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レビュー『「後回し」にしない技術』
『「後回し」にしない技術』文藝社 イ・ミンギュ
仕事でもプライベートでも、考えたことが実現できればどんなに良いことか。
それでも、人はなかなか行動できないもの。
そのような中、技術的に「すぐやる人」になっていくための方法を書いた著書。
人生でもっとも破壊的な単語は「あとで」である。
「切実に願い、生き生きとイメージしさえすれば、夢がかなう」といったプラスの自己暗示は、実際には思ったより効果が少なく、目標を達成するうえでかえって邪魔になることもある。
楽観的な考えを持つと、目標達成までの困難を予測して挫折してしまい、かえっと行動出来なくなる。
人生の成功を手にするには、目標達成した場面をイメージする「ゴールの視覚化」よりも、目標までのルートを正しくとらえる「プロセスの視覚化」の方が、ずっと重要なのだ。
つまらない事のせいで、大事な事をいつも先延ばしにしていないだろうか。
現時点から見れば、すべてのことが重要に感じられる。
しかし、目標の達成時期から逆算して、逆方向から現在の状況を見れば、選択の幅はずっと狭まる。
誘惑を振り切るのも簡単になり、目標と関係のない事を退けるのも容易になる。当然、ストレスも減る。
・どんな時も代替案を用意する
どんなに準備しても、突発的事態案はやってくる。実行に移したことを途中であきらめたり、人間関係やビジネスでトラブルが起こったりするのも、その大部分は事態に備えていなかったことに原因がある。成功した人たちは、自分の意見がいっぺんに受け入れられるとは期待しないし、想像もしない。一方、失敗した人たちは、自分の提案が受け入れられない場合も予測もできないことが多い。いや、断れられることが怖くて、想像すらしたくないことが多いのだ。偉大なリーダー程みな怖がりだ。予想される突発事態への対応策、プランBを立てよう。
・どうせやるなら素早く処理する
固く決心したことが、しばしば後回しになってしまうのは、あなたの心の中に「実行したくない」という強い動機が隠れているからだ。経営コンサルタントの本田健は、金持ちの生活習慣を研究するため、日本の国税庁の高額納税者名簿を手に入れ億万長者12,000人にインタビューとアンケートを実施したが、そこでの面白い特徴のひとつは高額所得者であればあるほど、アンケートの回答が早かったことだ。なぜか。それは彼らがどうせしなくてはならないことなら、早く処理する方が有利だという事実を、体験から知っているからだ。相手が自分が尊重されていると感じ信頼できる人だと判断する。自分にとってもメリット①素早く処理して頭の中から消し去れば最も重要なことを処理する速度が上がり、②後回しにした事は頭の中で忘れないように束縛してくることから自由になり、③信頼と好感を持たれてより豊かな人生を送ることができる。
・開始と終わりの「ふたつの締め切り」をつくりなさい
実行力に優れた人の心の中には、実は「ふたつの締め切り」がある。先延ばしの神に取りつかれそうになったら、「締め切りのお守り札」を2枚差し出そう。日常の小さな仕事にもふたつの締め切りを決めておこう。締め切りこそがあなたを緊張させ、これまでに蓄えておいたあらゆる情報と知識を検索し解決策を探させ、必死にさせる。やる気が出なかったり、強いプレッシャーを感じたりするときに使える最も効果的な戦略としては、ふたつのデッドラインからさらに「中間締め切り」を決めるといい。中間締め切りとは、最終目標を小さく分けて、終了デッドラインから逆算し、いくつかの段階の締め切りをつくることだ。締め切りを最大限に活用する3つの大原則①具体的な小さな締め切りを作り練習する②具体的な時間と場所の設定をはっきりと定義する③重要な仕事をするときは締め切りを公開しよう。
・見られていないと人は動かない(「観察の力」を利用する)
誰もいないと思って、決心を行動に移せないでいるなら、誰かの目を思い浮かべるとよい。想像の中の目は神の目からもしれないし、母親の目かもしれない。また、子どもの目かもしれない。自分の目かもしれない。体を鍛えたければ、週に1度ずつ時間を決めて、ブログやX、フェイスブックに変化の過程を書き込もう。ネットサーフィンを減らしたければ、パソコンのデスクトップに親の写真を使って、自分を監視させよう。ゲームをする時間を減らしたければ砂時計を横に置いて時間を決めよう。支出を減らしたければ家計簿を付け、怒る癖を直したければ、いつ、どこで、何回怒ったかを記録しよう。そして、その結果を図表にし、他の人に見えるように貼っておこう。決心を守りたければ、自分がちゃんと守れるか常に監視しよう。そして、その結果を誰かに知らせよう。あなたにとってもっとも重要な目は誰の目だろうか?その目を通じて変えたい、あなたの行動は何だろうか?
- 内田
- 2024年6月22日
- 本
- 0
レビュー『スティーブ・ジョブズⅡ』
『スティーブ・ジョブズⅡ』ウォルター・アイザックソン 講談社
iPhoneなど数多くの革命的な製品を開発販売しているApple社創業者-スティーブ・ジョブズの伝記、下巻。
上下巻のⅡは、ジョブズがApple社をクーデターで終われ、ネクスト社を創ったところからはじまる。
しかし、ネクスト社はとてつもなくつまづく。製造したパソコンは他のハードとの互換性が無くマイクロソフトに市場を席巻され、企業向けワークステーションを作るがサン社に完敗し、まさにジョブズにとって苦しい時期であった。
一方でジョブズがいなくなったApple社も見るも無残な姿に成り下がった。1980年台に16%あったPCシェアは1996年には4%に下がり、一時期70ドルあった株価は14ドルとなり、10億ドルの赤字を出した。サン社などにその時のCEOが会社売却を目論んだが失敗もした。
ジョブズの友人であるオラクル創業者ラリーエリソンはジョブズに30億ドルを出すからAppleのCEOに戻ってくれと頼んだが、ジョブズは敵対的買収はしたくなく、断った。
その後、ピクサーを立ち上げ「トイストーリー」シリーズまで作り上げたジョブズは再びApple社へ呼び戻されることになる。
- 内田
- 2024年6月15日
- 本
- 0
レビュー『大谷翔平~メジャー120年の歴史を変えた男』
『大谷翔平~メジャー120年の歴史を変えた男』 ジェフ・フレッチャー 徳間書店
アメリカのエンゼルス担当の記者さんの著作という事で、読んでみました。
さすがアメリカの記者さんということで、
エンゼルス前監督 ジョー・マドン
「翔平の本質は、野球そのものと試合を可能な限り楽しもうとする姿勢にある。負けたくない思いは誰よりも強い。同時に、謙虚で、礼儀正しく、優しい男だ。ある意味で古風な気質を備えているともいえよう。休養を取り払ったことが、翔平の大躍進につながった。あのような大成功が実現したのは、誰も横やりを入れて邪魔しなかったからだ。私がもっとも驚かされるのは、投手としての翔平の耐久力だ。打撃のほうでは大きな飛球を打ってくれると信じていたが、あれだけのイニングを投げてくれるとは思わなかった。」
・未来を引き寄せる夢ノート
大谷の母校-岩手県花巻東高校の監督、佐々木洋監督は、
- 内田
- 2024年6月8日
- 本
- 1
レビュー『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』
『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』 光文社 東野圭吾
- 内田
- 2024年6月1日
- 本
- 0
レビュー『クライアントが喜べば、士業は儲かる』
『クライアントが喜べば、士業は儲かる』古川晃 金風舎
- 内田
- 2024年5月25日
- 本
- 1
レビュー『数値化の鬼』
『数値化の鬼』 安藤広大 ダイヤモンド社
「仕事ができる人(評価者からの評価を得られる人)」「急成長する人」には、ある共通点があります。それは、物事を「数字で考えられる」ということです。足りない部分を数字で認識して、正しく埋めようとする、つまり「数値化」の思考がものをいう。数字に向き合わずに成長できる人は、誰一人としていません。数値化はお互いの誤解をなくしてくれるものです。
ステップ1「行動量を増やす」(数をこなすことから始める)
ホームランを打ちたければ誰よりも多くバットを振る回数を増やすしかありません。上司は、行動すべき事を分解して何が「P(目標)」で、何が「D(行動)」なのかを伝えられると、部下は動けます。
心理的な問題で行動量が減ってしまうのには3つの理由があります。①何をすればいいかが明確ではない②失敗したくない。③上司やリーダーの言う事が納得できない。
総務や製造など数値化が全てではないような職種でも例えば次のような数字で測れる部分を見つけて、できるだけ数値化しましょう。「ミスの回数は何回だったか」「業務改善数は何回あったか」「期限遵守率は何%だったか」
ステップ2「確率のワナに気をつける」(あなたの動きを止めるもの)
年齢が上がるにつれて部下から失敗している事を見られたくない気持ちが強くなり、行動量でなく成功確率だけにフォーカスする「働かないおじさん」にならないようにしましょう。メンバー全員が成長を目指し、働かないおじさんを1人でも生み出さないためには「マイナス評価」を取り入れて給料にも反映させる事です。ゼロという評価は無く、マイナス評価をつけて「このままではマズい」ことを認識してもらいます。その人の人格や人間性がマイナスなわけではありません。この先の成長を信じているからこそマイナス評価を与えられます。マイナスの人の給料を下げる分、貢献してくれた人にはプラスの給料を与える事ができ、組織として健全です。
ステップ3「変数を見つける」(やるべきこと、やらなくていいこと)
見極め、変えられることを変えようと努力し、変えられないことは早々に見切りをつけること。仕事において最も重要な能力。
例えば、店舗スタッフとして「1ヶ月で100万円を売り上げる」という目標があるとします。結果80万円だったとします。
ここで売上が足りなかった理由はいくつも考えられるはずです。「1ヶ月のうち10日も雨が降った」「アルバイトの学生が2人も辞めてしまった」「新商品が期待ほど売れなかった」「リピーターが獲得できなかった」
これらの理由のうち、まずは変えられないこと(定数)」を考えます。「雨が降ること」はどうしようもありません。またアルバイトが辞めたことと新商品が売れなかった事は要望クレームに対処するなどある程度の改善は必要かもしれません。ただそれは不確定要素もあるため、「リピーターの獲得」を変数に設定しましょう。
そのために「顔と名前を覚えて口にして接客する」「ポイントカードの回収率を割り出す」「新商品説明により次回来店で試してもらえる確率を上げる」という変数への対処を進めます。
ステップ4「真の変数に絞る」(過去の成功を捨て続ける)
やる事を10個あげた後に、その中で上位の3つを「今すぐやるべきこと」とし、残りの7つを「やらないこと」にします。そうすることによって、最重要事項に集中できます。変数を減らす方法は2つ、1つ目が「他に変数がないかを考え、前例を手放すこと」。2つ目が上司から「それは変数でない、と指示をすること」。
成果を出せなかったとしたら変数を見直さないといけません。目標を達成している場合も、現状維持を許さず、つねに成長させる機会を与えます。つねに危機意識を持たせ、「変数を見直さざる得ない」という環境を作り出します。数値化によって意識を上げてもらう事が心理的安全性を生み出します。
ステップ5「長い期間から逆算する」(遠くの自分から逆算する)
ビジネスでは、短期的に損をしているように見えても、長期的にトクをすることがよく起こります。短期的な決断でもつねに「5年後、10年後はどうなっていくだろう」ということをセットで考えましょう。5年後になっているべき姿になるため、まず1年後にどんな目標があり、この1週間に何をやるべきで、今日1日はどう過ごすべきなのか。最後の姿のために逆算が必要です。
目の前の部下が成果が出なくて落ち込んでいるとき、つい数字の話を横に置いて優しい言葉だけを掛けてしまうのが人間でしょう。しかし、そこで上司は「リーダーの仮面」を被り、部下は「数値化の鬼」として振る舞えた時こそ、彼らは成長できるのです。
- 内田
- 2024年3月9日
- 本
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レビュー『スティーブ・ジョブズⅠ』
『スティーブ・ジョブズⅠ』ウォルター・アイザックソン 講談社
iPhoneなど数多くの革命的な製品を開発販売しているApple社創業者-スティーブ・ジョブズの伝記。
上下巻のIは、子ども時代からトイストーリー(ピクサー)まで。
ジョブズはパソコン・アニメーション映画・音楽・電話・タブレット・デジタルパブリッシング・小売という7つの分野で革命を起こした。
ジョブズは自分が養子だと小さい頃から知っていて傷となり残っている。近い友人は言う。「なにかを作る時、すべてをコントロールしようとするのは彼の個性そのもので、それは生まれた時に捨てられたという事実からくるものだと思う。」
Apple社の共同創業者ウォズニアックとはハイスクールの時に、シリコンバレーでのイベントで出会った。音楽の趣味もあい、違法であるがブルーボックスという無料電話をダイオードとトランジスタを自分達で作ってしまい、いたずらでローマ法王に電話を掛けたりもした。
ジョブズはリード大学に入学した頃から禅宗を中心とした東洋思想に傾倒した。友人の家の天井裏に瞑想室を作り、インドの絵に絨毯、ろうそく、お香、坐禅に使う座布団などを持ち込んだ。この時の友人の証言「ジョブズは禅と深くかかわり、大きな影響を受けました。ぎりぎりまでそぎ落としてミニマリスト的な美を追求するのも、厳しく絞り込んでゆく集中力も、皆、禅からくるものです。」
大学では面白そうな授業だけ出席した。その一つがカリグラフィー(美しい書体)だった。ジョブズはいつもユーザーにやさしいGUIを大事にするが、それはカリグラフィーにやるものだった。「リード大学時代にあの授業を取らなければ、マックに複数種類のフォントが搭載されることも無かった。」
スティーブ・ウォズニアックと創業したApple社が発売したアップルIIはその後16年間で600万台も販売され、パーソナルコンピュータ産業を興した立役者でたる。感動的な回路基盤とそれを動かすソフトウェアは、個人の手によるものとして20世紀有数の発明だが、この歴史的偉業はウォズニアックの業績である。しかし、ウォズニアックのボードをクールなケースと組み合わせ、フレンドリーなパッケージにまとめたのはジョブズである。
そして、ジョブズはここからゼロックスの技術も取り入れ、アイコンを押すGUIやマウスを発明した、本当に凄いことだ。
ジョブズにはスタートレックに出てくる現実歪曲フィールドがある。周りの人間は言う。「ジョブズの現実歪曲フィールドにとらえられるのは危険なのですが、でも、あの力があるから実際に現実を変えられるのです。」「カリスマ的な物言い、不屈な意志、目的ならどのような事実でもねじ曲げれる熱意が複雑に絡みあったもの。」「他人の弱点をピンポイントではあくできるのがすごいところ、どうすればかなわないと思わせられるのか、どうすれば相手がすくむのかがわかってしまうのです。」
- 内田
- 2024年2月24日
- 本
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