と考えがちですが、マイクロソフトのエグゼクティブは、仕事が個人の成長を促し、個人の生活が仕事のパフォーマンス向上に役立つという、調和を図る役割を果たすのが「休日」であり、彼らは休日を、ワーク・ライフ・ハーモニーの「原点」と考えています。
●世界の一流の働き方
マイクロソフトのエグゼクティブが「休むために仕事をしている」と言い切れる背景には、仕事の生産性を高めるためのいい働き方があります。仕事のムダを省いて、最大限の成果を生み出す工夫をしているから、きちんと休みを取ることができるのです。
日本企業ではなぜか出社時間が遅いことを重役出勤といいますが、マイクロソフトのエグゼクティブは例外なく早朝から仕事をしています。朝5時くらいから自宅で仕事をしたり午前7時には出社して働き始めています。仕事を終えるのはほとんどが夕方5時前後で、早い人は夕方4時には会社を出て自宅で家族と過ごしています。
欧米人は家族愛を大事にして家族と一緒に過ごす時間を少しでも多くすることを心掛けています。アマゾンCEOのジェフ・ベゾスや、METAのマイク・ザッカーバーグも仕事から離れて家族との長期休暇を過ごすリラックスタイムをSNSにアップして、世界中を笑顔にしています。
長期休暇で世界の一流パーソンは教養を深める機会と考えさらなる成長を目指し、「読書」を楽しみながら創造性やストレス耐性を高め自分を癒してくれるエンターテイメントにしているのです。ビル・ゲイツは読書家として知られており、離婚したという事情もあるのでしょうが、長期休暇は読書三昧の日々を送っております。世界の一流は、ほぼ例外なく、読書を自己啓発の柱に据えております。
●趣味ができると仕事の効率性が格段にアップする
仕事ができる人に共通する特徴は、「週末にテニスをしたいから、効率的に仕事を進める」など、趣味を楽しむために仕事のスケジュールを逆算して、業務効率を高めていることです。彼らは、先に休む日を決めて、それに向かって計画的に仕事を進めることで「締め切り効果」をフル活用しているのです。締め切り効果が起こると「集中力が高まる」⇒「業務効率がアップする」⇒「早く仕事の成果が出る」⇒「確実に休暇が取得できる」⇒「趣味を楽しめる」⇒「ストレスを解消できる」⇒「次のタスクに前向きに取り組める」・・・という正のサイクルを回すことができます。世界の一流が休日に自分の趣味を楽しんでいるのは、休日を通して「自己効力感」を高めようと考えていることに理由があります。自己効力感とは、カナダの心理学者アルバート・バンデューラが提唱した概念で「自分なら必ずできる」とか「きっとうまくいく」と思える感情や自信のような感覚を指します。
●世界の一流の読書
世界の一流は、休日に知識を蓄えて自己効力感を高めるために読書を重視しています。
ビル・ゲイツ(毎週1冊のペースで本を読んでいる)
その大半がノンフィクションで公衆衛生やエンジニアリング、疾病や価額など、ジャンルは多岐にわたります。ゲイツは毎年11月末になると「今年読んだ最高の本」を紹介しており、掲載されるとすぐに全米でベストセラーになります。
イーロン・マスク(歴史や哲学の本で広範な知識を得ている)
9歳の時にブリタニカ百科事典の全巻を読破したと伝えられています。現在はロケット関連の本を中心に、休日には歴史や哲学、科学の本を読んで広範な知識を得ているそうです。
マーク・ザッカーバーグ(読書を通じて異なる文化や歴史を学ぶ)
2週間に最低1冊の本を読むことを習慣にしている。ザッカーバーグは「本を読むことで、我われは一つのテーマを十分に追求し、深く没頭することができる。今のどのメディアもかなわない」と話しております。
ウォーレン・バフェット(読書で得た知識を投資に活用する)
1日5~6時間は読書の時間を作り、週末のほとんどを読書に費やすことで知られています。投資に活かす前提で盆栽の本を読むなど、投資とは無関係な本を大量に読むことで、洞察に基づく投資判断に活用しているのです。
●休日のリラックスタイムに将来のことを考える
世界の一流のビジネスパーソンは、休日を利用して自分自身と向き合い、この先の事を冷静に考える機会を作っています。平日は目の前のタスクに追われがちですが、休日のリラックスタイムであれば、肉体的にも精神的にも、今後の展望に目を向ける余裕があります。自分が進むべき方向性が明確になると、モチベーションが高まり、自己効力感を引き出す原動力となります。五つの視点が大切です。
①価値観と目標の明確化
自分が進むべき方向を確認することによって、自分の行動や人生の優先順位を見極めることができます。
②自己認識と自己管理
彼らは、自分の肉体的、精神的なコンディションを注意深く観察し、身体が疲れているならば、趣味を楽しむことよりも休息を優先します。
③精神的な成長と内省
多くの一流の人が瞑想や読書から価値観を見つめ直すきっかけを作ります。
④中長期的なビジョンの見直し
仕事と人生の両方で成功するため「エネルギーの配分は間違っていないか」など戦略を練ります。
⑤人間関係の構築と維持
家族や友人、知人と質の高い時間を過ごすことで、仕事のストレスを和らげ、新たな発想やインスピレーションを得るきっかけを作ります。
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内田
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2025年5月24日
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本
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【本】レビュー『コンビニ人間』
『コンビニ人間』 村田紗耶香 文春文庫
あるコンビニエンスストアにオープン当初よりアルバイトとして18年間勤める、30歳代半ばの女性が主人公。
アルバイトとして、そのような長い時間勤め続けることは周りからおかしな人とという見られ方をするが、本人ととっては、コンビニはシステム化がされ、全てを修復かして、自分を社会の一つの機能に変えてくれる場所。
その年齢になったら結婚をしているのが普通なのか、結婚をしていなければ正社員であることが普通なのか、恋愛はしなければいけないのか、主人公にはどのような普通がわからない。
それでも親や家族、旧友と話をするときに都合が良いから、自分の家に同じコンビニ少しいてすぐに辞めさせられたダメ男を居候させた。
口が滑って、一緒に住んでいることをコンビニで店長に言ってしまい、周りはなぜか盛り上がる。
36歳の独身のコンビニアルバイトの定員、しかも恋愛経験なし、毎日やけにはりきって声を張り上げて、健康そうなのに就職しようとしている様子もない。そんな自分を異物として陰で悪く言う。普通の人間っていうのは、普通じゃない人間を裁判するのが趣味。
そして、店員の皆がどんどん店員でなくなって自分に対してオスメスとしていじってきて、客だけが私を店員でありつづけさせてくれていた。妹も泣き出す。
そして…….
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内田
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2025年4月5日
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本
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