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レビュー『リーダーの仮面』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リーダーの仮面』安藤広大 ダイヤモンド社

最近一番売れていると言われるリーダーシップ本とのこと。
SNSでも広告がよく出ております識学社長の安藤さんによる執筆ということで読んでみました。

「自分はプレーヤーとして生きていくから別にいいんだ」と初めから宣言する若い人たちも増えています。しかし、想像力を働かせてください。ほとんどの仕事でプレーヤーとしての能力は、30代をピークに年をとるごとに落ちていきます。自己管理を徹底して健康な体を保ち、読書や習い事で自分磨きをして、結婚して子育てや親の老後のことを考えながら、20〜30代の若手と同じ位置でパフォーマンスを上げることができるのか。手足となる現場の力は若い方が良く、早く手足の機能を経て、神経の機能に上がっておかないと年をとってから大変なことになります

プレーヤーとして優秀だった人であればあるほど、リーダーとして失敗するリスクが大きく、手取り足取り教えるとメンバーが思考停止し成長せず、また背中を見て覚えろだとリーダとしての役割が果たせません。

リーダーは、つい、その場で「思いつき」で何かを言いたくなるものです。
しかし、チームの結果を最大化させるために、リーダーが見るべきは”たったの5つ“です。まずは5つのポイントにフォーカスし、それ以外のことは任せる。見守る、待つ、スルーする。それを囲む可能にするしこうほうとして、“リーダーの仮面“を与えましょう。

リーダーとメンバーの間には「いい緊張感」が生まれる事が大事で、ポイントを押さえた声がけやルール設定、評価をし、メンバーが最終的に成長する。優しい言葉をかけて、その場だけでいい人だ思ってもらっても、その言葉、頭に残りませんし、後から効いてもきません。
「尊敬されたい」「すごいと思われたい」そんな素顔を見せないのが「仮面(ペルソナ)」の力です。本音だけの一対一の人間としての付き合いを全員とすることは不可能です、ペルソナを使い分けて人間関係の問題を無くしていくのです。

ポイント①ルール(場の空気ではなく、言語化されたルールをつくる)
「全員、研修は必ず受けましょう」「会議の始まる3分前には着席しましょう」「日報は当日中に提出しましょう」など誰でも守る事ができるルールを、私が決めたので以後守ってくださいと徹底して守らせる事がリーダーの一丁目一番地で、これによりメンバーに「この会社の一員なんだ」という認識を持たせられます。
「誰がいつまでにやるか」を明確にするのが大事です。「オフィスはキレイにすべきだ。気づいた人が率先して掃除するようにしましょう」というルールでは誰もやらず、仮に一人がしても自分ばかりやって不公平だとなりチームがぐちゃぐちゃになる曖昧なダメなルールとなります。

ポイント②位置(対等ではなく、上下の立場からコミュニケーションする)
お願いでなく言い切りで指示する。期限を決める報連相を機械的に行う。相談は部下が決められない事のみ受ける。できていない事実を淡々と指摘する。業務中に指摘されてすべきことは業務中に指摘して飲みニケーションはしない。部下とは意識的に距離をあける。
リーダーは感情を入れず、「いい人」に思われたいという想いは捨てましょう。

ポイント③利益(人間的な魅力ではなく、利益の有無で人を動かす)
集団で大きな利益を獲得した利益を分配することで、個々の人間が1人ずつ取り組むよりも、結果的に多くの利益を得て、分配を獲得でき全員の取り分を増やせることを目指します。そのためには少し上を目指す緊張感を作り、言い訳に逃げて現状を変えようとしない部下には事実を淡々と確認して言い訳を無くせば(または言い訳はスルーすれば)改善行動をしていきます。テンションを一定に保つため、毎回指摘します。数字を見える化することで、健全な競争状態を作りましょう。

ポイント④結果(プロセスを評価するのではなく、結果だけを見る)
「うまくいっている?」「はい、順調です(本当は何も進んでいない)」「よし、期待してるぞ!」このやりとりは、事実上、何も成果がありません。日報による数値管理をしプロセスを褒めないようにしましょう。
リーダーはメンバー全員に対して目標設定を期限と状態を数字で設定します。期限が来たら目標達成か未達かを伝えて、できなかったことを指摘し、次の目標も数字で設定します。
最初に目標設定をして、ちゃんと仕事を任せる。最後に結果を報告してもらい評価する。その点と点の管理を身につけましょう。

ポイント⑤成長(目の前の成果ではなく、未来の成長を選ぶ)
チームが成長するとき、必ず健全な競争が起こっており、これを管理することがリーダの業務です。もし、競争したくなくて成長を諦めた人は辞めていくかもしれませんが、それを食い止める努力は、リーダーには必要ありません。競争の中で早く成長する部下が1人出てきたらそこにチームが引っ張られていく、これが理想のイメージです。伸びない組織では、リーダー自ら先頭の鳥となり、トッププレーヤーとしてチームを引っ張ろうとします。リーダはトップになってはいけません、あくまでマネジャーとしての仕事を優先させるべきだからです。
部下には常に不足を認識させて、成長してもらうために、とにかく一度行動させることが大切です。その際に、「まずは一度、やってみてください。やってみれば見えてくるものがあります。それは上司である私の責任になりますので。」と言い切りましょう。

 

 

  • user 内田
  • time 2024年2月3日
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レビュー『TKC基本講座』

 

 

 

 

 

 

 

TKC基本講座 第5版』TKC全国会中央研修所 TKC出版

弊社はミロク情報サービスがメインの会計システムとなりますが、2023年時点ではTKC全国会にも入会のうえ、TKCのソフトも一部使用しております。

TKCは「十勝計算センター」の略ですが、会計事務所業界最大手のソフトベンダーです。

弊社は今のところMJS(ミロク情報サービス)がメインシステムで使っておりますが、こちらのTKCの書籍も読んでみました。

TKC創始者-飯塚毅は博士は「満3年後に、日本のトップクラスの会計人になってしまうための処方箋」として7要件を挙げられ、その第1要件として次のように述べられています。
職業生活上の基本となる参考書は、断固として平均16回は読破する、ぐらいの勢いで精読して頂きたい。このTKC基本講座 はこの参考書に属するものと考える。このために作られたのである。』

もとより、税理士業務成功の要諦は、所長と職員が①『TKC会計人の行動基準書』を遵守し、②独立した公正な立場を堅持して、③巡回監査を徹底断行し、④職業会計人の職域防衛と運命打開を開発コンセプトとするTKCコンピュータを徹底活用して、⑤租税正義の綿密な実現を図りつつ、⑥税理士の4大業務(税務、会計、保証経営助言)を堂々と全面的に展開することにあります。

日本には元来会計事務所の効果的・合法的・発展的運営に関する手引書すらなく、日本の会計事務所を取り巻く社会的環境は貧困すぎる。米・英・独・佛の各国と比較すると、この点の貧困さはぞっとするばかりである。その原因は過去に、日本が国家として、会計事務所の法人化を認めなかった点がもっとも大きいと認められる。

TKCの経営理念。私たちは、お客様の繁栄のために、1.お客様の事業の成功条件を探求し、2.これを強化するシステムを開発し、3.その導入支援に全力を尽くします。

TKC創始者-飯塚毅博士は、日本の税理士についての社会的低評価を除去する方策として、次の2点を提唱しています。1つは国税当局への嘆願事項であり、もう1つは経済社会における情況の変化が、質量ともに激甚さを増している事実に鑑み、イギリス、アメリカの会計人制度に倣って、日本の税理士も生涯研修制度を導入すべきということでした。
そして、職業的会計人は、場合によっては、自分を委嘱した人が自分を解約する可能性がある場合でも、なお他人の意志には従属しないという態度の堅持を意味しており、他の自由職業には類例を見出しえない特性をもつものです。

TKC創始者-飯塚毅博士は、TKC会計人は、ただ一度のこの人生で、職業会計人たることを誇り高き天職と心得ている人達のはず。とすれば心底から関与先のため、職員のため、国家社会のため、と念じて徹底奉仕しなさい、と「自利トハ利他ヲイフ」の実践を推奨しています。
世のため人のため、つまり会計人なら、職員や関与先、社会のために精進努力の生活に徹すること、それがそのまま自利すなわち本当の自分の喜びであり幸福なのだ。そのような心境に立ち至り、かかる本物の人物となって社会と大衆に奉仕することができれば、人は心からの生き甲斐を感じるはずである。

成功する会計人の条件として、世界的に有名な『モントゴメリーの監査論』の概要を紹介する。
(1)正直であること
これは会計人にとって、本質的に重要な資質である。それは会計人があらゆる場面で、業務に良心的であり、細心であることを意味する。また2つ以上の行動が取り得るという場合に、その相互の利点を厳格に区別したり、自分の決定した事項について論証したりするに当たって、いささかも恐怖心を抱かないことを意味している。会計人、その割当業務の遂行や報告を行うに当って、あくまでも良心に従うという態度がないならば、彼には高級な会計人となる可能性がない。
(2)客観的観点に立てること
完全な客観性は一般的に考えられているほど簡単に身につくものではない。それは自分の主観の奥底に、微塵も雑念や先入観の投影を持たないことのできる人間だけが初めて具備することができ、自己探求の上で百錬千鍛してようやく到達できる心境である。
(3)成長力を持っていること
企業の問題や行動は、不断に変化しているので、会計人の頭上には、次々に新しい需要が投げかけられる。したがって、絶えざる研究と機敏さだけが、会計人をしてその需要に対応させてゆく。顧問先への奉仕能力は、この会計人の成長力に限定されるのである。これは意志と内心の祈りの問題であって、学歴の問題はない。
(4)分析的能力をもつこと
重要なことは、監査人が、その報告を受ける人の立場に自分を置いてみる努力を払う事である。たとえ内容に誤りが無くても、相手に理解されない報告は、不完全なものだと知るべきである。監査人は、数字の背景にある事実の分析と解説が出来て、かつ相手に分かるようにその結論を取りまとめることが、出来なければならない。これはまさに健全な洞察力の機能を要求されていることに他ならない。こういう機能は、単に対象的知識の吸収からは生まれてこない。会計人が、自己における主体性の錬磨の必要性を痛感するのは、この局面においてである。

 

 

 

 

  • user 内田
  • time 2024年1月27日
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レビュー『イーロンマスク 上』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イーロン・マスク 上』 ウォルター・アイザックソン 文藝春秋

ここ数年、世界富豪ランキングの上位に入っているイーロン・マスクの初の伝記。
存命時に伝記が出ること自体が凄いことです。

「上」巻はイーロンの祖父の時代から彼自身の誕生から、スターリンクの手前まで。

アフリカで生まれ育ったイーロンが8歳の時に、離婚をした父母や祖父も皆リスクと取る性格とのことでそれを受け継いでいるようでした。
父は精神が不安定で時に言葉の暴力も振るい妄想にとらわれ、心を痛め付けられ、それがイーロン自身の現在の性格にもつながっているようです。
「人とは、父親の期待に添えるようにと生きているか、父親の失敗を償おうと生きているかだと言った人がいる。私が苦労してきたのは、このせいなのではないだろうか」~バラク・オバマ元大統領
本人も自身がアスペルガーであることを、後には、おおっぴらに語ったり、それこそジョークのネタにするようになり、それは子ども時代のトラウマが拍車をかけ、どうしても空気を読むのは下手。

イーロンはブライアンストン高校に通い、プレトリア男子校を卒業しました。 17歳になった1988年、Pretoria Boys高校で大学入学資格を得た後、カナダへの移住までの5カ月間、地元のプレトリア大学に通い、物理学と工学を学びました。
このころには、人生の目標が出来ていた。「人間に大きな影響を与えることがしたいと考えました。思いついたのは三つ。インターネットと持続可能エネルギーと宇宙旅行。

イーロン・マスクが24歳で起業したZip2の経営には、実の弟であるキンバル・マスクも携わりました。さらにイーロン・マスクは4年後の1999年、あのコンパックにZip2を3億700万ドルで売却し、同時に現ペイパルの前身でもあるXドットコムを起業しています。

イーロンの行動は本当にはちゃめちゃ、毎晩遅くまでコーディングを続けて、昼間は昼間で荒々しく気遣いがない。1999年にXドットコムを設立したときも、毎日いらついた様子で事務所をうろつき皆をイラつかせ、もちろんほぼ毎晩机の下で寝て泊まり込み。いまも当時もそうだが、イーロンのやり方は、ありえない締め切りを設定し、なんとか間に合わせろと発破をかける。

ペイパルが軌道に乗って来た時にあまりにも身勝手なイーロンに対して、クーデターが起こりCEOから降ろされることになったが、負けた現実を直視できる。ビジョナリーだが周囲とうまく折り合えない。

イーロンはリスクを追い求める男。彼が作った2社、スペースXとテスラを見ればわかる。シリコンバレーの常識ではどちらもクレイジーな賭け。ですが、うまくいった。イーロンは、ほかの人にはわからない何かをリスクについてわかっているのだろう。

イーロンが宇宙開発を、特に火星に行きたかったのには3つの理由があった。
技術は必ず進歩すると限ったものではない。進歩は止まるかもしれず、後退することさえありうる。月には行けた、でも、スペースシャトル計画は中止となり、進歩は止まった。「月までしか行けなかった、それ以上はあきらめたと子どもたちに言うのでしょうか」
2つ目に、か弱い地球になにごとかあっても、ほかの惑星にも住むようになっていれば人類の文明と意識は生き残れると思うから。
3つ目は精神的なもので、イーロンが冒険者の家系であること、ティーンエージャーのとき、開拓者精神を旨とする国に行こうと決めたこと。

課題を解決していくだけの人生などつまらない。彼はそう感じていた。大いなる夢を追うことも必要だ、と。「それがあればこそ、朝、起きられるというものです。」

スペースXでのロケット開発の中、イーロンも若手技術者も毎晩遅くまで仕事をしては、自分のコンピュータでシューティングゲームをプレイしたり、携帯電話で会議をしたり、デスマッチに突入して朝3時までプレイを続けたり。ゲームをすることが狂っている。
「気が狂いそうな切迫感をもって仕事しろ」とイーロンはよく言う。切迫感は役に立つ。だがこれには歯の側面もある。
イーロンは諦めない、粘り強く前に進み続ける。2回目の打ち上げ失敗について、どうしてそんなに楽観的になれるのか尋ねられた時「楽観的?悲観的?そんなことは知らん。やる。やり遂げる。地獄なんぞものともせず必ずやりとげると神に誓うんだ。」それがイーロンの答えだった。2008年のリーマンショック後の一年は崖っぷちで本当にひどい一年だった。

2008年のイーロンは友人たちからお金を借り、毎晩、ぶつぶつぶつぶつ独り言を言ってたし、手足を振り回して叫ぶこともあった。それを見るのはとても怖かったと二人目の妻タルラは言う。「心臓発作でも起こすんじゃないかと心配で心配で。夜驚症と言うんでしょうか、寝ているのに突然叫びだし、私にしがみついてきたりするんです。恐怖ですよ。彼は追い詰められていて、私はびくびくでした。」トイレで吐くこともあったという。「内臓に来てしまって、叫んでは吐いてました。私はトイレで横から彼の頭を支えてあげました。」ストレス耐性が高いイーロンも、2008年は、もう少しで限界を超えるところまで行ってしまったのだ。「帽子からうさぎを出すような魔法をこなさなければならない、一度ならず二度、三度と繰り返さなければならないのです。そんな状況で、毎日毎日、朝から晩まで仕事をしていました。」とイーロンは言う。めちゃくちゃ太ったかと思うと、一気に痩せ細る。背中は丸くなり、足の指に力が入らなくて歩きにくい。そんな状態でも、イーロンはすさまじい集中力で精力的に仕事を進めた。首つり縄が目の前にぶら下がったことで、いつも以上に集中できたのだ。
その後、4度目の打ち上げが成功しNASAより16億ドルの契約を取り付ける。

イーロンの採用面接も相当個性的。じっと見つめてきたかと思うと1分以上も黙ったりする。そして、候補者について知ろうと真剣になると、技術的なことを事細かにと問う。「相手の力量を評価するのに都合のいい神経回路を持っているようで、ほんの何点か尋ねただけでだいたいわかるんです」とイーロンは言う。

マスクが好きな言葉ー好きな概念でもあるーに「本気」がある。最初の会社では職場文化のあるべき姿をこの言葉で表現したし、それから30年近くも後、Twitterの家族主義文化をひっくり返す際にもこの言葉を使っている。

 

  • user 内田
  • time 2024年1月20日
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2024年の仕事初めに当たって

2024年 年初に発生した能登半島地震に被災された方々には、心よりお見舞いを申し上げます。
現在も生活インフラの回復しない中で避難生活をされている方は本当に大変な状況かと存じます。
少しでも早くに元の生活に戻っていくことを願い、一日も早い復興を心よりお祈りいたします。

2024年は年初から災害・事故に見舞われましたが、税理士法人TAPは本年も事業者・納税者に寄り添った仕事をしてまいりますので、また一年間、どうぞ宜しくお願い致します。

 

 

  • user 内田
  • time 2024年1月12日
  • tag ご挨拶
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2023年もどうもありがとうございました。

2023年も、もうすぐ終わろうとしております。

2023年にお世話になりました全ての皆様に、心からの感謝を申し上げたいと思います。

2022年にはじまったウクライナ紛争は続いており、2023年はパレスチナ-イスラエルの紛争も勃発しました。
世界の紛争や戦争が続く中で、日本全体は円安に苦しみ、特に地方経済は疲弊をしているように感じます。

かつて1980年台に日本の製造業のビジネス・モデルが世界一になったと言われた「ジャパンアズナンバーワン」の時代ははるか昔、日本の名目国内総生産(GDP)が2023年にドルベースでドイツを下回り、世界3位から4位に転落する見通し。

”GDP規模で日本は4位に転落、ドイツに抜かれる-IMF23年予測”(Bloomberg.co.jp

そのような日本で、北海道内で、私たち税理士法人という存在が、どのように貢献をできるのか日々考えております。

北海道は食が豊かで、観光資源が豊富で、世界に誇れる場所です。

食の豊かさを象徴する農業は2023年、大変な年でした。

2024年は良い方向に進んでいくことを願いながら、良い新年を迎えたいと思います。

 

 

 

 

  • user 内田
  • time 2023年12月30日
  • tag ご挨拶
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レビュー『10歳から知っておきたいお金の心得』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10歳から知っておきたいお金の心得』えほんの社 八木陽子

事務所の10代の新卒社員のために買ってみました。
新社会人になるに当たってとても大切な心得かと思います。

日本はお金の教育が遅れていると言われていますが、お金は社会の血液ですから、社会をよくするための「お金」を考えてほしいのです。
自分の好きな仕事でお金を稼ぐことの喜び。自分の好きな仕事を通して、世の中に貢献できることの喜び。自分が好きな会社を応援する目的で、投資をすることの喜び。

お金は稼げばいい、増やせばいい、というわけではありません。大切なのは稼ぎ方と、増やし方と、使い方です。稼ぎ方や使い方に、社会をよくするための「想い」や、人を幸せにする「願い」が込められていれば、お金の話をすることは、カッコイイことになるでしょう。

●投資
お金を「育てる」ことを「投資」といいます。
投資は会社を応援することです。キミから受け取ったお金で会社は頑張って仕事をすることができます。まずは自分に身近な会社から選ぶのがおすすめ。例えばキミがアイスクリームが好きなら、アイスクリームの会社を調べてみよう。会社を応援して、その会社に注目することが大切。「この会社は儲かっている」とお金の面しか見ないと、会社を応援するという目的とは違ってきてしまう。会社のホームページには、経営方針などが書かれているから、どんな目的をもってその会社を経営しているか調べてみよう。
価格の上がり下がりに一喜一憂せず、長期で考えるのが投資のコツだよ。

●税金
みんなが学校で使っている教科書も、体育で使っている跳び箱も、すべて税金で買っています。税金はみんなのお父さん、お母さんが働いて、もらっているお金から住みやすい街を造るために、少しずつ出し合ってるお金です。税金があるおかげで住みやすい街ができます。みんなが歩いている道路だって、信号機だって、税金を使って造られています。
働いた分からお金を取られるなんてイヤだな、と思うかもしれないけど、税金ないと僕たちの町は大変なことになってしまいます。泥棒が来ても警察官が来ない、学校もない、道路もボロボロ、そんな街には住みたくないよね、税金はみんなのお金です。だから税金で買ったり造ったりした物は、大切にしないとね。

●古今東西-お金についての名言集
「人生は恐れなければ、とても素晴らしいものだ。人生に必要なもの。それは勇気と創造力、そして少しのお金。」チャールズ・チャップリン
「お金も愛情も人材も、心から集めたいという人に集まってくる。そしてそれを大切にしてくれる人のところに集まる。」松下幸之助
金のためにやってきたわけではない。買いたいものなんてすぐに尽きてしまう。」スティーブ・ジョブス
「お金がないから何もできないという人は、お金があっても何もできない。」小林一三

 

学校の授業ではあまりお金のことは教えてくれません。でも世の中に出るとお金はとても大切
お金に対して臆病になり過ぎて、なんにもチャレンジしない大人になるのは寂しいよね。でも逆に、お金を稼ぐことばかりを考えて、人に対する思いやりも忘れて、人生をお金儲けにささげた大人になるのも寂しいよね。
お金はあくまで、キミたちの人生を幸せにするお手伝いをしてくれる相棒だよね。
その相棒と、よい関係を続けるためには、相棒であるお金のことを知ることも大切だよね。お金だけで人生を幸せに生きることは絶対にできないけど、正しい心でお金と付き合っていれば、お金が幸福の邪魔をすることもないはずです。

 

 

 

 

  • user 内田
  • time 2023年12月23日
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円安と飼料代を考える

 

 

 

こちらの三菱UFJ国際投信の表を見ていっても、この3年間でどれだけの円安が進んだかが良く分かります。

対ドルで見ていきますと、
3年前の2020年(R3)11月は「1ドル105円」ほどだったのが、
ロシアのウクライナ進行がはじまった2022年2月以降は「1ドル115円」から更に円安が進み、
日本とアメリカの金利差貿易収支赤字が進んでいく中で2022年10月には「1ドル150円」を超え、
為替介入により2023年1月は「1ドル129円」でスタートをしたかと思ったら、
アメリカでインフレが長期化し金利差が拡大、2023年5月に「1ドル140円」、6月には「1ドル145円台」となり、
アメリカの長期金利が日銀の想定を上回るスピードで上昇し2023年10月には「1ドル151円」まで進みました。
この円安ドル高の背景には、日本の経済的な国力の衰退に原因があると言われております。

これは日本国内の家計に影響し、輸入価格の上昇は冬場を迎える電気・ガス料金などエネルギー価格に影響する可能性があるほか、食料品の値上げがさらに続き、年間10万円以上の負担が増えます。

 

北海道の十勝の畜産農家さんが、ここ数年赤字が続いている背景には、この円安の影響が大きいです。
搾乳の酪農業や、肉用牛の農家さんで牛さんが食べるエサ代金に影響する配合飼料の価格は、まさにこの円安が進んだ時期に大きく高騰しました。

 

 

 

 

 

北海道の多くの畜産農家さんは販売価格を決めることができません
生乳の価格は指定団体が決めることになり自分たちで上げることもできず、肉牛の価格も主に市場で決められることになります。
そのような中でコストの半分以上を占めることもある、エサ代(飼料費)が以前より5割以上増えてしまうと、どんなに頑張って経営をしても赤字になってしまいます。

このような情勢の中で、営農をやめてしまう農家さんも増え、またやめたくても借金が多くやめられない農家さんも数多くいらっしゃいます。
10年ほど前からはじまった農林水産省管轄の畜産クラスター事業は、牧場大規模化のために補助金を多額に出しましたが、補助金以外の借入金が大きく残ってしまう結果にも繋がっております。
そのような中で、近くで飼料代等コストの数字を見させていただく中でいくつか考えることがあります。

・飼料代を下げられる思い切った方策を取れないか
飼料の中身を思いっきり見直すことで飼料代を下げられる可能性があります。仕入れ先のエサ会社を変更することも考えられます。資料専門のコンサルタントを入れることも一つの手です。粗飼料を収穫する畑を増やし、自給飼料を増やすことも飼料代削減につながります。

・頭数を減らすことはできないか
仮に何をやっても一気に飼料代を減らせないならば、(今後の飼料相場も見据えながら)牛を飼えば飼うほど赤字でそれを避けられないならば、一時的に飼養頭数を減らすことも赤字削減につながるかもしれません。但し、ここは将来的に再び増頭させることができるかにも注意しなければなりません。

・飼料代以外のコストが減らせないか
牛さんが食べるエサのコストはこれ以上どうしても減らせない、としたら他のコストを限界まで落とすしかありません。人を雇っているならば苦しい時期のリストラとして辞めていただく。飼料中の添加剤、敷料費や薬品代金などを減らすことができないか。電力費を大手から別の業者に変えて変えられる可能性は無いかなど。

こういった厳しい情勢だからこそ自分たちの牧場の数字には徹底的に向き合っていただきたいと思います。

  • user 内田
  • time 2023年12月16日
  • tag 北海道・十勝・札幌
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