レビュー『「後回し」にしない技術』
- 内田
- 2024年6月22日
- 本
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『「後回し」にしない技術』文藝社 イ・ミンギュ
仕事でもプライベートでも、考えたことが実現できればどんなに良いことか。
それでも、人はなかなか行動できないもの。
そのような中、技術的に「すぐやる人」になっていくための方法を書いた著書。
人生でもっとも破壊的な単語は「あとで」である。
「切実に願い、生き生きとイメージしさえすれば、夢がかなう」といったプラスの自己暗示は、実際には思ったより効果が少なく、目標を達成するうえでかえって邪魔になることもある。
楽観的な考えを持つと、目標達成までの困難を予測して挫折してしまい、かえっと行動出来なくなる。
人生の成功を手にするには、目標達成した場面をイメージする「ゴールの視覚化」よりも、目標までのルートを正しくとらえる「プロセスの視覚化」の方が、ずっと重要なのだ。
つまらない事のせいで、大事な事をいつも先延ばしにしていないだろうか。
現時点から見れば、すべてのことが重要に感じられる。
しかし、目標の達成時期から逆算して、逆方向から現在の状況を見れば、選択の幅はずっと狭まる。
誘惑を振り切るのも簡単になり、目標と関係のない事を退けるのも容易になる。当然、ストレスも減る。
・どんな時も代替案を用意する
どんなに準備しても、突発的事態案はやってくる。実行に移したことを途中であきらめたり、人間関係やビジネスでトラブルが起こったりするのも、その大部分は事態に備えていなかったことに原因がある。成功した人たちは、自分の意見がいっぺんに受け入れられるとは期待しないし、想像もしない。一方、失敗した人たちは、自分の提案が受け入れられない場合も予測もできないことが多い。いや、断れられることが怖くて、想像すらしたくないことが多いのだ。偉大なリーダー程みな怖がりだ。予想される突発事態への対応策、プランBを立てよう。
・どうせやるなら素早く処理する
固く決心したことが、しばしば後回しになってしまうのは、あなたの心の中に「実行したくない」という強い動機が隠れているからだ。経営コンサルタントの本田健は、金持ちの生活習慣を研究するため、日本の国税庁の高額納税者名簿を手に入れ億万長者12,000人にインタビューとアンケートを実施したが、そこでの面白い特徴のひとつは高額所得者であればあるほど、アンケートの回答が早かったことだ。なぜか。それは彼らがどうせしなくてはならないことなら、早く処理する方が有利だという事実を、体験から知っているからだ。相手が自分が尊重されていると感じ信頼できる人だと判断する。自分にとってもメリット①素早く処理して頭の中から消し去れば最も重要なことを処理する速度が上がり、②後回しにした事は頭の中で忘れないように束縛してくることから自由になり、③信頼と好感を持たれてより豊かな人生を送ることができる。
・開始と終わりの「ふたつの締め切り」をつくりなさい
実行力に優れた人の心の中には、実は「ふたつの締め切り」がある。先延ばしの神に取りつかれそうになったら、「締め切りのお守り札」を2枚差し出そう。日常の小さな仕事にもふたつの締め切りを決めておこう。締め切りこそがあなたを緊張させ、これまでに蓄えておいたあらゆる情報と知識を検索し解決策を探させ、必死にさせる。やる気が出なかったり、強いプレッシャーを感じたりするときに使える最も効果的な戦略としては、ふたつのデッドラインからさらに「中間締め切り」を決めるといい。中間締め切りとは、最終目標を小さく分けて、終了デッドラインから逆算し、いくつかの段階の締め切りをつくることだ。締め切りを最大限に活用する3つの大原則①具体的な小さな締め切りを作り練習する②具体的な時間と場所の設定をはっきりと定義する③重要な仕事をするときは締め切りを公開しよう。
・見られていないと人は動かない(「観察の力」を利用する)
誰もいないと思って、決心を行動に移せないでいるなら、誰かの目を思い浮かべるとよい。想像の中の目は神の目からもしれないし、母親の目かもしれない。また、子どもの目かもしれない。自分の目かもしれない。体を鍛えたければ、週に1度ずつ時間を決めて、ブログやX、フェイスブックに変化の過程を書き込もう。ネットサーフィンを減らしたければ、パソコンのデスクトップに親の写真を使って、自分を監視させよう。ゲームをする時間を減らしたければ砂時計を横に置いて時間を決めよう。支出を減らしたければ家計簿を付け、怒る癖を直したければ、いつ、どこで、何回怒ったかを記録しよう。そして、その結果を図表にし、他の人に見えるように貼っておこう。決心を守りたければ、自分がちゃんと守れるか常に監視しよう。そして、その結果を誰かに知らせよう。あなたにとってもっとも重要な目は誰の目だろうか?その目を通じて変えたい、あなたの行動は何だろうか?