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【本】レビュー『経営中毒~社長はつらい、だから楽しい~』

 

 

 

 

 

 

 

 

経営中毒~社長はつらい、だから楽しい~』PHP 徳谷智史

社長や経営者視点はとても孤独で大変でツラいが、サラリーマン視点だと得がたい「やりがい」、表現しがたいほどの「充実感」を享受できるのは紛れもない事実です。絶対ムリと思われていた大きな山を必死で乗り越えて、目指し続けていた絶景を共有する経験は何事にも代えられません。
最初は一人もいなかったお客様が増え、「なくてはならない」と心から感謝されることもあります。苦難をともにして喜びを分かち合った仲間たちの笑顔を見て頑張ってきてよかったな」と自分自身を全肯定したくなる気持ちに浸れる機会もたくさんあります。

●人徳が問われる「カネのマネジメント」
最悪なのは、目先のお金をかき集めることばかりに忙殺されて、本来社長がしなければいけないことに時間を割けなくなることです。創業時に掲げたビジョンも明日のご飯に困ってくるとどこかに行ってしまい、ビジョンもうやむやになり人も離反します。
経営の中で会社のカネを正確に把握するには、P/L・B/S・C/Sすべてをチェックしないといけず、上手くいかないと資金ショートを起こすこともあります。カネがあってこそ会社が成り立ちますから、人を雇えて給料を払えること、自分や自社への未来を信じてくれる金融機関等の存在、支払いができることへの感謝をしましょう。

●会社の未来を左右する「ヒトのマネジメント」
会社99.9%、「人の問題」で崩壊します。筆者の体感では、二人で共同創業すると、十中八九ケンカ別れします。社長は自分と同じぐらいコミットすることを社員に求めてしまいがちで、それゆえ社員が社長とのギャップが開きついてこれなくなり離職するケースもよく見られます。だから、社長は「この会社は何のためにやっているのか」「そのために我々はどういうことを大事にするのか」という価値基準をメンバー同士がお互い人生のバックグラウンドを開示して、腹を割って話しておくことは大切です。
会社の規模が大きくなり始めたら(どのようなスキルを持ったメンバーで会社を構成するか」計画を立て、それに沿って今いるメンバーとは異なるスキルを持った人を意識的に採用すると環境変化に強い組織となります。マインドは共通、スキルは異質がポイントです。
社長やエースをどこに配置するかは組織として悩ましい所ですが中長期的な事業や組織の柱を育てるため、社長のリソースは少なくとも常に2〜3割は「次の手」に割き、それでも事業が回る仕組みを確立したいものです。

●文明の衝突を起こさない「組織のマネジメント」
100人の壁」が見えてくると社長が現場マネジメントをできず中間管理職が業務指示をするようになり、営業vsエンジニア、中途vs古参、、、など組織の崩壊がとつぜん起きます。
組織崩壊を防ぐ方法は2つ。1つ目の方法は人事担当者だけに任せず社長一人がすべてを見ることを諦め、他の経営陣が本気になって組織運営にリソースを割くことです。CHRO(最高人事責任者)とも言われますが肩書にこだわらず、求心力と組織運営の知見がある役員であれば、その人にCHRO的な役割を兼務してもらうと良いでしょう。
2つ目の方法は、給料のものさしをつくるなどして組織運営の構造を整えることです。中長期的に組織を強くしたいなら、短期的な成果を出している人は賞与で還元し、価値基準や行動規範をしっかり体現している人を昇格させる構造が良いでしょう。まず役職や等級に応じたある程度の給与レンジを明確にし評価のやり方を定め、そのうえで基本給か賞与どちらで払うのかなどを設計していきます。
業務を社長以外に任せていくには、社長が「会社として絶対譲ってはいけないこと」「譲ってもいいこと」を仕分けてルール化すると良いでしょう。
また組織は社長の想い以上に大きく、良くなりません。目標は絶えず口に出し社長の想いの大きさ、思想の深さによって、組織の形はまったく変わるという意識を持ちましょう。

●会社の未来を左右する「社長の意思決定」
社長が意思決定をいたずらに先延ばしにしても良いことはほとんどありません。例えば事業のテコ入れのために、幹部候補の中途採用を検討したものの「他にも良い人がいるかもしれない」と思って決断を先延ばしにしていたら他社に取られてしまったら、後悔しても時すでに遅しなのです。そう考えると、失敗を恐れず、速やかに意思決定をすることが鉄則と言えるでしょう。
社長の意思決定は誰かに頼らず、社長自身で行うのが大原則です。しかし、誰もが自分の事は客観的に見れないものですので、意思決定の拠り所を取り戻すうえでもフラットな目を持つ第三者と話すことには大きな意味があります。社外に信用できる方がいるのなから、その方に「壁打ち役」をしてもらえば良いでしょう。
会社としての目標は社長や経営陣が「何のために会社を経営しているのか」「どんな規模感で、どんな価値をつくりたいのか」「どれくらいのペースで成長したいのか」を明確にして、皆が腹落ちする共感できる言葉で「目標を達成できた先に、いかに素晴らしい世界が待っているのか」を魅力的に伝えることが求められます。

 

  • user 内田
  • time 2025年2月22日
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【本】レビュー『生成AIで世界はこう変わる』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生成AIで世界はこう変わる』 今井翔太

生成AIは、人間が行うような新たなアイデアやコンテンツを作り出す能力を持人工知能で、文章の作成から音楽、絵画、デザイン、ゲームのレベル設計、科学的な仮説の設定まで人間の創造性が求められるほとんど全ての分野に及びます。(大量のデータから本質的な構造や表現を学習し、それをもとに新たな出力を作り出します。)
生成AI革命で、史上最速で社会変化がもたらされています。ChatGPTの発表直後、Google社は社内は厳戒警報を発令し、対抗するMicrosoft社はすぐに自社検索エンジンBingに ChatGPTを搭載しExcel・Word等にも生成AIを搭載すると発表、一つの技術が世界一の企業の地位を脅かすスピードです。
2023年にOpen AI社とペンシルベニア大学が発表した論文では、 AIの受けにくい職業はほとんど手足を動かす肉体労働を行うもの(ブルーカラー)、影響を受けにくい職業はエンジニアや研究者、税理士・会計士、デザイナーなど、高度な判断力や思考が必要とされるホワイトカラーの職種です。生成AIの影響が労働置換型でなく労働補完型であるならば、仕事を奪われるのではなくむしろ労働が効率化され、賃金が上昇する可能性があります。
将来的にはGoogle検索やChatGPTがパワーアップする形で「AIに聞けば何でもなり解決する」世界がやってくると思われます。これにより人間は「人間にしかできないこと」に集中する、ことになります。業務であれば、ルーチン的な事務作業や資料作成ではなく、根本的な事業改革のアイデアを生み出すことや、社会や人類の未来に対してどう貢献すべきかを考え直すことなどです。生活レベルで言えば、人付き合いに割く時間や、個人が「楽しめる」時間を増やすことでしょう。
これからAIと人間はどのように関わる世界となるのか。「人間の知能の相対化」が起こる。「人間の知能とはこういうものだ」とか「人間とはこういう存在だ」ということが、AI技術の発展により相対的に理解されるようになってくるはずです。その時に私たちは、「社会はどうあるべきか」という高次の問いと対峙することになります。そうして人間の感情や精神活動の仕組みがすべて相対化されたとき、人間は何を望むべきなのか。きっとそのさきには、もっと高次な、メタな問いが待っています。
これからの仕事に対する筆者の意見としては、今の労働者やビジネスパーソンは、基本的には上からの指示を忠実に実行する人がほとんどです。その中で、これから仕事の場にAIがどんどん入ってくるようになると、多くの人はいわばAIを雇用する立場になると予想します。そこで必要なのは、AIに対してうまく指示できるスキルではないでしょうか。
  • user 内田
  • time 2025年2月15日
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【本】レビュー『税理士のためのプログラミング』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

税理士のためのプログラミング~Chat GPTで知識ゼロから始める本〜』

Chat GPTが書いたコードをコピペ!全ては学ばなくて良い、AI時代のプログラミング入門。
税理士事務所にとってプログラミングは、会計税務ソフトの基礎となるデータを整理したり、資料づくりお客様との連絡やご請求と、仕事効率化に繋がります。
ChatGPTには過度に丁寧に書く必要はありません。例えば、ExcelのセルA 1に100を入れる場合、
「Excelマクロ A1に100」と入力するだけです。使うプログラミングの種類(Excelマクロ、GAS、Python)です。
プログラミングで仕事を進めるために、それ以外の仕事を減らしましょう。
・まずifが入るもの、ルールが無いor自分がルールを決められない仕事は避けましょう。(お客様の方から数字を調整して欲しいような内容を避ける)
お客様の方でデータ化をしてもらえるように促しましょう。(使いやすいExcel入力も含みます)
・AI-OCRも出て来ていますが、そもそも紙で入手せず、データで入手できるようにしましょう。
業務上のステップ(工程)を減らす事が大切です。月次会計での通帳だけでいっても「通帳コピー受け取り→見ながら仕訳手入力→残高を合わせる→合わなくて見直す→コピーの漏れに気づく→再度連絡→追加コピー受け取り→手入力とチェックの繰り返し」とステップが多くなりがちです。
これがネットバンク取込みでは「連動後データチェック」のみだけで終わります。このステップこそ、プログラミングの考え方です。ステップが多いと、ChatGPTに入れる手間が掛かり、エラーの確率も上がります。
お客様からのレスポンス等が遅い時に、どこかで決断すべきときはあります。解約という事です。もちろん、解約の前にこちらで出来ることはありますが、できることをある程度やったら解約も辞さないくらいの覚悟が、効率化には必要です。仕事を依頼されて、やりとりが遅い、ステップが多いなら、やめることも覚悟しましょう。新規の紹介を受けても安易に受けるべきではありません。
効率化は、仕事量・道具・スキルがポイントです。そのスキルの一つとしてプログラミングをぜひ身につけていただければと思います。
  • user 内田
  • time 2025年2月8日
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【本】レビュー『白洲次郎 一流の条件』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白洲次郎 一流の条件』 秋山圭男 宝島社

敗戦後日本において吉田茂と共にGHQや海外と交渉を行った白洲次郎さんについての書籍。
都合の悪い問題こそきちんと正視せよ
本当のことを言って初めて解決につながっていくし、自らのためになる。そのための第一歩が空気に流されず、誰に対しても言うべきことを伝える。
他人事にしない覚悟
他人様が起こした火事であろうが、自分のうちで始まった火事であろうが、燃えてしまえば只の灰になるだけで、なすり合いしても灰になってしまえば手のつけようが無い。責任の所在を自身の問題として覚悟を決めること。
煙たがられて本物
人に好かれようと思って仕事をするな、むしろ半分の人間に積極的に嫌われるように努力しないとちゃんと仕事はできねえぞ。ほんとに国家のことを考えて、ガムシャラに邁進する様な人々が指導者に就くべきではないだろうか。私心の無い人、大所、高所に立って、自分の考えや行動すらも客観的に捉えられる人、本当の愛情のある人。
物言う勇気
日本の若い人に一番足らんのは勇気だ。そう言ったら損をするとばかり考えている。
素朴な正義感を持ち、私心の無い相応の覚悟とともに、意見を翻さず堂々と物申し続けるからこそ、大きな相手からもある種の畏怖と共に尊敬も受けた。
  • user 内田
  • time 2025年2月1日
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