レビュー『社長はメンタルが9割』
- 内田
- 2022年3月5日
- 本
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『社長はメンタルが9割』 押野満里子 かんき出版
社長はつらいよ がなくなります マイナス思考に飲み込まれないために が謳い文句の一冊。
社長が努力と根性で苦しんで、会社が成長する時代は終わりました。これからの時代は、社長が自己犠牲のスパイラルに陥らず、自分の感情と向き合い、感謝と信頼によって経営する会社が成長します。
・弱みを見せる
「自分の欠点をさらけ出す人ほど、人から愛される」という法則があります。
だからこそ社長が普段見せない弱みを見せる本音は、そのギャップが社員に響きます。
メンバーに本音で接してもらうために、率先してダメな自分を正直にさらけ出すようにしていきます。
素直な人のもとに素直な人が集まります。
・まわりの人を信用する
意見が違う相手は会社にとって貴重な存在。
「社長の器」という言葉があります。「自分と異質なものを受け入れる心の大きさ」も、その器を大きくします。リーダーになったら、違うタイプの人をどんどん受け入れて、化学反応を起こさないと、強い会社は作れないことでしょう。
社長として社員を率い、会社を成長させるためには、意見や価値観が異なる相手を白黒はっきりさせないグレーゾーンに置くことも大切です。
・感情のコントロール
マイナスの感情を持ってもいい、と自分に許可をしてコントロールしないで吐き出しましょう。そこから、怒りの原因が自分のこだわりや好みだったとわかると、「わざわざ相手に伝えるまでもないかな」と思えてきます。
未来がどうなるか、誰にもわかりません、心配するあまり、社員の時間をいたずらに奪ってしまうのは、最善な経営とは言えません。どうせ妄想するなら、楽しいイメージを持って妄想しましょう。
やったけれど結果が出なかった自分を肯定してあげること、なんならダメだった自分について「ダメだっていいじゃん」くらいに認めてあげてあげる(できていることにクローズアップする)ことがスタートです。
・後継者が育たないことへの不安
「最高の指導者ほど、何も言わない」という言葉あります。スーパーマン社長ほど、つい、何でも自分でやってしまったり、的確すぎるアドバイスをしてしまったりして、社員の自主性を奪ってしまうようです。アドバイスが悪いのではなく、アドバイスはあくまで相手が主体になるようにしないと、ただの命令や指示になってしまいます。社員の自主性を重視して、良い所を伸ばして、やる気に火をつける、それが伸びる会社の社長さんのあり方です。会社の理念とかDNAだけは引き継いでもらって、新規事業は次の世代に任せてみることが会社を存続させるコツです。
・社員が辞めていくことの痛み
人事も自分で担当されている社長さんが、よく「自分が採用した社員が辞めていく時には、とても胸が痛む」ということを話されます。でもそれは「人が辞めていくことは寂しい」「自分の会社にいることが相手にとって正しいことだ」という思い込みでしかありません。なぜなら、この会社で働き続けるよりも、ほかの会社へ行ったほうが、その人にとって幸せなのかもしれないからです。その人の本当の幸せを考えて「ここじゃないかも」と考えたら、別に辞めていくことをネガティブにとらえる必要はありません。さらに言えば、相手が会社を辞めたのは「自分(社長)の力が足りなかった」わけでもありませんし、自分の会社が否定されたわけでもありません。たまたま、自分の会社と合わない人が来てしまっただけのことです。
・社長という仕事はたくさんの人たちを幸せにできる仕事
どうか「頑張る」のをやめてください。「社長なのに」なんて、自分を責めないで「ダメな自分のままでいい」「プライドや見栄があったっていい」と自分を認めてあげてください。人は、まず、自分を認めて、安心しないと、フラットな気持ちで、自分を変えることができません。「まず、自分の感情が幸せになることで、自然と周りを幸せにすることができる」という感情と結果の法則を思い出してください。そうなれば、お金はあとからついてきます。そして、どうか、今の自分があたたかい気持ちで、幸せだなと思える、そんな生き方をしてください。時代は目に見える地の時代から、自分の感情や信念、信頼や感謝など目に見えないものが大事な風の時代に入りました。頑張って、どこにでもある結果を作る時代から、溢れる「想い」で、自分にしかできない結果を作る時代へ。