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レビュー『ニトリ 成功の5原則』
『ニトリ 成功の5原則』 似鳥 昭雄 朝日新聞出版社
ニトリ創業者の似鳥昭雄さんによる、自分なりのロマンとビジョンを掲げて成功の道へとあゆみを始めようという著書。
①「ロマン」で人は生まれ変われる
似鳥昭雄社長は1972年にアメリカの家具現場を見に行き「日本にもアメリカのような豊かさを広げ、人の役に立つ。」というロマン(志)を持った。
ロマンは自分個人の得失をはるかに超えたところにある願い。「誰かがやるだろう。地盤は便乗していればいいんだ」という人は、人生も変わりません。
自分の心にロマンを刻み込もうと日々コツコツ努力し続けて、ようやく40歳以降に変われるかどうかというところです。
「人のため、世のため」というロマンを抱き、人間も会社も「あの人、あの会社があって助かった」と思われてこそ、存在する意味があるのです。
②「ビジョン」があるから成功できる
ニトリでもロマンを達成するためにビジョン(理想の数字)が必要で、そのビジョンをロマンと共に寝ても覚めても言い続けることが必要。
あきらめずに言い続けることで似鳥昭雄社長とロマンとビジョンを共有する人が出てきた。
数十年先のビジョンがしっかりと頭に入っていて「いずれ必ずこうなる」と確信していれば、いくら大変でもそのビジョンに合わせて動こうとできる。
未来から現在を、全体から部分を決めていくのがニトリ流。
ニトリでは30年計画という大きなビジョンから
「30年計画→10年計画→3年計画→1年(52週)計画→四半期(13週)→週ごと」
という形に分解していき、年52週、店ごと、地域ごと、商品ごとに数字を出して、商況をチェックし、1年間の目標を達成するために週ごとに目標管理をしていく。
③「意欲」は高い目標から生まれる
部下の意欲を伸ばす上司は部下の悩みを相談され、アドバイスをあがられるような関係を作るよう、努力してほしいのです。
仕事への影響が大きいからこそ、上司は部下のビジネス面だけでなく、プライベートについても責任を持たないとダメなのです。
意欲を失わせないように、社員同士も上司と部下も気持ちの上で常に平等、対等でないといけません。もちろん「長」のつく人には責任がついてくるので、仕事に関しては厳しく叱ったりすることも必要ですが、責任が重いことと偉いかどうかは関係ありません。
ニトリでは「変化(Change)」「挑戦(Challenge)」「競争(Competition)」+「コミュニケーション(Communication)」の3C+Cを重んじ意欲的に進むことを重んじている。
④「執念」なくして成功なし
執念というのは、異常な執着という暗いものではなく、目標を達成するまであきらめないことで、そのためには心にロマンとビジョンを抱き、明るく楽天的に工夫し続けることが大切です。
ニトリも当初に工場の赤字がかさんでも、輸入品のトラブルが続いても、あきらめずに続けているうちに、それが海外生産に発展して、ニトリの商品の中核を担うようになり、世界に類例のないビジネスモデルが出来上がった。
苦しい時期を我慢して、逆境を乗り切って初めて、運が出てくるのです。運とはあわせですので、普段から努力し続けていればなぜか必要な時に必要なものがもたらされます。
⑤「好奇心」が革命のもとになる
ニトリでいう好奇心とは、ロマンとビジョンを達成するために、何か仕事に取り入れられるものはないか、と常に考え探し続けることです。
私は今もロマンとビジョンの達成のために「何かいい方法がないかな」といつも探し続けています。
70代の私がやれるんですから、アイデアを出すのに年齢は関係ありません。現状に満足している人がダメでハングリーで、人々が満足してくれることが大事で、ロマンとビジョンが次々と実現していくことにわくわくするのです。
〇グローバルリーダーになるための心得
「会社のために自分がいると思うな。自分のために会社があるのだ。」
「1つの会社で3年以上務まらない者は、どこに行っても長くは務まらない。」
「目標を設定せよ。年間の大目標。3ケ月の中目標。習慣の小目標。それに今日の目標をはっきり決めて、それに向かって爆進せよ。」
「欠点あるを喜び、長所なきを悲しめ。欠点を直しても伸びない。長所を伸ばしてこそ伸びがある。」
- 内田
- 2020年9月12日
- 本
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