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レビュー『強い会社の教科書』
『強い会社の教科書』 小山昇 ダイヤモンド社
独自の経営哲学で知られる小山昇さんの著作ということで読んでみました。
人口が減少しマーケットが減っていくこれからの日本では、お客様・事業所・社員数など
「数」を増やすのが社長の責務であり、そのための事業活動が経営と言える。
社長(トップ)の仕事とは「正しくなくてもよいから早く決定すること」であり、早く試行錯誤
をして経験値を上げることが正しいこと。
社員の教育の中では「間違いをしないということが最大の間違い」という認識が正しい。
人は「できなかったという失敗(痛い思い)」から学んで素直になり、素直になるからこそ
成長する。
営業・マーケットにおいては「お客様との接点は、アナログで、手間を掛ける」のが正しい。
バックヤードはデジタルで簡素化と共有化を進める一方で、お客様との接点は徹底して
顔を合わせて話す。
組織作りと人事について、体験したこともないのに未然防止はできないわけで、「問題が
起きてから改善する」これが正しい解決法です。
年齢が上だから部長にする考え方は間違いであって、抜擢は実力主義とするのが正しい。
このような話をもとに強い会社のしくみは「数字として実際に成果が出ている業務」と「人間
の感情を理解したしくみ」で作るべきだと著者は結論付けていらっしゃいます。
- 内田
- 2015年5月23日
- 本
- 0
レビュー『一番やさしいピケティ超入門』
『一番やさしいピケティ超入門』 中野明 学研マーケティング
何かと話題のフランスの経済学者ピケティさんの入門書ということで読んでみました。
「経済格差はなぜ起きるのか」「富の不平等を解消できるのか」というテーマについて
『21世紀の資本』という本を書いて話題になっているのがトマ・ピケティさんです。
そして「資本収益率r > 経済成長率g」という公式も独り歩きしておりますが、これは
「資本主義経済では経済成長率が低くなると、蓄積された富から得られる所得は
労働所得よりも急速に増大し、そのまま放置すると格差が自動的に拡大する。」
ということを意味しています。
1910年からの100年は戦争によって有形資産が破壊され一時は「r<g」となりましたが、
戦後復興で資本蓄積が進み経済成長も鈍化して「r>g」へ逆転しました。
19世紀初頭のヨーロッパは勤勉が割に合わない時代、労働よりも遺産相続を重視する
「ラスティニャックのジレンマ」があり、昨今もそのような世襲資本主義社会の到来が
近づいているようです。
より良い社会の実現のために格差の進行を食い止めるために、やはり労働所得は減税し、
資産に対して世界的に増税することが大切とピケティは言っております。
- 内田
- 2015年5月9日
- 本
- 0
レビュー『JAL再生』
『JAL再生 高収益企業への転換』 引頭 麻実 日本経済新聞社
2013年と少し前の作品ですが読んでみました。
破たん当時はどうにもならないのではないかと思われていたJALの予想を上回る
V字回復の内容について書かれてあります。
稲盛和夫名誉会長はよくここまで再生のための改革を行うことが出来たなと考えさせられます。
徹底した採算意識をもとに、それまでの縦割りを意識を廃し、経営と現場が一体となり横の
リーダーシップを大切にし新たな顧客価値を追求していきました。
全社員が「会社が目指しているものは何か」「なぜ自分は今の会社にいるのか」を考えて
ひとりひとりが安心して力を最大限に発揮できることがJAL再生のポイント。
この会社で働き幸せになりたいという社員がいて初めて、お客様へのサービスや企業価値、
社会貢献が出来る。
京セラフィロソフィ(哲学)をもとに作成されたJALフィロソフィについても「本音でぶつかれ」
「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」というような内容が心に残りました。
- 内田
- 2015年4月25日
- 本
- 0
レビュー『筋トレをする人は、なぜ、仕事で結果を出せるのか』
『筋トレをする人は、なぜ、仕事で結果を出せるのか』 総合法令出版 千田琢哉
昔から筋トレをするのが好きでちょっと興味のある内容なので読んでみました。
以下に面白いと思った内容を書いてみます。
・胸板の厚さと説得力は比例する
胸板の厚さというのは生命力の表れで胸が張った人間の意見は通りやすい。
・筋トレをしている人はストレスに強い
筋トレは体と心にストレスをかける行為であり、体が大きくなると心も大きくなる。
・ヘナチョコでは映画のヒーローにはなれない
映画のスターたちは体を鍛え上げていて揃いもそろっていい体をしている。
・大切なのは運動よりストレッチだ
イチロー選手のようにとにかくストレッチすることで怪我も筋肉痛も防げる。
・筋トレ後、呼吸が整い次第すぐに食事をとろう
筋トレ後1時間以内に肉、魚、豆、卵などを意識してやや多めに食事をとる。
- 内田
- 2015年4月11日
- 本
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レビュー『実学』稲盛和夫
「実学」は慶応義塾の創始者福澤諭吉先生がいつも基本に置いていた精神です。
「福澤にとって実学とは、単に日常に役立つ学問ということではなく、人文・社会・自然科学を含めた実証科学(サイエンス)のことを意味します。」(塾長メッセージより)
私が会計について考える時、日本に初めて複式簿記を紹介した福澤先生と、この稲盛和夫さんの『実学』という本を思い浮かべます。
会計というのはたかが数字を扱うだけと思う方もいるかもしれませんが、経営に間違いなく役立ち、私からすれば人文・社会・自然科学も含めた非常に深い学問だと思います。
この稲盛和夫さんの『実学』は本当に素晴らしい本です。
会計というものがどうあるべきか、何をもって経営を進めていくべきか、本全体を通じて教えてくれます。
「会計は原理原則に則って物事の本質を追及して、人間として何が正しいかで判断する。」
「会計上、常識とされている考え方や慣行をすぐにあてはめるのでなく、改めて何が本質であるのかを問い、会計の原理原則に立ち戻って判断しなければならない。」
- admin
- 2015年3月28日
- 本
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永遠の0
『海賊とよばれた男』に引き続き、百田尚樹さんの代表作『永遠の0(えいえんのぜろ)』を読んでみました。
『永遠の0』は先日の第38回日本アカデミー賞でも多くの賞を受賞しておりましたね。
『海賊と呼ばれた男』もそうでしたが、百田さんの作品は本当に戦時中を鮮やかに描き出します。
今回読んだのは漫画でしたが、それでも日常は考えることのない戦争時代の情景を思い浮かべられます。
この話の中では現代の若者である主人公が、軽い気持ちではじめたバイトで、様々な戦時中の話を聞いていきます。
戦時中が良かったとは絶対に言いませんが、戦時中の話を聞くとどれだけ現代が恵まれているかがわかります。
だからこそ戦時中のことをもっと知って、二度と同じ過ちを繰り返さないことと、自分たちがしっかりしないといけない
のだということを学びました。
- 内田
- 2015年2月28日
- 本
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レビュー『相続財産は法人化で残しなさい』
『相続財産は法人化で残しなさい』 阿藤芳明 幻冬舎
相続税法が来年1月から変わるこの時期に読んでみました。
法人化で相続財産を残すことは、法人管理に手間が掛かる等の理由に敬遠される
方もいらっしゃいます。しかし、大事な資産をよりスムーズに次世代に残していく方法
も知っておくべきなのも事実です。
いくつか本書の中で気になった部分を書いてみます。
・法人化するには物件の所有期間が長ければ長いほどよい
個人所有で減価償却によって時価(簿価)が下がった不動産が移動させやすい。
借入金額が少ない物件の方が個人に債務が残らないでよい。
売却代金が残っても長期間を賃料と役員報酬は家族へ分散するし、未収金として
相続人等へ贈与していくとよい。
・新築の場合はリスクとリターンのバランスがカギ
最初から法人名義にして新築を行う場合は、法人借り入れで資金調達をする。
入居率を上げるためにも、立地も含めて収益率を高めるためにリスクとリターンに注意する。
・法人化で不動産を株式に換え相続人へ分配
土地や建物を個人で所有していた個人事業の煩わしさを無くし、贈与税を発生
させずに賃貸物件の収益を配偶者・子へ移転させることができる。
株式は将来揉めないためにも一人に集中させた方がよい。
- 内田
- 2014年12月20日
- 本
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