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レビュー『心配すんな。全部上手くいく。』

 

 

 

 

 

 

 

 

心配すんな。全部上手くいく。』徳間書店 ヒカル

Youtuberヒカルさんの初めての著書ということで読んでみました。
Youtuberとは、YouTubeでの活動動画をアップロードして、広告収入によって収入を得ている人ですが、ヒカルさんは2023年初頭で480万人超のチャンネル登録者数を誇ります。

僕のやり方をそのままトレースしてもあまり意味がありません。全員にフィットするノウハウなんて存在しません。夢や目標をかなえる手段は、ひとりひとりが自分なりに模索して手にする以外にありません。
本書のタイトルは人気マンガ『キングダム』に登場する武将・桓騎(かんき)のセリフから取っています。僕はマンガから多くのことを学び、なにより多くの勇気をもらいました。

VALU騒動で多く人に損をさせてチャンネル登録者数が60万人減った時も、どんな状況でもひっくり返せると考えた。逆転できる。そこに根拠なんかなかった。でも自分を信じた。信じるしかなかった。なにをどうすれば信頼を取り戻せるのか。考えに考え、やれることはぜんぶやった。そしていまがある。僕は奇跡的なV字回復を遂げた。
ぼくがいまあなたに伝えたいのはこういうことだ。生きていれば浮き沈みがある。僕もまたいつかどこかでつまづくだろう。失敗からは逃れられない。その代わりどんな状況でも必ずひっくり返せる。僕は特別な人間じゃない。元は落ちこぼれだ。だからあなたもできる。できないほうがおかしい。やるか、やらないか。それだけだ

言葉を制する者がすべてを制する。僕はそう思っている。
僕は子どものころから話術の練習を繰り返しやってきた。それこそ突拍子もないシチュエーションまで、いろんな状況を想定して部屋でぶつぶつと喋っていた。
そうした試行錯誤の過程で気づいたことがある。トークにおける絶対不可欠なポイントともいうべきものであった。それは「自分のなかに答えを用意しておく」ということだ。これでトーク力に大きな差がつく。
トーク力を高める方法はひとつだけ。それはさまざまな事柄についてあなたなりの「答え」を持つこと。その「答え」の数と、トーク力はほぼ比例する。
やるべきことは自分の頭で考えること。安心してほしい、おすすめの方法がある。それは「文章を書く」というやり方だ。毎日、文章を書く。1日最低1000文字は書いてほしい。書くということは考えるという事にほかならない。
僕は「文字の魔術師」になりたかったそこである練習を自分に課した。毎日4000字以上の文書を書くという練習だ。

コミュニケーションの仕方で悩む人が多い。つまり人間関係だ。そもそもソリが合わないのが人間関係のデフォルトだ。それぞれの人生があり、それぞれの価値観がある。あなたと相手がぴたりと重なるほうがむしろヘンだ。人間関係にはある種のテクニックが必要なのだ。そんなテクニックがあるのか?ある。それは「自分のなかに複数のキャラ(人格)を持つ」ということだ。強気なキャラ、相手に寄り添うキャラ、寡黙なキャラ、軽薄なキャラ、いろんなキャラを状況に応じて、相手に応じて使い分けるのだ。僕はサラリーマンで1年間営業をやっているときに1か月目から過去最高の成績でトップになった。これはキャラを使い分けていかにスムーズに打ち解けられるか、信頼と親しみを持ってもらえるか、それがカギだった。

あなたには、必ずあなたの強みがある。それはすぐ目のまえに転がってる。問題はそれに気付けるかどうか。探す気があるかどうかそれだけだ。だからポジティブでいよう。ポジティブでいなければ自分の強みを見落とす。
僕はいつも超ポジティブだ。僕はラッキーなのだ。これまで何度となく壁にぶつかってきたが、そのたびに強運を発揮して乗り越えてきた。イギリスの心理学者リチャード・ワイズマンがこんなエピソードを紹介している、ある男がしょっちゅう小銭を拾っていた。そのあと8年間日記を書き続けて気づいたことが、幸せな気分の日には小銭を拾う傾向があり、そうでない日に小銭を拾うのはまれだった。ワイズマンはこう分析する、人は幸福でリラックスしていると周囲の変化に反応できる。偶然の、予想外のチャンスが訪れたとき、それを見逃さない可能性が高い。チャンスはいつでもどこでも転がっている、その存在に気づくかどうか。それが運というものの正体だ

2022年4月、山口県阿武町は新型コロナウイルス対策の臨時給付金4630万円を誤って1人の町民に振り込んでしまう。同町はすぐに返還を求めるもその町民はそれを拒否。同町は返還請求の訴訟に踏み切り、その町民の氏名と住所を一般公開する。その町民、田口翔さんは電子計算機使用詐欺罪で逮捕され、この模様はマスコミで連日報じられ、世間の非難はすさまじかった。返済のホワイトないとの正体はほかでもない、この僕だ。どうして僕が田口さんのホワイトないと役を買って出たのか。僕の同期はシンプルである、それは目立つから、話題になるから。釈放直後の田口さんの独占インタビューをYoutubeで配信しよう。当然ながらそのインタビュー動画はバズりにバズった。おかげでたくさんの広告収益が入った。僕にとってこの件はメリットずくめだった。田口さんにとっても同じだ。田口さんはまだ24歳と若い。自立し、しっかり稼ぎ、借金を返済して、だれよりも迷惑をかけたというお母さんを安心させてほしい。具体的なメリットのやり取りがあってはじめて人が動き、信頼関係は生まれる

失敗やトラブルは避けて通れない。なにかをやる、挑戦するというのはそういうことだ。必ず逆境は訪れる。逆境のない挑戦なんて挑戦とは呼ばない。逆境はあなたの勲章だ。起きてしまうことはしかたない。大事なのはその後の対処だ。そして対処の仕方はいくらでもある。最悪なのは逆境を恐れて縮まることだ。逆境を進もう。逆境を進んでこそ、あなたの人間力は増す。その先に制奥が待っている。落ち度や過ちは、素直に認めるしかないのだ。どう言い繕ってもそれは落ち度であり、過ちなのだ。ならばとるべき態度は明らか、謝るべきとは謝り、認めるべき非は認める。そうしていれば、人をいたずら傷づけることもなかった、無闇に敵をつくることもなかっただろう。

人の心をつかむための3要素。①キャラクターとは個性のこと、「〇〇といえば、××な人」と言われる持ち味のこと、キャラクターの弱いコンテンツは印象に残らない。とうぜんファンも生まない。そもそもキャラクターが弱いと見向きすらされない。次は②コンセプトだこれは、明確な夢や目標を指す。これがわかりやすく立っていれば、受け手の感情に訴えかけることができる。おどずと人の心はつかめるのだ。3つめに③ストーリーだ、そこに物語があるかどうかである。見る側がまるで自分のことのようにピンチを味わいながら、感情移入しながら、心ゆくまで楽しめるのである。

30歳代前半のYoutuberの活躍と言葉には目を見張るものがあります。

 

  • user 内田
  • time 2023年1月14日
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レビュー『仕事は自分ひとりでやらない』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仕事は自分ひとりでやらない』 小木田朝子 フォレスト出版

弊社で実施しております「製販分離」に繋がるお話かと思い、読んでみました。
仕事を抱え込まず 周りに助けを求める技術 ヘルプシーキングは何が凄いか。
助けを求めることは、チームの足を引っ張ることではありません。
仕事を「誰が終わらせるか」ではなく、「チームとして終わっているか」が重要です。
「不測の事態が起こること」が問題なのではなく、そのリカバリーを「チームとしてできないこと」が大問題なのです。
疲弊し孤独を感じていると、コンディションは悪化し、良いパフォーマンスを発揮することが難しくなります。
私たちは、心身のコンディションが仕事の質や成果に直結してしまいます。
こうした状況をつくらない、またこうした状況を変えることができるのが、ヘルプシーキングです。
仕事をする中で、辛いときには「辛い」と言え、助けてほしいときには「サポートがほしい」と言うことができれば、私たちは安心して仕事を継続でき、そんな仕事に愛着を持てます。
私たちが向き合う仕事は、過去に経験のない仕事、チームの中に答えがない仕事が増えています。
そうした場合、「時間をかけてもなんとかできない」ことや、「ひとりで考えたのではたかが知れている」ことが大半です。
問題や困っていることをひとりや自分達だけで抱えない、周りと知恵を持ち寄って連携する外部の知識や情報を頼るいずれもヘルプシーキングです。
ヘルプシーキングのためにどのように行動するか。
まず情報をオープンにすること。
タスクや進捗、スケジュールを共有するとためにグループウェアで仕事を見える化することがおすすめです。
おおよそでもお互いが何をやっているのか把握しあい関心を持ち合うこと
それがいざという時に、「助けやすい」「助けを求めやすい」につながります。
助けを求める場」をつくっておくことは、あなたを含むメンバー全員の安心の仕組みになるはずです。
私のチームでは、全員フルリモート勤務ですが、毎朝業務開始時に15分オンラインで集合し、状況の共有と困りごとの相談の場「朝会」を運営しています。
お互いが顔を見せ合い、元気の有無を確認し合う時間でもあります。
残念なヘルプシーキングとしてはどのようなものがあるでしょうか
ギリギリまで自分で抱え込み、どうしようもなくなってから周囲に助けを求めるケースは、チームがあなたを助けるための時間と余裕を奪うことになり良くありません。
日頃にブラックボックス化した仕事をポイと丸投げするケースがあると、周りから否定的に見られるようなってしまい非常に残念です。
丁寧すぎる完璧主義な仕事も実は良くなく資料のつくり方がオリジナルすぎて、チームで汎用化・流用できない、担当者の標準以上のサービスが顧客の当たり前になっていて引き継げない、引き受ける側に膨大な時間が掛かってしまうことも残念なケースと言えるでしょう。
  • user 内田
  • time 2022年12月10日
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レビュー『メタバースMETAVERSE 超入門』

 

 

 

 

 

 

 

 

メタバース超入門』 武井勇樹・技術評論社

北海道という広い土地柄の中で移動時間が大切な所、会計事務所の仕事にも「メタバース」が利用できないか考えている中、こちらの本を読んでみました。
メタバースとは、利用者がアバター(化身)を操作し社会生活を送ることができる仮想空間の事です。
映画『アバター』や『マトリックス』、アニメ映画でも『竜とそばかすの女王』などでもよく知られています。

今、メタバースが注目されているのには5つの理由がある。
①通信技術の進化(5G)
②リーズナブルで高性能なVR機材の登場
③リモートワークの定着(コロナ禍)
④PC・スマートフォンの普及
⑤ブロックチェーンやNFTという先端技術の浸透

現在、メタバースはフォートナイト・マインクラフト・あつまれどうぶつの森、などゲームの世界で広がっている。
それは、ゲーム自体が3DCGで構築されていてバーチャル世界を作りやすく、コミュニケーション基盤となりSNS要素と相性が良いためである。

これから必要なのは「ゲームとは関係ない領域でも広がっていく」ことであり、仕事や買い物、学校の授業や職場などの日常生活にも用いられ始めると、一気に非日常と日常の主従が逆転する、つまり「バーチャルな世界にいるのが当たり前」という地点に到達できます。

いまやスマートフォンやPCからメタバースに入るのがメインの方法ですが、メタバースの魅力をフルで堪能するためには、VRゴーグルやARグラスを使うのが理想です。これらXRデバイスの普及に向けては、サングラス化できるか、小型軽量化が大きな課題となっています。

また将来的には「フルダイブ」という映画マトリックスのように「五感すべてでVR空間を楽しむ」という意味で、視覚や聴覚だけでなく触覚・味覚・嗅覚も含めて操作者の脳へとフィードバックすることもポイントになります。
フルダイブ型のメタバースは実用化までまだ技術的な課題が大きいですが、SF世界で描かれるような五感すべてで楽しめるバーチャル世界を夢見ている人も多いです。

メタバースが本格普及するために、「政治」の観点としては税制(所得税など)や法律面(所有権など)が整備されてこないと一般普及するのが難しいです。「経済」の側面ではメタバースって儲かるよね、という認識が広がらないと参入プレイヤーは増えてきません。「社会」的な側面ではバーチャル空間で人に会うのって楽しいよね、とか自分らしさを出せるよね、というポジティブな価値観が広がる必要があります。「技術」面ではデバイスの小型化だけでなく、AIやブロックチェーンのさらなる進化も必要不可欠でしょう。

 

  • user 内田
  • time 2022年12月3日
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レビュー『同志少女よ敵を撃て』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同志少女よ敵を撃て』 早川書房 逢坂冬馬

本屋大賞を受賞した、1940年台の独ソ戦を舞台にした女性狙撃小隊のお話です。
2022年2月からのロシア-ウクライナ戦を思い浮かべてしまう、非常に心に残るお話です。

故郷の村が襲われ生き残ったセラフィマという少女が、女性狙撃小隊のイリーナから訓練され、各戦場にて狙撃の任務を遂行していきます。

最初から最後まで、戦争の凄惨さを見事に記した作品でありますが、特に後半、登場人物たちの言葉が印象的でした。
P356セラフィマの幼馴染-ミハイルの戦争は倫理や常識を狂わせるという言葉
「悲しいけれど、どれほど普遍的と見える倫理も、結局は絶対者から与えられたものではなく、そのときにある種の『社会』を形成する人間が合意により作り上げたものだよ。だから絶対的にしてはならないことがあるわけじゃない。戦争はその現れだ」

P374戦後に狙撃兵はどう生きれば良いか聞かれたリュドミラの言葉
「分かったか、セラフィマ。私は言った。愛する人を持つか、生きがいを持て。それが、戦後の狙撃兵だ。」

P467戦争後の元兵士についての記述
「戦争が終わった後、人を殺す術を身につけ、躊躇なく敵を殺す訓練を受け、実際に殺し、味方の死を見届け、ぎ虐殺を目撃し、あるいは殺戮者となり、ありとあらゆるこの世の地獄を体験した多くの兵士たちが、生身で日常に放り出される」
「殺される心配をせず、殺す計画を立てず、命令一下無心に殺戮に明け暮れることもない、困難な日常という生き方へ戻る過程で、多くの者が心に失調をきたした」

本当に、戦争はあってはならないものだと感じさせる作品でした。

 

 

  • user 内田
  • time 2022年11月19日
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レビュー『アンガーマネジメント』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンガーマネジメント』 日経文庫 戸田久美

何らかの出来事を体験したとき、その出来事に対して、わたしたちは自分の「〇〇であるべき」というコアビリーフで意味づけをします。
その意味づけによって、怒りを感じる人もいれば、まったく怒りを感じない人もいます。また、同じように怒りを感じたとしても、その程度が違うこともあります。
自分の持っているコアビリーフとうまく付き合えるようになることは、アンガーマネジメントではとても重要な取り組みです。

・対処法-6秒間をやり過ごす
カーッとなった時に、怒りにまかせて行動するのではなく、6秒間を何事もなく過ごせたら、売り言葉に買い言葉のような状況を回避することができます。6秒間をやり過ごすために数を数える方法であるカウントバックします。
・対処法-コーピングマントラ
心が落ち着く言葉を言い聞かせます。たとえば「なんとかなるさ」「大丈夫」という言葉はよく聞くフレーズですね。「死ぬこと以外はかすり傷」などでもなんでもいいのです。
・対処法-思考を止める
怒りを感じた瞬間に、頭の中に真っ白な用紙を思い浮かべて、頭の中を真っ白にします。
・対処法-深呼吸をする
怒りを感じたら、まず深呼吸してみるのも、とても有効な方法です。深呼吸することで、副交感神経が優位になり、心が安定します。

変えられること、変えられないことを分類してみましょう。コントロールできないけれども重要だと感じる場合は、悩ましいところなのですが、「変えられない現実を受け入れる」という判断をします。そして、現実を受け入れたうえで、この状況にこれ以上の怒りを抱えないため、自分が出来ることは何なのかを考えてみるのです。

怒りに巻き込まれたときは、相手の主観に惑わされないことが大切です。
相手の「べき」を否定して感情的に返してしまうと、相手の怒りが倍増します。ひどくなると、本来の議論から外れた感情のもつれまでに発展してしまうので注意が必要です。
相手の主観に巻き込まれないように「この人のいままでのキャリアのなかでは、これが正しかったんだ」と受け止めてから、俯瞰し相手の怒りを心の中で実況中継してみるといいでしょう。

相手が怒りをぶつけてきた場合、「申し訳ありません」「恐れ入りますが」という言葉で寄り添い、「この人はわたしの気持ちをわかってくれた」と納得していただけて、解決に進むケースが多いです。クレーム対応では個人批判されたと思わずに、「わたしはお客様と組織の橋渡し役」という意識で対応しましょう。自己受容・自己肯定感や自尊感情を育むことは、卑屈な怒りを防ぐには有効だと思います。防衛的な怒り、卑屈な怒りを生み出さなくてすむようになるのです。

「スルー力」を鍛えることも有効です。まともに受け止めずに聞き流す力も必要です。
怒りの感情を、半日や1日くらい引きずる人がいますが、これは本当に時間の無駄です。アンガーマネジメントで目指すのは、自分や周囲の人が、長期的に心身ともに健康である選択ができることです。例えば会社の重役の期限が悪い時には、「奥さんにいろいろ説教されたんだな」「異国から来た人だな」などと思うようにしてみましょう。

相手の感情をコントロールしようとしてはいけません。「怒っている人をどうにかしたい」という人も多いのですが、そもそも怒っている人をどうにかすることはできません。ですから大切なのは、怒っている人に巻き込まれず、惑わされないことです。怒っている人を「なんとかしよう」と思うと余計に自分が不毛な怒りの渦中に身を置くことになるので、ときには割り切ることも重要なのです。上司などが不条理に怒っている時も「またあんな怒り方をしているけれどどうしたもんかなぁ」というような軽い感じで受け止めましょう。コントロールすることを諦めたほうが、気持ちも楽になると思います。

マネジメント層の方は、日ごろから穏やかな雰囲気でいること、ほがらかな佇まいでいることを心がけましょう。例えば、「今日は穏やかな自分を演じよう」と決めて過ごします、疲れてしまうので毎日行う必要はありません。1週間に一度でも「今日1日は穏やかな自分を「自分を演じよう」という日をつくるのがいいでしょう。表情を穏やかにし口角を上げて作り笑いをするだけでも自律神経が整いリラックスしてきます。もしも部下を叱るときも、要望と理由をセットで具体的な言葉で、相手の背景や心からの改善を思い浮かべながら伝えていきましょう。

 

 

  • user 内田
  • time 2022年11月5日
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レビュー『成功者の告白』

 

 

 

 

 

 

 

 

成功者の告白』 講談社α文庫 神田昌典

サラリーマンをしていた主人公タクが、起業家として成功していく過程をマイナスの部分を包み隠さず書かれていて、
ストーリー仕立てで興味深い本でした。

仕事熱心な成功者のプライベートな部分に焦点を合わせれば、英雄像は色褪せて、親子断絶・家庭内離婚・愛人騒動・家庭内暴力・不登校・引きこもり・うつ病等、機能不全に陥っている家庭は珍しくない。
根底に流れるテーマは、ビジネスと家庭とのバランスを取りながら、いかに会社をスムーズに成長させるか、ということである。

起業をしてうまくいっていても、仕事のために家庭があるのではない、家庭が幸せになるために、仕事がある
そこを履き違えてはいけない。
妻の方も夫の成功を喜ばなければいけないとわかってはいても、感情は複雑で、夫だけが社会で認められ置いていかれることの不安もある。
あなたが思う以上に、仕事と家庭は密接に関連をしている
人間が集まると感情の場をつくる。それは家庭でも職場でも同じ。
ポジティブになるグループがあると、その動きとバランスを取るようにネガティブなグループができる。
社長がプラス思考で前向きになりすぎると、そのスピードの出しすぎを抑えるかのように、マイナス思考の人間が出てくる。

急成長企業は創業四年もすると八割方マネジメントの問題に直面し、社員が病欠しがち、遅刻しがち、社員が居つかない、配送上の問題、品質の低下、モラルダウン、社員が社長の悪口を言い出す、などなど。
この時期は会社の第二創業期で、家業から企業への生まれ変わる契機。
お客様のクレームの質が変ってきており、怒りを受けた社員がその怒りを家庭に持ち帰り、自分に向けてしまう社員は病欠や退職をすることになる。
経営では、そこに集う人間が感情の場を形成してその動きを推し進めるため、社員や顧客の感情を大切にできるようソフト面のシステム化の必要がある。

働く場」自体を向上させていかないと問題が繰り返す。
能力がないからさっさとクビを切るという文化は、相手から奪うという文化でありそれは作らない方が良い。
これからの時代は、発想力を導く仏の経営が良いが、ただ優しさだけではだめで規律と厳しさも併せ持つべき。
子育てと同じで母親の愛という土台(相手を承認すること)の上に父親の規律(会社の憲法であるクレドを決めて繰り返し伝える)を持ってこないと、チーム体制の組み立てはできない。
クレドについては、自分の意見を言ってもらい価値観や行動様式を実際に応用するために、考える人間を作っていく。
会社で新しい試みを実行していくにあたって、反発が出た場合は、一対一で話し合う機会を持って、相手の怒っている理由に徹底的に耳を傾け、お互いにわだかまりを解消しておく必要がある。

 

  • user 内田
  • time 2022年10月22日
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レビュー『働き方5.0』

 

 

 

 

 

 

 

 

働き方5.0』 小学館新書 落合陽一

 

もはや、デジタル情報があふれ、人工物と自然物が垣根なく存在する環境が人間にとっての「新しい自然」です。
AIやロボットなどの進化もめざましいものがあります。
2017年頃からは、日本国内でもRPAがブームになりました。
ホワイトカラーの典型的なデスクワークをプログラムによって自動化して代行していくRPAは、工場で産業用ロボットがブルーカラーの仕事を代行するように、オフィスでホワイトカラーがやってきた仕事をこなしてくれますので、人間は努力の仕方を変えることを求められています
一方で、機械では代替されにくく、付加価値の高い能力を持つ人材もますます求められ、人材としての価値が高まっています。
AIやロボットが幅広い分野で進化し人間と共に働いていく時代イコール「働き方5.0」の時代は、人間がやるべきことの本質を考えこれからの世界を作るための考え方を提示する必要があります。
適切な課題設定を社会に創造するのが、機械に代替されない付加価値の高い人材=クリエイティブクラス の役割です。
シンギュラリティ(AIによる生活革命)と言えるほどの変化はまだ訪れていませんが、ウーバーイーツのようにシステムが人間の上司のように振る舞う場面は増えております。
そのような世界で、つぎの時代に向けてどんなことを学ぶべきか考えるのは本当に難しいことですが、「コンピュータには不得意で、人間がやるべきことは何か」を模索することが大事です。
いまの世界でホワイトカラーが担っている仕事は、ほとんどシステムが担うことになるかもしれませんが、システムになくて人間にある「モチベーション」に注目して、コンピュータを使いこなし「魔法をかけられる人」(システムを作る側)になれるかで大きな違いが生まれるでしょう。
いまでも多くの親は、我が子が「大企業の社員」になることを望んでいますし、学校教育も専門性を深めるよりも処理能力が高いジェネラリストを育てることを目指しているように思えます。しかし、いまの小中学生が将来「コンピュータに駆逐されない自立的な仕事」をできるようになるには、何でも水準以上にこなせるジェネラリストではなく、専門性を持つスペシャリストになることが必要です。
現代のリソースは脳の中だけにあります。もはや栄養のない情報だけでは満足できない世界になっており、自分にとって価値のある、美味しい肉や野菜のような情報を与え続けなければ、人々が満足しない世界になっています。誰にでも作り出せる情報の中には、価値のあるリソースはない。その人にしかわからない「暗黙知」や「専門知識にこそリソースとしての値打ちがあります。
  • user 内田
  • time 2022年10月8日
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