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レビュー『レッドブルはなぜ世界で52億円も売れるのか』
『レッドブルはなぜ世界で52億円も売れるのか』 ヴォルフガング・ヒュアヴェーガー 日経BP
以前のブログでも最近ハマっているとい書いたレッドブルについて書かれた本ということで読んでみました。
本の題名のとおり、世界の人口が70億人という世界の中で、レッドブルは1年で52億本(3分の2以上)売れているそうです。
売上額は32億6800万ユーロ(およそ3500億円)を超えます。
それも御値段高めの200円程でごく一般的に売られている清涼飲料がです。
1984年にディートリッヒ・マテシッツさんというオーストリア人の方が始めた一企業がここまで成長したことに驚かされます。
モノが豊かに広がる現代において、1つの飲料でここまで伸びている企業には多くの人間が自然と注目します。
この本に書かれているのは、会社経営のルールを破りながら爆発的な成長を遂げたその逆張り戦略についてです。
・体験を売る
消費者が求めているのは飲料ではなくエキサイティングな体験や生きる喜びなのだと言い切ります。
・銀行にだけは借金をしないこと
あえて上場をせず「自分で全部を動かせる」という経営の自立性、独立自尊を確保するために実際に儲けたお金だけを活用されます。
・アイデアはオリジナルである必要はない
エナジードリンクというジャンルはかつては東アジアにしかなく、レッドブルは日本のリポビタンDが原点だったということに驚きます。
・市場の創造
レッドブルのための市場は存在せず、我々がこれから創造するという姿勢はピータードラッカーの「顧客の創造こそが企業の究極の目的」という言葉にもつながります。
・内部開発への強いこだわり
ブランド構築のためのマーケティングという核となる経営機能は外部調達することなく、時間をかけて自社開発をしている。商品こそがブランドを創るのあり経営者ではないと言い切ります。
・生産と流通の外部委託
コカ・コーラ以来の飲料業界の古典的業界標準モデル(生産流通外部委託)という商売の原理原則には忠実なのだそうです。
・ヨーロッパ経営という独自のこだわり
アメリカ企業にありがちな「なりふり構わず」というところがなく、山頂を征服するよりもその道のりに価値を見出すところに美学を持っております。
- 内田
- 2014年4月12日
- 本
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