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レビュー『障害のある子が「親なき後」も幸せに暮らせる本』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

障害のある子が「親なき後」も幸せに暮らせる本』鹿内幸四朗 大和出版

わが子が障害があって生まれた時に考えておくとよいこと。
・子には500万円以上のお金を持たせない。
・子を不動産の名義人にしない。
・夫が死んだら財産を妻がコントロールできるようにする。
・必要資金をのこす。

「親権=親が成年に達しない子どもに対してもつ権利」は成年(20歳or18歳)を過ぎ、事理弁識能力がないと判断されると、親は「子どもの財産を親の采配で子どもに使う権利」を失ってしまう。
だから、親は子どもが成人なる前に、対策を打つ必要があります。

三種の神器(通帳、マイナンバーカード、印鑑登録証明書)は作っておくべき。
・子ども名義の通帳を2~3冊作り、ひとつは子どもが施設に入る時に求められる決済用通帳(作業施設給料、障害年金振込)、他は親や祖父母から渡すお金の振込用としましょう。
・障がい者の身分証明は、療育手帳や侵害障害者手帳が一般的ですがそれだと身分証明時に不快な経験をする場合もあるので、マイナンバーカードを作っておくとよいでしょう。
・15歳以上ならば未成年でも作成可能なので、将来のために引っ越し予定がなくなった時点で作るとよいでしょう。

・成人前にやっておきたい夫婦で作る財産管理
法定の成年後見は報酬もかかり、一度始めたら基本的にはやめられず、法定後見人には当たりとはずれがあることが大きな欠点。この成年後見制度では財産管理が家族から後見人に移り、親といえども、後見人の関与なしには、本人の財産を1円たりとも使うことができない。
そこで、夫婦がそれぞれ子どもの代理人となって、「たすき掛け」のようにて、任意後見契約を結ぶ「親心後見」を結び登記をした。

・夫なきあと妻と子の生活を守る遺言の作り方
夫なきあとに備えて妻のライフランを見直す。その時の妻のおもな収入源のひとつは夫の遺族年金。遺族年金と現在の貯金を合わせても生活費が不足する場合、生命保険(信託)で補う。
まずは若いうちに「とりあえず遺言(公正証書遺言)」を妻に一切の財産がいくように作成しておきましょう。その時に、後見人や後見監督人が遺留分の請求をしないように付言事項を添えます。また、自分が亡くなった時に想定していた相続人(妻)がすでに亡くなっている場合のことも予備的遺言として記しておきましょう。

・妻が元気なうちに準備したい家族への最後の贈りもの
身体が不自由になったときのための「財産管理等委任契約」
認知症になったときのための「任意後見契約」
延命治療の判断を子どもに決めさせないための「尊厳死宣言」
葬儀などを事前に指示する「死後事務委任契約」

  • user 内田
  • time 2022年4月30日
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レビュー『天才IT大臣 オードリー・タンが初めて明かす問題解決の4ステップと15キーワード』

 

 

 

 

 

 

 

オードリー・タンは19歳でシリコンバレーで起業、2014年米アップル顧問SiriなどAIプロジェクトに関わり、35歳で史上最年少で台湾国内閣入閣。
・解決思考
問題を見つける最も簡単な方法は、各当事者の側に立って、たくさんの当事者からひたすら話を聴くこと問題解決プロセスは①それぞれの人から解決策を提案してもらい②一歩引いてみんなに共通する価値観が集まっている立ち返ること。向き合って、受け入れて、対処して、手放す、という共通の価値観から友情を育み、揉め事を最小限に抑える。
・エンパシー
エンパシーとは、傾聴から自分自身の経験に基づいて相手を理解しようと試みることです。すべての声が智慧です。私たちにできることは、対話の透明性を高めて公開し、参加者全員を巻き込んでさらなるコンセンサスを得られるようにすることです。「対決」から「対話」への転換は、この時代に生きる私たちの使命なのです。
・集合知
世界中で独自に広がるタピオカミルクティーのように、何かをミックスして自分の好きなことを表側できることが集合知です。その最終的な目的は、誰もが学びを継続し、生涯学習を歩んでいけるよう導くことです。そして、一人だけが秀でた個人がいるチームを作るのではなく、チーム全体に競争力が備わるようになります。現代の起業はメイドインワールド、全世界が一緒に行う創作活動なのです。
・熟読(本の読み方)
最も重要なのは、人との対話と同じくすぐに判断を下さずひたすら耳を傾けること。多読ではなく、執筆者の一貫した考えを理解すること。先入観は捨てて、最低でも半分は読んでしまい要点をつかむのはそのあとです。読み終えたらすぐに眠って、翌朝目覚めたら前日に読んだ内容を思い出しましょう。(人間は睡眠中に短期記憶から長期記憶へ書き込んでいきます。)
・自分と向き合う
私は眠っていようが(一日8時間以上)、何か他のことをしていようが、仕事のあとの時間はすべて、自分自身と向き合う時間のしております。人は一人でいるとき、自分の行為に特に慎重になるべきだと私は考えております。スマホのスワイプによって刺激を受けては、本当に一人になって自分と向き合うことなどは可能でしょう。人間関係でいつも疲れている人は、毎日十分な睡眠を取るようにすれば疲弊した気力を回復できます。
・死を見つめる(手放す)
人間は誰でもその一生を終えるときに死に直面しますが、実は私たちには毎日それを練習する機会が与えられております、それが睡眠時間です。眠る前に心配事を手放すのです。手放せないものがあるのなら生き続けて「自分が生き続けることには意味がある」と感じられるよう、時間をかけてかけて自分自身をマネジメントしましょう。
  • user 内田
  • time 2022年4月16日
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レビュー『林修の仕事がうまくいく「話し方」講座』

 

 

 

 

 

 

 

 

・権威トレンド
人は「権威」を感じる相手の話を聞こうとします。相手をよく観察して、とくに優越感やコンプレックスを抱いている分野について、強い権威トレンド(=権威を感じる傾向)が発生します。
・初対面で信頼を得るための挨拶やあいづち
ご高名はかながね伺っております。ご縁ができてこれほど嬉しいことはありません。おっしゃるとおりですね。さすがですね。鋭いですね。勉強になります。
・心に残るとっておきフレーズ
そういえばご出身は〇〇でしたよね。またお目にかかれますことを楽しみにしております。次回はぜひ飲みに行きましょう。
・否定文を弱めるとっておきの前置き
僭越ながら。えらそうなことは言えませんが。私の記憶違いだったら本当に申し訳ございません。あれこれ申し上げて恐縮ですが。
・断るときは努力の痕跡を伝えよう
いたしかねます。今回は見送らせてください。あいにくですが。お力になりたいのは山々ですが。私より適任がおられます。私には荷が重すぎるかと。
・ビジネスで批判にならない評価フレーズ
×うるさ型→○面倒見がいい。×仕事が遅い→○仕事が慎重。×経験が少ない→○発展途上。×部下に甘い→○部下を信じている。×芽が出ない→○大器晩成型。×古くさい→○伝統を感じる。×ありふれた→○定番の。×薄汚れた→○風格のある。
  • user 内田
  • time 2022年4月3日
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レビュー『サウナー・ブック』

 

 

 

 

 

 

 

 

サウナー・ブック』 松尾大(ととのえ親方) FACTORY A-WORKS

〇身も心も人生も・・・すべてを変えるサウナの効能
1.運動後と同じリフレッシュ効果・爽快感(運動と違って手軽に!)
2.メンタルが安定し幸福感が高まる(幸せホルモン=セロトニンが上昇!)
3.ぐっすり眠れるようになる(深い睡眠割合2倍へ!)
4.免疫力が高まる(風邪にかかる割合が半分へ!)
5.美肌になる(フィンランドの諺→女性が一番美しいのはサウナ後1時間!)
6.人にやさしくなれる(イライラがとれて心に余裕が生まれる!)
7.最高のコミュニケーションがとれる(素っ裸で深い関係へ!)

〇サウナ用語
サフレSaunaFriend:サウナを一緒に楽しむ友達のこと
サウナハットSaunaHat:頭部を熱から守るための羊毛帽子
かけず小僧CutOutSweatOff:サウナ後に汗を流さず水風呂に入る最悪のルール違反
温度の羽衣RobeOfFeathers:水風呂で数10秒経つと薄膜が体を守り冷たさを感じなくなる状態
シングルSingle:限られた施設だけで体験できる水温10度以下の水風呂
ととのい椅子TotonoiChair:水風呂後の休憩時に座る椅子で、座る前後でお湯をかけるのがマナー
水通しRinseInWater:サウナ前にさっと水風呂に入りととのいやすくすること
下茹でParboiling:水通しの逆でサウナ前に温かいお風呂に入り、初回サウナから汗を出やすくすること
あまみAmami:もともとは富山の方言で火に当たって(水風呂後に)皮膚にできる斑点のこと
ヴィヒタVihta:本場フィンランドのサウナに必ずある白樺の若い枝葉
オロポOropo:ビタミンのオロナミンCとサウナで失った水分補給のポカリスウェットを混ぜ合わせた神ドリンク
サウナシュランSaunachelin:サウナー専用ブランド運営会社TTNE㈱がととのえの日11月11日に発表するランキング

〇サウナ:水風呂:休憩の目安、サウナのコツ
ルールともいえるこの3つの割合は4:1:5くらいがオススメ。
たぶんサウナ6~8分、水風呂1~2分、休憩8~10分くらいの感じかな。
サウナ室の体感温度が高いから短めで。水風呂がキンキンだからサッとつかるだけ。外気浴の風が心地よくて30分くらいぼーっと。みたいなこともあるよ。
サウナに入る回数を重ねれば、ととのうまでの時間が短くなり、精度もあがる。
長時間サウナに入れる人がすごいのではなく、短時間で、精度高くととのえる方が、上級サウナーといえるかもね。

  • user 内田
  • time 2022年3月19日
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レビュー『社長はメンタルが9割』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

社長はメンタルが9割』 押野満里子 かんき出版

社長はつらいよ がなくなります マイナス思考に飲み込まれないために が謳い文句の一冊。

社長が努力と根性で苦しんで、会社が成長する時代は終わりました。これからの時代は、社長が自己犠牲のスパイラルに陥らず、自分の感情と向き合い、感謝と信頼によって経営する会社が成長します。

・弱みを見せる
自分の欠点をさらけ出す人ほど、人から愛される」という法則があります。
だからこそ社長が普段見せない弱みを見せる本音は、そのギャップが社員に響きます。
メンバーに本音で接してもらうために、率先してダメな自分を正直にさらけ出すようにしていきます。
素直な人のもとに素直な人が集まります。

・まわりの人を信用する
意見が違う相手は会社にとって貴重な存在。
「社長の器」という言葉があります。「自分と異質なものを受け入れる心の大きさ」も、その器を大きくします。リーダーになったら、違うタイプの人をどんどん受け入れて、化学反応を起こさないと、強い会社は作れないことでしょう。
社長として社員を率い、会社を成長させるためには、意見や価値観が異なる相手を白黒はっきりさせないグレーゾーンに置くことも大切です。

・感情のコントロール
マイナスの感情を持ってもいい、と自分に許可をしてコントロールしないで吐き出しましょう。そこから、怒りの原因が自分のこだわりや好みだったとわかると、「わざわざ相手に伝えるまでもないかな」と思えてきます。
未来がどうなるか、誰にもわかりません、心配するあまり、社員の時間をいたずらに奪ってしまうのは、最善な経営とは言えません。どうせ妄想するなら、楽しいイメージを持って妄想しましょう。
やったけれど結果が出なかった自分を肯定してあげること、なんならダメだった自分について「ダメだっていいじゃん」くらいに認めてあげてあげる(できていることにクローズアップする)ことがスタートです。

・後継者が育たないことへの不安
「最高の指導者ほど、何も言わない」という言葉あります。スーパーマン社長ほど、つい、何でも自分でやってしまったり、的確すぎるアドバイスをしてしまったりして、社員の自主性を奪ってしまうようです。アドバイスが悪いのではなく、アドバイスはあくまで相手が主体になるようにしないと、ただの命令や指示になってしまいます。社員の自主性を重視して、良い所を伸ばして、やる気に火をつける、それが伸びる会社の社長さんのあり方です。会社の理念とかDNAだけは引き継いでもらって、新規事業は次の世代に任せてみることが会社を存続させるコツです。

・社員が辞めていくことの痛み
人事も自分で担当されている社長さんが、よく「自分が採用した社員が辞めていく時には、とても胸が痛む」ということを話されます。でもそれは「人が辞めていくことは寂しい」「自分の会社にいることが相手にとって正しいことだ」という思い込みでしかありません。なぜなら、この会社で働き続けるよりも、ほかの会社へ行ったほうが、その人にとって幸せなのかもしれないからです。その人の本当の幸せを考えて「ここじゃないかも」と考えたら、別に辞めていくことをネガティブにとらえる必要はありません。さらに言えば、相手が会社を辞めたのは「自分(社長)の力が足りなかった」わけでもありませんし、自分の会社が否定されたわけでもありません。たまたま、自分の会社と合わない人が来てしまっただけのことです。

・社長という仕事はたくさんの人たちを幸せにできる仕事
どうか「頑張る」のをやめてください。「社長なのに」なんて、自分を責めないで「ダメな自分のままでいい」「プライドや見栄があったっていい」と自分を認めてあげてください。人は、まず、自分を認めて、安心しないと、フラットな気持ちで、自分を変えることができません。「まず、自分の感情が幸せになることで、自然と周りを幸せにすることができる」という感情と結果の法則を思い出してください。そうなれば、お金はあとからついてきます。そして、どうか、今の自分があたたかい気持ちで、幸せだなと思える、そんな生き方をしてください。時代は目に見える地の時代から、自分の感情や信念、信頼や感謝など目に見えないものが大事な風の時代に入りました。頑張って、どこにでもある結果を作る時代から、溢れる「想い」で、自分にしかできない結果を作る時代へ。

 

 

  • user 内田
  • time 2022年3月5日
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レビュー『21 Lessons』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

21 Lessons』ユヴァル・ノア・ハラリ 河出書房新社

多くのビジネスマンが読んだ『サピエンス全史』で有名な歴史学者ハラリさんの最新作ということで読んでみました。

今日の世界で何が起こっているのか。ドナルド・トランプの躍進は何を意味するのか?フェイクニュースの蔓延に対して打つ手はあるのか?自由民主主義はなぜ危機に陥っているのか?神は復活したのか?新たな世界大戦が到来するのか?どの文明が世界を制するのか?西洋の文明か、中国の文明か、イスラムの文明か?ナショナリズムは不平等と気候変動の問題を解決できるか?

テクノロジーにはすばらしい期待を持てるとはいえ、むしろこの本では脅威と危険を際立たせたく、物事がとんでもない方向に進みうる可能性について説明する。
今日、生命を設計しなおし作り変える力を、AIとバイオテクノロジーが人間に与えつつある。
(以下、19章~21章の抜粋。)

●教育(変化だけが唯一不変)
今日私たちは、2050年に中国や世界のその他の国々がどうなっているか、想像もつかない。人々が何をして暮らしを立てているかも、まったくわからない。今日子供たちが学ぶことの多くは、2050年までに時代遅れになっている可能性が高い。そのような世界では、教師が生徒にさらに情報を与えることほど無用な行為はない。生徒はすでに、とんでもないほどの情報を持っているからだ。人々が必要としているのは、情報ではなく、情報の意味を理解したり、重要なものとそうでないものを見分けたりする能力、そして何より、大量の情報の断片を結び付けて、世の中の状況を幅広く捉える能力だ。
それでは、私たちは何を教えるべきなのか?多くの教育の専門家は、学校は方針を転換し、「4つのC」すなわち「critical thinking(否定的思考)」「communication(コミュニケーション)」「collaboration(協働)」「creativity(創造性)」を教えるべきだと主張している。学校は専門的な技能に重点を置かず、汎用性のある生活技能を重視すべきといい、なかでも最も重要なのは、変化に対処し、新しいことを学び、馴染みのない状況下でも心の安定を保つ能力になるだろう。新しいアイデアや製品を考え付くだけでなく、何よりも自分自身で何度となく徹底的に作り直す必要がある。そのような世界で生き延び、栄えるには、精神的柔軟性情緒的なバランスがたっぷり必要だ。自分が最も知っているものの一部を捨て去ることを繰り返さざるを得ず、未知のものにも平然と対応できなくてはならない。汝自分を知るべきだ。

意味(人生は物語ではない)
人生の意味とは何か。どの世代も新しい答えを必要する。なぜなら何を知っていて何を知らないかは変わり続けるからだ。人はほぼ例外なく物語を語ってもらうことを期待している。宇宙のドラマの中で自分がどんな役割を果たすのかを説明してくれる物語を求める。その役割の中で、私は何か自分より大きいものの一部となり、自分の経験や選択のいっさいに意味が与えられる。一つしかアイデンティティを持たないという人はまれだ、たんにイスラム教徒だけ、あるいはイタリア人だけ、はたまた資本主義者だけ、という人はいない。宇宙は私に意味など与えてくれない、私が宇宙に意味を与えるのだ。それが宇宙における私の使命だ。私には決まった運命もなく自分自身の運命を自由に創り出せる。
ブッダの教えによると、宇宙の基本的な現実は、万物は絶えず変化していること、永遠する本質を持つものは何一つないこと、完全に満足できるものはないことだという。苦しみが現れるのは、私たちがこれを正しく認識しそこなっているからだ。というわけで、ブッダによれば、人生には何の意味もなく、人々はどんな意味も生み出す必要はないという。私たちが何かをしていることこそが問題なのだ。必ずしも身体的な意味ではなく、精神的な意味で、だ。

瞑想(ひたすら観察せよ)
人の誕生から死まで持続するものなどあるのだろうか?体は刻々と変化し、脳も刻々と変化し、心も刻々と変化し続ける。その瞬間が過ぎ、次の一瞬が始まるときに何が起こるかを理解できれば、死の瞬間に何が起こるかも理解できる。たった一回の呼吸の間、自分を本当に観察できれば、すべてが理解できるだろう。だが、瞑想を数時間してみただけで、自分をほとんど制御できないことがわかる。
瞑想をしてあるがままので現実を観察する中で、私が気づいたうちで最も重要なのは、自分の苦しみの最も深い源泉は自分自身の心のパターンにあるということだった。苦しみは外の世界の客観的な状況ではなく、それは私自身の心によって生み出された精神的な反応だ。これを学ぶことが、さらなる苦しみを生み出すのをやめるための最初のステップである。人間の心や自分自身の心、自分の内なる恐れや偏見やコンプレックスとの瞑想による対処法を理解すれば、効果的に行動したり協力したりすることが易しくなる。

 

  • user 内田
  • time 2022年2月19日
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レビュー『日本のM&Aの歴史と未来』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本のM&Aの歴史と未来』(一社)金融財政事情研究会 きんざい

日本のM&Aの歴史を、中小企業M&Aを支えてきた人たちの言葉をもとに描いた書籍。

昨年まで、M&Aを行おうとする中小企業が安心して取引に参加できるよう、2020年には、中小企業M&Aガイドラインが策定され、2021年8月にM&A支援機関に係る登録制度が創設された。
民間のM&A支援機関では、2021年10月に自主規制団体が設立され、国は2021年4月に策定した「中小M&A推進計画」に沿って、官民で連携した各種の取り組みを進めていっている。

日本企業には、大企業に重くのしかかる生産性の低さという問題がある。
経済産業省が報告しているとおり、日本の大企業はコングロマリット化するほど生産性が低下する傾向がある。
その主な原因は、事業や子会社・関連会社の選択と集中が進んでいないためであり、日本経済と国民の生活を守っていくためには、事業承継によって中小企業の経営資源を残すとともに、生産性を上げる努力が必要である。

2005年の世界に占める日本のGDP(名目)の割合は10.1%、2019年には5.9%となった。
大企業ではなかなか収益性が上がらず、その大きな要因は「イノベーション」が起きていないことと考えられている。
アメリカやヨーロッパは年々付加価値の高いモノやサービスにシフトし、価格を引き上げておりイノベーションを起こし、価格競争から離脱した付加価値の高いサービスを生み出している。
日本でイノベーションが生み出せないのは「デジタル競争力」「設備投資と研究開発」「人材育成」の3つが弱い点にある。
営業利益が出ても設備投資と研究開発にまわさず、修士課程への入学を含めて個人が学ぼうとする意欲で遅れている。

M&Aによる生産性向上には次のようなものがある。
経営資源の統廃合、仕入れ交渉力の強化等によるコスト削減、販売チャネルの相互活用、製品ラインナップの補完。
自社にない人材、スキルノウハウの獲得。新たな企業文化の確保生成。不連続かつスピーディーな変革の実現。

M&Aアドバイザー先駆者-野村グループ後藤氏の話
大企業の論理、大企業の行動原理は、M&Aビジネスではまったくそぐわず、中小企業の行動原理、中小企業経営者の当事者意識のみがビジネスを生む。
和気あいあいの仲良しクラブでは、M&Aビジネスはできず、ハードネゴシエーションの世界だ。
ノンリスクを求めることは避けてほしい、徹底的にリスクテーキングを行っていただきたい。哲学的な表現になってしまうが、リスクを数多く持てばリスクは少なくなる。
情報の素早い処理と情報に対する素早い反応がこのビジネスのポイントとなるため、情報と案件は1日抱え込んこんだら腐ってしまう、需要対応では遅すぎるため需要創造が仕事となる。

M&Aが成立するためのポイントはいくつかある。
なぜ譲渡するのか、その理念と理由を明確にし、財務諸表をはじめ必要資料を十分に提供すること。
譲渡条件の決定に際しては、その対象会社が将来にわたって幸福になることを第1順位に置いて検討すること。
取引金融機関の全面的な理解と協力を得ながら、経営の継続の原則を大切にすること。
顧客に「やめたほうがいい」と言える胆力も必要となる。

地方創生とM&A
生活の質、クオリティ・オブ・ライフという意味では、大都市よりも地方の方がおそらく圧倒的に高い
地方の活性化のためには必要な最大要素の一つは人材ですから、優秀な人が地元に来ないと地方はさらに疲弊していくのが目に見えている。
地方は企業の存続という視点だけではなく、成長戦略を展開しなければ、優秀な人材が戻ってくる可能性は上がらず、その戦略のためにもM&Aが有効である。
地方には大都会と同じ数だけ優秀な人がいるわけではないので、地方の中堅企業をバリバリ優秀な企業家に買収してもらい、企業価値を高め、周辺の経営者たちが刺激を受けて全体レベルが上がっていく
「あれが経営か」「あれが成長戦略か」「俺たちも頑張らないと、一度勉強会やろうぜ」

  • user 内田
  • time 2022年2月5日
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