レビュー『週刊ダイヤモンド ~人気資格「豹変」の舞台裏~』
- 内田
- 2023年4月1日
- 本
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『週刊ダイヤモンド 2022/12/3号』株式会社ダイヤモンド社
以前から読みたいと思っていた雑誌記事でしたで、購入のうえ読んでみました。
公認会計士や社会保険労務士の記事も興味深かったですが、直接自分たちに関わる税理士のページを熟読しました。
・使い方次第で利益増にも貢献プロ士業&ダメ士業の見抜き方
経営者は士業を積極的に活用するべきで、それにより利益を生み出せる。士業の選び方次第で、あなたの会社の経営は確実に変わる。
まず頭に入れておきたいのが、士業に支払う報酬は「コスト」ではないということだ。コストと認識すれば、当然それは少なければ少ないほど良いという事になる。士業に支払う報酬は「投資」だ。わかりやすく言えば、士業に支払う年間報酬に対し、もたらされる利益がその報酬を超えているかどうかがポイントだ。何か相談をしたときに、提携先士業との連携チームを組成して、問題解決に向けた提案をしてくれたら、その士業は今後も付き合うべきプロ士業である可能性が高い。
・融資(資金調達=ファイナンス)への反応
融資業務に必要な資格はないが、取り扱うのは主に税理士と行政書士だ。潤沢な融資を受けられるかどうかは会社の決算書によるが、まずは赤字決算の場合、どれだけの対応ができるかに、その士業の実力が表れる。「赤字決算では融資不可能」と回答するようなら論外だ。
そして、できるだけ金融情勢に詳しい税理士を選ぶべきだ。例えば、自治体や金融機関が連携して提供できる制度があるが、こうした動きに詳しいのが付き合うべきプロ士業だとみていいだろう。
他にも、金融機関は貸し付けに積極的なタイミングかどうかなど、金融機関の内部事情も踏まえながら業務にあたることができるのであれば、なお良いといえる。
・クラウド化
クラウド会計ソフトのfreeeやMFが登場したのは2,013年、その後他の会計ソフトもクラウド化の波が押し寄せた。
クラウド化は、中小企業をサポートする税理士にも波及。税理士が複数のクラウド型ソフトを使いこなすことが当たり前の時代になり、今では顧問先企業の要望や規模、業種を聞いて、弥生やfreee、MFなどの会計ソフトを勧め分けすることが当たり前になっている。
・税理士事務所の経営課題
スタッフ退職により顧問先との業務履歴やノウハウが喪失し、属人化から脱却できずに新たに従業員を雇ってもベテラン従業員や代表税理士が新入り従業員の教育に手を取られ、最も重要な顧問先企業への会計や税務のコンサルティングなど、付加価値業務に専念できない状況になる。
そのため、デジタル化によりタスク管理やノウハウ共有ができていれば、会計知識のないパート従業員でも、日々発生する顧問先企業とのやりとりをすぐに担う事ができるようにしていく必要がある。
例えば、顧問先企業から、決算書作成のための資料が必要で、それがまだ顧問先から届いていない場合などは、アラートが出るなどの仕組みを作っていく。
・生き残りへ税目/業務/業種 三つの特化戦略
「税理士が税務会計の業務ができるのは当たり前」であり、プラスアルファがなければ、求められなくなる。
一つ目の「税目」特化の代表例は相続税・贈与税。不動産を多く所有しているような富裕層のお客様に向けたサービスは、不動産実務と土地評価に精通していることが必須で、難易度が高い。
二つ目の「業務」特化は例えば税務調査や資金調達業務などがある。資金調達業務では、顧客企業の状況の合わせて、最適なタイミングで制度融資による資金調達の提案が出来る税理士は、意外に少なく、それだけ税理士としての競争力が上がる可能性がある。
三つ目の「業界」特化は、外食や芸能、風俗業界などに特化することだが、この戦略で成功するには、業界に関する深い知識と愛着、顧問としてかかわってきた経験が欠かせない。さらに、その業界内の人脈も必須。普段の税理士業務をこなしながら、これらを獲得するのは相当な時間と努力が必要だ。ただし、それを得た時の果実はとてつもなく大きく、顧客から顧客へと芋づる式に顧問先紹介を見込めるのだ。