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税理士法人
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中小企業に対する返済猶予制度は?

  • user 太島
  • time 2009年10月12日
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最近、マスコミを賑わせた亀井金融担当大臣の、中小企業に対する返済猶予制度の

法制化に関して考えてみたいと思います。

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 去る10月9日に金融担当副大臣談話が発表されただけで、詳細は公表されていません。

そこでこの制度の良い点、問題な点を詳しく検討することはできませんが、法律が検討される

ようになった背景については共感できますので、日々困難な資金繰りに直面されている会社

の経営者の方に接する私なりにコメントしてみたいと思います。

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 小泉改革以来、又グローバリズムの旗印のもと、国際的な金融システムの信頼維持の

ために各種金融機関に対する規制が強化され、かつ一昨年からのサブプライムローン、昨年の

リーマンブラザーズ破綻をへて、さらに金融監督庁による金融検査マニュアルが強化されてきました。

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 一連の金融不祥事、金融不安の結果、規制が強化されたわけですが、これが間接金融の

機能不全、いわゆる「貸し渋り、貸しはがし」問題を発生させていると考えています。

 上場大企業ならいざしらず、中小企業には資金調達はほぼ100%間接金融に頼るしか

資金調達の手段がありません。

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 中小企業の経営の現場、資金調達の最前線では、何が起こっているか。

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 経営者の悲鳴と向き合っている最前線の金融機関の支店長から判断、決済の権限を

採り上げ、金融検査マニュアルに沿って、本店などの審査部などで融資の可否を決定、

指示しています。この審査の基準は金融監督庁の検査をクリアするための基準ですから

当然審査担当者は、極力保守的、リスクの極小化に勤め、ユーザー即ち中小企業に

極力なんとか支援をして行くという、現場の声から遠くなっていきます。

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 金融検査マニュアルには、もちろん中小企業に対する検査基準も独自に定め、配慮する必要

をしっかり記載してありますが、審査担当者を経ることにより、リスクを極力避けようとする

今の金融機関の体質が出てきます。

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 これらのことを考えると、亀井金融担当大臣が提案する今回の「返済猶予制度」は一つの

緊急避難的な救済制度として、評価できる面がありますが、漏れ伝わった中身は、やはり?

と思わざる内容になってしまいそうな気がします。

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  又、詳細が公表されてから、再度考えてみたいと思います。

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