Latest Posts
【本】レビュー『利益を生み出すための 中小企業の財務戦略』
所内研修関係でいつもお世話になっている社会保険労務士先生から頂いた書籍です。
「財務脳を戦略的に活用して未来を考えよう」という考え方は、伸びていく会社にとって必須です。
●収益力診断の要 = 限界利益率
需要>供給が時代の中心軸として推移してきた20世紀後半型の社会では、薄利多売型のビジネスモデルが有効でした。ところが、需要<供給が浸透していく21世紀前半型の社会においては、個別・付加価値重視型ビジネスモデルへ変化させなければならない企業が増えています。
そのため収益性の診断は財務分析の基本と言っても過言ではなく、同じものを同じように提供していると付加価値がドンドン減少し、量は増えても利益は一向に生じない現象が生まれてきました。そのような中で、中小企業にとって重要な比率は限界利益率(売上高―変動費を売上高で割ったもの)です。
限界利益とは、企業が存在することによって社会に生み出すことのできた製品・商品・サービスの価値であり、最も企業の存在意義に近い利益です。したがって、限界利益率をどのように高められるかが商品サービス戦略であり、企業戦略にもつながってくるのです。
●一単位当たりの固定費削減
社会が構造改革を求めている時代に企業経営を維持し発展させるためには、重心の低い仕組み(固定費ラインの低さ)が要求されてきます。固定費の多くはイニシャルコストの大きさに比例し、箱を大きくするための大型投資に伴う減価償却・支払利息・維持管理費・保険料など、それに伴う人件費、これら長期的な展望をもって投資計画を組む必要が出てきます。
例えば人件費。作業方法の改善や見直しにより労働効率を高めてスタッフが働きやすい仕組みに変えていく。経営とは、人間が行うものですから、士気の低下につながっては何の意味もないからです。もちろん、①効果的な教育や研修、②給与体系の改善、③間接部門の合理化、④AI化、自動化、省力化による少人数スタッフの構成、⑤人材の計画的採用や⑥適材適所の配置など、戦略的な捉え方が必要になります。
●サービス別及び得意先別 分析法
業界発想から業態発想に変化させなければモノ・サービスが売りづらくなったと言われだして25年が経過しました。最大の理由は95年に生産年齢人口が8716万円でピークアウトしたからです。これにより自分に合ったサービスを求め「より個性的」が重視され、時代環境を考慮して「よりハンドメイド」「より身近に」「より環境に優しい」といった要求が強くなりだしてきました。「どんなサービスや商品」ではなく、「どんな時に利用されるどんな内容のもの」を「誰に」といった切り口が重視されてきました。
●借入金の分析指標(資金調達能力の検証)
企業経営でも最も大切なことは、何事も極端にならないように気を付ける=バランスをとることが、安定した成長を支える基盤です。例えば、無借金経営を目標にして経営改善を図っていくのも1つの指針ですが、無借金経営は企業経営の目的になりえず、そこに固執しすぎると成長のチャンスを逃したり、ピンチから脱しきれないケースが生じます。
借入金月商倍率と債務償還年数の短さが資金調達能力の分析に役立つでしょう。
-
内田
-
2026年6月20日
-
本
-
0

