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レビュー『覚悟の論理』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

覚悟の論理』石丸伸二 ディスカヴァー

前・安芸高田市長、2024年7月の東京都知事選に出馬した石丸伸二さんの、選挙前に発刊された著書。

私(石丸さん)は安芸高田市を何とかしたい、自分のなりたい政治家像は「良いことは良い、悪いことは悪いをちゃんと貫けること。市長選では勝機のある戦略とともに覚悟を決め勝つ事ができました
自分の願いを叶えていくために必要なもの、それは「感情に支配されない理性」です。
覚悟を決め「こうなりたい」という目標が決まったら、そこからは徹底的にロジカルに考え、(時間や使えるお金、体力などの条件下で)何をやるか、やらないか、優先順位をつけていく
この優先順位が明確であればあるほど、目標を達成できる可能性が高まります。

本当ならば大人の役割とは子どもたちの手本になることです。
そこまでいかなくても、せめて一緒に問題解決に取り組んでいきたいし、最悪でも子どもたちの邪魔だけはしてはいけない。
「恥を知れ」という発言、議会の場で居眠りをしている議員がいること、ちゃんと仕事をするべきだということを市民に対して知らしめるべきだと思い、発しました。

2005年までの平成の大合併をして15年間特別なお小遣いをもらった安芸高田市をはじめ、人口減高齢化で財政維持ができなくなり消滅する可能性があります
人口戦略会議・地方自治体「持続可能性レポートでは全国1729自治体中744が消滅可能性
入ってくるお金を増やすのは基本的に無理全体最適を考えながら事業や建物を減らし歳出を減らしていくしかありません。
少しでもふるさと納税やYoutubeで収入を増やし、財政難の状況を市民に伝えてきました。

安芸高田市では2015年時点で公共施設の30%以上を削減しなければ厳しい事がわかり5年以内に取り組めるものは削減すると言っていましたが、5年後2020年時にはほぼ進んでおりませんでした。
理由は住民に反対されるからですが、嫌われ役をやる覚悟がなければ、この問題の解決には着手できません
自分のまちが20年後どうなるのか。自分たちのまちの政治家は、こうした問題に正しく対処しているのか。現実を知り、選択することが住民一人ひとりに求められています

安芸高田市を、世界で一番住みたいと思えるまちへ」という私がよく使う言葉。この内容について質問を受けましたがあえて説明はせず、まずは皆さんに考えてほしいと思って説明をしません。
住みたい」であって住みやすいではありません。快適さや便利さを求められば、多くの人は都会に向かいます。そうではない価値観を重視したい。
そして「と思える」という部分が一番重要で、住みたい理由は住民の数だけ存在し、SNSのいいねの仕組みのように、主観的な評価を客観的に捉えていけばそこに経済的な価値が生まれます
「この町に住みたいと思える理由」を分かち合うことは、市民としての意識や市に対する誇りの醸成につながります。
安芸高田市でも毛利元就・神楽・サンフレッチェ広島という熱中できる「地域に対する住民の誇り」=シビックプライドを引き出してきました。

出たとこ勝負はしない。運には任せない。勝算があると見込めたことを、戦略的に進めていく。組織も個人も同じように考えます。
もし新しい挑戦をする覚悟が決まらない、勇気が出ないというのなら、それは損失と利得の分析がまだできていないということ。だったらやらないほうがいい。
新しい挑戦ができない自分を卑下するのではなく、「危ない、危ない。思い付きで飛び込むところだった。」と前向きに捉えればよいはずです。
うまくいかないことが山ほどある人生だからこそ、こうありたいと思う理想を持ち続けてください。何かを願い心を燃やすことが、楽しく生きるコツだと思います。

本書の印税の著者分は、すべて安芸高田市の収入となります。これも「安芸高田市を何とかしたい」と願い、考えた結果です。
目指す地点がどれほど遠く、高く見えたとしても、落ち着いて戦略に落とし込んで考える。その道のりを描いた先で、静かに覚悟は決まっていきます。このプロセスが「覚悟の論理」です。願い考えるという「人を人たらしめる行い」とも言えます。
今、変化が速く大きい時代だからこそ、覚悟は必要です。みなさん、覚悟はいいですか?私はできています。自分の信じられる道を歩いていきましょう。

 

 

 

 

  • user 内田
  • time 2024年8月31日
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レビュー『もう明日が待っている』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう明日が待っている』鈴木おさむ 文藝春秋

大ヒット番組「SMAP×SMAP」の放送作家として20 年以上SMAPと仕事をしてきた鈴木おさむさんの書いた『小説SMAP』。

 

全体を読みまして、いくつか感じたことを書きたいと思います。

・森且行君がSMAPを脱退するときのこと
1996年4月15日、SMAP×SMAPが開始し、22.4%の高視聴率。SMAP6人が時代を変え、テレビの歴史が変わり、アイドルが芸人さんや司会者と並んで、冠番組を持つ時代になったにも関わらず、メインコーナーのビストロSMAPは料理が得意な森且行君がいるからこそ成り立つ中、その森且行君が5月で脱退することが決まった。森君の会見にはリーダーの中居君が最初に現れて「あいにく森君はスケジュールがつかず欠席となります」という冗談を言って柔らかい空気を作る、素晴らしい。SMAP×SMAPで森君を送り出す回を作り、6人で涙を流しながらベストフレンドの曲を歌う、劇的な送り出し。森君の脱退後、パワーダウンすることを心配する人がたくさんいたが、ネガティブな期待を5人は振り切り、より強く肩を組み力強く進んだ。

・SMAP×SMAPにマイケルジャクソンやマドンナに出演してもらったこと
アイドルがバラエティー番組を初めて持ったこと、視聴率も上げていき大人気番組にしていったことだけでも凄いのに、世界のスーパースターであるマイケルジャクソンやマドンナなども番組出演してもらうために、ADや放送作家などみんなで働きかけまくった姿が素晴らしい。極限の緊張や、実現するためのとてつもない努力、才能ある人を集めて大変でもやっていこうという森上がり、どれをとっても物事を成功させるために必要な要素だと感じます。

・木村拓哉さんが結婚を決めた時
2000年の秋、鈴木おさむさんが木村拓哉さんのラジオ番組に立ち会った後、「俺、結婚するんだ」という言葉を直接言われ、人気絶頂時に結婚すること。この事はSMAP単独コンサートの最終日終了後にファンに発表する予定であったが、その前に突然新聞にすっぱかぬかれてしまいマネージャーの飯島さんより「今日、ライブ終わったあと、会見するから」という話。日本一抱かれたい男である木村拓哉も弱気となっていたが「男らしくない!」といいその日のコンサートの最初に木村拓哉さんが発表することに。緊急時の対応をみんなで協力「ピンチはチャンス」として助け合って乗り切った。

・2011年3月11日東日本大震災の時の話
大地震の発生時、東京の在住の多くの方が、放射能被害などの様々な噂に不安を抱き、西日本の方に逃げたりしていた中で、鈴木おさむさんも沖縄への飛行機チケットを予約まではしたそうです。そのような中でもSMAPの5名は3月21日に生放送で自分たちは東京お台場から全国民を元気づける言葉を発信していった。確かに、災害時は不安に押しつぶされそうになるけれども、そのような中で、勇気を振り絞って生放送を行った姿は素晴らしい。被災地にもSMAPのメンバーが行き27時間テレビの放送が行われ、福島に行った香取慎吾君と草彅剛君は控室に戻った、慎吾君は剛君を見て言った「本当にこの仕事をしてきて良かった」と。心からそう思ったのだろう、自分たちがこの仕事を続けている意味を感じたのだろう。

・2016年SMAP解散に向けてのこと
1996年4月から放送開始したSMAP×SMAP。2016年1月18日の放送が初めて当日に生放送になることがジャニーズ事務所からの要望で決まった。長年一緒に頑張ってきたチームも、脆く壊れていく事がある。信頼をしていたマネージャーが事務所を退職するときに5人でついていく話もあったが、ファンを守りたくて家族も持っているメンバーはそれもできず。なぜ一人だけ結婚出来て自分はできないのか。それを留まらせるために慰めるリーダー。鈴木おさむさんは生放送を観た人を安心させるために、言葉をつくりましたが、結果としてこの生放送は観た人の笑顔を奪うものになったと書いております。解散するかもしれないという事で世間に迷惑をかけたことの謝罪の言葉を22時の放送4時間前にジャニーズ事務所に投げる、放送45分前に事務所の創業家の人間より怒りのダメ出しの手紙が届く。必ずこの言葉を言わせろ「今まで25年以上一緒にやってきたメンバーの1人(木村拓哉さん)がジャニー社長に謝る機会を作ってくれたおかげで今僕らはここに立ててます」という言葉。思ってもいない言葉を、残酷な言葉を誰に言ってもらうのか、僕らが出した答えは草彅剛君だった、彼に頼んでみようと、彼の部屋をノックして入りお願いをし、そして彼は言った「分かった」と、一言だけ。そして、、、彼らの解散が発表になったということ。経営の中で創業家はどこかで引いた方が良い、それがわかる話でした。

  • user 内田
  • time 2024年8月17日
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レビュー『心を壊さない生き方』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心を壊さない生き方』 Testosterone  文嚮社

X(旧Twitterフォロワー)100万人超えのインフルエンサーTestosteroneさんと、精神科医-岡琢哉さんによるメンタルヘルスについての共著。
睡眠不足、栄養不足、運動不足、が世の中の三大害悪であり、超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書として刊行。

★予防-心と体を守る最強の生活習慣

・永遠に生きると思って食事を管理しろ
うつ病患者の中には肥満傾向または痩せすぎの人が多い。精神的な不調と生活の乱れ、体重の変動は同時に現れやすく適正体重を知り自分のライフスタイルを維持することが大切。食事の中では、フルーツや野菜を積極的に食べた方が幸福感が高まる。インドのデリーので行った調査では、朝食をとると栄養状態がよく、運動/活動量も多く、勉強時間が増え、うつ症状も少なかったそうだ。また、東北大学の研究調査では、緑茶を1日4杯以上飲むと1杯以下の人に比べてうつ病のリスクが半分程度に減るそうだ。

・メンタルがブレやすい人は睡眠時間を死ぬ気で確保しろ
日本人の睡眠時間は先進国の中でワースト1位の短さであり、仕事の生産性の低さ/自殺問題/医療費増問題など日本の社会問題が解決に向かう。寝だめではなく同じ時間に寝て同じ時間に起き7~9時間は寝るべき。朝に日光を浴びると約14時間後に睡眠を促すメラトニンが生成されるため、6時に起きて日光を浴び夜8時頃から眠くなっていく(夜は強い光を避ける)などは良い。またカフェインは睡眠を妨げ8時間程残るため午後はコーヒーなどを控えるべき。

運動はハッピーな人生の基盤になる
アメリカの研究調査では、運動を行っていない人より、行っている人たちの方が、精神状態が良い日の割合が40%多かった。できる範囲で運動を始め、最終的には週3回、30分ほどの運動習慣を身につけましょう。一方で、運動がストレスになったら本末転倒であるので、楽しむことを忘れずに。

発達障害の人の周囲にいる人が気を付けること
まず下記のような発達障害があってもなくても「自分が見ている世界」は「他人が見ている世界」とは異なることを皆が理解すること。そして、特に発達障害ある人の「自分の世界の構築方法」に独特のパターンがあるこを考慮してコミュニケーションをとる事。
発達障害は生まれ持った特徴/特性
ASD(自閉症スペクトラム障害):自閉症、アスペルガー症候群。対人関係に問題を抱えがち、コミュニケーションが多数の人と異なる、興味や行動の偏り(こだわり)。無表情のまま早口&大声で話し驚かれる。
ADHD(注意欠如・多動性障害):前頭葉の実行機能障害による不注意の問題、衝動制御の問題、多動衝動性の問題。仕事でケアレスミスが多く集中力が続かない。

・独りぼっちじゃないことを知る
一番大切なことは、自分は独りじゃないって気付くこと。自分がこの症状を体験する最初の一人じゃないし、最後の一人でもない。みんなが心の健康に対する知識を持って、健やかに、強く、しなやかに今後の人生を思いっきり楽しんで生きていることを心から願っている。

 

  • user 内田
  • time 2024年8月3日
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レビュー『チームレジリエンス 困難と不確実性に強いチームのつくり方』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チームレジリエンス 困難と不確実性に強いチームのつくり方』池田めぐみ・安斎勇樹 日本能率協会マネジメントセンター

レジリエンス=逆境や困難に直面した時に、それを乗り越えて適応していく力 について、最近聞くことが増えております。

チームとしてこの力が高まっていけば、自ずと結果が出やすくなるでしょう。

一寸先も見えない現代において、これまでのような「個人プレイ」ではなく「チームで成果を出す」ことが、あらゆる職種で求められるようになってきています。しかし現実には多くの「困難」が降りかかり、チームの目標や基盤を脅かします。
大口得意先の突然の離脱
人手不足に業績不安
・取引先の無茶な要求
・理不尽なクレーム
・SNSの炎上や評判を脅かす噂
・ギスギスした人間関係
コミュニケーション不全
エースの離脱

一つの「困難」を解決できぬうちに、また次の「困難」が立ち現れる。まさにストレスフルな状態です。このような時、「根本原因」を取り除くよりも一時的な「逃避的行動」をとり続ける限り、困難は解消されません。

ステップ1:課題を定めて対処する
困難に対処できない3つの要因
①困難を解決可能な課題に落とし込めていない
まずは問題を整理してどのような課題に取り組むべきか明確に定義しましょう。
②プロジェクトとして取り組むことができていない
課題を明確にした後に、その「期限」や「役割分担」を決めましょう。
③チーム内でストレスが高まっている
疲れてパフォーマンスが発揮できなくならないように、いつも以上にストレスケアを推進しましょう。
課題具体化のための5つの要因
①問題と課題を切り分ける
外的要因等でどうにもならない問題もあるが、その中でチームが対処すべき「課題」を見極めましょう。
②チームの目標を3段階で整理する
成果の目標、プロセスの目標、その先に目指す長期的な展望(ビジョン)をチーム内で合意しましょう。
③解決に必要なのは専門性かチームの変化かを吟味する
やり方がわからないので何らかの知識や技術が必要なのか、あるいは物の見方や関係性が固まっているだけなのか見極めましょう。
④問題を緩和課題と根治課題に分解する
ストレスを多少軽減し大きなリスクとならないようケアする「緩和課題」への対応と、問題の本質を見抜き困難を根本的に解消する「根治課題」に分解しましょう。
⑤目標そのものを変えてみる
偶然や時の流れを活かして、柔軟に目標を変えたほうがうまくいく場合もあるかもしれません。

ステップ2:困難から学ぶ
①振り返りの冒頭で目的を提示する
方向性を示し、過度に感情的にならずに「何を改善すべきか」を冷静に話し合いましょう。
②よかった点を振り返る
チームのパフォーマンスを下げないためにも、個人の優れたノウハウの共有もしましょう。
③別のアプローチをしていたらどうなったかを考える
複数の戦略を組み合わせて、困難な状況に対処しましょう。
④前提を疑う―対処ではなく仕組みから変える
時にはやり方だけではなく、チームの構造やしきたりを変えていきましょう。
⑤振り返りを習慣化する
話し合う習慣を意識的に増やし、ネガティブ感情による学習の妨げを防ぎましょう。
~今後に活きる教訓をつくる~
教訓を日々の行動ルールに落とし込み、「痛み」とセットで語り継ぎ、役割分担を見直しましょう。

ステップ3:被害を最小化する
①流行り病から学ぶ
チームに1人、環境変化やリスクのリサーチ係を設け情報集を任せ、1か月に1回程度、困難の予兆を共有する機会を設けましょう。
②チーム内部の困難のサインを察知する
スケジュールの遅れ、従業員満足度の値は内部の困難が発露しやすい部分ですので、注意しましょう。
③すべての困難を避けるべきか
リスクの中にはある角度から見ると困難の兆しであるものの、別の角度から見ると成長のチャンスにもなりえます。

  • user 内田
  • time 2024年7月27日
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レビュー『書いてはいけない』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

書いてはいけない』森永卓郎 三五館シンシャ

森永卓郎さんによるメディアが決して触れない日本のタブーに踏み込んだ書籍。

第1章から3章は、ジャーニーズの性加害、財務省のカルト的財政緊縮主義、日本航空123便墜落事件について。
第4章の日本経済墜落の真相、に特に興味があり、以下に書いてみます。

太平洋戦争で焼け野原と化した日本は、GHQの支配下に置かれ、主権を失った。すべての政策はGHQ(実質的にはアメリカ)の判断を仰がないと決められない「占領下」に置かれた。しかし、日本人のたゆまぬ努力の積み重ねによって、奇跡と呼ばれた高度経済成長を通じて、日本は世界でのプレゼンスを高めていた。ジャパンマネーが世界中の資産を買いあさり、1980年代後半には、東京の山手線の内側の土地だけでアメリカ全土が買えると言われた。日本経済は世界一の地位にまで昇りつめたのだ。

ところが1985年9月22日、先進5か国の大蔵大臣、中央銀行総裁がニューヨークのプラザホテルに集結し「プラザ合意」と呼ばれる日本経済にとって致命的な決定がなされた。表面上は、為替を安定させるという合意だったが、実態は各国の協調介入によって、急激な円高をもたらすものだった。

じつはこの時期、「ありえない政策決定」がもうひとつなされており、1986年9月2日に行われた日米半導体協定の締結だ。1980年代、日本の半導体産業は世界シェアの半分を超え、世界の半導体売上も1位NEC2位日立製作所3位東芝、と日本企業が席巻していた。この協定により、価格をアメリカが決めることになり、日本市場での外国製品シェアを上げることととなった。

私はこれまでの人生のなかで最大の後悔がある。それは小泉内閣の誕生にほんの少しでも手を貸してしまったことだ。2001年4月に自民党総裁選が行われたとき、私はテレビ朝日ニュースステーションのコメンテーターをしていて、そのなかで小泉氏がもっとも強烈なインパクトを残すことに手を貸してしまった。小泉氏が当時の米ブッシュ大統領との間ではじまった「年次改革要望書」、アメリカの言いなりに日本の構造改革を進めていくものであり、アメリカが毎年いくらでも日本の経済政策を変更できる権利を擁していることになる。

アメリカからの矢継ぎ早の不良債権処理要求が続き、2~3年という期限を待たず、わずか1年で小泉総理は決断した。2002年9月30日、小泉総理は、柳澤金融担当大臣を更迭し、その後任に選ばれたのが竹中平蔵氏であった。小泉内閣の打ち出した大きな改革は、郵政民営化と不良債権処理で、国民の目には一見あたらしい政策に見えたようだが、両方ともアメリカの突き付けてきた対日改革要求であり、小泉構造改革とは、アメリカの思い通りに日本経済を改造する政策だったのだ。

郵政民営化がインチキであったことは20年が経過して明らかになってきた。2021年10月から普通郵便の土曜日配達がなくなり、2024年秋からは郵便料金がさらに3割程度大幅な値上げとなる予定だ。なぜこのような事が起きるかというと、郵便局では、①郵便・②貯金・③簡易保険の3サービスが同時に提供されてきたが、儲かる②③の儲けを①に流すビジネスモデルが崩れ①の郵便事業が追い詰められたためだ。

この30年間、日本経済は転落の一途をたどった。かつて世界シェア2割を占めていた日本のGDPは今、4.2%まで転落している。原因は2つ。1つは財務省が進めてきた必要以上の財政緊縮政策。財政をどんどん切り詰め、国民生活を破壊する。2つ目に、本作で述べた日本交通123便の墜落事故に起因する形で日本が主権をアメリカに奪われ、どんどん失っていった事実だ。国の経済政策をすべてアメリカに任せてしまえば、経済がまともに動くはずがない。日本がいつまでたっても主権を取り戻せないでいるのは、単に日本航空墜落の原因についてボーイング社に泥をかぶってもらったという事実だけではない。墜落原因をアメリカに口裏を合わせてもらい40年近く隠蔽し続けている日本政府は、ウソをついたという事実に服従せざるをえなくなっているのだと私は考えている。

  • user 内田
  • time 2024年7月20日
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レビュー『任せるコツ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

任せるコツ』すばる舎 山本渉

・相手の意欲を作り出す
「仕事を受ける側は全ての仕事を面倒と思っている」という前提からスタートし、やってみようという意欲を依頼する側が作りましょう。そのために、「感謝される」「褒められる」「自分にしかできない特別感」の3つがポイントです。
・断れる余白を作っておく
頼む時に余力がない前提で断りにくくしない工夫が必要です。「難しいようでしたら、気にせず言ってください」というように。
「これは仕事なんだから、できる/できないじゃなくて、やるんだよ」という昔ながらのスタンスでは通用しません。メンバーの健康管理は、マネージャーとしてとても重要なことです。
・好意を伝える
「去年の面談で●●って言ってたから〜」「仕事ぶりを見ていると●●だから、この仕事をお願いしても良いかな?」など、「自分のことを覚えてくれている」ということはお互いの好意として捉えられ、依頼を受け入れやすくします。社会心理学者が提唱し、人を動かす原則として有名な『チャルディーニの法則』にも、好意は要求を通りやすくする重要なファクターとして紹介されています。
・頼む際は威張ったり謝ったりしない
上司は偉い、マネージャーが上でメンバーが下、という認識の人はもう絶滅していると信じたいですが、「あれをやれ」というように命令口調で言ったり、無理やりやらせるのは今の時代にマッチしません。
また、感謝は必要ですが、謝る必要はありません。依頼された側としては「謝るぐらいなら自分でやってよ」と思われ、モチベーションアップにはつながりません。
・重要な相談に導くための雑談と冗談
コツは聞いて、そして聞くこと。感覚的には2割話して8割聞くぐらいのイメージ。話してもらうことで、メンバーのバックグラウンドや夢や悩みなど、人となりが見えてきます。人がわかると、その後仕事がしやすくなり、適したアサインができ、パフォーマンスも上がっていきます。面談で得たメンバーのプロフィールは、忘れないように記憶しましょう。記憶力に自信がなければ、メモ機能を使ってファイル化しましょう。それはマネジメントとしての人を活かす資産となります。
・フィードバック、感謝、評価
仕事を依頼したらそれがどう役だったかを伝えてください、そのことで、やってよかった、またやろうという気持ちが芽生えます、それが次につながるフィードバックです。それとセットで感謝を伝えましょう。感謝をするとストレスが軽減されるという研究結果があるそうです。日々の業務でストレス過多のマネジメントの皆さんは、ぜひ感謝を伝えることを習慣にしてみてください。
そして評価。冷静に、客観的に、フェアに行いましょう。基準に沿ってブレない評価をすることで、メンバーの次からのパフォーマンスに良い影響を及ぼします。
・Z世代の伸ばし方
Z世代が会社や仕事に求めることは昔と変わっています。昇給や出世へのガツガツした意欲はさほどなく、代わりに成長意欲が強まり、パーパス(存在意義)を重視する傾向があります。だから「なぜその仕事をするのか、どのように社会に役立つか」という目的を伝えましょう。そのほかにもZ世代は「話をしっかり聞いてもらいたい」「頻繁な承認を求める」「多様性の尊重、上司のやり方を押し付けられたくない」といった要望がより強い世代です。

・今ではなくチームの将来を考える
一つの営業部の新規契約の例。マネージャーは能力が高く10件、10人のメンバーはそれぞれ1件。
これだけ能力に開きがあれば任せたり育成に時間を費やしたりするより、自分で動きたくなります。数字化すると10+10×1=20
次はマネージャーが現場に費やす時間を半分に減らしてその分メンバーの育成に力を入れた場合、本人の契約が5になったとしても、仮にメンバー1人につき2件となれば、契約数は増えることになります。数字化すると5+10×2=25
長い目で見ればメンバーの能力は「2」が上限ではなく、「3」「4」と増え、「10」になり、マネージャーを超える可能性すらあるのです。
「チームに任せられる人がいない」というのは、「私はマネージャーとして無能です」と言っているのと同義語です。「自分でやったほうが早い」というのは、育成を無視し組織を弱体化させる罪です。

・正しい丸投げと間違った丸投げ

正しい:相手の身になって考える。その依頼がどのように役に立つか目的を伝えている。相手の余力の配慮がある。断ることができる余白がある。相手にとって適度なチャレンジがある。プレッシャーと期待が過剰でない。感謝の気持ちがある。

間違い:自分が楽になることだけを考える。目的や意義を伝えずただ作業だけさせる。相手のやる気や忙しさなどの状況を確認しない。命令として押し付ける。誰に任せるかを吟味せずやってくれれば誰でも良いと思い思っている。相手の動機づけをしない。感謝や評価などのフォローをしない。

  • user 内田
  • time 2024年7月13日
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レビュー『頭のいい人が話す前に考えていること』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頭のいい人が話す前に考えていること 』安達裕哉 ダイヤモンド社

 

周りの色々な人にも読んでほしくて買ってみました。
今、いちばん売れているコミュニケーション本とのことです。

他の本とちがって、見開きをひらいたときに、大きなシートが付いている点が印象的です。

★「知性」と「信頼」を同時にもらたす7つの黄金法則

その①とにかく●●するな
冷静であってキレないようにする。そのためには、すぐに口を開かず、相手がどう反応するか、いくつか案を考えて比較検討する。
怒りや感情など強い感情にとらわれると、愚かな行動に走りやすい。

その②頭のよさは、●●が決める
社会的知性SQを高めよう。それは知性やテストでは測られないもの。他者の思考を読み、信頼を得て、他者を動かす力。
価値観の違う人と考えを共有するためにロジカルに話す必要があります。人は頭のいい人の話を聞こうとします。頭のいい人がすすめるものほしくなります。頭のいい人と認められれば、自分のやりたいことを通りやすくなります。

その③人はちゃんと考えて●●人を信頼する
賢いふりでは人は信頼してくれなく、会議で最初に発言する、思いやりの言動をするなどにより、「この人、私(私たち)のためにちゃんと考えてくれてるな」という心情に相手がなったときに信頼が生まれます。

その④人と闘うな、●●と戦え
頭のいい人は、議論の勝ち負けではなく、議論の奥にある、本質的な課題を見極めようとします。議論になるのは、その人の根底に何か問題があるからです。

その⑤伝わらないのは、話し方ではなく●●が足りないせい
「黙っていい、むしろ積極的に沈黙しろ」「言い方にはきをつけるべきだが、うまく話せる必要はない」。テクニックに頼るな。話す前にちゃんと考えるという事は当てはめることでも、テクニックで賢いふりをすることでもない。

その⑥知識は●●のために使って初めて知性となる
話す前に”本当に相手のためになるのか?”と立ち止まることで、知識を披露したいだけ、ただ言いたいだけの自分に気づくことができます。簡単にアドバイスするな、意見を言うな、とにかく相手に話してもらえ。

その⑦承認欲求を●●側に回れ
自尊心が低く自分に自信が無い人間は、他者をうまく承認することがでません。自分で自分を尊重しましょう。
口(自己アピール)ではなく結果で自分自身の有能さを示し、相手に新設にしましょう。

⇒上記①反応②他人③くれてる④課題⑤考え⑥誰か⑦満たす

 

★「知性」と「信頼」を同時にもらたす5つの思考法

第1章「客観視」の思考法
話が浅い人の特徴は、証拠が薄く、言葉に鈍感であり、成り立ちも知らない。
話を深くする2つのコツ①自分の意見と真逆の意見も調べること②統計データを調べること、をやってみよう。

第2章「整理」の思考法
結論から話し、事実と意見を分ける。
相手が聞きたい結論から話すというのは、相手に”聞くスイッチ”を入れる行為なのです。

第3章「傾聴」の思考法
自分の言いたいことではなく、相手の言いたいことを考えながら聞け。
アドバイスをしたいときほど、相手の話を整理しながら正確に聞け。そのために、ゴールを確認しながら、相手の考えを聞く一方で、相手にこうしたいという意志がなければそのまま相手の話を聞くだけにとどめましょう。

第4章「質問」の思考法
導入の質問①過去の行動について質問。導入の質問②仮定の状況判断に基づく質問
深堀の質問①状況に関する質問。深堀の質問②行動に関する質問。深堀の質問③結果に関する質問。

第5章「言語化」の思考法
言語化の質がアウトプットを決めるから、「〇〇ではなく、△△だ」のように再定義をしていけ。
ネーミングにとことんこだわり、「ヤバい」「エモい」「スゴイ」を使わないようにしろ。
提案よりも共感が大事。本当に価値のあるものは100%の賛同は得られない。課題は聴くのではなく、言い当てるもの。人はそんなに早く育たない。小さな商品で、顧客と接触する頻度を高めろ。リスク管理は経験が何よりもものを言う領域。知的な驚きを作り出すことが大事。

  • user 内田
  • time 2024年7月6日
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