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【本】『エヌビディア 大解剖』

  • user 内田
  • time 2025年11月29日
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エヌビディア 大解剖 ~AI最強企業の型破り経営と次なる100兆円市場』島津翔 日経BP

現在も世界時価総額でトップレベルを誇るエヌビディア。
日本のラピダス(ファウンドリ)は世界半導体市場の中で、対抗して伸びていくことが出来るのか。
まさにこれからの世界経済を占うための企業という事で読んでみました。
特にエヌビディアの創業初期にあたる1995年頃に日本のゲームメーカー-セガ社が将来性を見込んで開発資金を支払い、経営危機を救ったことは知らなかったので、心に残りました。
組織図が無く、CEOの直下の幹部が60人もいることが非常に興味深かったです。

1993年にジェンスン・ファンCEOが創業したエヌビディアの祖業はゲーム用の半導体で、半導体開発における水平分業モデルの採用は異色であった。1991年にはエヌビディアと同様のファブレス(自社で半導体の製造工場(Fab:Fabrication facility)を持たないビジネスモデル)半導体企業の米ブロードコムが創業。当時は、米インテルのような設計(ファブレス)と製造(ファウンドリ)の両方を手掛けるIDMが主流であったが、ジェンスン・ファンはファウンダリのTSMCモリス・チャンに直接連絡を取り、1998年にTSMCと提携をした。

世界最大の半導体メーカーとなったのは3つの秘密があり、1つ目は社内の情報の流通性を高める独自の仕組み。アマゾンでも一般的に1人の上司が管理できる人数は5人~10人と言われる中で、ファンCEOの直下には60人の部下がおり、フラットな組織としながらCEO自ら現場に指示して情報の高い流動性が生まれている。
2つ目は、市場の微かな兆しなどを掴む仕掛けにある。社員はCEOをはじめとする幹部に、その時に自分にとって最も大事な5つの事項をそれぞれ簡潔に書いてメールで送る事になっている。新たな市場への期待、足元の業務への不満、幹部への依頼など、これが一般的な会社での週次報告の代わりとなる。ファン氏はほぼ全てのメールに目を通し生きた情報としてフル活用する。社員は上司などに忖度せず率直な意見を書くので、現場の雰囲気や動きもわかる
3つ目は、市場の兆しを信じて一気に経営資源を投入するファン氏の決断力。社内に組織図はなく、事業の使命こそが上司「=ミッション・イズ・ボス」。組織が臨機応変に姿を変え、ファン氏の意思決定を受けて迅速に動けるようにするためだ。素早く動くため、中期経営計画や単年度の事業計画は原則として作成しない。「今日から全員がディープラーニングを学んでほしい」AIの潜在的な可能性に気付いたファン氏は2013年、全社にこう指示したトップの号令でミッションに全リソースを投入する「一点集中」経営で、そこからAIニーズを見逃さなかったエヌビディアの方程式。

エヌビディアの強さの源泉には2つのテクノロジー「GPU(画像処理半導体)=ハード」と「CUDA(ソフトウェア開発環境)=ソフト」がある。GPUにより、AIの学習(ディープラーニング)に必要な膨大な行列計算を、CPUよりも遥かに速く実行できAI開発の時間を劇的に短縮しました。CUDAにより、AI研究者が難しい計算の仕組みをゼロから作らずCUDAの「道具箱」に入っている既製の最適化された関数(計算ルール)を組み合わせるだけですぐに高性能なAIモデルを動かせるようになりました。また3つ目の強みがGPUとCUDAを核として、その周囲に関連技術・企業・開発者、そして市場全体を取り込み、成長させている巨大な事業圏(=エコシステム)である。このエコシステムを築くための仲間づくりがあり、「エヌビディアは世界中のAI企業とパートナーシップを組んでいる世界唯一の企業だ」ファン氏はこう言う。

日本のラピダスと、エヌビディアのエコシステムは、今後重要な協力関係を築く可能性も高いと考えられています。地政学的リスクを考慮し製造拠点を台湾(TSMC)一極集中から分散させることは経済安全保障上重要であり、日本のラピダスに委託することでサプライチェーンの強靭化を図ることができます。

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