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【本】レビュー『また、同じ夢を見ていた』
『また、同じ夢を見ていた』住野よる 双葉社
2025年4月1日税理士法人TAPの入所式でもこの小説のお話をさせてもらいました。
主人公の小学生-小柳菜ノ花さんが「幸せとは何か」を探求する物語。
彼女は、近所の猫ちゃんや「アバズレさん」と呼ばれる女性、手首に傷を持つ「南さん」、そしてクラスメートの「桐生くん」など、さまざまな人々との出会いを通じて成長していきます。
物語の中では、奈ノ花さんが学校での課題「幸せとは何か」に取り組む中で、彼女自身の人生観や人間関係を深めていく過程を描いています。登場人物たちはそれぞれが抱える問題や過去を持ち、奈ノ花さんとの交流を通じて少しずつ変化していきます。
主人公にとっての人生の選択や後悔、そして幸せの本質について深く考えさせられる物語内容で、出会う人々が実は彼女自身の未来の姿であるという構造も、物語に独特の深みを与えています。
P98「南さんは、もったいぶったように私の目をじっと、前髪の奥の目で見て、それからやっぱり大事なことは私の方を見ず、ただ前の空を見ながら、ぽつりと床におくように言いました。『(幸せとは)自分がここにいていいって、認めてもらえることだ。』」
自分の生活の中でも仕事の中でも、小さな幸せ、大きな幸せでも、周りの人から認めてもらえた時、というのは本当にその通りだと思います。
だからこそ人は努力をして周りの人や世の中のために尽くさないといけないのだと思います。何のために産まれてきて、何のために生きているのか、それは他の人の役に立ち認めてもらい、感謝をしてもらい、そこに人の幸せがあるということです。
P188「アバズレさんが突然、こんなことを言いました。『幸せとは何か』~ 『考えたんだ。お嬢ちゃんの話を聞いてから、ずっと』『今日、その答えがわかった』『幸せとは、誰かのことを真剣に考えられることだ』」
家族のこと、友人のこと、恋人のこと、誰からのことを一生懸命考えることは、時に大変ときもありますが、実はとても幸せな事だったなぁと後からわかるものです。ある建設会社の経営者のお客様が『子育ては子どものことばかり考えすぎていて凄く大変だったけれども、今考えると、とっても幸せだったなぁ』とお話をされておりました。
誰かのことを真剣に考える、というのは仕事の中でも同じなのではないでしょうか。だから、目の前の事務作業をただ紙を整理するだけでなく、誰かのために行ってみてはいかがでしょうか。お客様の役に立っていることは間違いありません。社内の誰かや皆さんのために役に立っていることも間違いありません。そういった確実なことを考えながら仕事をすると、もしかすると仕事の中にちょっとした楽しみが見つかるかもしれません。
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内田
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2025年6月14日
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本
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