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レビュー『早わかり ストレスチェック制度』

  • user 内田
  • time 2023年7月15日
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早わかり ストレスチェック制度』 ダイヤモンド社 吉野聡

今後の企業経営にとって大切な内容と思いまして、書籍で勉強いたしました。

ストレスチェック制度は労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止するためにストレスの状況について検査し、個々の労働者のストレスを軽減するとともに、職場環境の改善につなげることで、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止すること(その結果による生産性向上やハイパフォーマンス)を目的としています。
・ストレスチェックの評価
実施者が個々の労働者のストレスチェックの結果でストレス状態を評価します。(評価基準は社内の衛生委員会で決定した基準によります。)
評価結果は他に見られないように本人に通知する必要があるが、次の3つの項目ごとの点数を含める。
 ①当該労働者の心理的負担の原因に関する項目②当該労働者の心身の自覚症状に関する項目③他の労働者による支援に関する項目
役割としては、ストレスチェック担当者(人事権有りの人も可)がスケジューリングや評価方法を決定し、実施者(医師や保健師)が、調査票選定・必要に応じて面接・集団的分析や助言を行い、実施事務実施者が調査票の回収等を行う。
・面接指導の実施
面接指導は、それを必要とされる労働者が申し出ない限り、行えず強制が出来ません。労働者から申出を受けた事業者は、医師に面接指導を依頼します。この場合に発生する費用はすべて事業者が負担します。面接指導ができるのは医師のみです。面接指導ではストレス対処技術の指導とストレスへの気付きとセルフケアの方法を指導します。面接指導後は1ヶ月以内を目処に面接をした医師から、その労働者が通常業務を続けて良いか、就業を制限すべきか、休業の必要があるかといった就業区分と、労働時間の短縮や作業の転換など、就業上の意見を聞きます。
・必要に応じて就業上の措置の実施
就業制限について。
労働時間の短縮。出張の制限。時間外労働の制限。労働負荷の制限。作業の転換。就業場所の変更。昼間業務への転換。
要休業について。
療養等のため、休暇又は休職により一定期間勤務させない措置を講じる。
・効果的な職場環境等の改善のための5つのステップ
①体制づくり
改善のために問題解決型の取り組みとして、事業者・保健スタッフ・管理監督者などが参加する委員会を設置して、これを中心に事業場の職場環境等の評価と改善の立案をしてゆく方法が推奨されております。
②職場環境等の評価
調査票をもとに部署やグループ別の仕事のストレス要因を集団分析します。事業場それぞれで根拠に基づいて職場環境等の評価の方法を決定します。さらに、実際の職場の状況について、日常的な職場運営や職場巡視から得られた情報や、管理監督者や労働者から聞き取りなども総合してストレス要因の把握を行うようにします。
③改善計画の立案
集団分析を参考にした職場環境等の評価結果にもとづいて、事業者や管理監督者が仕事のストレスを改善するための改善計画を計画します。改善計画を立てる際は労働者の意見を聴く機会を設けるようにします。
④対策の実施
継続的に改善が進むように、(衛生)委員会や職場の定期的な会合などを活用して、計画が予定どおりに実行しているか、実施上の問題は起きてないかなどの進捗状況を、定期的に確認します。各部署から委員会に中間報告の提出を求めたり、3ヶ月・6ヶ月など期間を設定して実施状況や効果を報告してもらうことが効果的です。
⑤効果評価と計画の見直し
一定期間後に対策の効果を評価し、計画の見直しを検討します。この際の評価方法には2種類があります。プロセスの評価では、計画が決めたとおりに実施されたかを、活動記録や関係者からの聞き取り等によって評価します。もう1つはアウトカム評価で、目的とする結果の指標が改善したかどうかを評価の対象とします。アウトカム評価の指標としては、対策の前後でストレスチェックの集団分析を比較することの他、健康診断、休業などの統計情報の比較、労働者からの感想の収集と分析などがあります。計画どおりに実施できなかったり、目的とした結果を達成できなかった場合には、よりよい対策になるように計画を見直します。

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