Latest Posts
レビュー『思考は現実化する』
『思考は現実化する』ナポレオン・ヒル きこ書房
作家の齋藤孝さんも薦めており世界で1億冊売れているという本ですが、10年ほど前にある方に薦められて読んでみました。
「どんな逆境(失敗)にも、それと同等か、それ以上の利益の種子が含まれているのである。」
という言葉が好きで、事務所内の若手にも入所式や個別に伝えることもあります。
何回も読み返しておりますが、特に「第9章 忍耐力を身につける」の所を一番読んでいると思います。
人は誰でも失敗しますし、それによって後ろ向きな気持ちや、もしかすると経済的その他の理由で立ち直れなくなりそうな時もあるでしょう。
それでも、実は失敗にはそれ以上の利益の種子が含まれている、と知ることが出来ると勇気が湧いてきます。
但し、これはあくまでも「種子」なので、土に植えて水や肥料を上げて、ずっと育てていくことで芽が出て、いつか花が咲くかもしれない、ということです。逆境(失敗)が無いと、種子すら手に入れることが出来ない、とも言えます。
書籍より引用
どのような最低の失敗であっても、そこから何の利益も得られない、ということはないのである。その失敗も別の面での成功に結び付けるのは当人の心構え次第なのだ。たとえそれを成功と結びつける接点がほとんどなくても、まったくないということはない。
大多数の人はたった一回の挫折で、敗北が身に染みついてしまうことが調査からわかった。敗北は、環境や境遇から生じるのではなく、人々が過去から引きずっている敗北感から生じるものだと調査からわかった。
成功した人々は、未来形で話をする。彼らの目は過去にではなく、常に未来に注がれている。彼ら成功者は常に「上向き」の話をしていた。失敗を後ろに置いてくれば、失敗はついてこないことを知っていたからだ。彼らの態度には妬みがなく、常に他人から学び取ろうとする心構えしか存在しなかった。
- 内田
- 2023年11月25日
- 本
- 0
レビュー『心を熱くする スラムダンクの言葉』
『心を熱くする スラムダンクの言葉』 齋藤孝 きずな出版
- 内田
- 2023年11月18日
- 本
- 0
レビュー『アンダーグラウンド』
『アンダーグラウンド』 村上春樹 講談社文庫
村上春樹さんの新刊が出たタイミングで一緒に買いましたが、新刊よりこちらを先に読むことになりました。
1999年に発売された、オウム真理教による地下鉄サリン事件の被害者の方へのインタビューを収めた一冊。
地下鉄サリン事件が起きたのは、1995年3月20日の朝。
何も罪のない人たちが亡くなられたり、後遺症を持ったり、トラウマに長い間苦しめられたりと、本当に恐ろしい事件でした。
その事件のことは忘れてはいけない、だけれども世の中には何か暗く後ろ向きな思想や集団がいつ何どき現れるかは誰もわからず、社会の屈折した面を思い知らされます。
62人の関係者にインタビューを重ねた、村上春樹さんが真相に迫ったノンフィクションでしたが、特に印象的だったのは当時52歳、営団地下鉄の車掌さんであった豊田利明さんの言葉でした。
「私はオウムが憎いとは思わないようにしています。それはもう当局の人に任せちゃってます。私の場合は、憎いとかそういう次元はとっくに通り過ぎてしまっているんです。彼らを憎んだところで、そんなものは役にも立ちません。」
「オウムの報道もまず見ません。そんなものは見たってしかたないんです。それくらい見なくてもわかります。」
「オウムみたいな人間たちが出てこざるを得なかった社会風土いうものを、私はすでに知っていたんです。日々の勤務でお客様と接しているうちに、そのくらいは自然にわかります。」
「それはモラルの問題です。駅にいると、人間の負の面、マイナスの面がほんとうによく見えるんです。例えば私たちがちりとりとほうきを持って駅の掃除をしていると、今は掃き終えたところにひょいとタバコやゴミを捨てる人がいるんです。」
「自分に与えられた責任を果たすことより、他人の悪いところを見て自己主張する人が多すぎます」
「憎しみは何も生み出しません」
非常に大切で深い言葉と感じます。このような事件は二度と起きてはいけません。
世の中の良い所に目を向けて、世の中が良い方向に進んでいく後押しをしたいものです。
- 内田
- 2023年11月11日
- 本
- 0
レビュー『不可能を可能にする 大谷翔平 120の思考』
誰もが認める野球界のスーパースター大谷翔平の思考、ということで読んでみました。
「13 変えなきゃいけないと思いました。今までの大事な試合で勝ちきれなかったのは自分の中に足りないものがあったからです。」
大谷は自罰的な思考の持ち主だ。大一番でなかなか勝つことができない理由を自分の中に探し続けてきた。他罰的では成長がない。乗り越えるべき課題を前に、原因をほかへ求めるのは、自発的な行動を放棄することを意味している。子どもの可愛らしい甘えとは異なり、マイナスの要素を周囲に振りまきながら行う、大人の甘えである。
「20 今は、周りに何を言われても何も感じません。どちらかに絞るという感覚もありません。」
大きな夢を叶える前に、未知の領域に挑戦したかった。高校から直接のメジャー挑戦を志し、当初は応じなかったファイターズとの入団交渉。球団から二刀流での育成を提案され、大谷の心が動いた。「誰ものやったことのない結果がついてくれば、ピッチャーとバッターを両方やってよかったと思えますし、そこを求めてやっていきたいと思います。」根拠のない出来る自信ではなく、出来るようにする。
「29 メンタルを切り替えるためのきっかけを常に求めている部分はあるかもしれません」
大谷は読書の習慣もあり、小説、ビジネス書から漫画まで幅広く愛読している。大谷は自身をマイナス思考と分析する。読書は心の財産。本、映画など野球以外の様々なジャンルに接しながら、迷いから脱出する方法を模索する。そこには今の自分と照らし合わせ、進むべきヒントが隠されている。
「36 技術も筋力がないと出来ません。僕にはより必要になるんです。」
大谷が持って生まれた身長193㎝の体格を思い通りに操るには、体に見合う筋力をつけることが重要だった。疲労の蓄積でシーズン中盤からパフォーマンスが落ちる点の克服、そして理想のフォームに到達するには筋力の必要性を感じていた。体重増で膝のケアに気を配ることも必要となるが、自分には何が足りないのかを常に模索する姿勢も挑戦へつながる。
「49 そうすれば、ベストの自分が出てくる。」
自分の可能性にかけている。見つけたいもんがあるからこそ、努力を続けられるのだ。大谷にとって、それは「新しい自分」「違う自分」。それらを自覚していない「自分」だが、もう一つ現在進行形で実感が出来る「ベストの自分」がある。人は自分自身をなかなか裏切れない。大谷の発言の中に「自分」という単語が多い理由は、常に内面と向き合っているためだ。栗山英樹監督も”自分自身との約束は絶対に守らなくてはいけない”という信念がある。大谷は監督より開幕投手を言い渡されたとき、日本一になることを自分自身と約束するように促された。
「59 あそこで打つ内川さんはさすがです」
マウンドにいる時、打席に立つ時、そしてベンチにいる時間。二刀流の大谷にとってその全てがステップアップのきっかけをつかむチャンスである。オールスターの際に、球界きっての好打者から学び取りたい。「見ててすごいと思ったことは取り入れていきたい」、見るもの全てが日々是勉強。謙虚な姿勢が多くの情報を目に映してくれる。
「65 イラっときたら、負けだと思っています」
20代にして、すでに大人の風格を身に着けている。負けず嫌いでストイック。お酒を飲んでハメを外すことは無く、睡眠時間は1日7時間を確保する。年俸はサラリーマンの生涯年収を既に稼いでいるが、お小遣いは月10万円。声を荒げて他人に怒ることはなく、笑顔を絶やさない。「イラッときたら負け」。対処法は、大人でもなかなか出来ない領域。セルフコントロールが大谷メンタルを支えている。
「71 他人がポイっと捨てた運を拾っているんです」
経営者であれ、スポーツ選手であれ、究極までやり尽くそうとすると、掃除に向かう傾向が強い。逆に言えば、掃除をおろそかにする一流はいない。大谷は高校時代から、当時の目標「160キロ」「8球団からドラフト1位」にたどり着くために必要な要素として「ゴミ拾い」を挙げていた。プロ入り後は2014年に引退した稲葉篤紀のゴミ拾いが手本になった。技だけが優れていても、一流になれない。ちっぽけなゴミ一つにも人生観が繁栄される。
「81 自分自身が日本一の取り組みをしなくてはいけないと思っています」
「日本一になる」という約束を2度、交わしたことがある。1度目は高校生の時。チームとして甲子園で優勝することを目標とし、そのためには何をすべきかを考え、まずは取り組む姿勢、内容を日本一に充実させるべきだと考えた。2度目は2016年2月6日。故・ベーブルース氏の誕生日に監督室へ呼ばれ、栗山英樹監督から手紙を書くように言い渡された。「今年、日本一になります」1度目の約束は実現できなかったが、2度目の約束は果たした。まだ見ぬ未来でも、大谷はきっと自分の約束を実現しようとするはずだ。
「103 先入観は可能を不可能にする」
高校時代に「好きな言葉」として挙げたフレーズだ。これは伝説のボクサー、故・モハメド・アリ氏による名言の一説「不可能とは、自力で世界を切り開くことを放棄した臆病の言葉だ。不可能とは、現状に甘んじるための言い訳にすぎない。」大谷にとっては、岩手・花巻東時代の指導者・佐々木洋監督に伝授された言葉だという。アリ氏の名言には続きがある。「不可能とは可能性だ」。未知の領域に挑戦し続ける大谷はそれを体現している。
「107 好きでやっていることなので、基本的には何を言われても気になりませんでした。」
ファイターズは、個々人に合った育成プログラムを実施することも強みだが、大谷に関してはともに手探りしながら、調整方法を確立してきた。大谷は調整法が難しいとは口にしても、決して苦しい、つらいという言葉は発してこなかった。自分がやると決めたこと。苦しかろうが、つらかろうが、やり続ける。決断するとしたら、その先に見えた未来で決めればいい。
「120 僕は、もっともっと、出来ると思います。」
誰よりも、自分が自分に期待をしている。その期待を裏切りたくないからこそ、走り続けることが出来る。理想が高ければ高いほど、苦しみは大きい。「日本一の取り組み」を目指すだけに「納得いかないことはたくさんあります。練習しかない」とさらなる修業を積むつもりだ。大谷の「もっともっと」をこれからも長く、見続けられる我々は幸せだ。
- 内田
- 2023年11月4日
- 本
- 0