IFRSとは何だろう?
- 内田
- 2010年1月9日
- 税務・会計・経営
- 0
今年2010年以降、上場企業の会計でもっとも影響が大きいのが、IFRSの導入です。
IFRS(International Financial Reporting Standards イファース)は「国際財務報告基準」
の略で、世界市場共通の会計基準として今すごい勢いで広がっています。
これを導入しないと海外の投資家が日本企業の財務諸表を信頼できなくなる恐れがあり、日本の
上場企業も2010年3月期から任意適用が認められました。
IFRSと日本の基準のちがいはたくさんあるのですが、私が影響が大きいと考える2つだけ書いて
みます。 (あくまで現段階でのお話で、今後変更されうることにご留意ください。)
①B/SとP/Lではなくなる!?
会社の財務諸表といえば貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)でしたが、IFRSではこの2つは
ありません。
貸借対照表 ⇒ 財政状態計算書(Statement of financial position)
損益計算書 ⇒ 包括利益計算書(Statement of comprehensive income)
金融庁が1ヶ月ほど前に発表した、IFRSに基づく連結財務諸表の開示例(PDF)も見てみましたが、
従来のものとはだいぶ違いますね。
B/S、P/Lという名前でなくなるのも何だか違和感を覚えます。。。
②資産負債アプローチで利益が大きく変わる!?
従来の日本は、「利益はP/Lで稼いだもの」という収益費用アプローチが中心だったのですが、
IFRSではおもに、「利益はB/Sの資産負債が動いたもの」という資産負債アプローチになります。
そうなると「その他有価証券の時価変動」や「為替換算調整勘定」等は、従来は損益でなかった
のにIFRSでは損益となります。
例えばトヨタの直近決算の財務諸表(PDF)を見ても、この2つだけで8,000億円ほどあります。
IFRSでこれだけ利益がかわると影響も大きいですよね。。。
IFRSが上場会社以外へ影響するとしてもかなり先だとは思いますが、会計人としては精通しておく
必要がありますね。
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