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レビュー『 跡継ぎがいなくても会社は残せる!』
『跡継ぎがいなくても会社は残せる!』吉川正明 アチーブメント出版
と言われて、
吉川さんの心に刺さる言葉でした。
しかし、
この水槽理論を知って以来、
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内田
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2023年1月28日
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本
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レビュー『このビジネスモデルがすごい!』
『このビジネスモデルがすごい!』船井総合研究所 あさ出版
2019年の著書ですが、冒頭が全国で農業会計No1のオーレンス会計事務所(北海道中標津町)の事例が載っておりましたので、読んでみました。
〇㈱オーレンス(オーレンス税務会計)
業務内容:農業経営コンサルティング・財務コンサルティング・各種システム開発/保守/運営
所在地:北海道標津郡中標津町
創業:1989年(前身である福田紀二税理士事務所は1971年創業)
代表者:福田直紀 資本金4,000万円
従業員数:134名(グループ全体 2018年5月時点)
オーレンスグループが属する業界は、2つの側面がある。1つは、事業の核である税理士会計業界で、もう1つは酪農を中心とした農業界。前者は税務申告や税務書類作成の代行などを含めた法人個人事務所で構成される業界。国内にはおよそ3万もの事務所があり、事務所数もマーケットも拡大しているため見通しが明るいように見える反面、先行きは楽観的でなくもともと平均年齢の高い業界でさらに高齢化が加速し、今後IT化が進むことを考え合わせれば生き残りが厳しいといわれれている。これに対しオーレンスは、現在のインターネットが普及する前から、農家の経営支援の一環としてインターネットプロバイダーを担ってきた。北海道の酪農家が位置するエリアに、大手プロバイダーの通信電波が届かないため、自社で受信アンテナ用の鉄塔を建て通信インフラが不十分な地域をカバーし、ゼロからIT化の基盤を作ったのである。さらに、自社独自の会計ソフトやクラウド型会計システムに早くから着手し、1996年には金融機関取引の情報を会計仕訳に自動変換するシステムを開発し、生産性を飛躍的に向上させている。
オーレンスグループのビジネスモデルにおける独自性は、提供するサービスが「低単価」であるにもかかわらず、「高い収益性」を実現しているという点である。税理士会計事務所の一般的な平は、年間800~1000万円/人であるところ、オーレンスグループは、一人当り売上の目安を約2000万円/人に置いている。1人が約80件の顧問先を担当し、平均顧問料単価25万円に設定していることになる。担当件数を増やせるのは、業種特化し、顧客を農業・酪農に絞ることによって専門性が高まり、業務の標準化と分業化がなされるからだ。また、顧客の属性と提供するサービスが明確なため、顧客と関係性が深い団体(農協等)にアプローチして一気に多数の顧客を獲得できるという、営業面でのメリットもある。
オーレンスグループの営業利益率は、ここ10年で見ると平均20%を超えている。2016年以降は積極的な人材への投資(人件費・教育研修費)を進めているため20%を切っているが、それでも高い収益性を維持している。一人当たりの担当件数を最大化するために、3つの方法を取り入れている。①顧客担当と業務担当を分ける分業体制を敷いた②業務の標準化(システム化)を進めた③自社開発のシステムにより顧問契約が継続する仕組みを作った
オーレンスグループは北海道内で圧倒的なシェアを誇っているが、高いシェアを維持している要因は、毎年200~300件の新規案件を獲得していることと、顧問契約の解約率が著しく低いことにある。いわゆる顧問契約の解約件数は年間10件未満であり、廃業による顧問先数の減少を加えても、年間20~30件の契約終了しか発生していない。廃業を除く解約率はここ数年0.2%未満である。もちろん、圧倒的なブランド力で競合他社の追随を許さないからこその解約率の低さ、という側面もあるがそれだけではない。顧客が離脱したくならないだけの高いサービスレベルを維持している。つまり顧客満足度が常に高いという証左でもある。
最初に船井総研が面談をし「目標とする事務所はどこになりますか?」という質問に対し、当時の福田経営センター代表の高橋さんは「ここだよ!」と後ろの窓を指さしました。その先にあったのは、茶色い大きなビル、ホクレンの本社ビルでした。高橋さんに、同業他社の名前を出していただく事を期待して自分を恥じるともに、とてつもない大きな目標を心に秘めているのだということを直感しました。この企業から学ぶこととして、引き継がれる内に秘めたる熱き想いにあります。何事にも真摯に対応し、偉ぶることなく、ある意味淡々と物事を進めていくという、静かで穏やかに映りながらも、心の奥底では強い責任感と意思を持って経営に取り組む姿勢。これこそがオーレンスグループの強みとすごさなのです。
〇船井総研が50年間のグレートカンパニー研究からわかった優秀企業の条件
制高温3条件、3つの企業の使命、正しい努力。船井総研-創業者船井幸雄が言っていた経営で最も重要なことは、経営者及び社員が「素直」「プラス発想」「勉強好き」であると結論付けました。そして企業には3つの使命があると提供し続けました。その3つとは「収益性の追求」「社会性の追求」「教育性の追求」です。これら成功の3条件、3つの使命を知ってバランスよく実践しながら経営に取り組むことは現代社会においても優秀企業化を目指すためには不可欠なようです。
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内田
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2023年1月21日
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本
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レビュー『心配すんな。全部上手くいく。』
『心配すんな。全部上手くいく。』徳間書店 ヒカル
Youtuberヒカルさんの初めての著書ということで読んでみました。
Youtuberとは、YouTubeでの活動動画をアップロードして、広告収入によって収入を得ている人ですが、ヒカルさんは2023年初頭で480万人超のチャンネル登録者数を誇ります。
僕のやり方をそのままトレースしてもあまり意味がありません。全員にフィットするノウハウなんて存在しません。夢や目標をかなえる手段は、ひとりひとりが自分なりに模索して手にする以外にありません。
本書のタイトルは人気マンガ『キングダム』に登場する武将・桓騎(かんき)のセリフから取っています。僕はマンガから多くのことを学び、なにより多くの勇気をもらいました。
VALU騒動で多く人に損をさせてチャンネル登録者数が60万人減った時も、どんな状況でもひっくり返せると考えた。逆転できる。そこに根拠なんかなかった。でも自分を信じた。信じるしかなかった。なにをどうすれば信頼を取り戻せるのか。考えに考え、やれることはぜんぶやった。そしていまがある。僕は奇跡的なV字回復を遂げた。
ぼくがいまあなたに伝えたいのはこういうことだ。生きていれば浮き沈みがある。僕もまたいつかどこかでつまづくだろう。失敗からは逃れられない。その代わりどんな状況でも必ずひっくり返せる。僕は特別な人間じゃない。元は落ちこぼれだ。だからあなたもできる。できないほうがおかしい。やるか、やらないか。それだけだ。
言葉を制する者がすべてを制する。僕はそう思っている。
僕は子どものころから話術の練習を繰り返しやってきた。それこそ突拍子もないシチュエーションまで、いろんな状況を想定して部屋でぶつぶつと喋っていた。
そうした試行錯誤の過程で気づいたことがある。トークにおける絶対不可欠なポイントともいうべきものであった。それは「自分のなかに答えを用意しておく」ということだ。これでトーク力に大きな差がつく。
トーク力を高める方法はひとつだけ。それはさまざまな事柄についてあなたなりの「答え」を持つこと。その「答え」の数と、トーク力はほぼ比例する。
やるべきことは自分の頭で考えること。安心してほしい、おすすめの方法がある。それは「文章を書く」というやり方だ。毎日、文章を書く。1日最低1000文字は書いてほしい。書くということは考えるという事にほかならない。
僕は「文字の魔術師」になりたかったそこである練習を自分に課した。毎日4000字以上の文書を書くという練習だ。
コミュニケーションの仕方で悩む人が多い。つまり人間関係だ。そもそもソリが合わないのが人間関係のデフォルトだ。それぞれの人生があり、それぞれの価値観がある。あなたと相手がぴたりと重なるほうがむしろヘンだ。人間関係にはある種のテクニックが必要なのだ。そんなテクニックがあるのか?ある。それは「自分のなかに複数のキャラ(人格)を持つ」ということだ。強気なキャラ、相手に寄り添うキャラ、寡黙なキャラ、軽薄なキャラ、いろんなキャラを状況に応じて、相手に応じて使い分けるのだ。僕はサラリーマンで1年間営業をやっているときに1か月目から過去最高の成績でトップになった。これはキャラを使い分けていかにスムーズに打ち解けられるか、信頼と親しみを持ってもらえるか、それがカギだった。
あなたには、必ずあなたの強みがある。それはすぐ目のまえに転がってる。問題はそれに気付けるかどうか。探す気があるかどうかそれだけだ。だからポジティブでいよう。ポジティブでいなければ自分の強みを見落とす。
僕はいつも超ポジティブだ。僕はラッキーなのだ。これまで何度となく壁にぶつかってきたが、そのたびに強運を発揮して乗り越えてきた。イギリスの心理学者リチャード・ワイズマンがこんなエピソードを紹介している、ある男がしょっちゅう小銭を拾っていた。そのあと8年間日記を書き続けて気づいたことが、幸せな気分の日には小銭を拾う傾向があり、そうでない日に小銭を拾うのはまれだった。ワイズマンはこう分析する、人は幸福でリラックスしていると周囲の変化に反応できる。偶然の、予想外のチャンスが訪れたとき、それを見逃さない可能性が高い。チャンスはいつでもどこでも転がっている、その存在に気づくかどうか。それが運というものの正体だ。
2022年4月、山口県阿武町は新型コロナウイルス対策の臨時給付金4630万円を誤って1人の町民に振り込んでしまう。同町はすぐに返還を求めるもその町民はそれを拒否。同町は返還請求の訴訟に踏み切り、その町民の氏名と住所を一般公開する。その町民、田口翔さんは電子計算機使用詐欺罪で逮捕され、この模様はマスコミで連日報じられ、世間の非難はすさまじかった。返済のホワイトないとの正体はほかでもない、この僕だ。どうして僕が田口さんのホワイトないと役を買って出たのか。僕の同期はシンプルである、それは目立つから、話題になるから。釈放直後の田口さんの独占インタビューをYoutubeで配信しよう。当然ながらそのインタビュー動画はバズりにバズった。おかげでたくさんの広告収益が入った。僕にとってこの件はメリットずくめだった。田口さんにとっても同じだ。田口さんはまだ24歳と若い。自立し、しっかり稼ぎ、借金を返済して、だれよりも迷惑をかけたというお母さんを安心させてほしい。具体的なメリットのやり取りがあってはじめて人が動き、信頼関係は生まれる。
失敗やトラブルは避けて通れない。なにかをやる、挑戦するというのはそういうことだ。必ず逆境は訪れる。逆境のない挑戦なんて挑戦とは呼ばない。逆境はあなたの勲章だ。起きてしまうことはしかたない。大事なのはその後の対処だ。そして対処の仕方はいくらでもある。最悪なのは逆境を恐れて縮まることだ。逆境を進もう。逆境を進んでこそ、あなたの人間力は増す。その先に制奥が待っている。落ち度や過ちは、素直に認めるしかないのだ。どう言い繕ってもそれは落ち度であり、過ちなのだ。ならばとるべき態度は明らか、謝るべきとは謝り、認めるべき非は認める。そうしていれば、人をいたずら傷づけることもなかった、無闇に敵をつくることもなかっただろう。
人の心をつかむための3要素。①キャラクターとは個性のこと、「〇〇といえば、××な人」と言われる持ち味のこと、キャラクターの弱いコンテンツは印象に残らない。とうぜんファンも生まない。そもそもキャラクターが弱いと見向きすらされない。次は②コンセプトだこれは、明確な夢や目標を指す。これがわかりやすく立っていれば、受け手の感情に訴えかけることができる。おどずと人の心はつかめるのだ。3つめに③ストーリーだ、そこに物語があるかどうかである。見る側がまるで自分のことのようにピンチを味わいながら、感情移入しながら、心ゆくまで楽しめるのである。
30歳代前半のYoutuberの活躍と言葉には目を見張るものがあります。
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内田
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2023年1月14日
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本
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レビュー『仕事は自分ひとりでやらない』
『仕事は自分ひとりでやらない』 小木田朝子 フォレスト出版
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内田
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2022年12月10日
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本
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レビュー『メタバースMETAVERSE 超入門』
『メタバース超入門』 武井勇樹・技術評論社
北海道という広い土地柄の中で移動時間が大切な所、会計事務所の仕事にも「メタバース」が利用できないか考えている中、こちらの本を読んでみました。
メタバースとは、利用者がアバター(化身)を操作し社会生活を送ることができる仮想空間の事です。
映画『アバター』や『マトリックス』、アニメ映画でも『竜とそばかすの女王』などでもよく知られています。
今、メタバースが注目されているのには5つの理由がある。
①通信技術の進化(5G)
②リーズナブルで高性能なVR機材の登場
③リモートワークの定着(コロナ禍)
④PC・スマートフォンの普及
⑤ブロックチェーンやNFTという先端技術の浸透
現在、メタバースはフォートナイト・マインクラフト・あつまれどうぶつの森、などゲームの世界で広がっている。
それは、ゲーム自体が3DCGで構築されていてバーチャル世界を作りやすく、コミュニケーション基盤となりSNS要素と相性が良いためである。
これから必要なのは「ゲームとは関係ない領域でも広がっていく」ことであり、仕事や買い物、学校の授業や職場などの日常生活にも用いられ始めると、一気に非日常と日常の主従が逆転する、つまり「バーチャルな世界にいるのが当たり前」という地点に到達できます。
いまやスマートフォンやPCからメタバースに入るのがメインの方法ですが、メタバースの魅力をフルで堪能するためには、VRゴーグルやARグラスを使うのが理想です。これらXRデバイスの普及に向けては、サングラス化できるか、小型軽量化が大きな課題となっています。
また将来的には「フルダイブ」という映画マトリックスのように「五感すべてでVR空間を楽しむ」という意味で、視覚や聴覚だけでなく触覚・味覚・嗅覚も含めて操作者の脳へとフィードバックすることもポイントになります。
フルダイブ型のメタバースは実用化までまだ技術的な課題が大きいですが、SF世界で描かれるような五感すべてで楽しめるバーチャル世界を夢見ている人も多いです。
メタバースが本格普及するために、「政治」の観点としては税制(所得税など)や法律面(所有権など)が整備されてこないと一般普及するのが難しいです。「経済」の側面ではメタバースって儲かるよね、という認識が広がらないと参入プレイヤーは増えてきません。「社会」的な側面ではバーチャル空間で人に会うのって楽しいよね、とか自分らしさを出せるよね、というポジティブな価値観が広がる必要があります。「技術」面ではデバイスの小型化だけでなく、AIやブロックチェーンのさらなる進化も必要不可欠でしょう。
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内田
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2022年12月3日
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本
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レビュー『同志少女よ敵を撃て』
『同志少女よ敵を撃て』 早川書房 逢坂冬馬
本屋大賞を受賞した、1940年台の独ソ戦を舞台にした女性狙撃小隊のお話です。
2022年2月からのロシア-ウクライナ戦を思い浮かべてしまう、非常に心に残るお話です。
故郷の村が襲われ生き残ったセラフィマという少女が、女性狙撃小隊のイリーナから訓練され、各戦場にて狙撃の任務を遂行していきます。
最初から最後まで、戦争の凄惨さを見事に記した作品でありますが、特に後半、登場人物たちの言葉が印象的でした。
P356セラフィマの幼馴染-ミハイルの戦争は倫理や常識を狂わせるという言葉
「悲しいけれど、どれほど普遍的と見える倫理も、結局は絶対者から与えられたものではなく、そのときにある種の『社会』を形成する人間が合意により作り上げたものだよ。だから絶対的にしてはならないことがあるわけじゃない。戦争はその現れだ」
P374戦後に狙撃兵はどう生きれば良いか聞かれたリュドミラの言葉
「分かったか、セラフィマ。私は言った。愛する人を持つか、生きがいを持て。それが、戦後の狙撃兵だ。」
P467戦争後の元兵士についての記述
「戦争が終わった後、人を殺す術を身につけ、躊躇なく敵を殺す訓練を受け、実際に殺し、味方の死を見届け、ぎ虐殺を目撃し、あるいは殺戮者となり、ありとあらゆるこの世の地獄を体験した多くの兵士たちが、生身で日常に放り出される」
「殺される心配をせず、殺す計画を立てず、命令一下無心に殺戮に明け暮れることもない、困難な日常という生き方へ戻る過程で、多くの者が心に失調をきたした」
本当に、戦争はあってはならないものだと感じさせる作品でした。
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内田
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2022年11月19日
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レビュー『アンガーマネジメント』
『アンガーマネジメント』 日経文庫 戸田久美
何らかの出来事を体験したとき、その出来事に対して、わたしたちは自分の「〇〇であるべき」というコアビリーフで意味づけをします。
その意味づけによって、怒りを感じる人もいれば、まったく怒りを感じない人もいます。また、同じように怒りを感じたとしても、その程度が違うこともあります。
自分の持っているコアビリーフとうまく付き合えるようになることは、アンガーマネジメントではとても重要な取り組みです。
・対処法-6秒間をやり過ごす
カーッとなった時に、怒りにまかせて行動するのではなく、6秒間を何事もなく過ごせたら、売り言葉に買い言葉のような状況を回避することができます。6秒間をやり過ごすために数を数える方法であるカウントバックします。
・対処法-コーピングマントラ
心が落ち着く言葉を言い聞かせます。たとえば「なんとかなるさ」「大丈夫」という言葉はよく聞くフレーズですね。「死ぬこと以外はかすり傷」などでもなんでもいいのです。
・対処法-思考を止める
怒りを感じた瞬間に、頭の中に真っ白な用紙を思い浮かべて、頭の中を真っ白にします。
・対処法-深呼吸をする
怒りを感じたら、まず深呼吸してみるのも、とても有効な方法です。深呼吸することで、副交感神経が優位になり、心が安定します。
変えられること、変えられないことを分類してみましょう。コントロールできないけれども重要だと感じる場合は、悩ましいところなのですが、「変えられない現実を受け入れる」という判断をします。そして、現実を受け入れたうえで、この状況にこれ以上の怒りを抱えないため、自分が出来ることは何なのかを考えてみるのです。
怒りに巻き込まれたときは、相手の主観に惑わされないことが大切です。
相手の「べき」を否定して感情的に返してしまうと、相手の怒りが倍増します。ひどくなると、本来の議論から外れた感情のもつれまでに発展してしまうので注意が必要です。
相手の主観に巻き込まれないように「この人のいままでのキャリアのなかでは、これが正しかったんだ」と受け止めてから、俯瞰し相手の怒りを心の中で実況中継してみるといいでしょう。
相手が怒りをぶつけてきた場合、「申し訳ありません」「恐れ入りますが」という言葉で寄り添い、「この人はわたしの気持ちをわかってくれた」と納得していただけて、解決に進むケースが多いです。クレーム対応では個人批判されたと思わずに、「わたしはお客様と組織の橋渡し役」という意識で対応しましょう。自己受容・自己肯定感や自尊感情を育むことは、卑屈な怒りを防ぐには有効だと思います。防衛的な怒り、卑屈な怒りを生み出さなくてすむようになるのです。
「スルー力」を鍛えることも有効です。まともに受け止めずに聞き流す力も必要です。
怒りの感情を、半日や1日くらい引きずる人がいますが、これは本当に時間の無駄です。アンガーマネジメントで目指すのは、自分や周囲の人が、長期的に心身ともに健康である選択ができることです。例えば会社の重役の期限が悪い時には、「奥さんにいろいろ説教されたんだな」「異国から来た人だな」などと思うようにしてみましょう。
相手の感情をコントロールしようとしてはいけません。「怒っている人をどうにかしたい」という人も多いのですが、そもそも怒っている人をどうにかすることはできません。ですから大切なのは、怒っている人に巻き込まれず、惑わされないことです。怒っている人を「なんとかしよう」と思うと余計に自分が不毛な怒りの渦中に身を置くことになるので、ときには割り切ることも重要なのです。上司などが不条理に怒っている時も「またあんな怒り方をしているけれどどうしたもんかなぁ」というような軽い感じで受け止めましょう。コントロールすることを諦めたほうが、気持ちも楽になると思います。
マネジメント層の方は、日ごろから穏やかな雰囲気でいること、ほがらかな佇まいでいることを心がけましょう。例えば、「今日は穏やかな自分を演じよう」と決めて過ごします、疲れてしまうので毎日行う必要はありません。1週間に一度でも「今日1日は穏やかな自分を「自分を演じよう」という日をつくるのがいいでしょう。表情を穏やかにし口角を上げて作り笑いをするだけでも自律神経が整いリラックスしてきます。もしも部下を叱るときも、要望と理由をセットで具体的な言葉で、相手の背景や心からの改善を思い浮かべながら伝えていきましょう。
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内田
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2022年11月5日
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本
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