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レビュー『税理士のための業務効率化マニュアル』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「繁忙期」でもやりたいことを諦めない!税理士のための業務効率化マニュアル』井ノ上陽一 第一法規

仕事のやり方を変えて、使える時間を手に入れることを目的とした書籍です。

①繁忙期対策は、9月から11月で決まる
紙をなくす、ITを導入する、オンラインで仕事をするなど、テレワークを進めることは、繁忙期をなくすことにつながります。
繁忙期をなくすために必要なのは覚悟(②~⑤)、計画(⑥~⑨)、準備(⑩~⑪)です。これらを9月~11月、つまり、繁忙期を迎えるまでに日々取り組んでみましょう。繁忙期を無くすことができれば、効率化スキルも身につきます。11月までが勝負ですので、本書を手に取っていただいたときから一読していただき、改革を進めていきましょう。

②繁忙期をなくすメリットを確認しよう
繁忙期をなくすことのメリットは「落ち着く」ということです。落ち着いて仕事をすることで、仕事の質が上がるものです。
繁忙期があると一件ずつのお客様と向き合って考えることもできなくなります。つまりサービスの質が落ちるという事です。
そして、繁忙期がなければ、思う存分勉強ができます。その勉強こそ、仕事の質を上げるものです。
また自由度がないと、家族が病気になったり、怪我をしたりしたときにも対応できません。大事な人に何かあった時に、繁忙期だからといって駆け付けられないこともよくありません。

③繁忙期がない人生をイメージしよう
12月から5月までの繁忙期がなくなったらどうするか、何をしたいか、それらを言語化しておきましょう。さらにおすすめなのは「繁忙期がなくなったらこれをやろう」ということを、少しでもいいので今からやることです。
繁忙期以外に税理士業を増やす、例えば繁忙期をなくして資産税の仕事をいつでも受けられるようにしておくこともできます。仕事を圧縮しておくことに越したことはないのです。
また人生を楽しむために趣味も作って、その時間を確保するために、全力で繁忙期をなくしましょう。
また、同様に繁忙期前から家族との予定を入れておきましょう。

④繁忙期をなくす覚悟を決めよう
繁忙期をなくすには、営業をして繁忙期以外の売上をまかなうことが必要になります。個人の確定申告や法人12月3月決算を安易に増やすのではなく、営業力を磨いて、繁忙期にならない仕事を増やしていきましょう。断ることもしやすくなります。
また、仕事のやり方を劇的に変えなければいけません。データ入力をしない、ペーパーレスにする、Excelを活用するなどで、10時間かかっていた仕事が30分になる可能性があります。仕事のやり方を変えるという大義名分のもとに、仕事をお断りすることもできます。資料回収では何日までに送ってくださいと伝え、それを受け入れていただけないお客様はお断りするしかありません。つまり仕事を選ばざるを得ないのです。

⑤繁忙期をなくすために繁忙期をなくすためにやめよう
「お客様の都合があるから」といった理由で効率化が進まないと言う方がいますが、繁忙期をお客様のせいにしてはいけません。そのお客様が「資料を出してくださるのが遅い」ときに、ちゃんと声をかけているかが大切なのです。早く声をかけるとお客様に嫌われるのではないか、せっかちと思われるのではないか、そういう思いもあるのでしょう。しかしながら、「いい人」を装うのは良くありません。それで困って、巡り巡って繁忙期という事で、自分やひいてはお客様に返ってくるのです。
「地方だから」という言い訳も同様で、地方だから電話と紙という思い込みはやめましょう。地方でも東京でも自分の軸をはっきりさせなければいけません。
繁忙期をなくす過程で、仕事をする時間が一時的にでも増えるかもしれませんが、仕事をする時間をできる限り増やさないようにしたほうが効率化は進みます。効率化の大原則として、仕事をする時間を増やすことは絶対にやってはいけません。
お客様に過剰サービスしすぎない、外注しない、記帳代行しない、人に会わない、通勤しない、電話を使わない、郵送しない、忙しいと言わない、プリントアウトしない(データチェック鍛錬)ことも効率化につながります。

⑥繁忙期前に計画しよう
昨年の繁忙期の仕事をリストアップし、やめたいものに印をつけましょう。例えばExcelに入れて眺めて「思ったより多い」「次の繁忙時が憂鬱」「この仕事がなければ時間ができる」など感じるでしょうか。
この時にやめる判断で気をつけたいのが「紹介していただいたから」「いい方だから」「昔からの付き合いがあるから」という判断基準にはしないということです。資料がギリギリになる方、税金を減らさないかとおっしゃる方、やっぱりこの経費がありましたと完了後におっしゃる方、こういった方とのやりとりはそれなりに消耗します。感情面と報酬面の両方から判断しましょう。2月が確定申告をするメイン月です、3月ではありません。2月は法人決算があり、28日しかなく、祝日がありますが、2月までにしっかりと準備をし、スキルを磨いておけば、怖がることはありません。1月には確定申告の準備を始め、申告可能なものから順次申告をし少なくともお客さまへ連絡をし、アポをとりましょう。1月は、給与支払報告書、償却資産報告書、法定調書を確実に終わらせますが、1月31日までそれらの仕事に使ってはいけません。

⑦繁忙期前にITに投資しよう
パソコンは買って3年以上経っていたら買い替えましょう。(データ移行が大変で繁忙期に買い替えられないなら9月に買い替えておきましょう。タブレットは、打ち合わせのメモ、読書・情報収集、申告書のチェックに使えます。申告書をPDFで作り、タブレットで開きペンでチェックすると紙を減らせます。

⑨繁忙期を無くすためにスキルを磨こう
ダイビングの練習。ショートカットキー。テキストはひらがなを使いやわらかく。チェックのスピードと精度を上げるためお客様ごとにチェックリストを使う。データインポート・エクスポートのスキルを身につける。ファイル・フォルダの整理。スキマ時間にパソコンで仕事できるようにする。

⑩12月は年末調整を仕上げよう

 

 

 

 

 

  • user 内田
  • time 2023年9月30日
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レビュー『方舟』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

方舟』 講談社 夕木春央

 

夕木春央さんは1993年生れの新進気鋭のミステリー小説作家さん
週刊文春ミステリーベスト10国内部門第1位、MRC大賞2022第1位、という事でおすすめされて読んでみました。

プロローグからなかなか怖い出だしで、人里離れた山中に埋められた地下建築に九人、ここから脱出するためにはだれか一人を犠牲にしないといけない、という記述。

学生時代の友人たちと、主人公の従兄、また見知らぬ家族3人が紛れ込んできている中で、地震や殺人が起こるという恐ろしい状況。
舞台となる方舟(はこぶね)はおそらく数十年前に地下に作られた、ゲリラ団体なのか宗教団体なのかが基地に使っていたであろう施設。
建物施設自体も古く、拷問器具が見つかるなど、不気味な雰囲気がただよいます。

そういった状況で一週間過ごす人の心情というのは想像しがたい一方で、日常の自分たちの心の焦燥も思い返したりします。
そして凄惨な形で起こる連続殺人
見知らぬ家族3人からの告白。

地下建設の中でも発電機があり(電波はつながらなくても)スマホがずっと使えていることも2022年9月発刊ということもあり現代的なミステリー小説と感じました。
意外とそのようなところから事件の内容が判明していきます。

一週間のタイムリミットが迫っていく中で、主人公の従兄-翔太郎が真相に迫っていく姿にかたずを飲みます。

最後の犯人と主人公が通信で話す場面、恐ろしい最後に驚きます。

 

 

 

 

 

  • user 内田
  • time 2023年9月23日
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レビュー『ChatGPT120%活用術』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ChatGPT120%活用術』宝島社  ChatGPTビジネス研究会

2022年11月30日に公開され、史上最速のペースでユーザーを増やし続け、2ヶ月でアクティブユーザー数が1億人に達しましたが、これはTikTokや Instagramの大きく塗り替えました。
ただ、大変高性能な中で、現時点2023年6月時点ではどんな使い方をしても効果的といいにくくコツが必要なため、本書ではコツをいろいろ紹介しています。

●文書の作成
・メールの下書きを作ってもらう
メールに盛り込みたい情報(ex.自分:税理士法人TAPの内田 相手:北洋銀行の山田さん 用件:バンクミーティングの内容)を箇条書きで指示すると文章を記述してくれます。
・アンケートの項目を考える
対象範囲や条件をざっくり指定するだけで簡単作成。(ex.30歳から60歳までの女性を対象に、美容の悩みをテーマにアンケート項目を10個作成してください。)
・ビジネス書類のテンプレートを作成する
貸借対照表、請求書といった一般的なビジネス書類のテンプレートを作成。(ex.貸借対照表の一般的なテンプレートを表形式で作成してください。)
・旅行プランを提案してもらう
行き先・移動手段・日数・途中の観光地名などを伝えればプランを作れる。(ex.税理士で帯広から札幌までバスで旅行したいです。エスコンフィールドを観光する事を中心に、2泊3日の旅行プランを考えてください。)
・文章にリスクがないか確認する
発信する情報を事前にチェックしてもらう。(ex.次の文章に差別的、侮辱的、不適切な表現がないか確認し、適切な表現に修正してください。●●)
・タスクの手順を分解して整理する
はじめて担当する業務などで、手順を表にまとめてもらい、それを叩き台として手順を考えていけば、仕事の流れを把握できるはず。(ex.出張報告書の作成に必要な手順を分解して表形式で表示してください。
・新入社員に対する注意事項を作成する
節電のお願いや経費精算など社内文書を、かなり精度の高いひな形を得られます。(ex.あなたは人事部の責任者です。先日入社した新入社員に対する注意事項を作りたいので、ひな形を作ってください。)

● パソコンの使い方を教えてもらう
・Windowsのタスクバーの色を変更する方法を知る
ex.Windowsでタスクバーの色を変更する方法を教えてください。
・Excelのどの関数を使えばいいかをたずねる
ex.Excelで条件に一致する値の件数を求めたいときに使う関数を教えてください。
・Excelエラーの意味と対処方法を教えてもらう
ex.Excelで操作後にエラーが表示されてしまいました。セルC 1の数式は「=A1✳︎#REF!✳︎B 1」です。理由と対処方法を教えてください。
・Youtube動画にチャプターを付ける
chat GTPと連携してYoutubeにチャプターを自動的に設定し、角チャプターの内容を箇条書きで表示してくれます。

●さらなる使い方
・質問を繰り返して求める回答を得る
追加情報を添えて、方向性を絞り込むような質問を重ねていくといいでしょう。「詳しく」または「簡単に」といった文言を追加することで、回答の内容は大幅に変化します。
・ステップバイステップという言葉を入れる
多数の手順を伴うような複雑なケースで、一つずつわかりやすく説明してくれます。(ex.ABC分析とは何かをステップバイステップで教えてください。)

  • user 内田
  • time 2023年9月16日
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レビュー『税理士はいかにミスと向き合うべきか』

 

 

 

 

 

 

 

 

税理士はいかにミスと向き合うべきか』 清文社 白井一馬(税理士)

税理士業務の中で起こり得る実務上の致命的な判断ミスを防ぐために、税法の基本と趣旨を理解できるよう制度を分析し、失敗事例の実務への活かし方を検討している書籍。

・税理士は有効なアドバイスをしてくれないのか
顧問税理士は何も提案してくれない、有効な投資や経営判断のアドバイスをしてくれないと書かれた書籍を見かけます。
それを読んで微妙に劣等感を持つ税理士は多いのではないでしょうか。
しかし考えてみてください、そういった人たちが勧める投資や節税で失敗した納税者がどれほど多いことか
リスクの高い節税スキームは9つ成功しても1つ失敗したら狂ってしまいます。口うるさい顧問税理士が反対するのでまじめに申告して、税負担が原因で倒産した例など聞いたこともありません。
・税法のプロとしての倫理観
大胆な節税策は上手くいくこともありますし、成功例だけが宣伝されがちです。
失敗するリスクに責任を感じない人たちは容易に勧めてくるでしょう。
しかし、納税者に寄り添う顧問税理士は、失敗するリスクを納税者に負わせるわけにはいきません
無茶な節税を求める顧問先を説得するには税理士には経験が必要です。
人間的な厚みが言葉に力を持たせます。
・怖いのは過大申告
多くの税理士は過少申告を税務調査で指摘されることを不安に思い、ついつい厳しい判断をしてしまいがちですが、追徴課税される本税は、当初申告で正しい処理をしていたとしても支払うべきものですので損害ではありません。
勇気をもった処理と慎重なノミの心臓。
このバランスが求められるのが税理士であり、小さなミスは恐れず実行しましょう。
だからこそ立法趣旨にまでさかのぼる理解ミスが露呈した時の影をいく通りも考えましょう。
致命的な大きなミスを発見するセンサーを養うのは、小さなミスの積み重ねです。
・難しい税法についていけないリスク
消費税の納税義務者の特例や特定新規設立法人、組織再編税制、所得拡大促進税制、財産債務調書、国外財産調書、電子帳簿保存法、など労力を要し、条文も20年前の倍以上になっております。
すべて勉強して記憶すべきなのでしょうか、そうではないのでしょう。
税法が難解になったからこそ基本と立法趣旨にさかのぼる理解が必になり、あの処理には違和感がある、そのようなセンサーが働けばミスは未然に防げます。
センサーが働くのは自分が理解した条文の趣旨に反するからで、そうなればあとはGoogleで調べたらほとんどのことは解決します。
・その他、消費税、事業承継税制、小規模宅地特例、株価圧縮、組織再編税制、役員給与、DESについて事例を検討しています。
  • user 内田
  • time 2023年9月9日
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レビュー『トヨタの会議は30分~GAFAMやBATHにも負けない最速・骨太のビジネスコミュニケーション術~』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トヨタの会議は30分』すばる舎 山本大平

以前にWEBページで、自社の会議に役立てるためにレビューを読みましたが、実際に読んでみました。
●GAFAMやBATHの会議
私は今をときめくGoogle等の企業とも会議をしますが、そうした外資系企業の会議におけるコミュニケーションスピードの速いこと!
参加者それぞれが次に何をするか、いつまでにそれを行うかを明確にして閉めるのが鉄則になっています。
そして必ずその期日を守るのと同時に、ハッキリと意見を言い合います。
業務上の意見の違いを、普段の人間関係に持ち込みません。
●トヨタ自動車は泥臭くそれでいて最速・骨太
GAFAMにも負けないギガ速のコミュニケーションをトヨタは行い、とにかく無駄を嫌う文化を持ち、超大企業なのにPDCAを高速で回し、質実剛健を旨とする社風。
当たり前のことを継続的徹底的に、突き詰めていく文化。
複雑性を増し、予測不可能な現代では、ギガ速で報連相をして、スピーディに意思決定をし、どんどん仕事を前に進めないとアメリカや中国には勝てず、企業には常にイノベーションが求められ変わらなければ淘汰されてしまうのが日本経済の現状です。
●30分会議で2ヶ月分の時間を捻出
日本企業では会議の時間として1時間を設定することが多いですがトヨタのようにほとんどの会議は30分で設定し終わらせられます。年間の会議数を600回とすると300時間、およそ2ヶ月の労働時間を圧縮できます。議論が白熱すれば30分では足りなくなることもあり延長することもありましたが、30分までで、それ以上に時間がかかりそうな時には別の会議を設定する。この延長時間を確保するため、会議の予定は立て続けに入れず、最低30分は間を空けて入れる事になっていました。
●30分で終えるための事前の準備
関係者には、前もってその会議で何を話し合うのか「議題(アジェンダ)」を周知しないといけません。
それも漠然とした大きすぎる議題ではなく、ある程度は具体的な「解像度の高い議題」を事前共有することが求められます。
議題の共有だけあれば、あとは各参加者が議題に沿って、必要な情報や資料をそれまでの仕事の文脈から勝手に推測して用意してくれるのです。
「ネクスト会議」では、前回の会議や打ち合わせ以後に各参加者が動いた結果の情報交換から始まり、その後にいきなりブレストや意見交換になるというケースが多く、そのために会議の最後には「次は何を打ち合わせるか」を決めて終わらなければなりません。
●なぜを5回繰り返すのはなぜか?
トヨタといえば「なぜを5回繰り返す会社」としても有名ですが、あらゆる事柄について疑問を持ち、自ら考えるように訓練されます。
標準化されたルールですら自分で考えて、その本質を理解しないといけない会社です。
答えは決して教えてくれません。
むしろ答えは人それぞれだから、別にして明確な答えは必要ない、それでも考えることが大切なんだ、という訓練法が大切なんだ、という訓練法が共通化されています。

 

  • user 内田
  • time 2023年9月2日
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レビュー『キーエンス解剖』

 

 

 

 

 

 

 

 

キーエンス解剖 最強企業のメカニズム

色々なところで聞く最強企業-キーエンス。
制御機器大手のキーエンスは、粗利益率は80%、営業利益率も50%、時価総額も日本で五本の指に入る、国内屈指の高収益体質です。
このような業績を生み出す競合企業との大きな違いは、「当たり前のことを徹底的に行うこと」「スピード」「止まらないこと」
興味がありこちらの本を読んでみました。

キーエンスの社員は「とにかくめちゃくちゃ働く」といわれる。その激務ぶりは「30代で家が建ち、40代で墓が建つ」と表現されることもある。あるOBは「あそこは仕組みと、それをやり切る風土がすごいんです。後輩の指導もしっかりする。人が育たないわけがない」と言う。

「待ち」の姿勢ではなく先へ先へとさまざまな想定をして顧客に伴走し、顧客の仕事のサイクルを回す。顧客の潜在ニーズを具現化して顧客の仕事のスピードを上げ、質を高める。いずれもキーエンスの社員への取材で出てきた話だ。

「自分はカリスマではない」。キーエンスOBたちは、創業者の滝崎武光氏が1980年代にこう口にしていたことを覚えている。モチベーションを高く保てる社風などは「属人化を極力排除したい」という考え方が根底にある。
滝崎は2003年のインタビューでこう語っている。「カリスマというと、全て自分で決裁するというイメージがありますよね。そうではなくて、権限を委譲して、考え方を伝えて現場と一緒に考えていかないと、いいアイデアは生まれない」。そのため滝崎は「創業当時から自分がいなくても会社が回るように、ずっと考えてきました」という。

キーエンスの仕事の仕方や仕組み
外報」:外出報告書にその日の行動を詳細に描き込み、その日のうちに上司と反省会を開く。誰とどんなやりとりをしたのか。訪問前日に練った戦略をもとに、どういった展開になったのかを報告する。その報告を元に、上司からどうすれば良かったか、アドバイスを受ける。こうした動作を毎日繰り返す。成約に至るまでに何回プレゼンテーションをしたか。プレゼンまでに納入先の担当者に何回会い、電話は何回かけたかーー。営業担当者がなすべき行動は徹底的に数値化される。過去の社員たちの実績がすべてデータベース化されているので、売れない人に何が足りないのかは数値でわかる。
ロープレ」:上司や部下、同僚と2人1組で実施する、顧客との商談シミュレーション。ロープレを実施するのは、新製品発表前などの特別なタイミングだけではない。10~15 分ほどで手短に、だが毎日のように繰り返すのがキーエンス流。まるで歯を磨くように、当たり前にやる。短時間であっても、毎日のように繰り返せば「筋トレ」のように効いてくる。それが、どんな顧客とも当たり前のように高い水準で商談をこなす足腰となる。新人の訓練としてだけではなく、ベテランであっても、週に何回もやっている》し、しかも、ロープレには販売促進部門がつくる細かい「台本」も用意されている。
内部監査」:「予告なしで突然うわーっと人が入ってくる。マルサみたいに。完全に抜き打ちですよ。」あるOBがこう話すのが社内の風紀委員ともいえるチームが実施する内部監査の事。キーエンスの社風には「嘘をついた人が得をすることをものすごく嫌う」というものがあり、嘘が無いかを厳しくチェックすることは、正直にやっている人を正しく評価することの裏返しでもある。

これらの仕組みは作ったら、その仕組みが役立つように本気で運用を徹底するという、「最後の数センチメートル」に差がある。一言でいえば手を抜かない。そして、全員がそれをやる。「当たり前のことを当たり前にやる」ーキーエンスの社員やOBはよくこう表現するが、この当たり前の設定値と徹底度が高い。

なぜ徹底できるのか。キーエンスの仕組みは「人は油断することもあるし、楽をしたいと考えるものだ」という”性弱説”に基づいている。だから、社員が何をしているのかをガラス張りにして、いい数字も悪い数字も見せる。やるべきことを、手を抜かずにやり切ってもらうためだ。それをキーエンスの人たちは明るく、楽しそうに仕事をしていた。それは、なぜそうしなければならないかという理屈を、透明性納得感のあるものにしているからだろう。いい結果につながると納得すれば、多くの人はそのための行動を自然に増やすはずだ。

キーエンスで学んだ哲学や経営手法を広げていくのは、キーエンスOBたちも同じだ。「製販一体で動くことの重要さをキーエンスで学んだ」。製造業向けの動画やECのオンラインプラットフォームを手掛けるアペルザ(横浜市)の石原誠社長は、こう力を籠める。特に重視しているのが、キーエンスが直接販売で実現していた「製販一体」の価値だ。商品のことをよく知っている営業が顧客のコンサルティングをしながら、ニーズの裏にあるニーズを探る。企画や開発はその情報を活かしつつ、顧客に提供する付加価値も最も大きくすることを追求した商品を開発していく。それが高い利益率の源泉になっていた。

  • user 内田
  • time 2023年8月19日
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【TAPの仕事】自社の歴史を振り返る⑥(事務所移転・改装の時期)

 

 

 

 

 

税理士法人TAPは、今年2023年、10周年を迎えました。
その企業を知ることは、その場所で働くために大切なことと思います。

ここで税理士法人TAPの歴史も、前回までに引き続き何回かにわたって振り返ってまいります。

「事務所移転・改装を行った」時期(2017年12月~2020年12月)

たまたまという事がありますが、3年程の間に三拠点とも移転をすることになりました。

2017年12月に本店の本別事務所が移転をしました。
もともとあった旧・タジマ会計事務所の建物が手狭になり、新たな場所を探しているところ、駐車場が広い国道沿いから少し入ったところの建物を見つけ、大きく改装をしまして移転をしました。
お手洗いが男女別になったこと、駐車場が広くなったこと、国道沿いでお客様が来やすくなり知名度も上がったこと、総務機能を持てたこと、調書スペースが広くなったこと、など諸々良い面があったと思います。

2020年8月に札幌事務所が移転をしました。
札幌市西区山の手も住宅街で良い場所でしたが、札幌市中央区の中心地に移れたことは、事務所のブランディングや新卒採用の面でも良かったです。
それ以来、新卒採用の募集を出しても、立地の良さもあり、5名以上の募集は来るようになりました。
事務所として設置した「札幌相続相談室」にとっても、地下鉄から直結の立地が功を奏したと思います。
まだまだ生かし切れていないかもしれませんが、他士業との連携もしやすくなりました。

2020年12月には帯広事務所も改装し、3階建ての3階にあった事務所を1階に移動しました。
帯広市の街中の中心地の建物で、1階に移動できたことは、知名度を上げることにつながり、職員にとっても仕事がしやすくなったと思います。

事務所の移転や改装は、事務所機能を改善させ、思った通りの動きが出来るようにすることに役立ちます。

  • user 内田
  • time 2023年8月12日
  • tag TAPの仕事
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