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レビュー『夜に星を放つ』
『夜に星を放つ』 窪美澄 著 文藝春秋
第167回(2022年上期)直木賞、受賞作品。
直木賞作品は昔から好きで、読むことが多いです。
この作品は5つの作品が入った短編集で、家族にかかわる&星にかかわる良作が詰まっております。
特にコロナ禍で作られた作品だからこそ、人に会えない中で関係性を作っていくこと、家族を大切にすることを考えさせられます。
どの作品もオススメかと思いますが、最後5つ目の作品『星の随に』は印象的でした。
主人公の小学4年生の男の子は、昼-カフェ・夜-居酒屋をやっているお父さんがコロナ禍で夜営業を出来なくて経営が厳しく、お父さんとお母さんは離婚。
新しく来たお母さんは赤ちゃんを産んだばかりで気持ちが不安定。
とても複雑な家庭環境ですが、このような家族・環境にいる人は世の中にも多いと思います。
最後の場面、主人公が塾の帰りに、お父さんが改札前で待っていてくれて、家まで肩車をしてくれて帰る途中、夜空に輝くベガが輝いている。とても綺麗な描写です。
北海道は星が綺麗で、晴れた日は夜空の星が輝いて見えます。
ぜひまた近くの天文台に行ってみたいなと思います。
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内田
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2023年3月11日
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本
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レビュー『赤と青のエスキース』
『赤と青のエスキース』 青山美智子 著 PHP研究所
少し前に2022年本屋大賞 第1位の『同志少女よ敵を撃て』を載せまして、とても読み応えのある作品でしたが、
ストーリーの意外性/感動という意味ではこちらが良いかと感じる良作でした。
赤と青という誰もが見る色に意味があり、そこには絵画と額装に壮大なストーリーが隠れておりました。
第一章から第四章、そしてエピローグとあるのですが、各章の題名が素敵ですし、特に第四章の『赤鬼と青鬼』という章での内容に驚かされます。
第一章を読み始めるとオーストラリアにおける日本人男女のラブストーリーで、
「あぁ、たまにラブストーリーを読むのも良いなぁ」
という感じで読んでおりましたが、話に非常に引き込まれますし、絵画とラブストーリーの関係性が絶妙なのです。
「画廊」という世界にも興味が惹かれる内容で、確かに独立開業をして画廊というものを開くことの難しさにも納得させられます。
このデジタル・DX・NFTの現代に「絵画」というものがどのような価値があるのか、絵画や漫画で身を立てる人の人生観に触れられることも醍醐味です。
絵画は確かに生活に豊かさを与えてくれます。
エスキース=絵を描くときの下絵のことらしいのですが、絵画を題材にした小説は新鮮でありましたし、驚くような展開もありますので、絵画好きな人にはお勧めの小説です。
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内田
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2023年2月25日
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本
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レビュー『謙虚なリーダーシップ』
『謙虚なリーダーシップ 1人のリーダーに依存しない組織をつくる』 エドガー・H・シャイン 英治出版
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内田
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2023年2月11日
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本
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レビュー『 跡継ぎがいなくても会社は残せる!』
『跡継ぎがいなくても会社は残せる!』吉川正明 アチーブメント出版
と言われて、
吉川さんの心に刺さる言葉でした。
しかし、
この水槽理論を知って以来、
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内田
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2023年1月28日
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本
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レビュー『このビジネスモデルがすごい!』
『このビジネスモデルがすごい!』船井総合研究所 あさ出版
2019年の著書ですが、冒頭が全国で農業会計No1のオーレンス会計事務所(北海道中標津町)の事例が載っておりましたので、読んでみました。
〇㈱オーレンス(オーレンス税務会計)
業務内容:農業経営コンサルティング・財務コンサルティング・各種システム開発/保守/運営
所在地:北海道標津郡中標津町
創業:1989年(前身である福田紀二税理士事務所は1971年創業)
代表者:福田直紀 資本金4,000万円
従業員数:134名(グループ全体 2018年5月時点)
オーレンスグループが属する業界は、2つの側面がある。1つは、事業の核である税理士会計業界で、もう1つは酪農を中心とした農業界。前者は税務申告や税務書類作成の代行などを含めた法人個人事務所で構成される業界。国内にはおよそ3万もの事務所があり、事務所数もマーケットも拡大しているため見通しが明るいように見える反面、先行きは楽観的でなくもともと平均年齢の高い業界でさらに高齢化が加速し、今後IT化が進むことを考え合わせれば生き残りが厳しいといわれれている。これに対しオーレンスは、現在のインターネットが普及する前から、農家の経営支援の一環としてインターネットプロバイダーを担ってきた。北海道の酪農家が位置するエリアに、大手プロバイダーの通信電波が届かないため、自社で受信アンテナ用の鉄塔を建て通信インフラが不十分な地域をカバーし、ゼロからIT化の基盤を作ったのである。さらに、自社独自の会計ソフトやクラウド型会計システムに早くから着手し、1996年には金融機関取引の情報を会計仕訳に自動変換するシステムを開発し、生産性を飛躍的に向上させている。
オーレンスグループのビジネスモデルにおける独自性は、提供するサービスが「低単価」であるにもかかわらず、「高い収益性」を実現しているという点である。税理士会計事務所の一般的な平は、年間800~1000万円/人であるところ、オーレンスグループは、一人当り売上の目安を約2000万円/人に置いている。1人が約80件の顧問先を担当し、平均顧問料単価25万円に設定していることになる。担当件数を増やせるのは、業種特化し、顧客を農業・酪農に絞ることによって専門性が高まり、業務の標準化と分業化がなされるからだ。また、顧客の属性と提供するサービスが明確なため、顧客と関係性が深い団体(農協等)にアプローチして一気に多数の顧客を獲得できるという、営業面でのメリットもある。
オーレンスグループの営業利益率は、ここ10年で見ると平均20%を超えている。2016年以降は積極的な人材への投資(人件費・教育研修費)を進めているため20%を切っているが、それでも高い収益性を維持している。一人当たりの担当件数を最大化するために、3つの方法を取り入れている。①顧客担当と業務担当を分ける分業体制を敷いた②業務の標準化(システム化)を進めた③自社開発のシステムにより顧問契約が継続する仕組みを作った
オーレンスグループは北海道内で圧倒的なシェアを誇っているが、高いシェアを維持している要因は、毎年200~300件の新規案件を獲得していることと、顧問契約の解約率が著しく低いことにある。いわゆる顧問契約の解約件数は年間10件未満であり、廃業による顧問先数の減少を加えても、年間20~30件の契約終了しか発生していない。廃業を除く解約率はここ数年0.2%未満である。もちろん、圧倒的なブランド力で競合他社の追随を許さないからこその解約率の低さ、という側面もあるがそれだけではない。顧客が離脱したくならないだけの高いサービスレベルを維持している。つまり顧客満足度が常に高いという証左でもある。
最初に船井総研が面談をし「目標とする事務所はどこになりますか?」という質問に対し、当時の福田経営センター代表の高橋さんは「ここだよ!」と後ろの窓を指さしました。その先にあったのは、茶色い大きなビル、ホクレンの本社ビルでした。高橋さんに、同業他社の名前を出していただく事を期待して自分を恥じるともに、とてつもない大きな目標を心に秘めているのだということを直感しました。この企業から学ぶこととして、引き継がれる内に秘めたる熱き想いにあります。何事にも真摯に対応し、偉ぶることなく、ある意味淡々と物事を進めていくという、静かで穏やかに映りながらも、心の奥底では強い責任感と意思を持って経営に取り組む姿勢。これこそがオーレンスグループの強みとすごさなのです。
〇船井総研が50年間のグレートカンパニー研究からわかった優秀企業の条件
制高温3条件、3つの企業の使命、正しい努力。船井総研-創業者船井幸雄が言っていた経営で最も重要なことは、経営者及び社員が「素直」「プラス発想」「勉強好き」であると結論付けました。そして企業には3つの使命があると提供し続けました。その3つとは「収益性の追求」「社会性の追求」「教育性の追求」です。これら成功の3条件、3つの使命を知ってバランスよく実践しながら経営に取り組むことは現代社会においても優秀企業化を目指すためには不可欠なようです。
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内田
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2023年1月21日
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本
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レビュー『心配すんな。全部上手くいく。』
『心配すんな。全部上手くいく。』徳間書店 ヒカル
Youtuberヒカルさんの初めての著書ということで読んでみました。
Youtuberとは、YouTubeでの活動動画をアップロードして、広告収入によって収入を得ている人ですが、ヒカルさんは2023年初頭で480万人超のチャンネル登録者数を誇ります。
僕のやり方をそのままトレースしてもあまり意味がありません。全員にフィットするノウハウなんて存在しません。夢や目標をかなえる手段は、ひとりひとりが自分なりに模索して手にする以外にありません。
本書のタイトルは人気マンガ『キングダム』に登場する武将・桓騎(かんき)のセリフから取っています。僕はマンガから多くのことを学び、なにより多くの勇気をもらいました。
VALU騒動で多く人に損をさせてチャンネル登録者数が60万人減った時も、どんな状況でもひっくり返せると考えた。逆転できる。そこに根拠なんかなかった。でも自分を信じた。信じるしかなかった。なにをどうすれば信頼を取り戻せるのか。考えに考え、やれることはぜんぶやった。そしていまがある。僕は奇跡的なV字回復を遂げた。
ぼくがいまあなたに伝えたいのはこういうことだ。生きていれば浮き沈みがある。僕もまたいつかどこかでつまづくだろう。失敗からは逃れられない。その代わりどんな状況でも必ずひっくり返せる。僕は特別な人間じゃない。元は落ちこぼれだ。だからあなたもできる。できないほうがおかしい。やるか、やらないか。それだけだ。
言葉を制する者がすべてを制する。僕はそう思っている。
僕は子どものころから話術の練習を繰り返しやってきた。それこそ突拍子もないシチュエーションまで、いろんな状況を想定して部屋でぶつぶつと喋っていた。
そうした試行錯誤の過程で気づいたことがある。トークにおける絶対不可欠なポイントともいうべきものであった。それは「自分のなかに答えを用意しておく」ということだ。これでトーク力に大きな差がつく。
トーク力を高める方法はひとつだけ。それはさまざまな事柄についてあなたなりの「答え」を持つこと。その「答え」の数と、トーク力はほぼ比例する。
やるべきことは自分の頭で考えること。安心してほしい、おすすめの方法がある。それは「文章を書く」というやり方だ。毎日、文章を書く。1日最低1000文字は書いてほしい。書くということは考えるという事にほかならない。
僕は「文字の魔術師」になりたかったそこである練習を自分に課した。毎日4000字以上の文書を書くという練習だ。
コミュニケーションの仕方で悩む人が多い。つまり人間関係だ。そもそもソリが合わないのが人間関係のデフォルトだ。それぞれの人生があり、それぞれの価値観がある。あなたと相手がぴたりと重なるほうがむしろヘンだ。人間関係にはある種のテクニックが必要なのだ。そんなテクニックがあるのか?ある。それは「自分のなかに複数のキャラ(人格)を持つ」ということだ。強気なキャラ、相手に寄り添うキャラ、寡黙なキャラ、軽薄なキャラ、いろんなキャラを状況に応じて、相手に応じて使い分けるのだ。僕はサラリーマンで1年間営業をやっているときに1か月目から過去最高の成績でトップになった。これはキャラを使い分けていかにスムーズに打ち解けられるか、信頼と親しみを持ってもらえるか、それがカギだった。
あなたには、必ずあなたの強みがある。それはすぐ目のまえに転がってる。問題はそれに気付けるかどうか。探す気があるかどうかそれだけだ。だからポジティブでいよう。ポジティブでいなければ自分の強みを見落とす。
僕はいつも超ポジティブだ。僕はラッキーなのだ。これまで何度となく壁にぶつかってきたが、そのたびに強運を発揮して乗り越えてきた。イギリスの心理学者リチャード・ワイズマンがこんなエピソードを紹介している、ある男がしょっちゅう小銭を拾っていた。そのあと8年間日記を書き続けて気づいたことが、幸せな気分の日には小銭を拾う傾向があり、そうでない日に小銭を拾うのはまれだった。ワイズマンはこう分析する、人は幸福でリラックスしていると周囲の変化に反応できる。偶然の、予想外のチャンスが訪れたとき、それを見逃さない可能性が高い。チャンスはいつでもどこでも転がっている、その存在に気づくかどうか。それが運というものの正体だ。
2022年4月、山口県阿武町は新型コロナウイルス対策の臨時給付金4630万円を誤って1人の町民に振り込んでしまう。同町はすぐに返還を求めるもその町民はそれを拒否。同町は返還請求の訴訟に踏み切り、その町民の氏名と住所を一般公開する。その町民、田口翔さんは電子計算機使用詐欺罪で逮捕され、この模様はマスコミで連日報じられ、世間の非難はすさまじかった。返済のホワイトないとの正体はほかでもない、この僕だ。どうして僕が田口さんのホワイトないと役を買って出たのか。僕の同期はシンプルである、それは目立つから、話題になるから。釈放直後の田口さんの独占インタビューをYoutubeで配信しよう。当然ながらそのインタビュー動画はバズりにバズった。おかげでたくさんの広告収益が入った。僕にとってこの件はメリットずくめだった。田口さんにとっても同じだ。田口さんはまだ24歳と若い。自立し、しっかり稼ぎ、借金を返済して、だれよりも迷惑をかけたというお母さんを安心させてほしい。具体的なメリットのやり取りがあってはじめて人が動き、信頼関係は生まれる。
失敗やトラブルは避けて通れない。なにかをやる、挑戦するというのはそういうことだ。必ず逆境は訪れる。逆境のない挑戦なんて挑戦とは呼ばない。逆境はあなたの勲章だ。起きてしまうことはしかたない。大事なのはその後の対処だ。そして対処の仕方はいくらでもある。最悪なのは逆境を恐れて縮まることだ。逆境を進もう。逆境を進んでこそ、あなたの人間力は増す。その先に制奥が待っている。落ち度や過ちは、素直に認めるしかないのだ。どう言い繕ってもそれは落ち度であり、過ちなのだ。ならばとるべき態度は明らか、謝るべきとは謝り、認めるべき非は認める。そうしていれば、人をいたずら傷づけることもなかった、無闇に敵をつくることもなかっただろう。
人の心をつかむための3要素。①キャラクターとは個性のこと、「〇〇といえば、××な人」と言われる持ち味のこと、キャラクターの弱いコンテンツは印象に残らない。とうぜんファンも生まない。そもそもキャラクターが弱いと見向きすらされない。次は②コンセプトだこれは、明確な夢や目標を指す。これがわかりやすく立っていれば、受け手の感情に訴えかけることができる。おどずと人の心はつかめるのだ。3つめに③ストーリーだ、そこに物語があるかどうかである。見る側がまるで自分のことのようにピンチを味わいながら、感情移入しながら、心ゆくまで楽しめるのである。
30歳代前半のYoutuberの活躍と言葉には目を見張るものがあります。
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内田
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2023年1月14日
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レビュー『仕事は自分ひとりでやらない』
『仕事は自分ひとりでやらない』 小木田朝子 フォレスト出版
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内田
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2022年12月10日
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本
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