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レビュー『世界に一軒だけのパン屋』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界に一軒だけのパン屋』 野地秩嘉 小学館

帯広のパン屋さん「満寿屋」さんの、業界でも不可能と言われた国産小麦100%使用を実現したストーリーです。

満寿屋さんのパンはすべてを地元の原料だけで作ることが出来る。
小麦、水、牛乳、バター、野菜、砂糖、酵母、特に砂糖と酵母まで地元産の材料にこだわり、三代もかけてそのパン作りを実現させ、売上10億円にまで成長させた店は世界中でここだけだろう。

満寿屋さんが長年、目標としてきた国産小麦の100%使用をアシストしたのは、新しい品種の登場だった。
新品種はそれぞれ2000年代になってから登録され、北海道各地で栽培されるようになり、どれも従来のハルユタカほど手が掛からず収量が期待できるものであった。
2001年:「春よ恋」春まき小麦(パン用)発酵させると膨らみやすく品質が安定している。
2003年:「キタノカオリ」秋まき小麦(パン用、中華麺用)香りが良く、やや甘みがある。
2006年:「きたほなみ」秋まき小麦(うどん用、菓子用)
2008年:「はるきらり」春まき小麦(パン用)病気に強く、収量が安定している。
2010年:「ゆめちから」秋まき小麦(パン用、中華麺用)ブレンドしてパンやパスタに使える、超強力粉。

満寿屋さんの2010年時点の目標。
2020年創業70周年。首都圏5店舗。十勝パン完成。新工場稼働。本部移転。
2025年パン学校設立。
A ますやパンが全国的なベーカリーになる(1店舗で年商5億円。1日平均140万円)
B 十勝でパン学校や小麦を通じた教育が盛んになる(十勝のパン職人が全国コンテストで優勝)
C 十勝産パン用小麦のブランド力が高まる(十勝産パン用小麦生産量5万トン。)
D 十勝パンが完成し、十勝パンブームが来る(十勝のパン売上が一人当たり1日50円となる)

国産小麦の100%使用という目標を掲げた二代目であるお父様が亡くなり、その後にお母様が引継ぎ、現在の社長が承継するまで、本当に様々な苦労と努力があったのだと、読んでいて深く強くさせていただきました。

 

  • user 内田
  • time 2021年1月16日
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