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レビュー『走ることについて語るときに僕の語ること』村上春樹
『走ることについて語るときに僕の語ること』 村上春樹 文春文庫
村上春樹さんがランニングをすることは知っていて、この本の存在も知っていましたが
今回初めてこの本をじっくり読んでみました。
.村上さんは1982年頃、『羊をめぐる冒険』を書きあげた後から本格的に走るように
なったそうです。専業小説家になった村上さんにとって最初に直面した問題が体力
の維持。
息長く小説を書き続けていくためには健全な肉体と免疫システムが必要とのことです。
村上さんは素晴らしい作品を世に送り出しておりますが、小説について多くを道路を
走ることから学んできたと書いていらっしゃいます。
どこまで自分を追い込んで厳しく追い込んでいけばよいのか、どれくらいの休養が
妥当なのか、どれくらい自分の能力を確信すればよいのか。
村上さんは小説家になったとき、長距離を走り始めていなかったら作品も違うもの
になっていなかったのではとも書いております。
毎年フルマラソンに出走し北海道サロマ湖の100kmマラソンも完走された村上さん。
次の言葉が印象に残りました。
「同じ十年でも、ぼんやりと生きる十年よりは、しっかりと目的を持って、生き生きと
生きる十年の方が当然のことながら遥かに好ましいし、走ることは確実にそれを
助けてくれると僕は考えている。」(本書123頁より)
- 内田
- 2016年1月23日
- 本
- 0
職業としての小説家
村上春樹さんの小説が好きで、学生時代からずっと読んでいるの
ですが、昨年9月に発刊された『職業としての小説家』という本
を興味深く読ませてもらいました。
私自身が大学で文学部に入学したのは確かに小説が好きだから
という面も影響しておりますが、だからといって自分に小説が書ける
のかというと、そう簡単には書けそうもありません。
この本を読むと、村上春樹さんがなぜあれだけの小説を書けるのか
何となく分かるのですが、一方で仕事として小説を書くことのとてつも
ない苦労も分かります。
自分の人生以外の人生を活字で想像力豊かに伝えてくれるのが小説。
もし私に小説を書ける機会があれば仕事でなく趣味で書いてみたいです。
- 内田
- 2016年1月16日
- 本
- 0
週刊エコノミスト記事
『週刊エコノミスト2016/1/12特大号』の記事はけっこう税理士の間でも
話題になっておりますね。
表紙の「これまでと同じ仕事では生き残れない」という言葉がまさに今の
会計事務所業界を表しているようです。
記事を読むと、報酬や広告の自由化、価格競争、中小企業の減少、等々
会計業界の事業環境が十数年かけて悪化、逆に税理士登録数は増加。
顧問先の経営悪化が、それがそのまま顧問料の下落や顧問先の減少
につながってしまうと書かれております。
税理士・会計士の仕事が食えなくなったような書かれ方もされていますが、
私は会計事務所のように色々な業種や世界が見られる面白い仕事は
他にないと思っております。
もし今仮にこの雑誌記事のように事業環境が悪化しているとしても、それは
今まで資格だけで食べられた時代が不自然なのであって、他の業界と同様
お客様に良いサービスを提供していくことが大切なのではないでしょうか。
- 内田
- 2016年1月9日
- 本
- 0
レビュー『赤城乳業のすごい仕事術』
『赤城乳業のすごい仕事術』 遠藤功・著 PHP出版
本の題名に惹かれてついつい購入してしまいました。
赤城乳業で最も有名な商品であるガリガリ君は4つの仕事術に支えられ
国民的アイスにより売れ続けているようです。
①あそぶ仕事術
2012年の大ヒット商品「ガリガリ君リッチコーンポタージュ」はうまい棒で人気の
味をアイスにしてみたらどうだろうかという遊び心から生まれたそうです。
1984年えび天アイス、1985年ラーメンアイスなど昔からあそび心を持って常に
あたらしいことに挑戦する社風があり、失敗に寛容な組織です。
②小ネタ戦術
2006年大雪の降る札幌で待ち行く人にアイスを配って大きく話題になりました。
こんな小ネタを年間100件以上仕掛けているのが赤城乳業であり、マンガ掲載
ゲーム共同開発、携帯ストラップ、文房具、入浴剤、カキ氷機、冷却シート、東京
ラーメンショーなども異業種とのコラボレーションも行っている。
③言える化発想術
垣根のないフラットな人間関係と雰囲気から、年齢肩書に関係なく現場に眠って
いる知恵を自由に言える組織となり、若手がリーダーに抜擢される。
5S委員会やPR委員会などで目の前の仕事だけでなく、会社をよくするための
委員会の仕事で言える化が実践される。
④みんなが伸びるチーム術
上司が常に社員の立場を考え、社員の目線からモチベーションが上がる組織
を目指し「下から目線」で仕組みを作るから自由闊達なチームができる。
ゆるいけどぬるくない組織なので、社員をプロとして扱い、挑戦・失敗には寛容
だが、手抜きや物真似は絶対に許さない。
- 内田
- 2015年11月7日
- 本
- 0
レビュー『あたりまえだけどなかなかできない 仕事のルール』
『あたりまえだけどなかなかできない 仕事のルール』 浜口直太 明日香出版社
仕事というものにもやはりルールがあると思うのですが、私が20代半ばで読みはじめ
一番参考になったのがこの本です。何十回も読み込み、今でもたまに見ることもあります。
私自身が参考になった文章を何カ所か書いてみます。
・「できません」「不可能です」「無理です」は禁句(12頁)
こんな発言をする社員さんが周りにいたら何だか情けないですよね。
伸びる人、成果を出す人は、まず何事にでもチャレンジします。
初めからできるとわかっていることをやっても力は付きません。
・絶えず会社への貢献度を考えて行動しよう(44頁)
会社において成果が出る出ないにかかわらず、会社に貢献できるよう一生懸命やっている
社員は誰からも見ても本当にかわいいものです。
絶えず冷静かつ客観的に自分が会社に貢献できる言動をとっているか自問自答しましょう。
・言われる前に自分から率先してやろう(114頁)
自分の仕事以外のことでも、何かできることはないか、常に考えて行動する。
これは会社のため、人のためのようであって実は自分のためになっております。
何事も率先してやることがまわりの評価になり、必ず自分の得になるのです。
・聞く前にまず自分で答えを出してみよう(174頁)
何でもまず人に答えを聞くのではなく、自分で考える癖をつければ、創造力や
問題解決力が飛躍的に伸びるでしょう。
自分なりの答えを見つけ自分なりの方法で実行することも、一人前の社会人と
して当たり前のことです。
- 内田
- 2015年9月26日
- 本
- 0
レビュー『これからは人財の時代』
『これからは人財の時代』 船井幸雄 ビジネス社
かなり前に出版された本なのですが、内容に興味があり読んでみました。
いくつか記憶に残った本書の内容を記載させていただきます。
●人財になるための意思決定の5条件
「納得できないことはやってはいけない」「良心に反することはやっていけない」「迷うことはやってはいけない」「不得意なこと、いやなことはやってはいけない」「成功の確信の少ないこと、自信のないことはやってはいけない」
●優秀なトップの10条件
「現場が好き」「意思決定が早い」「自己中心でない」「好き嫌いがない」「こだわらない」「責任感が強い」「差別しない」「ほめ、認め、受け入れる」「自慢や他人の批評をしない」「時間や約束を守る」
●日本人の3つの特性
「色々理解できて包み込める(東西文化もミクロもマクロも何でも受け入れられる体質)」「人財になれる素質(勤勉、搾取嫌い、敗者を大切に、性善説、謙虚、与え好き。)」「21世紀型(平準化、技術力、共生型、約束を守る。)」
●日本海軍の3つの精神
「五分前の精神(五分前には完全に準備を終わって待機の姿勢)」「出船の精神(いつでも完全にできるように備える)」「宜候の精神(官庁命令には分かりました)」
- 内田
- 2015年7月18日
- 本
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バブル廃墟
コンビニに売っていた雑誌でついつい読んでみました。
1986年から1991年まで続いたバブル景気。
日経平均も一時期38,957円まで上がったというから信じられません。
不動産価格も上がり続け、景気も良くなり続けると信じられた時代。
金利も7%を超え、そのような金利でも銀行借入れをして豪華な建築物を建てる。
結局、建築物は数年で採算が合わず閉鎖され、その廃墟の様子を載せているのがこの雑誌。
廃墟がなぜ建てられて、どのような経緯で廃墟になっていったのかという時代背景も書かれているのが興味深いです。
景気には波があるので、無茶な建築投資は気を付けなければいけないことを思い知らされます。
- 内田
- 2015年6月6日
- 本
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