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レビュー『How Google Works~私たちの働き方とマネジメント~』1/3
『How Google Works~私たちの働き方とマネジメント~』 日経ビジネス人文庫 エリック・シュミット
あのGoogleの元CEO エリック・シュミットの著作という事で興味深く読みました。
●文化(自分たちのスローガンを感じる)
・Googleの変わらぬ理念に「ユーザーに焦点を絞る」があり、経営者は率直なコミュニケーションで繰り返し社員と共有しよう。
・ほかにも「長期目標に集中する」「邪悪にならない」「世界をより良い場所にする」などのフレーズが、いまも会社のあり方をよく言い表している。
・スマートクリエイティブ(Googleがいう高度な専門知識を持ち多彩で創造力やコミュニケーションに長けた人物のこと)はお互いの交流の中で真価を発揮するため、彼らを狭い場所に詰め込むことで、創造性のマグマが沸き上がる。
・あなたがマネージャーなら働くことをいきいきと充実したものする責任があり、全員に徹底して休みも取らせよう。
・成長企業にはカオスが蔓延するため「イエスの文化」すなわちなるべく頻繁にイエスということで物事が動き出す。
・イベント的なものより、同僚と一緒に笑ったりジョークを言いあったりともに働く楽しさが広がるよう、懐の深い環境を作り「許されること」の境界をできるだけ広くしておくことが大切。
・リーダーシップには自ら動く情熱が欠かせない。シリコンバレーではこういう話をよく聞く。玄関前に配達された新聞を、毎朝自分で取ってくるCEO。机を拭いてまわる創業者。リーダーはこうした行動を通じて、平等主義の精神を身をもって示す。
●戦略(あなたの計画は間違っている)
・Googleには事業計画を文書化する必要性がなく、新しい人材を採用し同じ方向に進ませるためには、事業計画の基礎を明文化するだけでよい。
・組み合わせ型イノベーションを起こすために、社内のオタクを探し彼らの手がけるおもしろいモノを見つけよう。そして、小さな問題の解決策に注目し、その適用範囲を広げる方法を考えよう。
・成長を最優先せよ。インターネットの世紀に大きな成功をつかむリーダとは、プラットフォームを生み出し、一気に成長させる方法を知っている人物だ。例えばアマゾンは金融アナリストにいくら収益性の低さを批判されても、ひたすら成長に注力した。
・一つの勝ちパターンとして特化すべき対象を見つける戦略がある。グーグルは1990年代末、検索プラットフォームを拡大するため、たった一つのことに集中した。最高の検索サービスの実現である。
・ラリーペイジが言うように「同じようなことをしている他社を負かすだけでは、仕事としてちっとも面白くないじゃないか」。ライバルの動向へのこだわりは凡庸さへの悪循環につながる。ニーチェも『ツァラトゥストラはこう語った』に書いている、「あなたの敵を誇りに思え。そうすれば敵の成功はあなたの成功にもなる。」ライバルを誇りに思おう、ただ、追随はしないこと。
- 内田
- 2022年6月30日
- 本
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レビュー『お金の大学』
『本当の自由を手に入れる~お金の大学』 両@リベ大学長 朝日新聞出版
YouTubeでも有名な両学長の書籍です。
YouTubeでもけっこう見て勉強なりましたが、書籍もなかなか良かったです。
・今日が人生でいちばん若い日
お金の不安がない自由な生活を手に入れるために、学びの一歩を踏み出しましょう。
私はモルディブの大富豪にお金の増やし方を教わったことをきっかけに、働かなくても入ってくるお金で生活ができる状態(経済的自由)を達成しました。
「お金なくして自由なし」これが、資本主義社会のリアルです。
「お金にまつわる5つの力」をバランスよく育てれば、「平均的な人」でも必ず、今より一歩ずつ、自由な生活に近づいていきます。
・5つの力
①貯める-支出を減らして貯蓄を増やそう
②稼ぐ-稼げを増やして蓄財ペースを上げよう
③増やす-貯蓄を投資にまわして資産運用しよう
④守る-形成した資産を守ろう
⑤使う-人生をかにすることに使おう
・経済的に自由になるための基本
経済的自由を目指すという事は、「生活費を減らす」「資産所得を増やす」という2つに取り組んでいくこと。
5つの力があれば、家計が健全にまわり豊かに暮らせます。
固定費の削減、節税で生活の満足度を下げずに支出を減らすことができます。(貯める)
どんな状況でも給与や事業で十分な収入を得る力が得られます。(稼ぐ)
投資で資産を増やすことができます。(増やす)
詐欺やぼったくりを回避したり節税=資産にかかる税金を減らす して資産を守ります。(守る)
人生の満足度が高まることにお金を使うこと(使う)
・税金や家について
サラリーマンも節税しよう:控除が大切。確定申告をして、ふるさと納税・医療費控除・扶養控除などを使いこなそう。
控除以外で節税しよう:副業をはじめて3つの節税をしよう。経費を使い、青色申告特別控除として、社会保険料の負担も減らそう。
家のリセールバリューを考えよう:リセールバリューが高い家を買えるなら賃貸よりもよい。
賃貸に安く賢く住もう:リセールバリューの高い家を買う自信がなければ、金銭的なリスクを負わない賃貸住むべき。
・固定費を減らす方法
通信費:毎月のスマホ代を安くするために、SIMに変えよう(月額約5,000円の節約)
光熱費:2016年4月から電力自由化となったので電力会社を乗り換えよう(年間1~3万円の節約)
保険:起きる可能性が低いが発生したら損失が大きい部分のみに徹しよう(生涯で数百万円の節約)
- 内田
- 2022年6月18日
- 本
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レビュー『豆の上で眠る』
『豆の上で眠る』湊かなえ 新潮文庫
イヤミスの女王といわれる湊かなえさんの作品で、新卒の事務所スタッフさんに薦められて読んでみました。
「~衝撃の姉妹ミステリー~幼い頃に誘拐され二年後に帰還した姉ー妹だけが感じる違和感」
というキャッチコピーでしたが、主人公の妹と姉の心模様の描き方がさすが湊かなえさんという内容で、
田舎町の何気ない風景がありありと描かれておりました。
題名の「豆の上で眠る」自体がいったいどのような意味なのだろうかと感じる所ですが、
こちらは19世紀にデンマークの童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンが発表した、いわゆる「アンデルセン童話」のひとつ『えんどうまめの上にねたおひめさま』がモチーフになっているからです。
このアンデルセン童話が、主人公-安西結衣子にとって、2歳上の姉である万佑子との思い出と結びついた、特別な一編となっています。
最終章で明らかにされる真相はあまりにも強烈で、代表作『告白』にも見られるような、いま見えている世界がガラガラと崩れ落ちるような、絶望的な墜落感を読者に感じさせるところが、さすが湊かなえ作品という所です。
そして最終ページの最後の文章「本ものって、何ですか―。」という言葉に対して、読者は答えに窮することになります。
- 内田
- 2022年6月4日
- 本
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