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レビュー『頭のいい人が話す前に考えていること』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頭のいい人が話す前に考えていること 』安達裕哉 ダイヤモンド社

 

周りの色々な人にも読んでほしくて買ってみました。
今、いちばん売れているコミュニケーション本とのことです。

他の本とちがって、見開きをひらいたときに、大きなシートが付いている点が印象的です。

★「知性」と「信頼」を同時にもらたす7つの黄金法則

その①とにかく●●するな
冷静であってキレないようにする。そのためには、すぐに口を開かず、相手がどう反応するか、いくつか案を考えて比較検討する。
怒りや感情など強い感情にとらわれると、愚かな行動に走りやすい。

その②頭のよさは、●●が決める
社会的知性SQを高めよう。それは知性やテストでは測られないもの。他者の思考を読み、信頼を得て、他者を動かす力。
価値観の違う人と考えを共有するためにロジカルに話す必要があります。人は頭のいい人の話を聞こうとします。頭のいい人がすすめるものほしくなります。頭のいい人と認められれば、自分のやりたいことを通りやすくなります。

その③人はちゃんと考えて●●人を信頼する
賢いふりでは人は信頼してくれなく、会議で最初に発言する、思いやりの言動をするなどにより、「この人、私(私たち)のためにちゃんと考えてくれてるな」という心情に相手がなったときに信頼が生まれます。

その④人と闘うな、●●と戦え
頭のいい人は、議論の勝ち負けではなく、議論の奥にある、本質的な課題を見極めようとします。議論になるのは、その人の根底に何か問題があるからです。

その⑤伝わらないのは、話し方ではなく●●が足りないせい
「黙っていい、むしろ積極的に沈黙しろ」「言い方にはきをつけるべきだが、うまく話せる必要はない」。テクニックに頼るな。話す前にちゃんと考えるという事は当てはめることでも、テクニックで賢いふりをすることでもない。

その⑥知識は●●のために使って初めて知性となる
話す前に”本当に相手のためになるのか?”と立ち止まることで、知識を披露したいだけ、ただ言いたいだけの自分に気づくことができます。簡単にアドバイスするな、意見を言うな、とにかく相手に話してもらえ。

その⑦承認欲求を●●側に回れ
自尊心が低く自分に自信が無い人間は、他者をうまく承認することがでません。自分で自分を尊重しましょう。
口(自己アピール)ではなく結果で自分自身の有能さを示し、相手に新設にしましょう。

⇒上記①反応②他人③くれてる④課題⑤考え⑥誰か⑦満たす

 

★「知性」と「信頼」を同時にもらたす5つの思考法

第1章「客観視」の思考法
話が浅い人の特徴は、証拠が薄く、言葉に鈍感であり、成り立ちも知らない。
話を深くする2つのコツ①自分の意見と真逆の意見も調べること②統計データを調べること、をやってみよう。

第2章「整理」の思考法
結論から話し、事実と意見を分ける。
相手が聞きたい結論から話すというのは、相手に”聞くスイッチ”を入れる行為なのです。

第3章「傾聴」の思考法
自分の言いたいことではなく、相手の言いたいことを考えながら聞け。
アドバイスをしたいときほど、相手の話を整理しながら正確に聞け。そのために、ゴールを確認しながら、相手の考えを聞く一方で、相手にこうしたいという意志がなければそのまま相手の話を聞くだけにとどめましょう。

第4章「質問」の思考法
導入の質問①過去の行動について質問。導入の質問②仮定の状況判断に基づく質問
深堀の質問①状況に関する質問。深堀の質問②行動に関する質問。深堀の質問③結果に関する質問。

第5章「言語化」の思考法
言語化の質がアウトプットを決めるから、「〇〇ではなく、△△だ」のように再定義をしていけ。
ネーミングにとことんこだわり、「ヤバい」「エモい」「スゴイ」を使わないようにしろ。
提案よりも共感が大事。本当に価値のあるものは100%の賛同は得られない。課題は聴くのではなく、言い当てるもの。人はそんなに早く育たない。小さな商品で、顧客と接触する頻度を高めろ。リスク管理は経験が何よりもものを言う領域。知的な驚きを作り出すことが大事。

  • user 内田
  • time 2024年7月6日
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【TAPの仕事】法人3月決算業務の振り返り

先月令和6年5月31日にて令和5年度の3月決算業務が終わりました。

3月の個人確定申告もなかなか大変でしたが、この5月も最も法人決算が多い月で、少し苦労もしました。

弊社では十勝で約100件、札幌でも20件程、関与させていただきました。

当然ゴールデンウィークがお休みの中ですので、なかなか厳しい5月でしたが、色々振り返りますと

・反省点
コロナ明けで所属団体の定期総会等が増え時間が取られた。
5月に入ってからの新規増があり時間が掛かった。(最終申告が31日になってしまった。)
経験年数が短いスタッフの関与件数が少なかった。
M&A、金融機関対応などスポット業務も多かった。

・良かった点
4月中に8割以上資料回収ができた。(10割にしたい) 若
手が決算業務の経験を多く積めた。
繁忙期でも月次業務をあまり遅滞せず進められた。
特に論点が難しい会社様にしっかりとご説明ができた。

もしもお客様の方で支障が無ければ、税理士法人側でもお時間を掛けさせていただけるという点で、お客様にとっても良い面があり、3月決算が以外へ変更をしていただくことも宜しいかもしれません。

※弊社-税理士法人TAPはこれまで10年間ほど5月決算(7月申告)でしたが、5月までが繁忙期のため、次年度より余裕をもって人事評価や決算を行うため6月決算に変更を致します。

いずれにしましても、引き続き反省点の内容に取り組んでいきます‼️

 

  • user 内田
  • time 2024年6月29日
  • tag TAPの仕事
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レビュー『「後回し」にしない技術』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「後回し」にしない技術』文藝社 イ・ミンギュ

仕事でもプライベートでも、考えたことが実現できればどんなに良いことか。
それでも、人はなかなか行動できないもの。
そのような中、技術的に「すぐやる人」になっていくための方法を書いた著書。

人生でもっとも破壊的な単語は「あとで」である。
「切実に願い、生き生きとイメージしさえすれば、夢がかなう」といったプラスの自己暗示は、実際には思ったより効果が少なく、目標を達成するうえでかえって邪魔になることもある。

楽観的な考えを持つと、目標達成までの困難を予測して挫折してしまい、かえっと行動出来なくなる。
人生の成功を手にするには、目標達成した場面をイメージする「ゴールの視覚化」よりも、目標までのルートを正しくとらえる「プロセスの視覚化」の方が、ずっと重要なのだ。

つまらない事のせいで、大事な事をいつも先延ばしにしていないだろうか。
現時点から見れば、すべてのことが重要に感じられる。
しかし、目標の達成時期から逆算して、逆方向から現在の状況を見れば、選択の幅はずっと狭まる。
誘惑を振り切るのも簡単になり、目標と関係のない事を退けるのも容易になる。当然、ストレスも減る。

・どんな時も代替案を用意する
どんなに準備しても、突発的事態案はやってくる。実行に移したことを途中であきらめたり、人間関係やビジネスでトラブルが起こったりするのも、その大部分は事態に備えていなかったことに原因がある。成功した人たちは、自分の意見がいっぺんに受け入れられるとは期待しないし、想像もしない。一方、失敗した人たちは、自分の提案が受け入れられない場合も予測もできないことが多い。いや、断れられることが怖くて、想像すらしたくないことが多いのだ。偉大なリーダー程みな怖がりだ。予想される突発事態への対応策、プランBを立てよう。

・どうせやるなら素早く処理する
固く決心したことが、しばしば後回しになってしまうのは、あなたの心の中に「実行したくない」という強い動機が隠れているからだ。経営コンサルタントの本田健は、金持ちの生活習慣を研究するため、日本の国税庁の高額納税者名簿を手に入れ億万長者12,000人にインタビューとアンケートを実施したが、そこでの面白い特徴のひとつは高額所得者であればあるほど、アンケートの回答が早かったことだ。なぜか。それは彼らがどうせしなくてはならないことなら、早く処理する方が有利だという事実を、体験から知っているからだ。相手が自分が尊重されていると感じ信頼できる人だと判断する。自分にとってもメリット①素早く処理して頭の中から消し去れば最も重要なことを処理する速度が上がり、②後回しにした事は頭の中で忘れないように束縛してくることから自由になり、③信頼と好感を持たれてより豊かな人生を送ることができる。

・開始と終わりの「ふたつの締め切り」をつくりなさい
実行力に優れた人の心の中には、実は「ふたつの締め切り」がある。先延ばしの神に取りつかれそうになったら、「締め切りのお守り札」を2枚差し出そう。日常の小さな仕事にもふたつの締め切りを決めておこう。締め切りこそがあなたを緊張させ、これまでに蓄えておいたあらゆる情報と知識を検索し解決策を探させ、必死にさせる。やる気が出なかったり、強いプレッシャーを感じたりするときに使える最も効果的な戦略としては、ふたつのデッドラインからさらに「中間締め切り」を決めるといい。中間締め切りとは、最終目標を小さく分けて、終了デッドラインから逆算し、いくつかの段階の締め切りをつくることだ。締め切りを最大限に活用する3つの大原則①具体的な小さな締め切りを作り練習する②具体的な時間と場所の設定をはっきりと定義する③重要な仕事をするときは締め切りを公開しよう。

・見られていないと人は動かない(「観察の力」を利用する)
誰もいないと思って、決心を行動に移せないでいるなら、誰かの目を思い浮かべるとよい。想像の中の目は神の目からもしれないし、母親の目かもしれない。また、子どもの目かもしれない。自分の目かもしれない。体を鍛えたければ、週に1度ずつ時間を決めて、ブログやX、フェイスブックに変化の過程を書き込もう。ネットサーフィンを減らしたければ、パソコンのデスクトップに親の写真を使って、自分を監視させよう。ゲームをする時間を減らしたければ砂時計を横に置いて時間を決めよう。支出を減らしたければ家計簿を付け、怒る癖を直したければ、いつ、どこで、何回怒ったかを記録しよう。そして、その結果を図表にし、他の人に見えるように貼っておこう。決心を守りたければ、自分がちゃんと守れるか常に監視しよう。そして、その結果を誰かに知らせよう。あなたにとってもっとも重要な目は誰の目だろうか?その目を通じて変えたい、あなたの行動は何だろうか?

 

  • user 内田
  • time 2024年6月22日
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レビュー『スティーブ・ジョブズⅡ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スティーブ・ジョブズⅡ』ウォルター・アイザックソン 講談社

 

iPhoneなど数多くの革命的な製品を開発販売しているApple社創業者-スティーブ・ジョブズの伝記、下巻。

上下巻のⅡは、ジョブズがApple社をクーデターで終われ、ネクスト社を創ったところからはじまる。
しかし、ネクスト社はとてつもなくつまづく。製造したパソコンは他のハードとの互換性が無くマイクロソフトに市場を席巻され、企業向けワークステーションを作るがサン社に完敗し、まさにジョブズにとって苦しい時期であった。

一方でジョブズがいなくなったApple社も見るも無残な姿に成り下がった。1980年台に16%あったPCシェアは1996年には4%に下がり、一時期70ドルあった株価は14ドルとなり、10億ドルの赤字を出した。サン社などにその時のCEOが会社売却を目論んだが失敗もした。
ジョブズの友人であるオラクル創業者ラリーエリソンはジョブズに30億ドルを出すからAppleのCEOに戻ってくれと頼んだが、ジョブズは敵対的買収はしたくなく、断った。

その後、ピクサーを立ち上げ「トイストーリー」シリーズまで作り上げたジョブズは再びApple社へ呼び戻されることになる。

  • user 内田
  • time 2024年6月15日
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レビュー『大谷翔平~メジャー120年の歴史を変えた男』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大谷翔平~メジャー120年の歴史を変えた男』 ジェフ・フレッチャー 徳間書店

 

アメリカのエンゼルス担当の記者さんの著作という事で、読んでみました。
さすがアメリカの記者さんということで、よく対比されるベーブルースについての記述も詳細です。

エンゼルス前監督 ジョー・マドン
「翔平の本質は、野球そのものと試合を可能な限り楽しもうとする姿勢にある。負けたくない思いは誰よりも強い。同時に、謙虚で、礼儀正しく、優しい男だ。ある意味で古風な気質を備えているともいえよう。休養を取り払ったことが、翔平の大躍進につながった。あのような大成功が実現したのは、誰も横やりを入れて邪魔しなかったからだ。私がもっとも驚かされるのは、投手としての翔平の耐久力だ。打撃のほうでは大きな飛球を打ってくれると信じていたが、あれだけのイニングを投げてくれるとは思わなかった。」

・未来を引き寄せる夢ノート
大谷の母校-岩手県花巻東高校の監督、佐々木洋監督は、投げる打つだけにとどまらない野球を通じた人格形成のための育成プログラムを作り上げていた。入学した野球部員は、まずスポーツを通じてどのような目標を達成したいか、そのために何が必要か具体的に書き出す事を求められる。大谷が書いた目標は、日本のプロ野球でドラフト1位指名を受けることで、そのために必要な8つの要素を列挙した。さらに17歳で日本野球を飛ばして渡米する、から40歳の引退試合後に日本へ戻りアメリカ式ベースボールを日本に伝えるための役割を果たす、事まで事細かに書いていっている。

・日本ハムファイターズの決断
日本ハムファイターズはプロ入りせず渡米する意向であった大谷にあらゆる叡智を持ち込み、他の全ての球団が投手専念を求めるなか、二刀流を容認した。太平洋両岸のすべてのプロ関係者と同じく、日ハムスカウト部長大渕もまさか一人の選手が投手と打者の両方でトップレベルで成功できるとは信じてなかった。しかし、そんな大渕も大谷の姿を見て考えを変えた。「もし、ある人があらゆることのできる能力を備えているならば、私たちは彼に備わる才能を見極めて、技量を高める手助けをしなければなりません。ミケランジェロとかアインシュタインみたいなものですよ、ああいう人は芸術も科学も、すべてこなすことができるのですから。」
・未踏へのチャレンジ
大リーグに行っても大谷はすぐに活躍し、背も高く、あどけなさを残したイケメンで、超大物のセレブとなっていった。しかし、お金と地位を得て、スキャンダルを嗅ぎ回る報道陣に追われているにもかかわらず、大谷は球場を出ると寮の部屋に直帰し、休息をとり、次の日の試合に向けた準備を繰り返していたという。おそらくは、高校時代のトイレ掃除のおかげで謙虚な姿勢を保つことができたのだろう。大谷は特に2015年2016年にダルビッシュと合同トレーニングと食事から砂糖を排除し、白米に替えて玄米を食するようになり、大きく飛躍した。「この間に、食事について学んだことは大きかったですね。」ダルビッシュの理論と練習法を導入して、約1年後の大谷の回顧である。

 

 

 

  • user 内田
  • time 2024年6月8日
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レビュー『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』 光文社 東野圭吾

 

2024年発売の東野圭吾さんの新刊。
ミステリーっぽさもありながら、波瀾万丈な女性たちの人生ストーリーを、BARトラップハンドのマスターとともに描いた短編集。
お酒を飲むためのBARには日頃ほとんど行くことはないのですが、この小説を読んでいると行きたくなるので不思議です。
元プロマジシャンのマスター。
非常に洞察力があり、頭がよくお客の女性は結婚候補となりそうな相手を連れて来て査定をしてもらう。いつも女性の味方。
一つ一つの物語には意外な展開が待っていて、それぞれに心を動かす愛情が詰まっている。
人の人生には予想のつかない不条理とも言える事情が裏にある。
マスターの言葉は響きます。
大切な恋人が死んでしまった女性に掛けた、欠けがえのない友人が近くにいることを気づかせる言葉。
「何を幸せと感じるかは、人それぞれです。だけど、これだけは断言できます。人が生きていく上で助けとなるのは、失ったものではなく、手に入れたものです死んだ愛する人は帰ってこない。だけどあなたには、あなたのためなら血を流す覚悟を持つ友人がいる。それは素晴らしいことです。そうは思いませんか。」
  • user 内田
  • time 2024年6月1日
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レビュー『クライアントが喜べば、士業は儲かる』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クライアントが喜べば、士業は儲かる』古川晃 金風舎

行政書士である私は、既存のお客様から新たなお客様を紹介いただけるうえに、お会いした方からは「もっと早く出会いたかった」と言われます。なぜ、そう言われるのかというと、これまでの士業とは、クライアントとの寄り添い方が違うからです。
私自身は、これまでの士業とはまったく逆で、お客様と一緒に笑って、ムダ話ばかりしています。そうすると新たな取り組みを提案しようとした時、お客様へ気軽に「社長、こういう提案があるのですが、どうですか?」ということができるのです。
お客様から喜ばれる士業は、お客様がひとつの困りごとを言ったら、それに対して「いくつもの提案ができる人」です。そのためには、お客様から必要な話を引き出し、それに対するさまざまな提案ができるようなソリューションを用意しておかなければなりません。
士業のお客様の多くは、社長などの経営者です。普通の仕事では社長と会うことすら難しく、たとえ会ったとしても、何でも話してもらうことはできないでしょう。でも、社長は士業と面談すれば、何でも話してくれます。特に私たちの仕事は助成金や補助金の御紹介であるということもあり、社長が私たちの話を聞く耳を持って待っています。そういう状況で私たちが「お困りごとはありませんか」と聞けば、悩みを話してくれますし、「社長は将来、どうなりたいですか?」という話をすると、喜んで将来の夢を語ってくれます。そこにビジネスチャンスがあるのです。
士業が他の業種と比べて圧倒的に有利なのは、お客様の経営的な数字を見ることができることです。士業以外のコンサルタントの場合は、お客様と相対してじっくり話をしなければ、お客様の懐を開いてもらうことはできません。士業の場合は、手続き上で顧問先の決算書や従業員数などの数字が必要なことが多く、必然的に財務や税務、人事構成などを把握することになります。そこから、お客様自身が抱える課題が見てくるのです。これは「士業だけが持っている社会的信用」に他なりません。
その社会的信用にあぐらをかくのではなく、いかにお客様のために活用するかが重要なのです。私は、社会的信用を活用してお客様が喜ぶことは何かと考え、ソリューションを用意して、マーケットを創造すればいいと考えております。つまり士業は、「お客様からチャンスを引出して」そのチャンスを掴めるという、恵まれた立場にいます。私は、士業のように良い仕事は他にはないと思っています。
私は、ひとりのお客様にしっかり貢献して気に入ってもらい、次のお客様を紹介してもらうことにしました。こうして「人の力を借りられる」ようになってから、営業する必要がなくなりました。人の力を借りて生きていくことは大事です。そして、そうできるだけの人間力や人徳を磨いていくことが重要なのです。私はいつも、「目の前にいる相手は、何をしたら喜んでくれるだろう」と考えています。それを見つけて相手が喜んでくれると、私のことを好きになってもらえます。好きになってくれたら、私がお願い事をした時に相手は応えてくれるでしょう。
事務所の規模を拡大させなければ、有資格者を会社員として雇うことは難しいでしょう。事務所の規模を拡大するためには、当然ながら売上を増やさなければいけません。そう考えると、これまでの士業業務にしばられず、士業であるからこその優位性を活かしつつ、商材を増やしていく必要があるのです。そうすれば、売上はいくらでも増やすことができます。自社に様々な業務や商材があれば、その中からクライアントに合う商材を紹介してあげれば売上は増えます。税理士なら顧問税理士でありながら、営業マンにもなれるわけです。適宜、クライアントにとって最適と思うタイミングで、例えば決算時期なら「車を買いましょう」と勧めることができます。お客様の悩みを聞きながら、問題解決できるようなソリューションを用意しておくわけです。
現在、当社では担当者の売上の10%を本人の報酬として還元しています。今は歩合制ですが、今後は社員全員の報酬をベースアップしたいです。理想を言えば決算賞与で、みんなで売上を上げて、上がった賞与をみんなに分配するというチームプレイにしたいと考えています。チームプレイにしたい理由は2つです。1つは個人主義や歩合制の場合は「自分がよければいい」「クライアントのためではなく、自分のため」という人が出てきてしまいがちだからです。もう1つは、営業マンのように動くことが出来る人がいる一方で、事務員たちも当社にとっては欠かせない存在だからです。歩合制の場合には、事務員たちの活躍の場が減り、彼らが会社に居づらい状況を作ってしまいます。

 

  • user 内田
  • time 2024年5月25日
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