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【本】レビュー『税理士のためのプログラミング』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

税理士のためのプログラミング~Chat GPTで知識ゼロから始める本〜』

Chat GPTが書いたコードをコピペ!全ては学ばなくて良い、AI時代のプログラミング入門。
税理士事務所にとってプログラミングは、会計税務ソフトの基礎となるデータを整理したり、資料づくりお客様との連絡やご請求と、仕事効率化に繋がります。
ChatGPTには過度に丁寧に書く必要はありません。例えば、ExcelのセルA 1に100を入れる場合、
「Excelマクロ A1に100」と入力するだけです。使うプログラミングの種類(Excelマクロ、GAS、Python)です。
プログラミングで仕事を進めるために、それ以外の仕事を減らしましょう。
・まずifが入るもの、ルールが無いor自分がルールを決められない仕事は避けましょう。(お客様の方から数字を調整して欲しいような内容を避ける)
お客様の方でデータ化をしてもらえるように促しましょう。(使いやすいExcel入力も含みます)
・AI-OCRも出て来ていますが、そもそも紙で入手せず、データで入手できるようにしましょう。
業務上のステップ(工程)を減らす事が大切です。月次会計での通帳だけでいっても「通帳コピー受け取り→見ながら仕訳手入力→残高を合わせる→合わなくて見直す→コピーの漏れに気づく→再度連絡→追加コピー受け取り→手入力とチェックの繰り返し」とステップが多くなりがちです。
これがネットバンク取込みでは「連動後データチェック」のみだけで終わります。このステップこそ、プログラミングの考え方です。ステップが多いと、ChatGPTに入れる手間が掛かり、エラーの確率も上がります。
お客様からのレスポンス等が遅い時に、どこかで決断すべきときはあります。解約という事です。もちろん、解約の前にこちらで出来ることはありますが、できることをある程度やったら解約も辞さないくらいの覚悟が、効率化には必要です。仕事を依頼されて、やりとりが遅い、ステップが多いなら、やめることも覚悟しましょう。新規の紹介を受けても安易に受けるべきではありません。
効率化は、仕事量・道具・スキルがポイントです。そのスキルの一つとしてプログラミングをぜひ身につけていただければと思います。
  • user 内田
  • time 2025年2月8日
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【本】レビュー『白洲次郎 一流の条件』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白洲次郎 一流の条件』 秋山圭男 宝島社

敗戦後日本において吉田茂と共にGHQや海外と交渉を行った白洲次郎さんについての書籍。
都合の悪い問題こそきちんと正視せよ
本当のことを言って初めて解決につながっていくし、自らのためになる。そのための第一歩が空気に流されず、誰に対しても言うべきことを伝える。
他人事にしない覚悟
他人様が起こした火事であろうが、自分のうちで始まった火事であろうが、燃えてしまえば只の灰になるだけで、なすり合いしても灰になってしまえば手のつけようが無い。責任の所在を自身の問題として覚悟を決めること。
煙たがられて本物
人に好かれようと思って仕事をするな、むしろ半分の人間に積極的に嫌われるように努力しないとちゃんと仕事はできねえぞ。ほんとに国家のことを考えて、ガムシャラに邁進する様な人々が指導者に就くべきではないだろうか。私心の無い人、大所、高所に立って、自分の考えや行動すらも客観的に捉えられる人、本当の愛情のある人。
物言う勇気
日本の若い人に一番足らんのは勇気だ。そう言ったら損をするとばかり考えている。
素朴な正義感を持ち、私心の無い相応の覚悟とともに、意見を翻さず堂々と物申し続けるからこそ、大きな相手からもある種の畏怖と共に尊敬も受けた。
  • user 内田
  • time 2025年2月1日
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【本】プロ経営者・CxOになる人の絶対法則

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロ経営者・CxOになる人の絶対法則』 荒井裕之 クロスメディア

社内で経営者的な目線を持つ人材(CFO,CIOなど含む)になるにはどうすればよいのか、について書かれた一冊。

もしも経営人材として活躍していきたいなら、20〜30代といった若いうちから社内でも居心地の良い場所ではなく、より厳しい環境に身を投じる経験が必要不可欠です。これは私たちが20年以上、人材紹介業を行ってきた中で必ずお伝えしたいアドバイスです。失敗が許される若いうちから厳しい環境でチャレンジする経験は、その後のキャリアに多大な影響を与える、正しい選択とだけは言い切れます。

何事も他責にしてしまうメンタリティの人がいます、これはプロ経営者やCxOの適正から、最も遠い人と言わざるを得ません。現在の戦力で戦うことを受け入れた上で自分の責任で会社を良くしていくことを丹念に考えられるか。「もっと優秀な社員がいれば」など、ないものねだりの思考ではプロ経営者は務まらないのです。また、経営者とは、会社という船の行き先を決める船長の役割を担います。経営理念は経営者が社員に対して行う約束、それを表明しなければ、社員は何を信じなければわからなくなる、経営理念が社員からの求心力を生むことになるのだ。

かつては会社の中でのトップとして振る舞い、強いリーダーシップを発揮するトップが主流でした。しかし、最近では、ハラスメントやコンプライアンスに対する世の中の風潮も受け、社員のことを十分に尊重しながら、協調して経営を行うリーダーが増えています。CEOがトップダウンで組織を動かしていくよりも、CEOとその他のCxOがチームを組成して会社を運営していく。そのためには、多様な人たちを束ね良好な人間関係を築ける人間性が問われています。また、IQだけではなく、「心の知能指数」EQが必要で、自分や他者の感情を知覚し、自分の感情をコントロールできる能力、傾聴力や共感力が高く、ストレス耐性にも強いといった特徴があります。成功した時は「君の手柄だよ」と言い、失敗したときは「私の責任だ」と言えるリーダーでなければなりません。
たとえエースストライカーが組織にいなかったとしても、現状の戦力での戦い方を考え、新たな仲間を集めていく、それが経営人材の腕の見せ所です。人間には、自分と異なる価値観を持つ人や相反する意見を持つ人を排除したいという本能があります。しかし、会社でその本能を出してしまうと組織が成り立たなくなるだけでなく、多角的な視点が排除され、経営に影響を与える危険な兆候や不正を見過ごしたり、間違った方向へ走ってしまうケースもあります。様々な経験を積んだ50代の経営者が、20代の若手から謙虚に話を聞く姿勢がまさに求められます。こうしたリーダーのいる会社の業績は、高い確率で好調なはずです。
CxOの中でも、CFOには3つのタイプがあり、資金調達やIPOを得意とする人、スーパー経理部長として迅速なレポーティングができる人、FP&Aを得意とし戦略を数値にして提案できる人。CFOという存在は社長にとってイエスマンでありつつ、強力な意見対立者であるべきです。CFOはつぶさに数字を見ている立場から、社長が見えていないことを参謀として議論を誘発していかなければならないのです。
経営人材として求心力を生み出すためには、組織としてのビジョン」を掲げて周りの人たちに伝え続けること、修羅場で逃げないこと、背中で見せること、常に納得感のある解を示し続けること、人間として寄り添うことなど、いろいろ方法があります。役員だからと肩書を持つ権限を求心力の源泉と勘違いしないで、ただの人気取りを求心力の醸成と勘違いしない、これが大切です。火中でも人がついてきてくれる存在であることここぞというときにだけ手を出すことが大切で、経営者とは基本はチームの仲間に仕事を任せていくものです。社内の優秀な人を見つけて抜擢し、自分で積極的に情報発信して社外から人材を引きつけるのもチームを作る上で大切です。
  • user 内田
  • time 2025年1月18日
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【本】この国を出よ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この国を出よ』 大前研一・柳井正 小学館

2010年発刊の書籍ですが、少子高齢化で沈む日本にとって非常に力強いメッセージが書かれた一冊。

今や世界では、アジアを中心とした新興国が著しい経済成長を持続しています。にもかかわらず日本では、グローバル人材としての活躍が期待される若者の海外志向は弱まっています。こうした認識の甘さは、競争を避ける日本の教育と無縁ではないと思います。しかし、古今東西、競争のないところに進歩は生まれません。北欧のような家族・地域貢献・地球環境への教育により世界のリーダーにもなれず、韓国のような詰め込み教育を徹底するでもなく、ぬるま湯の日本教育は劣っていきます。
借金増の日本のバラ撒き政策が日本の沈没を招くのは数の多い収入平均以下の人の要望ばかりを聞いて高収入企業・人から高い税金を取り、さらに平均が下がっていくから。そのような国は国際競争力を持ち得ないし、国全体がますます貧乏人なっていくのは必然です。天井を高める人、富を生み出す人々が元気でいて初めてバラ撒く資金が出てくるのです。国家レベルで「稼ぐ力」をつけたよい例が、1人当たりGDPで日本を抜いたシンガポールです。税率を安くしたら、世界中からマネーと優秀な人材が集まって繁栄し、結果として国家財政も潤った。ところが、日本の税制はその逆に、国民や事業の稼ぐ力を失わせ、皮肉なことに日本の財政をも危機に立たせている
ここ10数年、もてはやされているベンチャー企業を見ていると、残念ながら、草創期の松下電器産業やソニーのような「変化し続けようという姿勢」を感じる会社がほとんどありません。そもそも「自分たちのビジネスや商品で世の中を良くしたい」「社会を変えたい」といった志があまりにも希薄に見えて仕方がないのです。バブル前30年も前の1970年頃より若い人にとって「モノ」に対する憧れが強くなり、表面的な格好良さだけが重視され親や他人に甘えて買ってもらえれば満足し自立心が無くなりました。また、戦後数十年が経ち安定した時代に生まれ育ち、若者もハンガリー精神を無くしました他人任せにするばかりで、自ら答えを探したり行動する人もいません。
「企業は、社会の公器である」このドラッカーの言葉には、企業のあるべき姿が集約されています。顧客が望む新しい価値を提供し、社会に良い変革をもたらし雇用を創出し、従業員の自己実現を図る。ここから、自分は何をしたいのか、しなければいけないのかが見えてくるのではないかと思います。僕(柳井)はいつも社員たちに「未来は現在よりも必ず良くなると信じて、必死になれとハッパをかけています。
今の日本は少子高齢化が進み年々人口が減少し経済も停滞しています。であるならば、企業は日本には期待せず、日本を飛び出して新しい市場を開拓するしかないでしょう。重要なのは「慣れない海外は不安だ」という恐怖心を払拭して、とにかく一歩を踏み出すことです。そのためには、グローバル化に対応できる人材育成が不可欠、外部に丸投げせずGEのように毎週社長がリーダー候補と会食したり、サムスンのように海外に1年間住まわせるなど、時間と費用を掛けること。
教育の本質を「どの企業も欲しがるような人材」を育成する方向へと転換すべきです。これまでのような受験を念頭に置いた画一的な教育を行う高校や、勉強をしなくても卒業できる大学は全く論外で、実務経験がなく学者に過ぎない教授が自分の得意分野の話をするだけの今の大学は無用の長物です。リーダーシップについては、位が上がってからつければいい、と考えている人がいますが違います。育つ教育の過程で身につけるものなのです。例えばヨーロッパのある有名企業では、一流大学を出ているだけてば採用せず学業以外の特筆すべき経験が大切で、リーダーシップを取った経験が22歳までに5つないと採用しないのです。なぜなら、リーダーシップを取る傾向がある人は、人生で必ずそれを反復するからです。日本も、リーダーシップのある問題解決型の人材を育成する教育に力を入れるべきです。
  • user 内田
  • time 2025年1月11日
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【本】レビュー『道は開ける』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

道は開ける』 デール・カーネギー 創元社

人生の困難を乗り越える時も、仕事で大変なことをクリアしていくときも、人間関係でも、人には悩みがつきものです。
その「悩み」をいかに克服して成長していくかを教えてくれる、書籍です。

●今日、一日の区切りで生きる
息絶えた昨日を閉め出し、まだ生まれていない明日を閉め出そう、そうすれば今日一日安泰です。昨日の重荷に加えて、明日の重荷まで今日のうちに背負うとしたら、どんな強い人でも体がもたないであろう。エネルギーの消耗、心痛、神経衰弱は、未来のことを気づかう人に合わせてつきまといます。あすのことを考えるな、あすのことはあす自身が考えるであろう、一日の苦労はその一日だけで十分だ。
人生を砂時計と考えてみるんだ。砂時計の上部には無数の砂が入っていて、ゆっくりと一定の速度で中央のくびれた部分を通過していく。この砂時計を壊さないためには余計な手出しをせずに、砂の一粒一粒が通過するままにしておくほうがいい。朝、仕事を始める時には、その日に片付けてないとように思われることが山ほどある、けれども一度に一つのことしかできないし、砂時計のように一定の速度で仕事を片付けるしか手はない。さもないと、肉体や精神の働きが狂ってしまうのだ。
ロバート・ルイス・スティーヴンソンの言葉
「自分の荷物がどんなに重くても、日暮れまでなら、だれでも運ぶことができる。自分の仕事がどんなにつらくても、一日なら、だれでもできる。太陽が没するまでなら、だれでも快活に、辛抱強く、親切に、貞淑に生きられる。そして、これこそが人生の秘訣そのものだ。」
著名なインドの劇作家カーリダーサの言葉
「夜明けへのあいさつ
今日という日に目を向けよう!これこそ生命、生命の中の生命なのだ。その短い工程の中には、君の存在の心理と現実とがすべて含まれる。生まれ育つ喜び、行動の栄光、美の輝き。昨日は夢にすぎず、明日は予感でしかない。精一杯に生きた今日はすべての昨日を幸せな思い出に変え、すべての明日を希望の見取図とする。だから目を開こう、明日に向かって。」

●悩みを解決するための魔術的公式
不安な気持ちを振り捨てて、目前の事態に対処する具体的な方法。
①「起こり得る最悪の事態とは何か」と自問すること。(逮捕されたり射殺されることはないか。それは確実。)
②やむをえない場合には、最悪の事態を受け入れる覚悟とすること。(覚悟ができれば怒りや妄想混乱が消え集中力決断力が増す。)
③それから落ち着いて最悪状態を好転させるように努力すること。(エネルギーが解放され行動ができる)

●悩みがもたらす副作用
悩みに対する戦略を知らないビジネスマンは早死にする。苦悩、不安、欲求不満、憎しみ、怨恨、反抗、恐怖などが心臓病・潰瘍・高血圧などで、どれほど私たちの肉体を破壊しているか。感情が自信、成功、勝利といった彩りを帯びると即座に全快する。緊張をゆるめ、英気をよみがえらせるものは健全な睡眠、音楽、笑いである。神を信頼せよ、よく眠れ。良い音楽を愛せよ。人生のおどけた面に目を向けよ。そうすれば健康と幸福が得られる。

●悩みの分析と解消法
混乱こそ悩みの第一理由。このようの悩みの大半は判断の根拠となる知識が十分でないのに判断を下そうとするから生じる。必要な時まで気をもんだりせず事実の把握のみに努め、それができれば問題はたいてい自然に解決している。ウィンストン・チャーチルは責任の重大さに頭を痛めることがないか質問されたとき「私は忙しすぎる。悩んだりする暇がない。」と答えた。将兵たちが戦場で衝撃的な体験を重ね神経症と呼ばれる状態で戻ってくると軍医は処方箋に「多忙にしておくこと」と書き込んでいた。悩みに対する治療法は、何か建設的な仕事に没頭することだ。

●小事にこだわらない
私たちが人生の大きな災難に雄々しく立ち向かう例は珍しくない。そのくせに、ささいな出来事、いわば「気分をいらつかせるもの」を気に病むのだ。シカゴの名判事が「不幸な結婚生活の根底には、ささいなことがらが存在する」「刑事裁判所の訴訟の過半数は、つまらぬことが原因である。酒場での空威張り、家庭内での口論、侮辱的な言葉遣い、罵詈雑言、無礼なふるまい―この種のつまらぬことが、暴力事件や殺人にまで発展する。世の中の傷心の半ばは、われわれの自尊心がちょっと攻撃を受けたり、侮辱されたり、虚栄心がチクリと刺激されるために生じるのである。」。イギリスの政治家ディズレーリは言う、「人生は短すぎる。小事にこだわってはいられない。」私たちがこの地球上に生きるのは、わずか数十年にすぎない。それなのに、一年もすれば皆から忘れられてしまう不平不満を悩みながら、かけがえのない多くの時間を無駄にする。もうごめんだ。私たちの人生を、価値ある活動、感覚、偉大な思想、真実の愛、永久の事業のために捧げよう。とにかく、小事にこだわるには人生はあまりにも短すぎる。

●非難を気にしない方法
相手が大物であればあるだけ人間はそれを非難して意地の悪い満足を求めるのであり、低俗な人々は偉人の欠点や愚行に非常な喜びを覚えるのである。そうである、不当な非難はしばしば擬装された賛辞であることを忘れてはならない。
私たちの多くは自分に向かって投げられる悪口をあまりにも気にしすぎるのである。実は皆が自分の事しか考えていない。だからバカにされ裏切られてもそのために自己憐憫に陥るのは愚の骨頂である。不公平な批判で傷つくかどうかは私しだいなのだ。食って掛かってくる相手には反論することに意味はなく「ただ笑う」だけで良い。だれかに悪口を言われても自己弁護をしないようにしよう。私たちはもっと独創的に、謙虚に、手際よくやろう、おそらく自分も少なくとも80%は誤っているかもしれない。そうとしたら、むしろ感謝すべきだ、そしてそれを有効に役立てるように努めるべきだ。

●疲労と悩みを予防し心身を充実させる方法
疲労が悩みを引き起こすので、たびたび休養すること、疲れる前に休息せよ、である。第二次世界大戦の際、ウィンストン・チャーチルは一日16時間働いて軍事行動を指揮していたが、昼食後に2時間眠り疲労を予防し何回も休息をとったおかげで、元気よく深夜まで働けた。5分間の昼寝でも効果がある。エジソンによれば、彼の驚くべきエネルギーと忍耐力は、寝たいときに眠る習慣のおかげだったという。もっとも重要な器官は目である、シカゴ大学のジェイコブソン博士は全身の神経エネルギーの4分の1を目が消費しているため、もし目の筋肉を完全にリラックスさせることができたら、人間はあらゆる悩みを忘れるだろうと言っている。

 

  • user 内田
  • time 2024年12月21日
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【本】レビュー『経営者になるためのノート』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

経営者になるためのノート』柳井正 PHP研究所

経営者とは、約束した成果をあげる人のこと。松下幸之助さんは「水道から流れる水のように廉価に大量に物を供給することで人々を幸福にする」と、本田宗一郎さんは「世界一の二輪メーカーになる」と、その使命を約束して成果として実現したからこそ、あらゆる人から尊敬され続けます。

●変革する力〜経営者はイノベーターであれ
経営者は「危機感」にもとづいて経営をすべきで、「不安」にもとづいて経営をやってはいけません。
確証のない思い込みが不安であり、具体的に書き出すと悩んでいても仕方がない事とわかるのですが、自分ではコントロールできないもの。考えても、もったいなく仕事をしているうちに入りません、大切な事ことはまずはやってみること。だめだったらまた頭をひねって次の施策をやる、具体的に実行し続ければ不安を感じている暇は無くなるはずです。社員に嫌われたくないという思いから、ものわかりがいい上司を装う人がいます。もの分かりのいい上司からイノベーションは生まれません部下も育たなくなります。自分基準、自分都合で仕事を完結させてしまいますから、本当の意味での達成感や成長実感を味わえません。その中で部下に「君だったらできる」と言うことが必要で、やらせる以上は最終責任は上司がとり「責任は全部上司にある。うまくいった時は全部部下の功績だ。」といったような気持ちで部下に接する事が大切です。危機感(=自社を評価しながら慢心せず努力し続けること)を持って、いつも断崖の上を歩いている、ちょっとでも油断したら真っ逆さまに落ちてしまうと考えてのぞむのが「正常な経営」なのです。

●儲ける力〜経営者は商売人であれ
お客様を喜ばせたいと腹の底から思うこと、お客様の声を聞こうとしなければいけないがその一枚上手をいこうとすることが大切です。お客様に教えていただけるのは、あくまで問題点やニーズでしかなく、プロである我々が、想像力と創造力を働かせて「それは、こういうことではないでしょうか」とお客様の期待を超えていく事に本当の付加価値が生まれるのです。地道なことを徹底的に行う事が大切です。経営をよく知らない人は儲ける力というと、何か派手なことをやったり、特別な方法があって、そこを突けば成功できると作家している人がいますがそんなことは全くなく、経営というのはあたり前のことを本当にあたり前に毎日実行する、そしてチェックをして次の方法を考える、計画を変える、このことの繰り返しです。経営にとって大切なことは、一日一日、一人ひとりのお客様を大切にすること。そして、日々無駄を省く努力をし、あらゆるプロセスをコツコツと工夫して改善していくことです。ユニクロのお店では毎日の当たり前のこととして例えば次のようなことがあります。「清掃が行き届いていて、常に清潔で気持ちのいい状態にする。バックヤードもきれいで、物を探しやすく、働きやすい環境にする。」「お客様から見て分かりやすく美しくきちんと整った状態にする。」「スタッフが元気で明るい接客ができるようにする。できていない人がいたら指導する。」「お客様からのクレームは適切に対応し二度と発生しないようにスタッフで共有して問題解決する。そうした情報やその他気づいた情報を本部にあげる。」「毎日毎日、偏執狂的なほど、商売の結果を見て、自分で問題を発見して、一つ一つ解決する。」これらは能力の問題ではなく、習慣の問題です。ですから、本来誰にでもできることです。逆に言うと本当の習慣になるまで、意識的に鍛えることが肝心です。また上の立場に立つものが率先して実践しない限り、部下はこうしたあたり前のことの実践を軽視してしまいます。もし、現場でこうしたことが出来ていなかった時は、部下の問題ではなく、上司である自分の問題だと思うべきです。

●チームを作る力~経営者は本物のリーダーであれ
部下との信頼関係を作り、100%全人格をかけて部下と向き合い、目標を共有して一人ひとりの責任を明確にする。任せ評価をして期待をして長所を活かす。人から信頼を得る絶対欠かせないことは言行一致=約束をしたのであればその約束を守る事、首尾一貫=方法や課題は変わっても最終的な目標や理念価値観は普遍性/真実性/誠実性があって人間の芯として感じられる事。そして部下の立場に立って相手の論理で相手の感情で話を聞き正面から受け止め、100%のエネルギーを使って部下の未来を明るくするための、一番よいアドバイスを違うとか甘いといった意見を含めて伝え、よい仕事をした時や成長したなと思った時はきちんと褒めて評価してあげる。目標実現のためメンバーが何のために仕事をやっているのか、本当にメンバーが分かるまで、何度も何度も同じことをしつこく伝え、メンバーが他の人にも熱く語る状態、メンバーの体が勝手に目標のために動く状態でないといけません。人に業務を任せる時は、ゴールイメージを最初に共有する、本質的に達成してほしいことやその基準をしっかりとすりあわせておく。これがずれていると本人は頑張ってやっているつもりだったのに、リーダーが求めているものとが違う成果になり、お互いが不幸になります。仕事をした結果をリーダーはよく見てあげ、日常会話や必要なタイミングで、その評価を伝えてあげる。その結果、モチベーションは高まり次はもっと頑張ろうという意欲がかきたてられます。人間は期待されているかどうかを感じる力を持っています。リーダーがメンバーと向き合った時の目、態度、日頃の接触の仕方や頻度、そういったものからメンバーはリーダーの自分に対する期待度を読み取ることができます。メンバーに高い成果を要求するのであれば、その分だけメンバーに対する期待の気持ちをセットで届けないと、モチベーションを高めるというリーダーの仕事は完成しないという事です。

●理想を追求する力〜経営者は使命と共に生きよ
会社というのは社会に貢献できてはじめて、社会から存在が許される、認められるものだと思います。会社は、生まれた瞬間から社会の公器です。お客様の生活の向上や幸せに役に立つことができず、社会に貢献できない会社は、いつの間にか社会から排除されて行ってしまうのです。会社にとって儲けることは重要なことです。しかし、それ自体は手段にすぎません。会社の最終目的は「人間を幸せにするために存在している」という使命の実現であるべきなのです。
  • user 内田
  • time 2024年12月14日
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【本】レビュー『働きがいのある会計事務所・税理士事務所 特選』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

働きがいのある会計事務所・税理士事務所 特選』ISTED Library  ㈱ミツカル

税理士事務所の業界が魅力的になるのはいくつか条件が挙げられます。自身を成長させ理想のキャリアを築ける、給与水準が高い、残業が少なくライフワークバランスがとれる、仕事が面白くやりがいがある、-これらを業界全体で実現することを目指しております。小学生に「将来就きたい職業」を訪ねた時、「税理士」と答える子どもが増えてほしいと思うのです。

税理士事務所の就職では労働条件だけでなく「カルチャーフィット」も重要であると実感しています。どんなに高い報酬を得ても、仕事にやりがいを感じていても、事務所のカルチャーに合っていなければ居心地の悪さを感じてしまうのものです。応募前の「カジュアル面談」をはじめ「職場見学」「食事会」など、時間をかけて理解を深める機会を設けて、入所後にギャップを感じないことも大切です。

本書籍では税理士事務所を選ぶ際に注目すべきポイント、風土・キャリアパスなど30の税理士事務所を紹介します。

●大手事務所で働くメリット
初任給から給与水準が高めで、福利厚生も充実している事務所が多いです。新卒・未経験者を採用するため、教育・研修カリキュラムが整備されており、スキルアップの度合いを評価する制度もあります。研修充実の中で上司とのコミュニケーションがスムーズで、配属先関係変更で人間関係の悩みを解消できる可能性があります。業務のラインナップが多いため幅広い業務を経験でき、成長やキャリアアップが期待できます。

●大手事務所のデメリット
顧問先数や対応業務が多い分、特に繁忙期は忙しく、統計的に残業がやや多めになります。「製販分離」の組織体制のた最初から最後まで一貫して手掛けられない事が多いです。一般企業と同様、大手事務所への就職希望者は多く競争率が高いです。

●個人事務所で働くメリット
仕事の全体像が把握しやすいです。所長との距離が近く「経営」についても直接学べ、独立開業を目指す方にとって事務所運営のノウハウが学べます。税理士業界の平均年齢が63歳と高齢化している中で、所長が引退する際に自分に承継してもらえる可能性があります。

●個人事務所のデメリット
所長の考えや価値観によって運営方針が決められ突然変わることもあり、所長に共感できないとストレスを抱えることになるでしょう。自身の利益だけを重視し職員を駒のように扱う所長が存在するのも事実ですので面接でしっかり目極めましょう。教育体制が整っていない事務所が多く、未経験で入所すると戸惑う可能性があります。

●ブラック事務所を見分けるポイント
採用HPなどに記載をされている募集要項、事務所名で検索した時に出てくるSNSの情報などをチェックしてください。応募後は、面接で確認したり職員と話をさせてもらったりと、様々な方法を駆使して見極めましょう。常に職員を募集している事務所は、職員の数が一定以上増えていない場合、「離職率が高い」と判断でき職員が定着しないということで、何かしらの問題を抱えている可能性があります。税理士事務所で働きながら、税理士資格取得を目指す方が多数いらっしゃいます。それを支援するため「通学できるよう残業時間を抑えている」「試験休暇を設けている」といった事務所もあり、中には専門学校の学費を事務所が負担してくれるケースもあります。創業から10年以上たっている事務所であれば平均年齢もチェックしてみて、20代~30代前半であれば創業メンバーやスペシャリストが離職してしまっており定着しない何らかの問題が潜んでいる可能性があります。

●税理士事務所特選
選定の基準。年収(高年収を狙える事務所)。残業時間(過度の負担が掛かって残業が多くならないか)。評価制度(全国38,000事務所中、400件程しか持ち運用していない。)。教育体制(研修動画ほか)。試験勉強のサポート(試験直前の残業の少なさや休みのとりやすさ)。働き方の柔軟性(フレックスタイム制度、リモートワーク制度)。福利厚生(決算賞与、扶養手当、引越料金、スポーツジム利用料)。

あいわ税理士法人(東京都港区)
税理士や公認会計士などの有資格者率が高いことが一番の特徴。一般的な税理士事務所の場合は、1名の有資格者に3~6名のアシスタントがついて仕事を進める構造にありますが、私たちの場合は約80名のうち80名以上が有資格者。IPOを得意とし、現在のクライアントのうち上場会社が305社、上場準備中の企業は200社、クライアントの7割は上場系です。世の中を見渡すと税理士の多くが代行業務に時間を取られておりもったいない。また代行業務は急速に進化をしているAIに仕事を奪われていくでしょう。現在、あいわ税理士法人では毎年10社前後のクライアントが上場を実現し国内IPOの1割程度を占める。また、M&Aや事業承継にもフォーカスして進化を模索している。

サン共同税理士法人(東京都港区)
グループ内に社会保険労務士法人と行政書士法人があり、それを多面的に支える財務支援や補助金支援のコンサルティング会社、DXやマーケティングを行う会社、さらには人材紹介会社、M&A、不動産関連会社もたずさえ、12のグループ会社がタッグを組んで幅広いニーズに応えている。DXは創業時から力を入れており、自社開発の基幹システムを構築、開発したのは税理士でありITエンジニアでもある稀有な人材。グループ内のシステムを最適化するだけでなく、クライアント企業のDX支援も行う。当初からリモートワークが標準で、業界に合って先駆的。出社日や朝礼などの縛りがなく、働き方の自由度が抜群に高い。

ネットワーク渡辺税理士法人(東京都新宿区)
経営者のパートナーになりたいという中で数字を追うわけでなく、どんな事業展開をしたいのかを深く理解し、家族構成などプライベートにも踏み込み、それら全てを把握してライフパートナーとして、売上目標や役員報酬についても提案していく。過去はチームで仕事をするというよりも、一人ひとりが自走してそれぞれ成果を出すいわば一匹狼の集団でその方がある意味楽だが「人ひとりで出来ることには限界があり」、それでは人も組織も育たずメンバーが辞めていけば何も無くなってしまう”砂の城”を作っているようなもの。そうではなく、入社した人がしっかりと育ち、活躍する組織、ほかに誇れるような組織を作りたいと考えている。

税理士法人シリウス(東京都千代田区)
当社のように社員30人ほどの規模の会計事務所の場合、どうしても事業の主軸となる領域が偏りがちで、社員のキャリアパスも固定されてしまう。その点は当社は異なる専門知識を持つスペシャリストが集まって運営しているため、専門性を追求しながら、多様な経験を積むことが可能です。経験が浅いスタッフには先輩社員が業務に関する相談から研修の進捗までサポートするメンター制度を導入し、社員同士のコミュニケーションの活性化により新人や若手社員の自立と成長を図っている。また月に1度の1on1ミーティングで、個々のスタッフが学びたい分野や達成したい目標、希望するポジションなどについて経営陣と共有し、スタッフ自らキャリアについて考える場としている。

T&T税理士法人(東京都港区)
寄せられる依頼の7割以上「相続」関係で4か所に拠点を展開。相続税申告の実績は年間300件以上、総スタッフ15人うち税理士7人で、年商4億円規模にまで成長を遂げた。40以上のITツールを相互に連携させて独自のシステムを作り上げ、業務の効率化と精度向上を実現し、午後6時までにはほとんどのスタッフが退社をするなど、働く人の負担を軽減したことに加え、人的ミスの削減により顧客からの信頼も増した。ITツールを導入し始めてから4年で、スタッフ数は同じままに、年商が倍増した。「最終的に到達したいのは、会計・税務業務を含めたすべての業務をITに任せられる状態で、そのために新しいツール導入や仕様変更など日々システムをアップデートしています。」

税理士法人中央会計(大阪府大阪市)
現在の代表社員-辛島は2004年に中央会計に入社してスタッフとマネージャーを経験し2021年に代表税理士に就任。「私のマネージャー時代は、担当業務をしながらスタッフの管理をし、忙しさを極めました。その中で強く感じたのは、働く人にとっては業務内容や給与も大事だけれど、それ以上に事務所の中で自分が成長していけるイメージを持てること、その結果、長く働き続けることが大切なのではないかという事です。自分の上司に憧れを持てる組織を作りたいという思いの中2022年から本格的な改革をスタートさせた。「大きな変化は、マネージャーの仕事を管理から成長支援へと改めたことです。スタッフとのコミュニケーションを増やして理解を深め、事務所が個人のやりたいこと、頑張りたいことを後押しする。週に一度の1on1では、働き方やキャリア、資格取得など、様々なことを話し合っています。」挑戦できる土壌を作ることで、お客様に向かう姿勢も前向きになり、提供するサービスの質全体が向上する好循環が生まれているという

 

  • user 内田
  • time 2024年12月7日
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