Latest Posts
【本】レビュー『経営のこころ』
『経営のこころ 会社を伸ばすリーダーシップ』 稲盛和夫 稲森ライブラリー
「高邁なビジョンを共有し、多くの社員がこうありたいと強く思う集団には、夢の実現に向けてどのような障害も乗り越えていこうという強いパワーが生まれてくる。同時に、障害を乗り越えるための創意工夫が生まれ、新しい技術開発にもつながるのである。」
私(稲盛和夫さん)は創業間もない頃から、京セラという企業のビジョン、すなわち目指すべき目標について、日々社内で説いていました。すると、はじめは半信半疑だった社員たちも、いつしか私の掲げた夢を信じるようになってきました。企業に集う人々が「こうありたい」という共通の夢、願望を持っているかどうかでその企業の勢い、いわば成長力はまったく違ってくるのです。
「世界一になった企業には、どの分野でも必ず素晴らしい考え方を持ったリーダーがいる。そしてその素晴らしい考え方を共有する集団が、それ相応の企業文化、社風をつくり上げているから、世界一という目標に行き着くことができたのだ。」
私(稲盛和夫さん)は27歳の時、何も知らない中で皆を集めてままごとみたいに京セラという会社を始め、セラミックスでは世界一の会社にしたいと目標を置きました。どこに行きたいのかを明確にし、行きたいところに合うような哲学、つまり、行きたいところに行けるような考え方をまず確立しなければならないと思います。
「実力主義は 将功成りて万骨枯る(いっしょうこうなりてばんこくかる)というようなものではない。実力主義にも課題はあるが、説明と説得によって弊害は防ぎ得る。実力主義によって選ばれた人たちが活躍することで、会社に益がもたらされ、会社が立派になっていくのである。」
私(稲盛和夫さん)は成果主義はとりません、成果主義でうまくいったことがないと断言します。(。「人の内面(プロセスや能力)」を見るか「出た数字(結果)」を見るか)。確かに実力主義にも課題はあるけれども社内の皆への説明の説得によって、その弊害というのは防ぎうると考えています。年功序列だけで「俺が、俺が」というのではなく、本当に力のある人に会社を引っ張ってもらおうではないかと、そういう考え方に徹してほしいのです。
「本当に心血を注いで従業員を見ているか。言動を見聞きするなかで、全部見抜いていって、最終的な評価をしているか。ルールに従って、ではなく、どこまで見ているか、が結局は、人を評価する決め手になる。」
人を評価することは本当に難しい。どうすればみんなにやる気を起こさせ、どうすれば評価がうまくいくのかというのは、企業の永遠の課題です。結局は社長が組織の中に入っていって、会合なんかにもすべて出て行って、何百人という人を心血を注いで見ていかなければならないのです。成果主義で、ルールで頭を叩いたって頑張れるものではありません。会議などでいろんな意見を言い合い、コンパで一緒に飲み、従業員の言動を見聞きする中で「こいつはしっかりしているな」「こいつはチャランポランやな」「会議ではいっぱしのことを言うが人間としてはダメだな」とか、そうしたことを全部見抜いていって、最終的な評価になっていくのです。
「スタートに戻れ。原点、原理原則に戻って、単純なことをベースにして考えていくのだ。いちばん偉い人は、難しい現象を単純に考えることが出来る人だ。」
経営をするにあたっていちばん大事なことは、自分自身の考え方にしっかりしたものを持っていることです。私(稲盛和夫さん)はそれを「原理原則を貫く経営」と言っています。どんなテクニック、どんな経営手腕より、人間性が大事だという事を説いてきたのです。
「必要に応じて組織を分割し、それぞれが独立した中小企業のようなかたちにして、各組織の経営をそのリーダーに任せることで、経営者としての意識を持つようになる。」
組織を必要に氏てアメーバに分割して、それぞれが独立した中小企業のようなかたちにする。そして、各アメーバの経営をアメーバリーダーに任せることで、普通の能力しかなかった社員でも、経営者としての意識を持つようになるのではないかと考えたわけです。その結果、私がかねてから願っていた経営責任を共に負ってくれる仲間、いわゆる共同経営者が次々と育っていくだろうと考えたわけです。
-
内田
-
2026年7月25日
-
本
-
0
【本】レビュー『質問力』
『質問力』齋藤孝 ちくま文庫
仕事やコミュニケーションで役に立つ、昔に何度も読んだ書籍。
日常のすべての対話が質問力を鍛えるチャンスです。コミュニケーションの基本は一対一つまり2人の対話だから、これを徹底的に習熟することで、3人でも5人でも対応できる形になっていきます。まずは2人の対話を深めるのが先決だ。
「具体的かつ本質的な質問」を意識することが大切です。座標軸で見ていくとわかりやすいです。
「抽象的かつ本質的な質問」たとえば右下の「あなたにとって生きるとはどういうことですか?」と聞かれて「愛」と答えるような不毛に近い対話であり、確かに問いは本質的だが、聞き方があまりに抽象的なので答えも抽象的にならざるを得ない。
本質的であることと抽象的であることは一見似ているから、そのゾーンに質問が固まりがちになる。大事な事や真面目なことを聞こうとすると漠然としてしまうのだ。
左上の「具体的かつ非本質的」な質問のゾーンも宜しくないです。たとえば専門性の高い知識を相手に、専門的な事柄を聞かず相手の星座を聞いたり、「普段何をしていますか?」という些末なことを聞いてしまうことでありますが、それを「具体的かつ本質的な質問」に変えていく必要があります。自分でも色々考えて調べながら、こちらの座標軸を技化していくことが非常に重要です。一回見ただけではあまり効果がないですが、いつも自分の質問を座標軸にあてはめてチェックする習慣をつけておくと、質問を発するときに座標軸が自然に頭の中に浮かんでくるようになります。そのようにしていくと「今は右下をやってしまった」、もっと具体的なことを聞かなければ」というような修正機能が動くにようになります。
「うなずき」と「あいづち」の技も大切です。人と対話するとき、相手に沿った話をしないと乗ってきません。しかし沿っているだけでは話は発展しません。沿うことを前提としたうえで、角度を付けて少しずらしていくのが私が経験的に得たコミュニケーションのコツである。対話において、相手に「沿う」とは、身体レベルで言うと「うなずく」に当たります。うなづきがしっかりできていると、沿ってもらっていると感じるので話す側が勇気づけられます。
これを言語レベルで言うとあいづちに当たります。「なるほど」とか「そうですね」とかあいづちを入れると、相手が話しやすくなりうなずくのと同じ効果がある。
相手が途中で気分を害してしまうと話が続かなくしまうが、取り合えずあいづちを打っておくことで、本当は相手の話に完全な理解や同意をしていなくても相手の話を引き出して聞くことができます。これが「質問力」の前提になる作業となります。質問はクリアな言葉で行わなければいけませんが、身体のレベルで沿う構えばないと、質問がそっけなくなってしまいます。うなづくかあいづちを打つ、あるいはあいづちに近いですが、相手の言葉をオウム返しに繰り返す技もあります。こちらは場を流して次の言葉を引き出すのに効果的です。相手の言葉を確認するように繰り返して言ってあげると、相手は話を続けやすいものです。
メモを取ること。話を聞いているだけだと前にあった言葉を引用しながら、もう一度現在の話に組み込んでいくのは難しいですが、メモを取る習慣がついていますと、手で書いて、目で見て、さらに文字として残っているので、それを見ながら発送することができて対話の織物が仕上がりやすくなります。
-
内田
-
2026年7月11日
-
本
-
0



