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レビュー『How Google Works~私たちの働き方とマネジメント~』2/3
『How Google Works~私たちの働き方とマネジメント~』 日経ビジネス人文庫 エリック・シュミット
あのGoogleの元CEO エリック・シュミットの著作という事で興味深く読みました。(3回に分けての投稿の2回目)
●人材(採用は一番大切な仕事)
・一般的に組織内での地位が上がるほど、幹部は採用プロセスから遠ざかる傾向があるが、本来はその逆であるべきだ。グーグラーは最高の人材を確実に採用するために最大限の時間と労力をかける。
・問題は、きちんと採用をするには多大な労力と時間がかかることだ。だがこれほど価値のある投資はない。
・グーグルは充実した福利厚生で有名だが、スマートクリエイティブが集まってくるのはそのためではなく、最高のスマートクリエイティブと一緒に働きたいからだ。
・面接をするときの私たちの哲学は「ムダ話をさせるな」ではない。むしろ、求職者が興味のあるテーマについては、ムダ話を奨励したいと思っている。自分の情熱があることについて話していると無防備になりやすいので、人となりをつかみやすくなる。
・自分より優秀な人間を採用せよ、という格言があるがどれだけ実効できているだろうか。縁故採用はしない。地頭力(問題解決のために自分の知識や情報を加工する能力)が大切であり、目の前の問題を通して学習をし続けるラーニングアニマルをグーグルは求めている。
・面接の目的は、応募者とあたりさわりのない会話をすることではなく、相手の限界を確かめること。質問は間口の広い、複雑なものにし正解が一つでないので相手のものの考え方や議論の組み立て方がみられる。
・プロダクトと企業価値に付加価値をもたらしそうな人物を採用せよ。仕事を最後まで成し遂げる人物、熱意があって自発的、周りと協力できる人物を採用せよ。
●意思決定(「コンセンサスの本当の意味」)
・正しい意思決定のあり方を考えるうえでまず理解すべきは、正しい選択をすることだけに集中してはならず、判断に到達するプロセス、タイミング、判断を実行に移す方法も同様に重要である。
・会議の出席者全員の意見を聞き、票を投じさせることに重要な意味があり、幹部全員がそれぞれの見解にかかわらず、最終的な決定のもとに結束し、それを支持しなければならない。
・Googleが中国から撤退するという重要な意思決定の際にも、経営者と対策チームは何が起きたかを詳細に解説し、さらに経営陣が今回の決定を下した経緯を詳細に説明した。
・Googleでさまざまな選択肢や見解について議論する会議ではまずデータを見る所からはじめ、全員が同じ事実を共有できるようにするため、スライド枚数は減らしデータ量を増やす。データを最もよく理解しているのはその問題の担当者であるため、リーダーは自分に理解できない細部にとらわれず、優秀な部下がそれを理解していると信じる。
・コンセンサスとは全員にイエスと言わせることではなく、会社にとって最適解を共に考えその下に結集することであるため、オープンな雰囲気の下で出席者が自分の意見や反対意見を述べることが不可欠である。
・データを使うと誰かを個人攻撃することにならないため、全員を議論に参加させやすくなる。参加者のうち、とくに静かな人に注意を払おう。発言していない人を指名しよう。どちらも正しいと伝え、意見が通らなかった人に、その主張にも傾聴すべき要素があったと伝えよう。
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内田
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2022年7月16日
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本
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レビュー『How Google Works~私たちの働き方とマネジメント~』1/3
『How Google Works~私たちの働き方とマネジメント~』 日経ビジネス人文庫 エリック・シュミット
あのGoogleの元CEO エリック・シュミットの著作という事で興味深く読みました。
●文化(自分たちのスローガンを感じる)
・Googleの変わらぬ理念に「ユーザーに焦点を絞る」があり、経営者は率直なコミュニケーションで繰り返し社員と共有しよう。
・ほかにも「長期目標に集中する」「邪悪にならない」「世界をより良い場所にする」などのフレーズが、いまも会社のあり方をよく言い表している。
・スマートクリエイティブ(Googleがいう高度な専門知識を持ち多彩で創造力やコミュニケーションに長けた人物のこと)はお互いの交流の中で真価を発揮するため、彼らを狭い場所に詰め込むことで、創造性のマグマが沸き上がる。
・あなたがマネージャーなら働くことをいきいきと充実したものする責任があり、全員に徹底して休みも取らせよう。
・成長企業にはカオスが蔓延するため「イエスの文化」すなわちなるべく頻繁にイエスということで物事が動き出す。
・イベント的なものより、同僚と一緒に笑ったりジョークを言いあったりともに働く楽しさが広がるよう、懐の深い環境を作り「許されること」の境界をできるだけ広くしておくことが大切。
・リーダーシップには自ら動く情熱が欠かせない。シリコンバレーではこういう話をよく聞く。玄関前に配達された新聞を、毎朝自分で取ってくるCEO。机を拭いてまわる創業者。リーダーはこうした行動を通じて、平等主義の精神を身をもって示す。
●戦略(あなたの計画は間違っている)
・Googleには事業計画を文書化する必要性がなく、新しい人材を採用し同じ方向に進ませるためには、事業計画の基礎を明文化するだけでよい。
・組み合わせ型イノベーションを起こすために、社内のオタクを探し彼らの手がけるおもしろいモノを見つけよう。そして、小さな問題の解決策に注目し、その適用範囲を広げる方法を考えよう。
・成長を最優先せよ。インターネットの世紀に大きな成功をつかむリーダとは、プラットフォームを生み出し、一気に成長させる方法を知っている人物だ。例えばアマゾンは金融アナリストにいくら収益性の低さを批判されても、ひたすら成長に注力した。
・一つの勝ちパターンとして特化すべき対象を見つける戦略がある。グーグルは1990年代末、検索プラットフォームを拡大するため、たった一つのことに集中した。最高の検索サービスの実現である。
・ラリーペイジが言うように「同じようなことをしている他社を負かすだけでは、仕事としてちっとも面白くないじゃないか」。ライバルの動向へのこだわりは凡庸さへの悪循環につながる。ニーチェも『ツァラトゥストラはこう語った』に書いている、「あなたの敵を誇りに思え。そうすれば敵の成功はあなたの成功にもなる。」ライバルを誇りに思おう、ただ、追随はしないこと。
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内田
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2022年6月30日
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本
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レビュー『お金の大学』
『本当の自由を手に入れる~お金の大学』 両@リベ大学長 朝日新聞出版
YouTubeでも有名な両学長の書籍です。
YouTubeでもけっこう見て勉強なりましたが、書籍もなかなか良かったです。
・今日が人生でいちばん若い日
お金の不安がない自由な生活を手に入れるために、学びの一歩を踏み出しましょう。
私はモルディブの大富豪にお金の増やし方を教わったことをきっかけに、働かなくても入ってくるお金で生活ができる状態(経済的自由)を達成しました。
「お金なくして自由なし」これが、資本主義社会のリアルです。
「お金にまつわる5つの力」をバランスよく育てれば、「平均的な人」でも必ず、今より一歩ずつ、自由な生活に近づいていきます。
・5つの力
①貯める-支出を減らして貯蓄を増やそう
②稼ぐ-稼げを増やして蓄財ペースを上げよう
③増やす-貯蓄を投資にまわして資産運用しよう
④守る-形成した資産を守ろう
⑤使う-人生をかにすることに使おう
・経済的に自由になるための基本
経済的自由を目指すという事は、「生活費を減らす」「資産所得を増やす」という2つに取り組んでいくこと。
5つの力があれば、家計が健全にまわり豊かに暮らせます。
固定費の削減、節税で生活の満足度を下げずに支出を減らすことができます。(貯める)
どんな状況でも給与や事業で十分な収入を得る力が得られます。(稼ぐ)
投資で資産を増やすことができます。(増やす)
詐欺やぼったくりを回避したり節税=資産にかかる税金を減らす して資産を守ります。(守る)
人生の満足度が高まることにお金を使うこと(使う)
・税金や家について
サラリーマンも節税しよう:控除が大切。確定申告をして、ふるさと納税・医療費控除・扶養控除などを使いこなそう。
控除以外で節税しよう:副業をはじめて3つの節税をしよう。経費を使い、青色申告特別控除として、社会保険料の負担も減らそう。
家のリセールバリューを考えよう:リセールバリューが高い家を買えるなら賃貸よりもよい。
賃貸に安く賢く住もう:リセールバリューの高い家を買う自信がなければ、金銭的なリスクを負わない賃貸住むべき。
・固定費を減らす方法
通信費:毎月のスマホ代を安くするために、SIMに変えよう(月額約5,000円の節約)
光熱費:2016年4月から電力自由化となったので電力会社を乗り換えよう(年間1~3万円の節約)
保険:起きる可能性が低いが発生したら損失が大きい部分のみに徹しよう(生涯で数百万円の節約)
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内田
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2022年6月18日
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本
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レビュー『豆の上で眠る』
『豆の上で眠る』湊かなえ 新潮文庫
イヤミスの女王といわれる湊かなえさんの作品で、新卒の事務所スタッフさんに薦められて読んでみました。
「~衝撃の姉妹ミステリー~幼い頃に誘拐され二年後に帰還した姉ー妹だけが感じる違和感」
というキャッチコピーでしたが、主人公の妹と姉の心模様の描き方がさすが湊かなえさんという内容で、
田舎町の何気ない風景がありありと描かれておりました。
題名の「豆の上で眠る」自体がいったいどのような意味なのだろうかと感じる所ですが、
こちらは19世紀にデンマークの童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンが発表した、いわゆる「アンデルセン童話」のひとつ『えんどうまめの上にねたおひめさま』がモチーフになっているからです。
このアンデルセン童話が、主人公-安西結衣子にとって、2歳上の姉である万佑子との思い出と結びついた、特別な一編となっています。
最終章で明らかにされる真相はあまりにも強烈で、代表作『告白』にも見られるような、いま見えている世界がガラガラと崩れ落ちるような、絶望的な墜落感を読者に感じさせるところが、さすが湊かなえ作品という所です。
そして最終ページの最後の文章「本ものって、何ですか―。」という言葉に対して、読者は答えに窮することになります。
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内田
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2022年6月4日
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本
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レビュー『20代にとって大切な17のこと』
『20代にとって大切な17のこと』 本田健 きずな出版
『ユダヤ人大富豪の教え』『きっと、よくなる!』などの著作で有名な作家さんの昨年発刊された書籍。
2022年4月新入所員の方の内定式や入所式の日の研修で扱ったお話は、この本から取り扱わせて頂きました。
気になった章から抜粋をしてみます。
●新しい変化を歓迎する(1章)
コロナ禍など、いまのような激動の時代には、とにかく「生き抜く」ということを決めないと命さえ危険になることもあり、まずはそれを覚悟することが大切です。
人生では変化をすることでしか、自分のことがわかりません。そのために、「変化」つまり体験が必要なのです。
安定すればするほど、人生はつまらなくなってしまいます。あなたが自分では変化したくないと思っても、時代が大きな変化を促しています。
20代で自分の人生の変化を楽しむ習慣ができれば、これからの長い人生も楽しんで生きることができます。
●「人間関係が幸せのカギ」と知る(5章)
人間関係は日々の小さな信頼の積み重ね、挨拶、お礼、お願い、お詫びを丁寧にする習慣があれば、それだけで人間関係はよくなっていきます。
幸せのカギは人間関係にある、というのはどんな人とつきあうかで人生は決まってしまうからです。つきあう人が誠実で思いやりがあるのか、嘘つきで自己中心的なのかでは、人生は全然違ってきます。
仕事関係の人が幸せで楽しい人なのか、意地悪で文句ばかり言う人なのかでは、人生の楽しさに雲泥の差があります。仕事場での人間関係が良く居心地がよければ、なかなか人は辞めません。
●お金とちゃんと向き合う(9章)
あなたにとって、お金とは何ですか?「もっとお金が欲しい」と考える人は多いと思いますが、この問いにしっかり答えられる人は少ないと思います。
お金はあくまで手段です。お金は果たして、悪魔なのか、神様なのか。あるいは、ただ中立のものとして、人生の可能性を広げてくれるような存在なのか、考えてみましょう。
お金のことをもっと知りたければ、お金のIQ(お金の実務面での知識=会計や税務、ビジネス、法律、投資)やお金のEQ(お金の感情的な知能=お金のいかに健康的につきあうか)を高めましょう。
お金を稼ぐのも使うのも、感謝を持って、それができることが大事です。
●小さなことに心をこめる(11章)
アメリカの心理学者で哲学者でもあったウィリアム・ジェームズの言葉に「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる」という言葉あります。どんな小さなこと(言葉、挨拶、手紙など)にも心をこめれば運命が変わります。
人生は、好きなことがたくさんあると、その楽しさがだいぶ違ってきます。自分が小さい頃のことも振り返って、何が好きだったか、どんなことが楽しかったかを思い出しましょう。そして、それを我慢するのではなく、自分の生活、日常に「好きなこと」を増やしていきましょう。
●ダメダメな自分を受け入れる(15章)
なぜ自分はダメな人間だと考えてしまうのでしょうか。それは人はグループに属していたいと考えその輪からはみ出さないようにするため、また、あなたの理想が不当に高いからです。
あなたの周りを見まわして完璧な人間などいますでしょうか。それどころかすごい人ほど、全然できないところもあったりします。
お互いがダメなところを認め合い、許し合い、フォローしあうのが、チームの良さだと思います。それでいて、できるところを伸ばし合えたら最高ですね。
そのためには、自分の間違いや弱さを認められる強さが必要です。
●人生の目的を考えはじめる(17章)
人間は自分の人生に意味を見出したいものなのです。そこが、他の動物と違う部分でもあるでしょう。
「人生の目的」は一生懸命探し求めて見つかるというものではありません、感じるものです。なにげない日常の中で、ふとしたときに「ああ、自分はこのために生まれてきたのか」とわかるのです。
すぐに答えが見つからなくても、「人生の目的」は、これからの一生のテーマとして意識しておくといいと思います。
人生の目的は一人でいる時よりも、だれかと一緒にいる時の方が見つかりやすいかもしれません。「あなたのおかげでうまくいったよ」「感謝しているよ」、そんな予想外の感謝の言葉から、それが人生の目的とわかることもあります。
人生の目的とは自分にとっての幸せを見つけることです、20代という絶好のタイミングで、その一歩を踏み出してください。
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内田
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2022年5月28日
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本
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レビュー『障害のある子が「親なき後」も幸せに暮らせる本』
『障害のある子が「親なき後」も幸せに暮らせる本』鹿内幸四朗 大和出版
わが子が障害があって生まれた時に考えておくとよいこと。
・子には500万円以上のお金を持たせない。
・子を不動産の名義人にしない。
・夫が死んだら財産を妻がコントロールできるようにする。
・必要資金をのこす。
「親権=親が成年に達しない子どもに対してもつ権利」は成年(20歳or18歳)を過ぎ、事理弁識能力がないと判断されると、親は「子どもの財産を親の采配で子どもに使う権利」を失ってしまう。
だから、親は子どもが成人なる前に、対策を打つ必要があります。
三種の神器(通帳、マイナンバーカード、印鑑登録証明書)は作っておくべき。
・子ども名義の通帳を2~3冊作り、ひとつは子どもが施設に入る時に求められる決済用通帳(作業施設給料、障害年金振込)、他は親や祖父母から渡すお金の振込用としましょう。
・障がい者の身分証明は、療育手帳や侵害障害者手帳が一般的ですがそれだと身分証明時に不快な経験をする場合もあるので、マイナンバーカードを作っておくとよいでしょう。
・15歳以上ならば未成年でも作成可能なので、将来のために引っ越し予定がなくなった時点で作るとよいでしょう。
・成人前にやっておきたい夫婦で作る財産管理
法定の成年後見は報酬もかかり、一度始めたら基本的にはやめられず、法定後見人には当たりとはずれがあることが大きな欠点。この成年後見制度では財産管理が家族から後見人に移り、親といえども、後見人の関与なしには、本人の財産を1円たりとも使うことができない。
そこで、夫婦がそれぞれ子どもの代理人となって、「たすき掛け」のようにて、任意後見契約を結ぶ「親心後見」を結び登記をした。
・夫なきあと妻と子の生活を守る遺言の作り方
夫なきあとに備えて妻のライフランを見直す。その時の妻のおもな収入源のひとつは夫の遺族年金。遺族年金と現在の貯金を合わせても生活費が不足する場合、生命保険(信託)で補う。
まずは若いうちに「とりあえず遺言(公正証書遺言)」を妻に一切の財産がいくように作成しておきましょう。その時に、後見人や後見監督人が遺留分の請求をしないように付言事項を添えます。また、自分が亡くなった時に想定していた相続人(妻)がすでに亡くなっている場合のことも予備的遺言として記しておきましょう。
・妻が元気なうちに準備したい家族への最後の贈りもの
身体が不自由になったときのための「財産管理等委任契約」
認知症になったときのための「任意後見契約」
延命治療の判断を子どもに決めさせないための「尊厳死宣言」
葬儀などを事前に指示する「死後事務委任契約」
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内田
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2022年4月30日
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本
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レビュー『天才IT大臣 オードリー・タンが初めて明かす問題解決の4ステップと15キーワード』
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内田
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2022年4月16日
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