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【本】『感情的にならず相手を「すぐやる人」にする34のコツ』
『感情的にならず相手を「すぐやる人」にする34のコツ』大平信孝 かんき出版
突然ですが、アサガオの種をまいた翌日に、芽が出ない、花が咲かないと怒っている人がいたらあなたはどう思いますか?「栄養豊富な土を用意したのだから、すぐに芽が出るはず」と思い込んでいるのです。「さすがにそれは無理でしょう」と思いませんか?しかし、これが人だとどうでしょう。朝起きれないわが子に、毎日「早く起きなさい」と言い続けたり、期限を守れなかったりギリギリになる部下に「なんで期限を守れないのだ」と注意をする。こんなふうになってしまうのは、あなたが相手に対して勝手な期待をかけているからで、実はあなたの指摘が相手に「自分事」にならない限り、一方的な期待で終わってしまうのです。
「相手が動いてくれない」と悩んでいる方は、この両者のギャップを考えずにアプローチしていることが多いのです。言う事を聞いてくれるためには、アドラー心理学の「課題の分離」=自分の課題と他人の課題を区別したあとに「共同の課題」にして一緒に問題解決ことが大切です。そして感情的にならないように、「自分ができること」と「相手にしかできない」ことをしっかりと切り離すことで気持ちが楽になり、感情と行動を切り離し、しっかりと人を動かせることができます。少し言い方を変えるだけ、少し考え方を変えるだけです。
P24-01:相手を否定しない、どんなときでもまず「認める」
相手を否定しまう事は、相手の行動力を奪い、先延ばしにする最強の方法です。そうならないように簡単にできることは「否定の相槌」ではなく、「工程の相槌」を使く事です。「えーっ!」「だから言ったでしょ」と言った言葉が否定の相槌です。
P28-02:「自分2:相手8」の割合で話すと相手の行動スイッチが入る
相手を否定しない、どんなときでもまず「認める」を先延ばし人間にするもう一つの方法が「自分が一方的に話す」です。動いてほしいから一方的に長時間話してしまう、これが相手の行動力を奪います。相手に話させることは「放させること」、話しているうちに自分の考えが明確になったり、整理されたり、気持ちを切り替えることができるのです。逆に自分が興味ないことを長時間聞かされても、モヤモヤやストレスが溜まり、行動に繋がらないどころか、動く気が無くなってしまう事もあります。
P36-04:相手そのものではなく「相手の興味関心」に関心を持つ
相手を凝視すると相手は心を開いてくれません。相手の世界観・興味関心に関心を持つことの大切さを知り実践すると、苦手だと思っていた相手や部下に対しても、普通に対応できるようになります。苦手なAさんそのものではく、「〇〇に興味があるAさん」の〇〇に興味を持って接すれば、相手を受け入れやすくなり、お互いのストレスも緩和されるのです。
P54-06:「いつだったらできそう?」を付け加える
こちら一方的にお願いすると「高圧的」「無理強い」と受け取られて、かえって反発されてしまうことがあります。自分がやってほしいことを一方的にお願いしても、頼まれたほうは、自分のペースを乱されて、イライラ・モヤモヤしてしまい、「はい、今すぐやります!」とはなりません。しかし、言いっぱなしで終わらせずに、「いつだったらできそう?」と相手の状況やペースに配慮するだけで、「やらされ感」が薄まり、相手に主体性が芽生えてきます。これによって相手に「行動の主導権」を渡していきましょう。
P76-10:指示を出すときは「一度に一つ」を意識する
相手の行動力を奪い先延ばし人間にする方法として「あれもこれもやりなさい」と指示・命令してキャパシティーオーバーにしてしまうマルチタスク指示があります。上司の立場からすれば、これいくらいのことは「できて当たり前」「簡単」なことなのだから「一度にできて当然」と思うかもしれませんが、実は相手にしてみたら、出社して息つく暇もなく、指示・命令と確認の嵐となれば逃げだしたくなってしまいます。厳密に考えれば人は「一度に1つ」のことしか考えるこてゃ出来ません。だから、とくに経験の浅い相手に対しては、キャパシティーオーバーにならないように「一度に1つ」を厳守し、相手に一つ毎の達成感を味わせてください。
P78-12:思う通りに動いてくれない人には「完成図」を共有する
「ダメ出し」対応をしてしまうと「そんなにこだわりがあるなら、自分でやればいい」と反発されてしまい、また「何かやるとかえって人に迷惑をかけてしまう」と自信を失い自ら行動できなくなってしまいます。伝え方のポイントは「イメージ」を共有することで、実は私たちの脳は「言葉」では動きません。「完成図」というイメージを共有することが重要で、人数や目的、実際に1部作ってみて「これと同じようにやってください」と言うのもありです。相手が映像としてイメージできるくらい具体性を持たせるか、実際に目の前でやってみる。
P112-18:悩んでいる相手には、解決策より「どこでつまずいていたか?」を探る
入口作戦、「どうしたら解決できるか?」ではなく「いつから」「どんなことがきっかけ」で、うまくいかなくなったのかを一緒に分析するのです。ヒアリングする際は、まず不調になったのは「いつ」からなのかを確認しましょう。次に、その時期に人間関係のトラブルやいつもと違うネガティブな出来事、体調の変化などがなかったかを聞いてみます。「時期」と「出来事」の2つを確認すれば、多くの場合、不調のきっかけを突き止めることができます。
P124-21:口先だけでは動かない人には「メリット」を提示する
行動できない要因は、メリットが小さすぎて欲しいという欲求のスイッチが入らない場合と、うまくいかなかったときのリスクが大きすぎて「不快回避」のスイッチが入ってしまい動けない場合の2種類があるということです。ですから、メリットとデメリットを明確にしたうえで、デメリットを最小化するサポートをしましょう。なぜ動けないのでしょうか、原因は、メリットが具体的でないのでほしいという欲求スイッチが入らないことです。ですから、その仕事をすることで得られるスキル、経験、人脈などメリットを具体化するサポートをすれば、挑戦できるようになります。
P154-26:いい行動を継続してほしいなら褒めるのではなく勇気づける
実は褒めることにはデメリットがあります。1つは行動基準が褒められることになり、誰かが見ている時や褒めてもらえる環境でしか動かなくなり、結果的に相手の自主性を奪ってしまう事です。もう1つは、目標達成で部下を褒めるだけだとまた目標達成しないといけないと過度なプレッシャーとなり、数字に引っ張られ仕事が嫌いになってしまうこともあります。褒めるのではなく、「困難を乗り越えていくための活力を行為=勇気づける」ことがポイントです。単純に褒めるだけでなく「ありがとう、あなたが〇〇してくれたから田中さんがとても喜んでいたよ」「チームが元気を取り戻せたよ」など共同体への好影響や貢献」を指摘することが勇気づけ(場への貢献)にあたります。これにより共同体に好影響を与えたい、貢献したいという意識が芽生え、何度も働きかけなくても自ら動いてくれるようになることが多いのです。
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内田
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2025年11月8日
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本
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