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【TAPの仕事】財務デューデリジェンス(買収監査)(DD)
最近、M&Aでのデューデリジェンスについて、ご依頼を受けることがあります。
デューデリジェンス(DD)は上記の図の中では基本合意の後に実施される「買収監査」のことです。
主に決算書やその元資料を監査することで、買収をする際の問題点/留意点をレポートにして買い手に報告をしてきます。
公認会計士は決算書のプロフェッショナルでありますので、売り手側の決算書をしっかり見る際に財務DDのご依頼が来るわけです。
他にも弁護士さんが法務DD、社労士さんが人事DDを行うケースもあります。
財務DDのポイントを資産だけですが書いてまいります。
・現預金
残高の実在性を現金を数えたり(実査)、通帳実査をしたり、銀行からの残高証明書を確認したりします。
・営業関連(売掛債権、棚卸資産)
ビジネスモデルの理解から実在性や評価の妥当性を検証。但し、悪意を持って隠ぺい工作をされると限界あり。回収可能性も検討する。
棚卸資産は、実地棚卸の記録を閲覧、在庫管理体制を把握する。
・有形固定資産
除却資産や遊休資産(減損会計)、減価償却不足の把握、時として現物確認のために工場などに赴く。(例えば、コアな設備が正常に稼働するかどうかが買収のキーポイントになる場合)
・無形固定資産
ソフトウェアに重要性がある場合に重点調査。電話加入権は減損する。
・有価証券等金融商品
有価証券は市場価格/金融機関算定価額/純資産等から出来るかぎり時価評価をしていく。
貸付金は滞留期間から回収可能性を検証する。
前払費用は費用の繰延が行われていないか、保険積立金は返戻金額を評価する。
<参考>
M&Aコンサルタントの履歴書
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内田
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2022年10月29日
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TAPの仕事
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レビュー『成功者の告白』
『成功者の告白』 講談社α文庫 神田昌典
サラリーマンをしていた主人公タクが、起業家として成功していく過程をマイナスの部分を包み隠さず書かれていて、
ストーリー仕立てで興味深い本でした。
仕事熱心な成功者のプライベートな部分に焦点を合わせれば、英雄像は色褪せて、親子断絶・家庭内離婚・愛人騒動・家庭内暴力・不登校・引きこもり・うつ病等、機能不全に陥っている家庭は珍しくない。
根底に流れるテーマは、ビジネスと家庭とのバランスを取りながら、いかに会社をスムーズに成長させるか、ということである。
起業をしてうまくいっていても、仕事のために家庭があるのではない、家庭が幸せになるために、仕事がある。
そこを履き違えてはいけない。
妻の方も夫の成功を喜ばなければいけないとわかってはいても、感情は複雑で、夫だけが社会で認められ置いていかれることの不安もある。
あなたが思う以上に、仕事と家庭は密接に関連をしている。
人間が集まると感情の場をつくる。それは家庭でも職場でも同じ。
ポジティブになるグループがあると、その動きとバランスを取るようにネガティブなグループができる。
社長がプラス思考で前向きになりすぎると、そのスピードの出しすぎを抑えるかのように、マイナス思考の人間が出てくる。
急成長企業は創業四年もすると八割方マネジメントの問題に直面し、社員が病欠しがち、遅刻しがち、社員が居つかない、配送上の問題、品質の低下、モラルダウン、社員が社長の悪口を言い出す、などなど。
この時期は会社の第二創業期で、家業から企業への生まれ変わる契機。
お客様のクレームの質が変ってきており、怒りを受けた社員がその怒りを家庭に持ち帰り、自分に向けてしまう社員は病欠や退職をすることになる。
経営では、そこに集う人間が感情の場を形成してその動きを推し進めるため、社員や顧客の感情を大切にできるようソフト面のシステム化の必要がある。
「働く場」自体を向上させていかないと問題が繰り返す。
能力がないからさっさとクビを切るという文化は、相手から奪うという文化でありそれは作らない方が良い。
これからの時代は、発想力を導く仏の経営が良いが、ただ優しさだけではだめで規律と厳しさも併せ持つべき。
子育てと同じで母親の愛という土台(相手を承認すること)の上に父親の規律(会社の憲法であるクレドを決めて繰り返し伝える)を持ってこないと、チーム体制の組み立てはできない。
クレドについては、自分の意見を言ってもらい価値観や行動様式を実際に応用するために、考える人間を作っていく。
会社で新しい試みを実行していくにあたって、反発が出た場合は、一対一で話し合う機会を持って、相手の怒っている理由に徹底的に耳を傾け、お互いにわだかまりを解消しておく必要がある。
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内田
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2022年10月22日
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本
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【TAPの仕事】情報発信(Youtube編)
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内田
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2022年10月15日
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TAPの仕事
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レビュー『働き方5.0』
『働き方5.0』 小学館新書 落合陽一
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内田
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2022年10月8日
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本
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【TAPの仕事】経営方針の浸透と実行 その③
「経営方針」とは、
経営理念の考え方を実現するための具体的な行動の基本方針・判断基準という位置づけになります。
税理士法人TAPにも3つの経営方針がありまして、こちらもいつも職員の皆さまには胸に刻んでいただきたいものです。
税理士法人TAPの経営方針の最後、3つ目は、仕事の秩序を公平性と人格主義に置く、という内容です。
「公平性」を常に保つということはなかなか大変なことです。個人ごとに公正性の基準が違う部分も多々あります。
それでも、対お客様に対して、対所内に対して、対地域(金融機関や税務署などすべての関係者)に対して、絶えず公平性を意識するべきです。
なぜ、「公平性」が大切なのか。
それは、TAPの仕事が対外的にも対内的にも公平でない場合、経営理念にもある社会的使命を果たせなくなり、働く人の喜びが生み出せなくなるためです。
対外的に特定のお客様だけを特別に大事にし他のお客様を大事にしないようでは、社会に良い存在とはいえず、また対内的に特定のスタッフをえこひいきしたり仲間外れを作ったりすることで働く人の喜びは生まれません。
より多くの人が納得できる形にすることが公平性を担保することにつながります。
「人格主義」という言葉は聞いたことが無い方もいらっしゃるかと思います。
ソクラテスやカントなどの哲学者が使ってきた言葉でもありますが、ビジネス書のバイブル『7つの習慣』でも一貫して使われている言葉です。
小手先のテクニックでどうにかしようとする個性主義ではなく、誠実さなどの人格を磨いていくことが良いサービス・良い組織を作り、良い仕事につながっていきます。
すなわち、誠意・誠実・謙虚・勇気・忍耐・節制・勤勉などの、人間の内面にある人格的なものを重視することが、人財育成となります。
事務所として地域やお客様のために行動するときには、これからのことを意識していかなければなりません。
絶えずこちらのことを意識してお客様に接していると「あぁ、この人(この事務所)は信頼できる」と信頼感が増していきます。
もしも「誠意」や「誠実さ」を持っていないとそもそもお客様や地域の人は話すら聞いてくれないと思います。
もしも「謙虚」さが無いと、傲慢な人だと思われ、社外社内の人から好かれません。
もしも「勇気」を持って行動しないと、仕事が進まず滞り、問題が大きくなっていくばかりです。
もしも「忍耐」や「節制」を持っていないと、継続した努力が出来なくなり成長も成功もできないことになります。
もしも「勤勉」さが無いと、勉強をせず税理士法人の仕事など出来るわけがありません。
まるで子供や学生の時に言われたような当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、
これらを大切にすることで物事は最終的にうまく進んでいくと思います。
この経営方針の最後に「個人の技能を最大限度に発揮させます」という言葉があります。
人には得意なこと苦手なことがあります。私たちは、苦手なことを保管していくことよりも、得意なことを伸ばして、その力を発揮していくことをより重視してまいります。
「長所進展」の考え方=職場の同僚・先輩や家族など自分を取り巻く人に対しても良きところ、持っているもの、出来る事を見ていくべきです。
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内田
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2022年10月1日
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TAPの仕事
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レビュー『元彼の遺言状』
『元彼の遺言状』 新川帆立 宝島社文庫
2021年度の第19回『このミステリーがすごい! 』大賞受賞作。
作者の新川帆立(しんかわほたて)さんは東大法学部卒の弁護士で1991年生れ。
この若さでミステリー小説を書いて賞をもらうという点が凄いです。
作品にもその弁護士としての知識経験がふんだんに盛り込まれ、主人公の剣持麗子も大手法律事務所の20代弁護士です。
弁護士のお話は小説になりやすいですし、海外ドラマのSUITのようにドラマティックです。
大手法律事務所の内情もわかりますし、作品に出てくる村山弁護士のように町の小さな法律事務所の弁護士像もよく描かれています。
こちらの作品はミステリー作品で殺人事件も出てきますが、私が注目したのは経済小説の要素も入っていた点です。
作品では大手製薬会社-森川製薬の御曹司・森川栄治が亡くなるところから物語がはじまるのですが、その森川製薬の経営や株式について、詳細に書かれていきます。
株式の相続は現代の中小企業でも大きな課題となっておりますが、上場している大手企業の場合も同様に複雑な話になりがちです。
経営陣としてはあまり良からぬ人たちに株式がわたってほしくないですし、会社にある程度の影響を与えるには自分が株式を取得したいと考えます。
また、具体的なM&Aの話が出てくるあたりも経済小説チックなのですが、株式譲渡契約書や法務DD報告書の話も出てくる所も身近に感じました。
新川帆立さんは現在は弁護士業務は行わず、小説家業をメインで行われているようで、今後の活躍が楽しみです。
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内田
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2022年9月24日
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本
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【TAPの仕事】経営方針の浸透と実行 その②
「経営方針」とは、
経営理念の考え方を実現するための具体的な行動の基本方針・判断基準という位置づけになります。
税理士法人TAPにも3つの経営方針がありまして、こちらもいつも職員の皆さまには胸に刻んでいただきたいものです。
税理士法人TAPの経営方針の2つ目は、課題や困難を歓迎する、という内容です。
大変なことを歓迎するということはなかなか難しいことかもしれません。
それでもどなたの人生の中で大変なこと=課題や困難 は発生するのです。
必ず発生するのであれば、出来るだけ前向きにとらえて取り組んでいき、自分や組織の成長に繋げていった方がトクだと思いますがいかがでしょうか。
とはいえ、大変なことをなかなか受け入れられないのが人というもの。
個人個人がなかなか前向きになれない時にも組織やチームで捉えれば、受け入れやすくなるかもしれません。
他にも課題や困難を歓迎しやすい方向にもっていくためには、
・過去の大変だったことを文章にしておき見返す。
・ほかの人の課題や困難を乗り越えた経験を見たり聞いたりする。(世の中のリーダーや偉人は必ず数多くの課題と困難を乗り越えています。)
・「課題がない組織は問題」という言葉を見て、もし課題が無ければそのような組織はきっと長くは存続できないことを理解する。
などが考えられるかと思います。
組織の中に課題改善を習慣化することも大切です。
トヨタ自動車さんの「カイゼン」は「問題を解決したい」「現場を改善したい」という意識を常に持ち、見える化を習慣化し、問題をきちんと見えるようにして問題を解決しております。
ぜひ、課題や困難を見える化と情報共有し、皆で最も効果の大きいサービスに繋げていきたいところです。
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内田
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2022年9月17日
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TAPの仕事
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